Sd.Kfz.173 ヤークトパンサー Ausf. G1 初期型
「Sd.Kfz.173 ヤークトパンサー Ausf. G1 初期型 (プラモデル) (ドラゴン 1/35 '39-45' Series No.6458 )」です
●第2次世界大戦末期におけるドイツ軍の駆逐戦車「ヤークトパンター」の「初期型(G1)」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●第2次世界大戦時における最優秀駆逐戦車と評される「ヤークトパンター」を再現、ワンピース式の砲身を装備し、戦闘室の装甲カラーが小さい「初期型(G1)」を再現した内容となっています
【 「Sd.Kfz.173 ヤークトパンター 」について 】
●ドイツ軍では第2次世界大戦の比較的早い時期から重火砲を搭載した対戦車自走砲の研究と実戦テストが行われており、その結果、砲火力だけではなく防御力にも優れた車両が望ましいとされました
●そして、「3号突撃砲」の実績と戦訓から、突撃砲のレイアウトを踏襲しながらもさらに対戦車戦闘に特化した「駆逐戦車」というスタイルが確立されるようになります
●これを踏まえて、「4号戦車」の車体をベースとした「4号駆逐戦車」と、「パンター」の車体を利用した「ヤークトパンター」の開発が同時進行で行われ、1943年10月には「ヤークトパンター」の試作車が完成し、制式化されました
・ 「ヤークトパンター」は、戦闘室天板部を含めて全面的に傾斜装甲が用いられ、前面装甲は80mm厚、側面装甲は50mm厚で、避弾経始に優れた形状により良好な防御力を持っていました
・ 主砲には「キングタイガー」の主砲と同じ性能を持つ「88mm対戦車砲 Pak43/3」を搭載、この砲は2000m~3000mの遠距離から連合軍の重戦車の前面装甲を貫くほどの高い威力を持っていました
・ また、機動性能に優れた戦車「パンター」の足周りとエンジンをそのまま転用した結果、最高速度46km/hという良好な機動力を見せ、「走」「攻」「守」のバランスが取れた最優秀駆逐戦車となりました
●「ヤークトパンター」は1943年12月から量産が開始されます
●しかし、この時期、戦車部隊の主力となっていた「パンター」自体が1両でも多く求められている状況であり、「ヤークトパンター」の生産は副次的なものとして月産10両程度という少数生産の時期が1944年の中頃まで続きます
・ スペック上は「パンター」より「ヤークトパンター」の方が優れており、生産コストも低かったのですが、旋回式の砲塔を持たない駆逐戦車は、防御戦闘には有利なものの攻撃戦には不適であり、用兵という点では制限の多い車両でした
・ 実際、戦車からこのような砲塔を持たない車両へと変更を余儀なくされた戦車兵は、運用の難しさを訴えており、駆逐戦車という車両は大戦当初にドイツ軍が描いた戦車用兵とは全く異となる存在だったようです
●「ヤークトパンター」の生産が月産50両を超えるようになったのは1944年末ごろで、そのために一定の数の台数が戦線に投入されたのは1944年12月の「アルデンヌ戦」頃からとなっています
●実戦での「ヤークトパンサー」は、その強力な主砲火力と良好な防御力によって多くの連合軍戦車を撃破、その優れた性能を誇示しました
●ただ、前述のように1コ中隊程度の少数で運用される場合が多く、さらに登場時期がドイツ軍の不利な戦況と重なったために、本来の性能を発揮できずに各個撃破されてしまう例も少なくはありませんでした
●なお、「ヤークトパンター」は、ドイツ軍の他の戦闘車両と同じく、生産中において戦訓や生産上の効率から改修が行われており、防盾の車体側の基部となる装甲カラー部が小さい「初期型」と、カラー部か大きい「後期型」とに大別されています(他にも排気管の違いなどの相違点があります)
●ただ、この「初期型」と「後期型」の車体レイアウトは、「パンター」の生産時期に合わせて「パンター A型」及び「パンター G型」に準じたものとなっていましたが、「最後期型(G2)」(1944年12月以降の生産型)ではエンジンルームが若干拡大されていたことが最近の資料によって判明しています
●これにより、「ヤークトパンター」は従来の「初期型」「後期型」の区別だけではなく、「G1」となる「初期型」「後期型」、そして「G2」となる「最後期型」に分類されています
【 「Sd.Kfz.173 ヤークトパンサー Ausf. G1 初期型」のキット内容について 】
●このドイツ軍の駆逐戦車「ヤークトパンター」の「初期型(G1)」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●車体の基本構造は一体成型のパーツを多用しながらも、車載工具類などは細分化したパーツで構成されており、平面を基調としたフォルムながらも装備品を中心に細かな造りとなる「ヤークトパンター 初期型(G1)」をディテール感豊かに再現した内容となっています
●「ヤークトパンター」は生産数は少ないものの生産時期が長かったことから仕様の変更が目立つ車両であり、本キットでは「ヤークトパンター 初期型(G1)」としての以下の仕様の車両が再現されています
・ 主砲は段差のないワンピース型
・ 戦闘室の装甲カラーは固定用のボルトがない小さなタイプ
・ エンジングリルのヒーターユニットは付かない
・ 排気管は、消炎排気管ではない通常型で、左側が3本となったタイプ
・ 仕様とは異なりますが、シュルツェンは付属していません
●「ヤークトパンター 初期型(G1)」は、「車体上部」「後部パネル」「車体下部」の3ブロックで構成されています
【 車体上部 】
●車体上部は、天板部分も含めて全てのパネルに傾斜が付けられた「ヤークトパンター」の車体レイアウトを再現、圧延鋼板のザラザラした表面、各部の溶接跡、そして防盾と装甲カラーの鋳造表現などが繊細な彫刻で再現されています
●ワンピース型の「88mm対戦車砲 Pak43/3」の砲身は一体成型のパーツで再現、マズルブレーキは別パーツ化しています
・ マズルブレーキは、本体、中央の間仕切り、先端部の3パーツで構成され、その内部構造も再現
・ 防盾は一体成型のパーツで再現、防盾(砲身)は完成後も上下に可動させることができます
●車体上部は、前部のフェンダーも含めて一体成型のパーツで再現され、装甲カラーと戦闘室天板は別パーツ化しています
・ 前部機銃のボールマウントは別パーツとなっています
・ 前方機銃は、7パーツで構成され、内側の構造も再現
・ 前部フェンダーの牽引フック用の切り掛け部は別パーツ化
・ 戦闘室後部のハッチは別パーツで、開閉状態を選択できます
・ 戦闘室後部にはゲベックカステンを装着することができます
・ 側面のフェンダーはそれぞれ1パーツで再現、シュルツェン固定具は個別にパーツ化されています(シュルツェンは付属していません)
・ クリーニングロッドケースは上下に分割したパーツ構成で、前後の蓋と上部の補強板は別パーツで再現しています
●戦闘室天板は一体成型のパーツで再現
・ 照準器カバーはパーツ上のモールドで再現
・ 各ハッチは別パーツされており、開閉状態を選択可能、内側のロック機能も別パーツ化して再現しています
・ 前後の回転式ペリスコープ、ベンチレーター、Sマイン発射機、ペリスコープガードは別パーツにて再現
・ ペリスコープ本体と照準器はクリアパーツです
・ 砲隊鏡用の小型ハッチは別パーツで開閉状態が選択可能、砲隊鏡のパーツも付属しています
●エンジンデッキ部分は、「パンター A型」ベースのレイアウト(G1)が再現されています
・ 冷却水注入口の蓋や通気口の装甲カバーなどは別パーツとなっています
・ エンジングリル部のメッシュを再現するエッチングパーツが付属しています
●車載工具類は、固定具も工具類パーツに一体で成型されており、これをブロックごとにパーツ化された取り付けベースへと接着します
・ 予備履帯ラックは一体成型のパーツで再現、固定ピン用の穴も再現しており、ピンは別パーツ化されています
・ ラックに装着する予備履帯は、裏側のガイドを一体で成型したパーツが付属しています(マジックトラック版)
【 後部パネル 】
●後部パネルは一体成型のパーツで再現、エンジン始動用カバー、冷却水口などがモールドで再現されています
・ 排気管は、車体左側が3本のタイプ、右側は1本のタイプとなります
・ ゲベックカステン(雑具箱)は、前後に分割したパーツで構成されています
・ 尾灯、車間表示灯、牽引装置などは別パーツ化され、車間表示灯のライト部分はクリアパーツです
【 車体下部 】
●車体下部は、「パンター」戦車のトーションバー構造を再現、サスペンションアームはそれぞれ個別に形状の違いが表現されています
●車体下部は、バスタブ状に一体成型したパーツで再現
・ サスペンションアームは別パーツ化されており、トーションバーが一体化して成型されています
・ 転輪は1枚ずつ個別にパーツ化
・ 起動輪は前後に分割したパーツで構成
・ 誘導輪は、前後に4分割したパーツで再現
【 履 帯 】
●履帯は、1枚ずつが分割された接着連結式履帯が付属しています
・ センターガイドの肉抜き穴も再現
・ センターガイド部が別パーツとなった履帯パーツも付属、起動輪の装着させる部分はこのパーツを使用します
・ 履帯は、接地部分にハの字状の滑り止めパターンが付いた「パンター」用の「後期型」履帯がセットされており、モデルカステン製「パンター戦車 後期型用履帯 (可動式)」がこれに対応しています
●ペリスコープ、照準器などを再現するクリアパーツが付属
●エンジングリルのメッシュなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 「ヤークトパンター初期型(G1)」の塗装とマーキング 】
●「ヤークトパンター初期型(G1)」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第654重戦車駆逐大隊 (フランス / 1944年)
・ 第654重戦車駆逐大隊 (フランス / 1944年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
・ デカールのプリントはカルトグラフ社製
【 「Sd.Kfz.173 ヤークトパンサー Ausf. G1 初期型」のパッケージ内容 】
・ ドイツ軍 駆逐戦車 ヤークトパンター初期型(G1) ×1
・ デカールシート ×1