日本海軍 高速戦艦 金剛 1944年10月
「日本海軍 高速戦艦 金剛 1944年10月 (プラモデル) (フジミ 1/700 特シリーズ No.旧023 )」です
●「日本海軍高速戦艦 金剛 1944年10月」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●帝国海軍の高速戦艦「金剛」を再1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット、1944年10月の「レイテ沖海戦時」の状態を再現した内容となっています【 高速戦艦「金剛」について】
●日露戦争以降、帝国海軍が新造する艦艇は日本国内で建造されました
●しかし、1906年に竣工したイギリスの戦艦「ドレッドノート」は、主砲、副砲、中間砲という多種の砲を搭載する従来の戦艦形式とは異なり、主砲を主体とした武装配置により高い攻撃力を持ち、この艦の登場により、それまでの艦は一挙に時代遅れとなります
・ これまでの戦艦は「前ド級艦」、「ドレッドノート」と同等な性能の艦を「ド級艦」、そして主砲を中心線配置として更に砲撃力が向上した艦を「超ド級艦」と呼びます
●帝国海軍はこの事態を踏まえ、1911年に新型の巡洋戦艦「金剛」の建造を当時同盟関係にあったイギリスへと発注、これにより「超ド級艦」の建造技術の獲得を図り、1913年に竣工しました
・ イギリスから取り寄せた「金剛」の設計図を元にして、日本国内でも「榛名」、「霧島」、「比叡」の3隻の「金剛型巡洋戦艦」の建造が開始されています
●これにより建造された「金剛型巡洋戦艦」の4隻は、当時世界最強の艦隊と言われ、第1次世界大戦においては、イギリス海軍から借用の要請があったほどです
・ 「巡洋戦艦」は、一般的には戦艦よりも格下と見られますが、当時は「戦艦の火力」と「巡洋艦の速力」を兼ね備えた、戦艦よりも上位の艦とされています
●当時の艦の建造技術と、艦の能力の発達は著しいものがあり、1920年から1930年にかけて「金剛型巡洋戦艦」は第1次近代化改装を実施、これにより主砲の射程が伸び、防御力が強化され、機関出力も向上しましたが、速力は低下したために従来の巡洋戦艦から戦艦へと艦種が変更されました
●しかし、1933年から実施された第2次近代化改装では、大幅な機関出力の増強と、艦尾の延長化が行なわれ、30ノットという速度を発揮する高速戦艦として生まれ変わります
●この高速性能は、空母機動部隊の護衛や、作戦運用上から駆逐艦との連携が行い易く、太平洋戦争では実質的な戦艦戦力の主力として奮戦したのでした
●太平洋戦争の開戦すると、「金剛」は僚艦「榛名」と共に南方攻略作戦の支援部隊の主力として行動、フィリピンなどの上陸作戦の支援に当たります
●その後、機動部隊に編入されてインド洋沖海戦に参加、この海戦では「金剛型」高速戦艦の4隻が揃った最後の舞台となりました
●「ミッドウェー作戦」での「金剛」は、ミッドウェー島への「攻略部隊」として参戦、しかし、先鋒としての空母機動部隊が壊滅したことで作戦は中止され、「金剛」は帰路の途に着きます
●1942年10月、「金剛」は「榛名」と共に挺身攻撃隊としてガダルカナル島沖へと突入、同島のヘンダーソン飛行場に砲撃を加え、同飛行場の機能を一時的にマヒさせ、アメリカ軍側に大きな損害を与えました
・ 同年11月に同様な作戦によってガダルカナル島沖に突入した僚艦「霧島」、「比叡」は、アメリカ艦隊と壮絶な夜間砲撃戦を展開、3日間の戦闘でアメリカ艦隊に大きな損害を与えますが、両艦共に沈没してしまいます
●「金剛」は、その後に空母機動部隊の直衛艦となりますが、肝心の空母は艦載機の損失が大きく、戦力の補充と搭乗員の練成に時間が取られ、出撃の機会もないままに時は過ぎて行きました
・ この間、「金剛」は対空兵装の増強などの改装を受けています
●1944年3月、連合艦隊がその持てる航空兵力の全てを投入した「マリアナ沖海戦」が発生、「金剛」も機動部隊の護衛として参加します
●しかし、彼我の戦力の差は圧倒的で、海戦は完全な日本軍側の敗北となり、多くの戦力を失いました
●1944年10月には、フィリピンのレイテ島にアメリカ軍が上陸、フィリピンを失うことは南方からの物資の輸送路を失うことを意味しており、連合艦隊は総力を挙げてアメリカ艦隊の撃滅を図ります
●この時期には連合艦隊の航空兵力では決戦を挑む力は無く、空母機動部隊は囮として行動、敵機動部隊の注意を惹き付けている間に砲撃艦隊がレイテ島沖に突入し、アメリカの上陸艦隊の撃滅を狙いました
●「金剛」は、砲撃部隊の主力である「栗田艦隊」へと編入、同艦隊は数度の空襲と潜水艦の攻撃による落伍艦を出しながらもレイテ島沖に到達、遂に護衛空母から成るアメリカ機動部隊を捉えました
●アメリカ機動部隊は、煙幕を展張しながら回避、艦載機を緊急発進させて必死に防戦に努めますが、「金剛」が中心となって護衛空母「ガンビア・ベイ」を撃沈します
●しかし、アメリカ機動部隊の護衛の駆逐艦による捨て身の攻撃や、航空機による攻撃により損害が続出、散々となった艦隊を集合した「栗田艦隊」はUターンして戦場を離脱しました
・ このUターンの理由は諸説有りますが、明確な理由は判明していません
●「栗田艦隊」は一旦、ブルネイに帰投すると、内地に向けて出航しますが、台湾沖にてアメリカ潜水艦の攻撃を受けます
●「金剛」は、2発の魚雷が命中、当初は通常に航行していましたが、浸水により徐々に傾斜、遂には転覆を起こし、最期を遂げました【 「日本海軍高速戦艦 金剛 1944年10月」のキット内容について】
●この帝国海軍の高速戦艦「金剛」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●シャープなモールドにより戦艦「金剛」を再現、同社「特シリーズ」の特徴である細部に渡ったディテール表現力により、実艦の細かで複雑な作りが表された内容となっています
●また、日本の戦艦の特徴である積み上げ式の艦橋や、探照灯などの台座のトラス構造が織り成す複雑な形状、そして長い船体を持つスマートな艦形など、帝国海軍の実質的な主力戦艦として戦った「金剛」の持つ魅力を味わうことができるでしょう
●「金剛」は太平洋戦争開戦後も度々対空兵装の増強が行なわれており、キットは1944年10月の「レイテ沖海戦」時における最終時が表現されています
●艦体喫水線までが再現されたウォーターラインモデルです
●「金剛」の船体部は上下分割式で、これに上甲板、上部構造物、各艤装類を取り付ける構成となっています
●船体部には、副砲塔甲板が一体成型され、細部では舷側の舷窓、閉塞された舷窓、舷外電路、フェアリーダー、アンカーレセス、梯子などが再現、バルジ部分も表現されています
・ 舷窓上部には雨樋がモールド再現
・ ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属、オモリとなるバラストも付属しています
●上甲板は、一体成型となっており、航空機甲板が別パーツとなっています
・ 甲板上には、主砲塔台座、木甲板表現などの基本躯体の他、単装機銃の防御板、アンカー導板、ボラード、昇降口、リール、ボート架台、通風筒などの細かなディテールが再現
・ 増設された機銃座のブルワーク、弾薬箱もモールドにて再現
・ 艦載機用甲板には、リノリウム押さえ、航空機用軌条、ターンテーブルのモールドが彫刻されています
●上甲板上の構築物となる「艦橋部」「主砲部」「測距儀台座部」「煙突部」「後部構造物」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「金剛」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋は9層で構成され、トップには94式方位盤、94式測距儀が別パーツとなっています
・ 艦橋構造物の各艦橋の窓の枠がモールドされています
・ 艦橋を構成するための前檣楼支柱(3本)が別パーツ化されています
・ 艦橋部分を構成する、21号電探(×1)、22号電探(×2)、94式4.5m測距儀(×2)、25mm連装機銃(×2)、25mm3連装機銃(×4)、60cm探照灯(×2)などがパーツ化されています
● 煙突
・ 本体部分は左右分割式で、上部の雨水カバー金網が別パーツとなっています
・ 雨水カバー金網は開口処理されています
・ 各副管は別パーツとなっています
・ 煙突部の探照灯、高角砲、機銃の各台座は、ブロックごとにパーツ化されています
・ 探照灯、機銃台座の支柱部分は、シャープなモールドによりトラス構造を再現、開口処理されています
・ 110cm探照灯(×4)、25mm連装機銃(×2)、25mm3連装機銃(×4)が付属しています
●測距儀台座部
・ 艦体中央部の測距儀台座部は、台座部分が5パーツで構成、台座の支柱のトラス構造が再現されています
・ 測距儀が別パーツにて再現
●後部艦橋
・ 後部艦橋は左右分割式で、機銃台座、方位盤が別パーツです
・ 側面には舷窓、扉などがモールドされています
・ 25mm3連装機銃(×2)が付属
●後檣
・ 後檣は、下部が3脚檣型で上部は単檣型、中央部のヤードは別パーツ化されています
・ 下部に存在する高角砲台座がパーツ化
・ 前方に取り付けられるクレーンは、滑車やフックなども表現されています
・ 12.7mm高角砲(×2)、13号電探(×1)が付属しています
●カタパルト「呉式2号5型射出機」 ×1
・ カタパルトは一体成型のパーツで、側面のトラス構造が再現されています
●主砲塔部「45口径毘式 36cm連装砲」 ×4
・ 主砲塔は上下2分割式で、砲身キャンバス受けなどが再現されています
・ 測距儀は別パーツとなっています
・ 砲身部分は1本づつの分割式で、スライド式金型により砲口が開口処理済み、防水布が再現されています
●副砲「50口径毘式 15cm単装砲」 ×8
・ 砲塔部分と砲身部とは一体成型となっており、砲身基部の防水布が再現されています
●高角砲「40口径89式 12.7cm連装高角砲(A1型)」 ×6(後檣部含む)
・ 高角砲はシールド部分と砲身本体との分割式で、砲身部分は連装式に一体成型されています
●対空機銃
・ 25mm 連装機銃 ×4(艦橋、煙突部に配置)
・ 25mm 3連装機銃 ×20(艦橋、煙突、後部艦橋部を含む)
・ 25mm 単装機銃 ×29
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 12m内火艇 ×2
・ 12m内火ランチ ×2
・ 9mカッター ×3
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 菊花紋章
・ 応急舵
・ クレーン
・ 塵芥投棄管
・ 舷々門
などがセットされています
●艦載機として
・ 零式水上観測機 ×2
が付属、クリアーパーツで成型されています
●艦尾の軍艦旗(直線タイプとなびいている状態の2種)、艦載機の日の丸マークを再現したデカールが付属しています
●2008年 完全新金型