旧日本海軍 敷設艦 津軽 1944年
「旧日本海軍 敷設艦 津軽 1944年 (プラモデル) (フジミ 1/700 特シリーズ No.旧027 )」です
●「旧日本海軍敷設艦 津軽 1944年」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●帝国海軍の近代的敷設巡洋艦「沖島」の準同型艦の「津軽」を再現したキットで、対空兵装が強化された1944年の状態が表現されています
●練習巡洋艦「香取級」と似た船体に機雷投下用の軌条と艦尾に4個の敷設口を持つ「津軽」を再現、主砲として「12.7cm連装高角砲」を装備し、対空機銃を多数配置した力強い姿を楽しむことができるでしょう
●キットは、同社「旧日本海軍敷設艦 津軽 1941年」のバリエーションキットで、電探や対空機銃などのパーツを追加した内容となっています
●敷設艦とは、機雷を敷設するために作られた艦艇です
●「機雷」は、19世紀後半、アメリカの南北戦争時頃から使われ始めた兵器であり、敵の艦艇の航路や港湾部に敷設され、敵艦艇を撃破もしくは行動を阻害するために用いられました
・ 「機雷」の仕組みは、機雷本体と海底に置かれた繋維装置で構成され、本体は水面下の位置に固定、艦艇の弱点である艦底部を破壊、浸水により撃沈する方法でした
・ 「機雷」は、この機雷本体と繋維装置が1セットで、通常は船から海上に落とされ、投下後は繋維装置が海底に着底すると、自動的に繋留ワイヤーの長さが調節されるようになっていました
・ 「機雷」の敷設は、水上艦艇もしくは専用の潜水艦で行なわれ、第2次大戦後期では航空投下の方式も行なわれるようになります
●この「機雷」による戦果は南北戦争において証明され、この時は24隻の艦艇が沈没、これ以降の戦いにおいても「機雷」が活用されるようになります
●日露戦争においては、帝国海軍が敷設した機雷によりロシア太平洋艦隊の旗艦である戦艦「ペトロパブロフスク」が撃沈、逆にロシア側の機雷により帝国海軍の戦艦「初瀬」「八島」が沈没、両軍共に「機雷」による大きな損害が生じています
●ただ、「機雷」自体は直接攻撃兵器ではないために、その敷設にあたっては速力や攻撃力の必要性は少なく、各国は貨客船などを改造してその任務に当てることが多かったようです
●帝国海軍でも同様の船舶(特設敷設艦)や旧式の艦艇を利用していましたが、そのような艦艇では敵艦に見つかった際の反撃能力が乏しく、船体の大きさに比べて搭載する機雷の量が少ないなどの無駄が発生するために、専用の艦艇の必要性が検討されることとなりました
●そこで誕生したのが1929年に竣工した2000tクラスの「厳島」、1930年竣工の1100tクラスの「八重山」の2隻の敷設艦で、更にその能力を向上させた本格的敷設艦として「沖島」が1936年に竣工します
●この「沖島」は、排水量4000tで、14cm連装砲を2基装備、機雷の搭載量は500個、偵察用として水上機を1機搭載するなど、これまでとは異なる敷設巡洋艦としての能力を誇りました
●また、甲板上には2基の機雷投下軌条、艦尾部分には機雷投下口を持ち、投下した機雷がスクリューと接触しないように艦尾部が喫水線上から大きく張り出しているのが特徴です
●「津軽」は、「沖島」の準同型艦で1941年に竣工、「沖島」の性能向上型となっており、艦尾の機雷敷設口を4個に増加、機雷の搭載数も600個に増えています
●そして、同艦は対空兵装の向上が図られ、主砲は「12.7cm連装高角砲」2基へと変更、対艦攻撃能力としての砲の威力は低下しましたが速射能力で上回り、「沖島」の「8cm単装高角砲2基」よりも対空能力は遥かに強力となりました
●同艦は、敷設艦としてだけではなく、航空基地への補給能力も持っており、航空機燃料などの燃料タンク、弾薬庫などを装備し、輸送艦としての役割を兼ねることができるのも特徴でした
●「津軽」は、太平洋戦争の緒戦において、グアム、ラバウルなどの南方の攻略作戦に参加しました
●1942年3月にはニューギニアのラエ付近で爆撃により損傷しますが、同年5月の「珊瑚海海戦」にポートモレスビー攻略部隊として参加、そして、ガダルカナル島輸送作戦など、ソロモン方面での輸送任務に活躍しました
●同艦は、その後も爆撃により損傷、内地へ修理に戻った際に対空兵装の強化が行なわれ、水上機用のカタパルトも廃止されて、機銃座への変更が行なわれました
●1944年1月、「津軽」はマレー半島西岸のペナン港の沖に機雷を敷設、これは当時マラッカ海峡付近に出没し始めたイギリス潜水艦に対処するもので、これが同艦の初めての機雷敷設となります
●同年3月、ボルネオとフィリピンとの間のバラバック海峡に機雷を敷設、この機雷によりアメリカ潜水艦「ロバロ」と「フライアー」が沈没しています(他の要因の可能性も有り)
●その後、「津軽」は数度の機雷敷設を実施、1944年6月にはニューギニアのビアクに上陸したアメリカ軍を撃退するために逆上陸部隊を載せた船団を編成し、その部隊をビアク近くのソロンに上陸させます
●その帰路の途中、空襲による退避行動中に潜水艦の雷撃により損傷、近くの港において応急修理を行い、フィリピンのキャビテ港での本格修理に向けて出航しますが、6月29日モロタイ島付近においてアメリカ潜水艦「ハーダー」の雷撃を受けて再び被雷、艦首部分の浸水が止められずに沈没し、その生涯を閉じています
●この帝国海軍敷設艦「津軽」の「1944年の対空兵装強化時」を再現したプラスチック組立てキットです
●帝国海軍を陰から支えた敷設艦「津軽」をシャープに再現、ユニークな艦形を持つその姿は連合艦隊コレクションの中でも独特の存在感を放つことでしょう
●艦体喫水線までが再現されたウォーターラインモデルです
●「津軽」の船体部は左右分割式で、これに上甲板、各種構造物を取り付ける構成となっています
●船体部には舷窓、錨収納部などの彫刻が施されています
・ 艦尾の機雷敷設口部分は別パーツで再現
・ ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属、オモリとなるバラストも付属しています
●上甲板は一体成型となっています
・ 甲板上には、主砲塔台座、中央機銃台座、リノリウム押さえ、滑り止め、機雷投下用軌条の他に、リール、ボラードなどの細かなディテールが再現されています
●上甲板上の構築物となる「艦橋部」「主砲部」「カタパルト部」「煙突部」「後部構造物」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「津軽」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋部は3層で構成され、トップには測距儀が別パーツにて再現
・ 羅針艦橋の窓枠がモールドで再現されています
・ 艦橋の各デッキには舷窓、扉などがモールドされています
・ 艦橋部分を構成する、60cm探照灯(2基)、8cm単装高角砲(2基)などがパーツ化されています
●メインマスト
・ メインマストは三脚檣型となっており、後部パーツに前部の支柱を取り付ける構成です
・ トップに取り付けられた「21号電探」が別パーツで再現
● 煙突
・ 本体部分は左右分割式で、煙突トップ部は別パーツ化、雨水カバーがモールドで再現されています
・ 煙突台座部分のデッキは各パネルを貼り合わせる箱組み方式で、舷窓などが再現
・ 台座上の探照灯台、110cm探照灯、通風筒、方位測定アンテナ、8cm単装高角砲(2基)などがパーツ化されています
●後檣
・ 後檣は三脚檣型、トップは1本の単檣となっています
・ 後檣の台座部分のデッキの側面部分は3分割式となっており、舷窓、扉などがモールド再現されています
・ 後部の110cm探照灯がパーツ化
・ クレーンは、上下のトラス構造がモールドで再現
●主砲「40口径89式 12.7cm連装高角砲」 ×2
・ 砲は砲架部と砲本体との2分割式となっています
●対空機銃
・ 25mm 3連装機銃 ×6
●対空機銃座として
・ 後檣部3連装機銃台座 ×3
・ 中央部3連装機銃用台座 ×1
・ 艦橋後部機銃台座×2
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 内火艇 ×1
・ 小型内火艇 ×1
・ 内火ランチ ×1
・ カッター ×2
・ 小型カッター ×1
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨
・ パラベーン
・ 爆雷投射器
・ 爆雷装填台
・ 機雷積み込み用クレーン(エッチングパーツ)
などがセットされています
●ボーナスパーツとして
・ 機雷(繋がっている状態)×2
・ 零式水上偵察機×1
・ 94式水上偵察機 ×1
が付属
●爆雷積み込み用クレーンを再現するエッチングパーツが付属しています
●2009年 「旧日本海軍敷設艦 津軽 1941年」のバリエーションキット