日本陸軍防空基幹船 笹子丸/佐倉丸
「日本陸軍防空基幹船 笹子丸/佐倉丸 (プラモデル) (フジミ 1/700 特シリーズ No.060 )」です
●帝国陸軍に徴用され、防空基幹船として使用された日本郵船の「S型貨物船」の「笹子丸/佐倉丸」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●フジミ社製「日本陸軍輸送船 佐渡丸/崎戸丸」をベースキットとし、「笹子丸/佐倉丸」を再現するため、高射砲デッキを新規パーツへと変更したバリエーションキットとなります
●キットは、1隻分のパーツがセットされ、「笹子丸」と「佐倉丸」とを選択して作製する内容となっています【 「帝国陸軍 防空基幹船」について 】
●帝国陸軍は、上陸作戦を行う際に部隊や物資を揚陸するための船舶を持っており、太平洋戦争の開戦に従い、南方への上陸作戦の必要性から多くの民間船舶を徴用しました
●これらの船舶は、敵前において上陸を行うことから武装する必要が有りましたが、元来帝国陸軍が対峙していたのは中国軍、そして仮想敵国はソ連だったために、船舶関係の武装を扱う船舶砲兵の規模は小さなものであり、開戦によって拡大されたものの全ての船舶に十分な武装を装備することはできませんでした
●そこで、徴用した船舶の中でも優秀な性能の船に集中的に武装を装備した「防空基幹船」とし、その船が船団を守るという方式を採ります
●太平洋戦争の初期においては、連合軍の抵抗は比較的少なく、このような「防空基幹船」方式は機能しましたが、ガダルカナル戦以降は潜水艦や航空機によって被害が続出、武装を強化しても物量に勝る連合軍に対しては蟷螂の斧の状態で、陸軍の輸送船団は苦しい戦いを強いられたのでした【 「笹子丸/佐倉丸」について 】
●日本最大の船舶会社「日本郵船」は、多くの国への定期航路を持ち、高速性に優れた貨客船を多く保有していました
●1930年代後半、「日本郵船」は排水量9000tクラスの高速船「S型貨物船」を7隻建造、アメリカ航路などに就航させます
●ただ、この「S型貨物船」は対米関係が悪化すると、将来的な軍への徴用が考慮されて遠方への航路から引き揚げられ、近海での航路へと移されました
●太平洋戦争開戦後、「S型貨物船」は4隻が帝国陸軍に徴用され、その4隻は優秀な能力により「防空基幹船」へと改造、他の徴用船舶よりも多くの武装を装備し、船団護衛の任に就きました
●「笹子丸」は、「マレー上陸作戦」「ジャワ島攻略作戦」に参加、1942年10月に6隻の輸送船からなるガダルカナル島への強行輸送任務に投入されました
●同船は、約2000名の陸軍将兵と多くの物資を積載してガダルカナル島へと上陸、夜間において揚陸作業を行いましたが、明朝アメリカ軍の航空機の空襲を受け被弾、その最期を遂げています
●「佐倉丸」は、開戦後「マレー上陸作戦」に参加、出撃してきたイギリス軍機に対して対空戦闘を行いますが損害を被り、内地に回航されて修理を受けます
●1942年3月、同船は「ジャワ島攻略作戦」に参加、この際、上陸作戦を支援する帝国海軍と反撃に出てきた連合軍艦隊との間で夜間戦闘が開始されました(「バタビア沖海戦」)
●この海戦の結果は、帝国海軍の勝利に終わりましたが、敵の巡洋艦に向かって発射された日本側の魚雷が海戦を避けていた輸送船団へと到達、その2本を被雷した「佐倉丸」は失われてしまいます【 「日本陸軍防空基幹船 笹子丸/佐倉丸」のキット内容について 】
●この帝国陸軍の「防空基幹船」の「笹子丸/佐倉丸」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●フジミ製特シリーズのフォーマットに従い「笹子丸/佐倉丸」を精密に再現、貨物船をベースとした特徴的なシルエットが表現されています
●「笹子丸」と「佐倉丸」とのコンバーチブルキットとなっており、どちらかを選んで作製します
・ 「笹子丸」と「佐倉丸」の違いは、高射砲デッキの形状と、高射砲の門数の相違です
●艦体喫水線までを再現したウォーターラインモデルです
●「笹子丸/佐倉丸」は、船体部に上甲板、中央構造物を取り付ける構成となっています
・ 船体部は左右分割式となっており、舷側の開口部、ホースパイプが再現
●船体部は、喫水線部分までが再現されています
・ ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属おり、、オモリとなるバラストも付属しています
●上甲板は前後の船倉上甲板、艦首甲板の3分割式です
・ 甲板上には、船倉扉、マスト、通風口基部、アンカーチェーン導板、波除けの基本躯体の他、木甲板表現、ボラード、ラッタルなどの細かなディテールが再現されています
●中央構造物は4層で構成され、それぞれの層を積み上げて、最後に前後面パネルと艦橋部を取り付ける方式です
・ 艦橋の窓、各面の窓、扉がモールドされています
・ 最上部に取り付ける「佐倉丸」用の丸型の高射砲スポンソン、「笹子丸」用の角型の高射砲スポンソンが付属、選択して使用します
●煙突は左右分割式で、トップの内側部分は別パーツです
「笹子丸/佐倉丸」の艦上の構造物は以下のようなパーツ構成となっています
●高射砲スポンソン
・ 前部及び後部の高射砲用スポンソンは各1パーツで構成
・ 「笹子丸」、「佐倉丸」の2種のスポンソンが用意されており、作製する艦により選択して使用します
●高射砲「88式 7.5cm高射砲」
・ 砲身、砲架が一体成型となっています
・ 「笹子丸」は8門、「佐倉丸」は6門使用します
●高射機関砲「98式 20mm高射機関砲」
・ 砲身、砲架が一体成型となっています
・ 「笹子丸」「佐倉丸」共に8門を使用
●マスト
・ マストは一体成型により各1パーツで構成
●デリック
・ デリックは各1パーツで構成、取り付け角度は自由に選択できます
●その他艤装類
・ 吸気口
・ 巻上げ器
・ 錨
・ ボート
・ ボートダビット
など
●マストに掲げられる日章旗を再現したデカールが付属しています
●2012年 一部新金型