日本潜水艦 伊370・伊68
「日本潜水艦 伊370・伊68 (プラモデル) (ハセガワ 1/700 ウォーターラインシリーズ No.432 )」です
●太平洋戦争時における帝国海軍の潜水艦「伊370」と「伊68」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット【 「伊68」について 】
●帝国海軍では潜水艦を水上排水量によってクラス分けしており、1000t以上が1等潜水艦「伊号」、500t~1000tが2等潜水艦「呂号」、500t以下が3等潜水艦「波号」となります
●潜水艦が出現した当初、帝国海軍は他国の海軍と同様に潜水艦を重要視していませんでしたが、第1次世界大戦時のドイツ海軍の潜水艦「Uボート」の活躍により潜水艦の能力に注目、艦艇数が劣る日本にとって艦隊戦を有利に進める戦力として開発が進みました
●これにより、1910年代後半に建造された海軍中型潜水艦「海中型」の「5型」(クラスは「呂号」)により帝国海軍の潜水艦は世界的な一定の水準に達しました
●ただ、帝国海軍では潜水艦を「Uボート」のような通商破壊に使用することはあまり意識されず、艦隊決戦用の兵器として見ており、「海中型」では大きさの関係により、速度、航続距離に限界が見え、より大型として性能向上を図ったのが海軍大型潜水艦「海大型」(クラスは「伊号」)です
●この「海大型」は、1924年から1938年までの間に「1型」~「6型b」が建造されました
●「伊68」は、この「海大型」の「6型a」で、同型は船体の大きさを活かして9000馬力の大型のディーゼルエンジンを搭載、水上での最大速度は23ノットと高速を発揮しました
●同艦は、「海大型」の「6型a」の1番艦として1934年に竣工、太平洋戦争の開戦時には航続距離の長さを活かして「ハワイ作戦」に参加しています(1942年5月に「伊168」に改名)
●1942年6月には「ミッドウェー海戦」に参加、連合艦隊司令部から大破していたアメリカ空母「ヨークタウン」を撃沈する命令を受けます
●「ヨークタウン」は航行不能な状態まで損傷を受けており、アメリカ軍は護衛の駆逐艦により厳重な対潜態勢を取っていましたが、「伊168」は優れた戦術によって攻撃を回避、「ヨークタウン」を撃沈する任務を達成しました
●その後、「伊168」は輸送任務などに就いていましたが、1943年7月にアメリカ潜水艦からの攻撃を受け被雷、その最期を遂げています【 「伊370」について 】
●帝国海軍では輸送型の潜水艦の建造計画が太平洋戦争以前から存在していましたが、その計画が具現化したのが1942年6月の「ミッドウェー海戦」以後で、更に同年7月以降のガダルカナル戦では離島への輸送手段として潜水艦が注目されるようになります
●この輸送任務専用の潜水艦は「丁型」と呼ばれ、建造が急がれましたが、設計の途中で仕様変更が度々行われ、その1番艦である「伊361」が竣工したのは1944年5月となりました
●「丁型潜水艦」は、艦内に65t、艦外には20t程度の物資を搭載することが可能で、戦争後期における絶対的な敵制空権、制海権下にある島嶼への輸送任務に活躍を見せます
●また、その輸送能力を活かして人間魚雷「回天」の搭載母艦としても運用が行われています
●「伊370」は、「丁型潜水艦」の10番艦として1944年9月に竣工、1945年2月には「回天」を搭載して日米で激戦が繰り広げられていた硫黄島方面に出撃します
●しかし、浮上航行中をアメリカ軍の駆逐艦にレーダーで探知され、回避のために潜航中のところを執拗な爆雷攻撃を受けて損傷し、戦没しています
【 「日本潜水艦 伊370・伊68」のキット内容について 】
●この帝国海軍の潜水艦「伊68」と「伊370」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●ハセガワ社のウォーターラインシリーズのフォーマットに則り「伊68」と「伊370」を再現、潜水艦の特徴となる舷側の排水口や甲板上のハッチ類、艦橋窓枠などがシャープかつ繊細なモールドで表現された内容となっています
●キットは、喫水線から上の部分が再現されたウォーターラインモデルです
●「伊68」と「伊370」は、甲板とが一体化された船体部と船底部との上下分割式となっています
●船体部には舷側の排水口、上部の各ハッチ、波除け、各種収納口などがモールドされています
・ 安定板、プロペラガード、デリック、主砲、機銃、カッターなどがパーツ化
●ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属、オモリとなるバラストも付属しています
●艦橋構造物は、「伊68」は左右分割式で、「伊370」は一体成型となっています
・ 「伊68」の艦橋には艦橋の窓枠、梯子などがモールドされています
・ 潜望鏡、方位測定器、双眼鏡などがパーツ化
●「伊370」に搭載する人間魚雷「回天」(×5)が付属
●キットには、静岡模型教材協同組合「小艦艇兵装セット」のランナーが1枚付属しており、主砲、機銃などは同ランナーのパーツを使用します
●艦尾の軍艦旗、艦番表示、日の丸マークなどを再現したデカールが付属しています