日本航空母艦 蒼龍 1941
「日本航空母艦 蒼龍 1941 (プラモデル) (アオシマ 1/700 ウォーターラインシリーズ No.222 )」です
●「日本航空母艦 蒼龍 (そうりゅう) 1941」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●帝国海軍の中型高速空母「蒼龍」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット、太平洋戦争開戦時の状態が表現されています【 航空母艦 「蒼龍」について 】
●帝国海軍は、1922年に世界初となる新造型の空母「鳳翔」を竣工、続いて「赤城」、「加賀」の2大改造空母を建造させます
●この3空母は、空母運用の確立前の艦であり、実験的な要素が強く、航空機の発着艦システムや格納方法、そして航空機作戦の行動などが試行錯誤を繰り返しながら徐々に固まって行きました
●また、当時は航空機の発達が目まぐるしく、複葉固定脚式から単葉引き込み脚式へ、さらに高速化と重量化が進みました
●そのため、3空母は時代を受けた改装が行なわれ、「鳳翔」は甲板の延長と、着艦の制動装置の変更、3段式の甲板を持つ「赤城」、「加賀」は全通式の甲板へと変更されています
●一方、「ワシントン軍縮条約」、「ロンドン軍縮条約」によって艦艇の保有制限が決められ、空母の制限枠として排水量21,000t分が残っており、これを利用して2隻の空母の建造計画が立てられました
●当初の計画では、巡洋艦の装備に準じた武装を持ち、全通式の飛行甲板を擁する10,000tクラスの航空巡洋艦とされました
●しかし、この大きさの艦に強力な武装を装備するのには無理が有り、また「第4艦隊事件」などで当時の艦のトップヘビーが問題となり、結局設計が変更されて対艦兵装を持たない純粋な空母として建造されることとなります
●そして、その設計には前3空母の試行錯誤の結果が充分に活かされており、この空母設計が後における帝国海軍の空母建造の基本スタイルとして確立しました
●この新型空母は1番艦が「蒼龍」、2番艦が「飛龍」で、「飛龍」は建造時期には軍縮条約の脱退が確定しており、同艦は「蒼龍」よりも一周り大きな艦として建造されています
●「蒼龍」は最初から空母として設計された関係から、航空機の運用に適する高速性を重視した中型空母として建造、1937年に竣工しました
・ 「蒼龍」の排水量は15,900t、最大速度34.5ノットで、艦載機57機を搭載することができました
・ 艦載機は滑走距離の短い飛行甲板で自力滑走する必要が有り、揚力を充分に得るために艦は風上に向かって航行しますので、艦速の速い方が発艦が行い易くなります
●「蒼龍」は、準同型艦「飛龍」と共に第2航空戦隊を編成、太平洋戦争開戦前には仏印地域へと派遣、北部および南部の仏印進駐の支援に参加しています
●1941年4月には、第2航空戦隊は第1、第5航空戦隊と共に第1航空艦隊を編成、これにより大型空母「赤城」、「加賀」、高速中型空母「蒼龍」、「飛龍」、高速大型空母「翔鶴」、「瑞鶴」の6隻の空母を擁する世界最大且つ最強の攻撃力を持つ、空母機動艦隊が誕生しました
●第1航空艦隊は1941年12月に開始される真珠湾攻撃へと出撃、当初は他の4空母と比べて小型で航続距離の短い「蒼龍」、「飛龍」は参加が困難とされましたが、艦の燃料タンクの他に多くのドラム缶に燃料を詰めて艦に搭載、何とか参加することができました
●真珠湾攻撃には、「蒼龍」は第2航空戦隊の旗艦として猛将「山口多聞」少将が座乗、攻撃に際しては「蒼龍」では5機の未帰還機を出しましたが、大きな戦果を上げています
●真珠湾攻撃からの帰投中、第2航空戦隊はアメリカ軍の反撃によって苦戦中の「ウェーキ島」への支援へと向かい、数波に渡る爆撃を行って、同島を占領することができました
●その後、「蒼龍」は第1航空艦隊と共にオーストラリアの「ポートダーウィン空襲」や、インドネシア方面の攻略作戦の支援に参加します
●そして、1942年4月にはインド洋沖へと進出、イギリス空母「ハーミス」、巡洋艦「ドーセットシャー」、「コンウォール」などの撃沈の戦果を挙げました
●同4月、「蒼龍」は内地へと帰還、その際、第2航空戦隊の旗艦は「飛龍」へと変更され、「山口多聞」少将以下司令部要員は「飛龍」へと移乗します
●1942年6月、「蒼龍」は第1航空艦隊の一員として「ミッドウェー海戦」に参加、この作戦は、「ミッドウェー島」の占領と、アメリカ空母艦隊の撃滅という2目標が掲げられていました
●当初は予定通りに「ミッドウェー島」への攻撃が行なわれましたが、暗号解読によって日本側の行動を知っていたアメリカ軍は空母で待ち構えており、予想以上に早いアメリカ空母の登場に対応することができず、隙を付かれた第1航空艦隊は急降下爆撃機による空襲を受けます
●「蒼龍」は飛行甲板に直撃弾3発を被弾、「ミッドウェー島」爆撃用の爆弾と、アメリカ空母発見の報により、用意された対艦用の爆弾と魚雷が散乱する格納庫内で誘爆が発生してしまいます
●「蒼龍」は、誘爆によって手の付けられない状態となって総員が退艦、大火災に包まれて、その姿を波間に消して行きました【 「日本航空母艦 蒼龍 (そうりゅう) 1941」のキット内容について 】
●この帝国海軍の航空母艦「蒼龍」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●キットは、最新の資料とリサーチにより「蒼龍」をシャープに再現、現在の同社の細かな成型技術により、ディテールが繊細のモールドで表現された内容となっています
●また、スポンソン部の支柱などが別パーツ化され、日本の空母の特徴である細かな構造物が織り成す様子が表現されています
●艦体喫水線までが再現されたウォーターラインモデルです
●「蒼龍」の船体部は左右分割式で、これに船首、船尾甲板、飛行甲板、ボート収納甲板などを取り付ける構成となっています
●船体部には、格納庫側面が一体成型されています
・ 船体部の内部には船体の歪みを防ぐ大型の桁のパーツが用意されています
・ 船体部には、給気筒や高角砲台座などの基本躯体の他に、舷側の舷窓、フェアリーダー、塵捨管などの細部が再現
・ ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属、オモリとなるバラストも付属しています
●上甲板は、船首部分、船尾部分、そしてボート収納デッキに分割されています
・ 甲板上には、滑り止めパターンの他に、アンカーチェーン導板、リール、ボラード、ボート収納庫などの細かなディテールが再現されています
●飛行甲板は、一体で成型されており、エレベーター部分は別パーツとなっています
・ 飛行甲板上には、木甲板、甲板継ぎ手、遮風板、着艦制止装置、滑走制止装置、探照灯蓋などがモールドされています
・ 側部の兵員用のスポンソンが一体成型
・ 飛行甲板裏側には細かな桁が再現されています
・ 前後に存在する飛行甲板支柱は、それぞれ別パーツとなっています
・ エレベーター周囲の格納庫が再現、エレベーターを下げた状態とすることができます
「蒼龍」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋の主要部は5パーツで構成されています
・ パーツ分割により、舷窓、扉などのディテールが表現されています
・ トップには94式高射装置が別パーツで再現
●マスト基部はトラス構造、トップは単楼型で、一体成型されたパーツで再現されています
●各通信マストは1パーツで構成
● 煙突
・ 本体部分は上下2分割式となっており、トップが別パーツとなっています
・ 表面上には緊急用排煙口などのモールドが彫刻
・ トップは雨水カバー金網が表現されています
●機銃用スポンソンはブロックごとに別パーツとなっており、下面の補強板が一体成型で1枚ずつ再現
・ スポンソン部の支柱は別パーツで、1本ずつが再現されています
●高角砲「40口径 89式 12.7cm連装高角砲」 ×6
・ 右舷後部は煙突の煙除けのシールド付き(A1型改2) ×1、左舷と右舷前部はシールド無しの状態が再現(A1型) ×5
・ シールド付きの高角砲は、連装式に成型された砲身部と、シールド部で構成されています
・ シールド無しの高角砲は、砲身部と砲架部との2パーツで構成
・ 台座のスポンソン部分と支筒とが別パーツです
●対空機銃
・ 25mm 連装機銃 ×11
・ 25mm 連装機銃(シールド付き) ×3
●艦載機
・ 艦載機は、本体と武装(増槽、爆弾、魚雷)の2分割式で、99式艦上爆撃機の脚部は別パーツとなっています
●艦載機内容(静岡模型教材協同組合「日本航空母艦搭載機 前期セット」のパーツとは異なります)
・ 零式艦上戦闘機21型 ×4
・ 99式艦上爆撃機 ×4
・ 97式艦上攻撃機 ×4
●内火艇、カッターなど
・ 12m内火艇 ×1
・ 12m内火ランチ ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 菊花紋章
・ パラベーン
などがセットされています
●静岡模型教材協同組合「大型艦兵装セット」のランナーが2枚付属しており、内火艇類や高角砲の砲身部に使用します
●飛行甲板上に書かれた表示線、艦名表記、着艦標識、艦載機の日の丸マークを再現したデカールが付属しています
●2009年 完全新金型