日本航空母艦 隼鷹
「日本航空母艦 隼鷹 (プラモデル) (タミヤ 1/700 ウォーターラインシリーズ No.212 )」です
●「日本航空母艦 隼鷹 (じゅんよう)」です
●太平洋戦争時における帝国海軍の航空母艦「隼鷹」を1/700のスケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●商船改造空母として最も活躍した航空母艦「隼鷹」を再現、正規空母と比べて太い船体ながら、当時の最新鋭設計であった煙突一体型の大型の島型艦橋を持つ、勇壮な姿が表現されています【 航空母艦「隼鷹」の内容について 】
●帝国海軍は、戦時において航空母艦に改造することを前提とした優秀な客船、もしくは貨客船の建造を推奨し、その建造の際には補助金を提供するという政策を採りました
●日本郵船の「橿原丸」は、そのような海軍の方針の元で計画され、排水量27,700t、最大速力24ノットという性能を持ち、サンフランシスコ航路に就航する豪華客船として1939年に建造が開始されました
・ 同型の船として「出雲丸」も建造が開始されています
●しかし、1940年ともなると、日本を取り巻く環境は戦時色が強くなり、同年10月には「橿原丸」の客船としての建造を中止し、海軍が買い取ることで、航空母艦への建造及び改装工事へと変更が行なわれました
●1942年5月、「橿原丸」は「隼鷹」と改名して航空母艦として竣工します
・ 「出雲丸」は「飛鷹」として1942年7月に竣工しました
●「隼鷹」は、改造空母という関係から、その速度は25.5ノットと正規空母と比べて鈍足でしたが、排水量27,500tという中型の航空母艦「蒼龍」クラスを遥かに凌駕する大型空母であり、搭載機数も常用48機、補用10機を搭載する収容力を持っていました
・ 大型の船体の割りに搭載機数が少ないのは、当初から航空母艦として設計されていない改造空母だからで、そのような改造空母の中では「隼鷹」、「飛鷹」は最大の搭載機数を誇っています
●また、「隼鷹」は改造空母であったために充分な防弾装備が行なわれておらず、その防御力は正規空母よりも劣りましたが、当時最新鋭の艦橋設計を持ち、竣工直後の同年7月には艦橋上に電探が装備されました
●「隼鷹」は、竣工後直ぐに連合艦隊の航空戦隊に編入、1942年6月の「ミッドウェー海戦」では、陽動作戦となるアリューシャン方面への攻略作戦に参加します
●1942年には同型艦「飛鷹」とともに「第2航空戦隊」を編成しソロモン海域に移動、「南太平洋海戦」に投入されて、その航空戦力はアメリカ空母「ホーネット」を撃沈する原動力となりました
●その後、「ガダルカナル島撤退作戦」などに従事、以後搭載されていた航空隊はラバウル方面などの陸上基地へと転用されてしまい、「隼鷹」は南方への輸送任務に就くこととなります
●1944年6月、「隼鷹」は連合艦隊の航空戦力の全てを投入した「マリアナ沖海戦」に参戦、この戦いに際して連合艦隊は、正規空母3隻と改造空母6隻を投入し、中型の正規空母なみの搭載機数を持つ「隼鷹」は、この航空戦力の中核的存在となります
●しかし、この「マリアナ沖海戦」の時点では、アメリカ軍の空母機動部隊の戦力と、航空機の性能は以前と比べて格段に向上、加えて艦船の高角砲には対空用の近接信管「VT信管」も装備され、破格の対空を擁していました
●対して、連合艦隊の航空戦力は度重なる消耗戦により、搭乗員の練度は低下しており、投入戦力の差以上に実戦力に差が有りました
●この海戦での結果は、日本側の完全な敗北となり、「隼鷹」も航空攻撃により2発の爆弾を被弾、発着艦が不能となる損害を受けます
●この「マリアナ海戦」の敗北の結果、事実上航空母艦に搭載できる航空隊は失われ、「隼鷹」は本来の航空母艦としての任務ではなく、各種の輸送任務へと従事します
●1944年12月、アメリカ潜水艦による雷撃を受けて損傷、佐世保に回航されて修理が行なわれましたが、この頃には航空母艦で運用できる航空隊はすでに無く、再び出撃する機会は有りませんでした
●「隼鷹」は、終戦時に残存、戦後の1946年に解体されています【 「日本航空母艦 隼鷹 (じゅんよう)」のキット内容について 】
●この帝国海軍の航空母艦「隼鷹」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●航空母艦「隼鷹」をシャープ且つ実感豊かに再現、商船ベースの太い船体ながら、正規空母に劣らないシャープさを持つシルエットが表現されています
●1973年に登場した古い製品ですが、ウォーターラインシリーズの前期(外国艦艇シリーズが登場する以前)の傑作キットであり、タミヤが当時のプラスチックモデル成型技術と造形力をフルに発揮、そのキレの在るシャープなモールド、模型としての表現、そして作り易さと完成後の満足感は現在においても決して劣らない内容となっています
●また、エレベーターを下げて格納庫内部が表現することも可能であり、模型としての楽しさや可能性も感じることができます
●「隼鷹」は逐次対空兵装の増強が実施されており、本キットは「マリアナ沖海戦」時の姿を再現しています
●艦体喫水線までが再現されたウォーターラインモデルです
●「隼鷹」の船体部は上下分割式で、これに船首甲板、飛行甲板、後部機銃座などを取り付ける構成となっています
●船体部には、格納庫側面が一体成型されています
・ 船体部には、スポンソン部の支柱の他に、舷外電路、舷側の舷窓、閉塞された舷窓、梯子、副錨、塵捨管などの細部が再現
・ ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属、オモリとなるバラストも付属しています
●船首部分パーツには、滑り止めの表現の他にアンカーチェーン導板、ボラードなどの細かなディテールが再現されています
・ 船首甲板の先端部には、機銃座のモールドが再現
●飛行甲板は、着艦表示灯も含めて一体で成型されており、エレベーター部分は別パーツとなっています
・ 前方の機銃スポンソン、噴進砲スポンソン、兵員用のスポンソンが一体成型されています
・ 飛行甲板上には、木甲板と鉄甲板、滑り止め表現の他に、遮風柵、着艦制動装置、滑走制止装置、甲板上に描かれた表示線などがモールドされています
・ 前後に存在する飛行甲板支柱は、それぞれ別パーツとなっています
・ エレベーターの下部には2段式格納庫の一部と、エレベーター部のディテールが再現され、エレベーター部を下げた状態を再現することができます
・ エレベーター本体は、下層まで下げた状態と1段目の格納庫部分に下げた状態とを選択可能です
「隼鷹」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋の下層部は左右分割式で、これに上部のデッキ部を積み上げる構成となっています
・ 艦橋の窓の部分は別パーツで、シャープな彫刻により窓枠がモールドされています
・ 艦橋側面には舷窓や梯子、配管などがモールドされています
・ 21号電探、方位測定アンテナ、測距儀、探照灯が別パーツにて再現
●マスト基部は三脚楼型で、前後分割式となっています
● 煙突
・ 本体部分は上下2分割式となっており、トップが別パーツとなっています
・ 煙突の表面上には梯子、足掛けなどがモールドされています
●通信マストは各1パーツで構成されています
●後檣は三脚楼型で、前後分割式となっています
・ 後檣に付けられた13号電探は別パーツです
●機銃用スポンソンはブロックごとに別パーツとなっており、下面の補強板が一体成型で1枚ずつ再現
・ スポンソン部の支柱は船体部分に一体成型されています
●高角砲「40口径 89式 12.7cm連装高角砲(A1型)」 ×6
・ 高角砲は、連装式に一体成型された砲身部と、砲架部との2パーツで構成されています
●対空機銃
・ 25mm 連装機銃 ×2
・ 25mm 3連装機銃 ×20
●噴進砲
・ 12cm 28連装噴進砲 ×6
・ 噴進砲は、架台部分がスポンソンと共に飛行甲板に一体成型され、砲部分が別パーツとなっています
●艦載機
・ 艦載機は、静岡模型教材協同組合製「日本航空母艦搭載機 後期セット」のランナーが1枚付属しています
・ 各艦載機は一体成型となっています
●艦載機内容
・ 零式艦上戦闘機52型 ×6
・ 「彗星」艦上爆撃機 ×4
・ 「流星改」艦上攻撃機 ×1
・ 「天山」艦上攻撃機 ×4
・ 「彩雲」艦上偵察機 ×1
●内火艇、カッターなど
・ 内火艇 ×2
・ 13m特型運搬船 ×2
・ カッター ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨
・ 菊花紋章
・ 測距儀
・ 射撃指揮装置
・ 探照灯
・ クレーン
・ 21号電探
などがセットされています
●静岡模型教材協同組合製「大型艦兵装セット」のランナーが2枚付属しており、艤装類は同セットのものに変更することも可能となっています
・ 同セット用に艦載機の日の丸マークを再現したデカールが付属しています
●軍艦旗(直線タイプとなびいているタイプ)を再現したシールが付属しています