日本海軍重巡洋艦 高雄 1942年
「日本海軍重巡洋艦 高雄 1942年 (プラモデル) (ピットロード 1/700 スカイウェーブ W シリーズ No.W054 )」です
●帝国海軍の重巡洋艦「高雄」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット、1942年の状態が表現されています
●日本の重巡洋艦を代表する存在である「高雄型重巡洋艦」のネームシップである「高雄」を再現、大型の艦橋構造物を持つ独特のシルエットが表現されています【 「重巡洋艦 高雄型」について 】
●1929年に竣工した「妙高型」重巡洋艦は、列強の同クラスの重巡洋艦よりも強力な攻撃力を持つ傑作艦であり、この艦の登場により帝国海軍の重巡洋艦のスタイルが確立されました
●1932年に竣工した重巡洋艦「高雄」は、この「妙高型」重巡洋艦を改良した艦として建造され、武装などの配置は「妙高型」を継承したものとなっています
●最大の相違点は艦橋構造で、「妙高型」が戦隊旗艦(4、5隻程度の旗艦)程度の旗艦装備しか用意されていないのに対して、艦隊旗艦(10隻から20隻程度の旗艦)の設備を持っており、艦隊司令部とその要員を収納するために、10層で構成される巨大な艦橋構造物を持つ姿となっています
・ この「城」を想像させる巨大な艦橋のシルエットは、戦前の国民に強いインパクトを与え、連合艦隊を代表する艦の一つにもなりました
●また、魚雷兵装も「妙高型」の船体の側面に魚雷発射管を搭載する方式から上甲板上に設置された構造物に搭載する方式へと変更され、被弾時の誘爆によって船体に直接被害を受けないように改善されています
●1938年、「高雄型」重巡洋艦4隻は近代化改装が行なわれることとなり、先んじて「高雄」と「愛宕」の2隻の改装が着手されました
・ 1941年には、残る「鳥海」、「摩耶」の改装が予定されていましたが、開戦により中止されています
●この改装にあたっては、従来の帝国海軍の艦艇が兵装などの多さで艦の安定力を欠いていたことの見直しが行なわれ、「高雄型」の巨大な艦橋構造物がトップヘビーな状態を招いていると判断、この艦橋は一回り小型化されました
●対して、対空兵装は増強が行なわれ、新造時には「12cm 単装高角砲」が4基だったところを「12.7cm 連装高角砲」4基へと倍増、機銃類も追加されています
●そして、魚雷兵装も連装発射管4基を4連装発射管4基へと変更、魚雷攻撃力が格段に向上しました
●このような兵装の増強により安定力の低下を防ぐために、船体側面にはバルジが設置され、兵装とバルジにより、総排水量は2,000tも増加しています【 「重巡洋艦 高雄」について 】
●「高雄」は「高雄型」重巡洋艦の1番艦として1932年に竣工しました
●「高雄」は、日中戦争において各上陸作戦の支援などに従事、前述のように1938年から大規模な近代化改装が行われ、1939年に工事が完了しています
●太平洋戦争が開戦すると、「高雄」はフィリピンなどの上陸作戦の支援を行い、続いてジャワ島近海において連合軍側の駆逐艦などの艦艇を撃沈する戦果を上げます
●1942年6月には「ミッドウェー作戦」の陽動としての「アリューシャン作戦」に参加します
●1942年7月、アメリカ軍がガダルカナル島に上陸、以後半年間この地を巡って日米双方での激戦が繰り広げられました
●「高雄」は、「第2次ソロモン海戦」「南太平洋海戦」などに参加、更に「第3次ソロモン海戦」に投入されます
●この「第3次ソロモン海戦」は、ガダルカナル島のアメリカ軍の飛行場を夜間砲撃によって無力化を図る連合艦隊と、それを阻止しようとするアメリカ艦隊とが死闘を繰り広げ、1942年11月13日と同15日の2夜に渡って夜間戦闘が行われました
●「高雄」は、この第2夜の海戦に参加、第1夜の戦闘において連合艦隊はアメリカ巡洋艦隊に壊滅的ダメージを与えたものの、戦艦「比叡」を失うという損害を受けます
●第2夜では、当初の予定通り、飛行場の砲撃を目的とし、第1夜での損害を補填するために巡洋艦「高雄」と「愛宕」、駆逐艦数隻が合流しました
●対して、アメリカ軍は「ワシントン」「サウスダコタ」という2隻の新鋭戦艦を投入、第1夜と同じく両軍入り乱れての乱戦となりました
●日本側の攻撃は先を進む「サウスダコタ」に集中、「高雄」も同艦に向けて砲雷撃を繰り返し、命中弾多数により「サウスダコタ」は戦闘能力を失い、戦場から離脱します
●一方、アメリカ艦隊の攻撃は、第1夜に続いて参加した戦艦「霧島」へと集中、同艦には「ワシントン」の40cm主砲が次々と命中し、急速に戦闘能力を喪失して行きました
●結果的に、この海戦は日米双方の痛み分けとなりましたが、連合艦隊の目的であった飛行場への砲撃は行うことができず、以後ガダルカナル島の戦局は日本側の不利となる一方でした
●1943年2月、日米の戦いの中心であった「ガダルカナル島」からの撤退が決定され、「高雄」は撤退の支援に参加、その後、ブーゲンビル島、トラック島、ラバウルのラインが日本軍側の最前線となります
●1943年11月、そのラバウルに進出していた「高雄」は、アメリカ軍艦載機の空襲を受け、2発の爆弾が命中して中破、内地へと帰還、そして修理を受けます
●修理が完了すると、フィリピン南方にて航空隊の練成訓練中の空母機動部隊へと合流、決戦に備えました
●1944年6月、連合艦隊の艦載機航空兵力の全てを投入した一大決戦「マリアナ沖海戦」に参加、海戦自体は日本軍側の完全な敗北であり、戦力を消耗した航空兵力は再建の目途が立たない状態となります
●これにより、海上戦力しか持たない連合艦隊は、空母を囮として砲戦隊で敵にダメージを与えるという作戦「捷一号作戦」(レイテ沖海戦)を決行、「高雄」はその攻撃力が評価されて主力部隊である「栗田艦隊」に配備されます
●1944年10月、「栗田艦隊」は決戦のためにブルネイ島を出発、フィリピン西部のパラワン島沖においてアメリカの潜水艦2隻の雷撃を受け「高雄」は2発の魚雷が命中し大破、一時は航行不能に陥りますが、何とか自力航行ができる程度に復旧し、戦線を離脱します
・ この一連の潜水艦の攻撃により、僚艦「愛宕」、「摩耶」は沈没してしまいます
●「高雄」はブルネイを経てシンガポールに入港し、修理を受けますが、「レイテ沖海戦」の後は、制空権、制海権を失った連合艦隊には組織的な作戦を行なうことはできず、「高雄」はシンガポール防衛のための浮き砲台とされることが決定されます
●1945年7月、イギリスの特殊潜水艇により、艦底部に爆弾が仕掛けられて爆発が発生、しかし、「高雄」自体の損傷は軽微でした
●「高雄」は終戦時に残存、戦後はイギリス軍に引き渡され、1945年10月に爆破処分、その栄光の生涯に幕を下ろしました【 「日本海軍重巡洋艦 高雄 1942年」について 】
●この帝国海軍の重巡洋艦「高雄」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●ピットロード社が長年培ってきた艦船モデル技術により「高雄」を再現、ディテールを重視しながらもピットロードらしい堅実なモールドと造形により、同艦をシャープかつ表情豊かに表現した内容となっています
●「高雄」は太平洋戦争中、対空兵装の増強が繰り返されており、キットでは戦争開戦時の姿となる1942年時の状態を再現しています
●艦体喫水線までが再現されたウォーターラインモデルです
●「高雄」は、上甲板及び船体部の上下分割のパーツで構成されています
・ 船体部は左右分割式で、魚雷発射口、舷側の舷窓、外板継ぎ目、梯子などのモールドが彫刻されています
・ 船体部の魚雷発射管口は開口処理済み
・ 船体下面、魚雷発射管甲板は船体部に一体成型されています
●上甲板は、前部、後部、シェルター甲板、飛行甲板の4分割式となっています
・ 甲板上には、主砲塔台座、リノリウム押さえ、滑り止め、航空機軌条などの基本躯体の他、リール、ボラード、昇降口、天窓、通風筒などの細かなディテールが再現されています
●上甲板上の構築物となる「艦橋部」「主砲部」「高角砲部」「カタパルト部」「煙突部」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「高雄」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋は左右分割式で、前面と後面パネルは別パーツです
・ 羅針艦橋部は3層で構成
・ 艦橋構造物の艦橋窓枠、窓、扉、救命具などがモールドされています
・ 艦橋中層部の機銃スポンソンは一体成型にて再現
・ 艦橋部分を構成する、「6m測距儀」(×1)、「91式高射装置」(×2)、「4.5m高角測距儀」(×2)、「14式方位盤」(×1)、「25mm連装機銃」(×2)、「パラベーン」(×1)などがパーツ化
●メインマスト
・ メインマストは三脚檣型で、前後分割式です
・ マスト中央の電探探信室がマストに一体成型されています
・ マストに上部に設置された「方位測定器」は別パーツにて再現
● 煙突
・ 第1、第2煙突の本体部分は左右分割式で、トップは別パーツです
・ 側面の副管は別パーツとなっています
●後檣
・ 後檣は三脚檣型、トップは1本の単檣となっています
・ マストの三脚檣部分は前後分割式、上部の単檣とヤード部はそれぞれ1パーツで構成されています
・ 前部のクレーンは、上部トラスのモールドが彫刻されています
●機銃台座
・ 船体中央部の機銃台座は、後部の探照灯台座も含めて一体成型されています
・ 機銃台座を構成する「25mm連装機銃」(×4)、「110cm探照灯」(×2)がパーツ化
●探照灯台座、及び探照灯
・ 台座部分は甲板部に一体成型され、上部のスポンソン部は別パーツです
・ 「110cm 探照灯」×2が付属
●カタパルト「呉式2号5型射出機」 ×2
・ カタパルトは左右分割式となっています
・ カタパルトのトラス部分は精密な彫刻が施されています
・ 航空機用の台車が付属
●主砲塔部「50口径3年式 20cm連装砲E型」 ×5
・ 砲塔は、本体と測距儀との2分割式で、砲身は各1パーツで構成
・ 砲身部分には防水カバーが表現されています
●高角砲「40口径89式12.7cm連装高角砲」 ×4
・ 高角砲はシールド部分と砲身本体との分割式で、砲身部分は連装式に一体成型されています
・ 円形の高角砲台座がパーツ化
●魚雷発射管「92式61cm4連装発射管1型」 ×4
・ 魚雷発射管は一体成型されたパーツとなっています
●対空機銃
・ 25mm連装機銃 ×6
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 11m内火艇 ×2
・ 12m内火ランチ ×2
・ 9mカッター ×2
・ 8m通船 ×1
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ パラベーン
・ 菊花紋章
・ 航空機運搬台
・ リール
などがセットされています
●艦載機として
・ 零式水上偵察機 ×1
・ 零式水上観測機 ×1
が付属
●艦載機は、胴体、副翼、フロート、プロペラのパーツ分割です
●マストの軍艦旗、艦載機の日の丸マークなどを再現したデカールが付属しています