イギリス歩兵戦車 バレンタイン Mk.1 w/クルー
「イギリス歩兵戦車 バレンタイン Mk.1 w/クルー (プラモデル) (ミニアート 1/35 WW2 ミリタリーミニチュア No.35116 )」です
●「バレンタインMk.1 歩兵戦車」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●第2次世界大戦初期におけるイギリス軍の歩兵戦車「バレンタイン Mk.1」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット、車長とバレンタインに跨乗する兵士5体をセットした内容です
●同社「バレンタイン Mk.2 歩兵戦車」のバリエーションキットで、「Mk.1」用のエンジンパーツを追加、付属しているフィギュアを変更したバリエーションキットとなっています
●「マチルダ 歩兵戦車」と並ぶイギリス軍の「バレンタイン 歩兵戦車」は、1940年の生産開始から1944年の生産終了までの間、およそ1万輌が生産され、イギリス・カナダ・ロシア軍において運用された中戦車です
●「マチルダ 歩兵戦車」が戦車としては短命で終わったのに対し、「バレンタイン 歩兵戦車」は機械的信頼性の高さや、車格の僅かな大きさの違いにより終戦までの長い間運用され続けてきました
●「バレンタイン 歩兵戦車」は、北アフリカの戦いで活躍、また多くの車両がレンドリースとしてソ連に送られ、歩兵直協の小型の戦車として歓迎されています
・ これは、ソ連軍と同じディーゼルエンジン(ソ連に供与されたタイプ)を搭載し、足周りも堅牢で、装甲も「そこそこ」であることが評価されたようで、同様にソ連に送られた「マチルダ 歩兵戦車」は装甲スカート部に泥が付き易くて散々に酷評されているのと好対照です
●イギリス陸軍参謀本部による「巡航戦車」「歩兵戦車」のカテゴリー分けに対し、ヴィッカース社は既にイギリス陸軍に採用されていた「巡航戦車 Mk.1(A9)」の装甲を強化した「A10」を開発、「歩兵戦車」の部門における大型歩兵戦車の座を獲得しようとしますが、「A10」は「歩兵戦車 Mk.2 マチルダ(A12)」との採用競争に敗れてしまいます
●ヴィッカース社は、車体下部の主要なコンポーネントを「A10」から流量しながら、「大型歩兵戦車」を独自に開発するものの、またしても「不採用」との決定を出されてしまいます
●ところが、1939年、ヨーロッパ内で開戦の緊張が高まるにつれ、戦車の数を充足させることが急務であったイギリス陸軍は、生産に時間のかかる「マチルダ 歩兵戦車」の穴を埋めるために、この「大型歩兵戦車」の復活採用を決定、「歩兵戦車 Mk.3 バレンタイン」と命名された戦車の誕生へと至ります
●「A9」から「A10」、そして「バレンタイン 歩兵戦車」まで、ほぼ同一の車体をベースに開発を続けてきたため、走行装置などの機械的信頼性は高く、1940年の生産開始後、翌1941年には実戦部隊へと「バレンタイン」の配備が行われました
●「A10」車体をベースとしていた「バレンタイン 歩兵戦車」は、重量の関係で「マチルダ」よりも薄い装甲しか装備できなかった上、「マチルダ」と走行速度は同じであったため、「歩兵戦車」本来の目的である「歩兵」の保護が不十分ではないか、との危惧を抱かれていました
●また、「A10」車体の幅では、小型砲塔しか搭載することができず、「バレンタイン Mk.1~Mk.7」までは「2ポンド砲」しか装備できない上、車長が装填手を兼ねるという不都合も生じていました
●このようなウィークポイントを抱えながらも、実戦において安定した機動力を発揮した「バレンタイン 歩兵戦車」は、結局、「マチルダ」よりも長い期間で生産が行われ、その間様々な改良を加えられて「バレンタイン Mk.11」まで発展しただけでなく、「アーチャー」「ビショップ」といった「バレンタイン」をベースとした自走砲車輌までも登場することになります
●また、「バレンタイン 歩兵戦車」は、イギリス軍、カナダ軍で使用されただけでなく、ソ連に対しても約3000輌余りがレンドリースされたため、北アフリカから東部~西部戦線、太平洋戦線、果ては極東の地まで、第2次大戦のほとんどの戦場に登場、連合軍歩兵を支えた陰の功労「車」と評価できる「戦車」です
●「バレンタイン Mk.1」は、最初に量産された型式で、ガソリンエンジンが搭載されています(「バレンタイン Mk.2」以降はディーゼルエンジンを搭載)
●この「バレンタイン 歩兵戦車」バリエーションのうち、一番最初の量産型車輌、アフリカ戦でも活躍した「バレンタイン Mk.1」を再現した組立キット
●車体は、大きく分けてサスペンションを含めた「車体下部ブロック」「上部装甲ブロック」「砲塔ブロック」の3ブロック構成、それぞれのブロックを組立てた後、連結して「バレンタイン Mk.1」を完成させます
●車体は細分化されたパーツで構成されており、車体上のリベット跡やフェンダーの凹凸などのディテールは繊細な彫刻で再現されています
●車体上面の装甲板は、フェンダー部を含めた一体成型のパーツで再現、ドライバーハッチ、ターレットリングやエンジン点検ハッチ、ラジエターハッチ、マフラーなどは別パーツ化されています
・ フェンダーの前後端は別パーツ化されています
・ ラジエターハッチは2枚扉の両方に取っ手がついたタイプを再現
・ フェンダー上に設置されている各種収納ボックスは独立したブロック構成、工具箱や予備キャタピラを再現したパーツも付属しています
・ ペリスコープ、消火器、ハンマー、スコップやバールだけでなくヘッドライトやバックミラーなどのOVM類は繊細なパーツで再現されています
●車体内部の運転席を再現
・ シート、各種レバー類、フットペダルに加え、メーターパネルなども再現されています
●新規パーツとしてエンジン部分を再現するランナーが付属しています
・ エンジンは細分化されたパーツ構成で、エンジン本体だけではなく、トランスミッション、動力伝達装置などが細かく再現されています
・ ラジエターは左右6パーツで構成され、通常の横向きの状態と、点検のための立てた状態とを選択できます
●「2ポンド砲」搭載の小型砲塔を再現、砲塔の右側にはピストルポート、左側にはハッチを備えた形状を再現しています
・ 砲塔部は左右分割のパーツで構成、天板は別パーツにて再現されています
・ 砲塔天板の2枚扉のハッチは別パーツで再現、開閉状態を選択して組立てることができます
・ 砲塔部は完成後も旋回させることが可能、砲身部は上下に可動させることができます
・ 「2ポンド砲」及び「ベサ機銃」の砲身は一体成型のパーツで再現、砲塔内部の砲尾や砲架、ベサ機銃本体も再現されています
・ 砲塔内部に設置されている「無線機」も再現されていますので、砲塔上のハッチを開けて、内部の構造を楽しむこともできます
・ 砲塔上の対空用の「ブレン機銃」及び「機銃架」を再現したパーツが付属
●車体下部のパーツは一体成型のパーツで再現、前面及び後面の装甲板は別パーツ化して再現しています
●「ヴィッカース スローモーション式」の懸架装置はダンパー、アーム部をそれぞれ別パーツ化して再現、3個の転輪を取り付けて走行輪を完成させます
・ 機動輪・誘導輪部もそれぞれ独立したブロック構成となっており、車体下部のパーツに機動輪部、誘導輪部を取り付ける形となっています
・ 転輪は初期型の仕様を再現しています
●キャタピラはプラスチック製パーツで再現された連結組立式、キャタピラパーツ1枚1枚を接着剤で連結させて組み立てます
●同社「イギリス戦車騎乗兵セット (5体入り)」のフィギュア5体が付属しています
●フェンダーステー、マフラーカバー取付金具、予備キャタピラ用のステー、蝶ネジ、工具箱設置金具などを再現したエッチングパーツが付属しています
●塗装指示は7種類の塗装指示が付属のカラーシート内に記載されています
・ 第10機甲師団 第22機甲旅団 第4王立戦車連隊 (エジプト / 1942年9月)
・ 第23機甲旅団 第40王立戦車連隊 C中隊 「マンチェスター」号 (1942年7月)
・ 所属不明 (イギリス / 1941年)
・ 所属不明 (イギリス / 1941年)
・ 第30軍団 第23機甲旅団 第8王立戦車連隊 (リビア・キレナイカ / 1942年9月)
・ 第1機甲旅団 第8王立戦車連隊 (リビア / 1941年6月)
・ 第16機甲旅団 第65王立戦車連隊 (スコットランド / 1941年8月)
●塗装指示に基づく、国籍マーク、車両に記されたニックネーム、部隊記号、車体番号などを再現したデカールが付属しています
●2011年 エンジン部新金型
●「歩兵戦車 Mk.3 バレンタイン」シリーズ 第4弾
--------------------------------------------------
豆知識
●「バレンタイン戦車」はイギリス戦車の特徴として細部が変わるだけで「Mk.~」が変化してしまうということで、形式が分かり難くなっているので、ここで整理しておきましょう
●「バレンタイン戦車」は大きく分けて4タイプとなります
・ 2ポンド砲装備で2人用砲塔 (Mk.1 Mk.2 Mk.4)
・ 2ポンド砲装備で3人用砲塔 (Mk.3 Mk.5)
・ 6ポンド砲装備で2人用砲塔 (Mk.8 Mk.9 Mk.10)
・ 75mm砲装備で2人用砲塔 (Mk.11)
●Mk.6 Mk.7はカナダ生産型で、Mk.10以降はほとんどイギリス軍には使用されずにソ連に供与されたようです