日本海軍 砲艦 堅田/保津
「日本海軍 砲艦 堅田/保津 (プラモデル) (アオシマ 1/700 ウォーターラインシリーズ No.547 )」です
●「日本海軍 砲艦 堅田/保津 (かたた・ほづ)」です
●帝国海軍の河川用砲艦「堅田」と「保津」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット、2隻分のパーツをセットとした内容となっています
●帝国海軍の艦艇の中でも最も特異な存在とも言える河用砲艦の「勢多型」の3番艦「堅田」、4番艦「保津」を再現したキットで、通常の艦艇とな異なる背の高いシルエット、小型の主砲、そして白色で塗られた姿など、連合艦隊コレクションの中でも異彩を放つことでしょう【 河用砲艦「堅田」、「保津」について 】
●砲艦とは主に以下の4種類のカテゴリーに分かれています
・ 速度は遅いが強力な砲火力を持つ艦(いわゆる「モニター艦」)
・ 艦隊戦用の小型艦で、水雷能力は持たずに砲撃力を重視した艦
・ 河川専用の砲を装備した艦
・ モーターにより軽快な機動性を持ち、砲撃力により魚雷艇の援護を行う小型の艦(砲艇)
●河川用の砲艦は、河川域の植民地域の自国の権益を守るために作られた艦で、対艦戦闘ではなく主に地上への砲撃を行なうことを主任務としました
●このため、外交的な役割も持っており、一部には貴賓室などを装備、船首には菊花紋章が掲げられ、艦長も駆逐艦クラスよりも上位の少佐、中佐が就任しています
・ 太平洋戦争後期の1944年10月には軍艦籍から除され、菊花紋章も取り外されています
●また、通常の艦艇が目立たない塗装を行なっているのに対して、外交的な見地から白色で塗られています
●河川用の砲艦は水深の浅い河川を航行するために舷側は低く、兵員室などが上甲板上に設けられており、艦のシルエットは高くなっています
●砲艦「堅田」と「保津」は「勢多型」砲艦の3番艦と4番艦で、排水量は305tと帝国海軍の河用砲艦の中では最大の大きさでした
●武装は8cm高角砲を2門装備、他にルイス式7.7mm機銃6門を搭載していましたが、これは後に13mm連装機銃2門へと変更されています
●「堅田」は1923年に播磨造船、「保津」も同年に三菱神戸造船所で竣工、河用砲艦は海上での航行能力に欠けるために中国の河川域へと輸送されて現地の工場で組み立てが行なわれました
●「堅田」は1932年の上海事変において同地の警備に従事、日中戦争では河川域での各種作戦の支援に活躍しました
●太平洋戦争では、揚子江流域の警備活動に従事しており、1945年4月にアメリカ軍機の攻撃に合い大破着底、その後、引き揚げられ、上海で曳航された状態で終戦を迎えています
●「保津」は、「堅田」と同様に上海事変、そして日中戦争での支援活動に従事、太平洋戦争でも揚子江流域の警備活動を行なっていましたが、1944年11月安慶において座礁、そして12月には中国軍の航空機による爆撃により大破し、1945年5月に軍籍から抹消されています
【 「日本海軍 砲艦 堅田/保津」のキット内容について 】
●この河用砲艦「堅田」、及び「保津」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●「堅田」と「保津」をシャープに再現、小型の艦艇に沿った細かな造形となっており、各種の艤装などディテール感豊かに表現されています
●また、構成されるパーツ数は少なく、比較的簡単に形とすることが可能ですので、製作時間の確保が難しい人も楽しむことができる内容となっています
●アオシマ社製「日本海軍 砲艦 勢多/比良 (せた・ひら)」のバリエーションキットで、形状が変更された船体部分のパーツを新規に追加したものです
●「堅田」と「保津」の2艦分のパーツがセットされています
●艦体喫水線までが再現されたウォーターラインモデルです
●「堅田」及び「保津」の船体は、上甲板などが一体成型された船体と、上部構造物上段デッキとで構成されています
●船体部は、上甲板、上部構造物の下段デッキが一体成型されています
・ 「勢多」、「比良」との最大の相違点である、上部に移されたアンカーデッキは別パーツとなっています
・ 上甲板上にはボラード、錨、昇降口などがモールドにて再現
・ 上部構造物の下段デッキには側部の扉が表現されています
・ 艦尾の構造物(トイレと思われます)は別パーツとなっています
・ ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属、河川用の艦艇として後部が3胴式に分かれている状態を再現
●上部構造物上段デッキは、本体、左右側面、天板とで構成されています
・ 左側面パーツを変更することで、「堅田」と「保津」との違いを表現
・ 上段デッキ前方には下部の艦橋がモールドされています
・ 「堅田」用としてデッキ後方の小屋がパーツ化
●上部構造物上の構築物となる「艦橋部」「主砲部」「煙突部」などを個別にブロック化して構成、それぞれを構造物上に取り付けて完成させます
「堅田」、「保津」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋は3層で構成され、トップには測距儀が別パーツにて再現
・ 艦橋の上下段の窓枠がモールド再現されています
●メインマスト、後檣
・ メインマストと後檣は単檣となっており、それぞれ一体成型でパーツ化されています
● 煙突
・ 煙突は一体成型でパーツ化され、トップの雨水カバー金網がモールドにて再現
・ 前後の管も表現されています
●主砲塔部「40口径3年式 8cm高角砲」 ×2
・ 砲塔は、砲身本体とシールド部とで構成されています
●機銃
・ 13mm 連装機銃 ×2
●カッター及びボートダビッド
・ カッター ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 菊花紋章
・ 艦首、艦尾旗竿
・ クレーン
・ 探照灯
・ 艦尾ダビッド
・ 通気筒
などがセットされています
●艦尾の軍艦旗(直線タイプと、なびいているタイプの2種)を再現したデカールが付属しています
●2011年 一部新金型