日本海軍 重巡洋艦 筑摩 1944年10月 (フルハルモデル)
「日本海軍 重巡洋艦 筑摩 1944年10月 (フルハルモデル) (プラモデル) (フジミ 1/700 帝国海軍シリーズ No.旧015 )」です
●日本海軍の利根型 重巡洋艦「重巡洋艦 筑摩」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット。
●主砲塔を前部に集中し、艦後部に多くの水上機を搭載したユニークなシルエット、また小型ながら精悍な顔付きの艦橋部分など、帝国海軍の粋を集めた「重巡洋艦 筑摩」を再現、細分化したパーツ上に繊細なモールドで実艦のディテールを可能な限り再現し、高い密度の「重巡洋艦 筑摩」の姿を再現することが可能です。
●対空兵装を強化した「重巡洋艦 筑摩」の1944年10月時の姿を再現しています。
●フジミ製「日本海軍重巡洋艦 筑摩 レイテ 1944年10月」をベースとしたフルハルバージョンで、フルハル用の艦底部とディスプレイスタンドなどが付属しています。
【 日本海軍 重巡洋艦 筑摩 1944年10月 フルハルモデル (フジミ 1/700 帝国海軍シリーズ No.015) プラモデルの内容 】
●日本海軍の「重巡洋艦 筑摩」を再現したプラスチックモデル組立キットです。
●フジミ社「特シリーズ」のフォーマットに準じ、詳細なディテール表現を施したパーツで「重巡洋艦 筑摩」を再現
●喫水線以下の部分も再現したフルハルモデルです。
・「日本海軍 重巡洋艦 筑摩 レイテ 1944年10月」などと同様に、船体下部がフラットな形状になった船底パーツもセットしていますので、喫水線から上の部分を再現した洋上モデルとしても作製することができます(金属製のバラストは付属していません)。
重巡洋艦 筑摩 船体全体構造
●「筑摩」は、「船体」「上甲板」「艦橋などの上部構造物」「主砲などの艤装類」のブロックごとに分割した構成となっています。
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、構造物と艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます。
●船体部は、舷側と船底部の上下に分割したパーツで再現、船体には舷側の舷窓及び、上から塞がれた舷窓、内側に魚雷発射管を納めた発射口、フェアリーダーなどの細かなディテールを繊細なモールドで再現しています。
・ 舷側部パーツには高角砲の台座下部分を一体成型化しています。
・ 艦底には4基のスクリューを別パーツ化して再現、推進軸も含めてそれぞれ3パーツに分割して再現しています。
・ フルハルモデル用の船底部分のスクリュー、推進軸、舵を別パーツ化、ビルジキールは船底パーツに一体成型化して再現しています。
●上甲板は船橋楼甲板部、シェルター甲板、航空機作業甲板の3つに分割したパーツで構成。
・ 上甲板上には、主砲塔台座、リノリウム押さえ、滑り止め、航空機運搬用レールの基礎部の他、リール、ボラード、昇降口、天窓、通風筒などの細かなディテールを凹凸あるモールドで再現しています。
「筑摩」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成しています
●上甲板上の構築物となる「艦橋部」「主砲部」「高角砲部」「カタパルト部」「煙突部」「後部構造物」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます。
●艦橋
・ 艦橋は5層に分割して構成、艦上トップにの「測距儀」「射撃指揮所」は別パーツ化して再現しています。
・ 羅針艦橋の窓はクリアパーツで再現、窓枠部分を凸モールドで再現し、立体感を演出しています。
・ 艦橋前部の舷窓などもスライド金型を使用してシャープに再現しています。
・ 艦橋上下部には遮風装置のスリット状の形状をシャープなモールドで再現しています。
・ 艦橋側面の階段、前檣楼支柱なども別パーツ化して再現。
・ 艦橋部分を構成する、「94式高射装置」「探照灯」「方位測定器」「25mm連装機銃」などを別パーツ化して再現しています。
●航空機作業甲板部
・ 甲板パーツ上に、リノリウム押さえのほか、航空機軌条、ターンテーブルなどを繊細なモールドで再現しています。
●シェルター甲板部
・ シェルター甲板上には、魚雷運搬軌条、滑り止め表現、リノリウム押さえの他、機銃の弾薬箱などのディテールを微細ながらも強弱をつけたモールドで再現しています。
●メインマスト
・ メインマストは三脚檣型の形状、トップは1本の単檣の形状を再現しています。
・ マスト中央の方位測定室はパーツ上に一体成型化、側面の窓も表現されています。
・ マスト上に装備する「21号電探」「22号電探」は別パーツ化して再現。
● 煙突
・ 煙突は左右に分割したパーツ構成で、煙突トップ部は別パーツ化しています
・ 煙突周囲の手摺り兼足掛け、蒸気捨管などを繊細な凸モールドで再現しています。
・ 煙突トップの雨水カバー部は、開口した状態になっています。
・ 煙突内部の整風板を別パーツ化して再現。
●後檣
・ 後檣は三脚檣型の形状を再現、トップは1本の単檣となっています。
・ マスト部に配置する「煙観測所」なども再現、側面の窓も表現されています。
・ マスト上に装備する「13号電探」は別パーツ化して再現しています。
・ マスト上の梯子も微細なモールドで再現。
●探照灯台座、及び探照灯
・ 台座部分は非常に繊細なパーツ、トラス構造を精密なモールドで再現しています。
・ 「110cm 探照灯」×6、「60cm 探照灯」×4が付属、クリアパーツで再現しています。
●カタパルト「呉式2号5型射出機」 ×2
・ カタパルトは一体成型のパーツで再現、スライド金型を使用して射出機上部のディテールまでも再現しています。
・ カタパルトのトラス部分は精密なモールドを施したパーツで再現しています。
●後部構造物
・ 艦載機の予備フロート収納台、予備翼収納庫がパーツ化、装備するフロート、予備翼のパーツをセットしています。
●主砲塔部「50口径 3年式2号 20cm砲」 ×4
・ 砲塔は上下に分割したパーツで再現、これに1本ずつに分割した砲身を取り付けます。
・ 砲身部分には防水カバーをモールド化して再現。
・ 砲身は任意の角度に固定できます。
・ 測距儀は別パーツ化して再現しています。
・ 2番主砲塔に存在する空中線支柱は独立してパーツ化しています。
●高角砲「40口径 89式 12.7cm連装高角砲」 ×4
・ 高角砲はシールド部分と砲身部で分割したパーツ構成、砲身部分は連装状に一体成型したパーツとなっており、砲架部は別パーツで再現。
・ 砲身の角度は自由に決められます。
・ 円形の高角砲台座は別パーツ化して再現。
・ 高角砲横に備えた射界限度を示す構造物も別パーツ化しています。
●魚雷発射管「92式 61cm 4連装発射管 1型」 ×4
・ 組立説明書内では取り付けの指示は記載されていませんが、魚雷発射管を再現したパーツも付属しています。
・ 魚雷発射管は一体成型のパーツで再現しています。
●対空機銃
・ 25mm 3連装機銃 ×10
・ 25mm 連装機銃 ×2
・ 25mm 単装機銃 ×21(台座付)
・ 各機銃は一体成型のパーツで再現しています。
●対空機銃座として
・ 煙突部 3連装機銃 2基用 台座 ×1
・ 後部構造物 3連装機銃 2基用 台座 ×1
・ 後部構造物 連装機銃 2基用 台座 ×1
・ 対空兵装を強化した際に設置した「艦橋前側面機銃台座(×2)」「後部機銃台座(×2)」
などを独立したパーツで再現しています。
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 11m内火艇 ×2
・ 12m内火ランチ ×1
・ 9mカッター ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ パラベーン
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 応急舵
・ 菊花紋章
・ 係船桁
・ 舷門
などを独立したパーツで再現しています。
●艦載機として
・ 零式三座水上偵察機 ×4
が付属、クリアパーツで再現しています。
・ 「零式水上偵察機」はフロート、プロペラを別パーツ化して再現しています。
ディスプレイ台
●完成後に見栄え良く飾ることができるディスプレイ用の円形の飾り台を2個セット、「航空母艦 蒼龍」の前後2箇所に配置して完成した艦体をそのまま載せてディスプレイすることができます。
・ 飾り台はプラスチック製のパーツ、円形の台座部分にYの字型の飾り脚を取り付けるパーツ構成となっています。
【 日本海軍 重巡洋艦 筑摩 1944年10月 フルハルモデル (フジミ 1/700 帝国海軍シリーズ No.015) 塗装・マーキング 】
●「塗装図・マーキングガイド」は組立説明書内にモノクロで記載しています。
・ 塗装の際に使用する塗料の種類も記載しています (Mr.カラー / Mr.カラースプレー / 水性ホビーカラー)
・「筑摩」の甲板や船体からカッターなどの細部に使う塗料の種類は、組立説明書内の各工程内にて指示しています。
●艦尾の軍艦旗(直線タイプと、なびいているタイプの2種)、艦載機の日の丸マーク、識別帯、偏流測定線を再現したデカールが付属しています。
【 日本海軍 重巡洋艦 筑摩 について 】
●日本海軍は、広く開けた洋上に航空機(艦載機)を展開し、偵察だけでなく攻撃用の兵器として有用なことを確認すると、積極的に戦力化を進めます。
・ これは、イギリスやアメリカなどの列強と比べると主力艦の戦力が劣勢であったため、航空機を使えば少しでも有利に戦いを進められると企図したためです。
●特に航空機(艦載機)がまだ固定脚の時期(大戦間の時期)では、通常の航空機(艦上機)とフロート付きの航空機(水上機)との性能の差はまだ少なく、四方を海に囲まれた我が国では水上機を活用することが有用であると判断していました。
●1930年の「ロンドン軍縮会議」にて巡洋艦を含む補助艦艇の総排水量トン数の制限が定められると、重巡洋艦は建造中の「高雄型」をもって条約の制限を満たすこととなったため、やむなく軽巡洋艦の枠内を使用することで、従来の単装砲を中心とした艦艇と異なる新型の軽巡洋艦の設計が行なわれることになります。
●この条約の制限をくぐりぬける新型艦として設計されたのが「最上型」4隻と「利根型」(「利根」「筑摩」)2隻の大型軽巡洋艦です。
●日本海軍は将来的な条約脱退を考慮し、両艦共に主砲は重巡洋艦の定義でもある「20cm砲」の換装が可能なように設計されており、「最上型」は一旦軽巡洋艦として完成するも、条約脱退後は直ちに「20cm砲」への換装が行なわれました。
●一方「利根型」は「最上型」よりも後に竣工したため、最初から「20cm砲」を搭載した重巡洋艦として誕生しています。
●「利根」型の特徴は、主砲を艦の前部に集中し後部に広く航空作業甲板を設けたことで、水上機の搭載機数は6機となり、大きな索敵能力を持つこととなりました。
●また、主砲と航空機作業甲板とを分離したことで、搭載航空機が主砲発砲時のブラスト(発砲炎)の影響を受け難く、また、主砲を集中配置したため主砲弾の弾薬庫の装甲強化を効率的に進めることができました。
●このような設計思想の下、「重巡洋艦 利根」は1937年11月、同型艦の「筑摩」は1938年5月に竣工しています。
●「重巡洋艦 筑摩」は、僚艦「利根」と行動を共にし、太平洋戦争開戦時から戦いの主力の空母機動部隊に配備され、「真珠湾奇襲攻撃」「インド洋沖海戦」「ミッドウェー海戦」「南太平洋海戦」などの主要な海戦に参加、索敵能力を活かして艦隊の目となる活躍を発揮します。
●ただし、アメリカ軍が充分な量の空母部隊を編成し、艦上機が空を跳梁跋扈し始めると、水上機での索敵行動は徐々にままならなくなります。
●また、水上機の運用は波の影響を受けやすく、収容にも時間が必要(しかも収容時には艦が転舵できない)で、艦上機の性能が上がるにつれ鈍足の水上機の存在意義が問われるようになり、「マリアナ沖海戦」時頃からはそれが顕著となりました。
●そのため、続く「レイテ沖海戦」に参加した際は、重巡洋艦としての砲火力の方をアテにされ、砲戦の主力部隊である「栗田艦隊」に配備されることになります。
●レイテ沖海戦における「栗田艦隊」は、空襲により戦艦「武蔵」を失いますが、そのまま敵方に突き進み、護衛空母を中心にしたアメリカ軍の機動部隊に遭遇、交戦が開始されます。
●この戦いは「サマール沖海戦」と呼ばれ、「筑摩」は先陣を切って敵艦隊に突入してアメリカの駆逐艦「ヒーアマン」を撃破しますが、その空母群から発進した航空機の攻撃により「筑摩」の機関部に魚雷が命中、航行不能となります。
●艦隊に追従することが出来なくなった「筑摩」は、味方の駆逐艦の魚雷によって処分され、栄光の歴史に幕を降ろしてしまいます。