クロムウェル Mk.6 CS タイプF車体
「クロムウェル Mk.6 CS タイプF車体 (プラモデル) (SKP Model 1/35 AFVキット No.SKP099 )」です
●第2次世界大戦時におけるイギリス軍の巡航戦車「クロムウェル」を1/35スケールで再現したキットで、95mm榴弾砲を搭載した「Mk.6」の「F型車体」を再現した内容となっています
●第2次世界大戦において最も機動力が優れた戦車として名高い「クロムウェル」戦車を再現、イギリス戦車らしい直線で構成された無骨なスタイルを持つ同車の特徴が表現された内容となっています【 「クロムウェル Mk.6」について 】
●第2次世界大戦の開戦以前から、イギリス軍は歩兵戦車と巡航戦車という2種類のカテゴリーで戦車を開発、運用していました
●巡航戦車は、機動力を重視した戦車であり、フランス戦や初期の北アフリカ戦などで使用された「巡航戦車 Mk.4」の後継として巡航戦車「カビナンター」、そして重巡航戦車「クルセイダー」が開発、生産されました
●フランス戦の敗北により装備していた戦車を大量に失ったイギリス軍は、強力な戦車をいち早く戦力化することを望み、「クルセイダー」の本格的生産が始まる前にその後継車両の開発を始めました
●この新型巡航戦車は、「クルセイダー」を重装甲、重武装化することが重視され、当初は「クルセイダー」のエンジンや足周りをそのまま流用する計画となっていました
●しかし、当然のことながら、機動力は大幅に低下し、巡航戦車としての機動力が確保できなくなってしまいます
●そこで、この問題を解決する方法として注目されたのが、戦闘機「スピットファイア」などに搭載された「ロールスロイス」社の航空機用エンジン「マーリン」を車載用に改造した「ミーティア」エンジンです
●この「ミーティア」エンジンは当時の同規模のエンジンよりも1.5倍以上も高出力であり、新型巡航戦車のエンジンとして申し分なく、同エンジンを搭載するものとして開発が進められました
●ところが、当時のイギリスはドイツ空軍の空襲下にあり、迎撃を行なう戦闘機を揃えるのに必死の状態で、「マーリン」エンジン自体が供給不足となり、とても戦車に回す余裕は有りませんでした
●イギリス軍は、フランス戦、北アフリカ戦線などで戦車を大量に喪失し、イギリス本土もドイツ軍の脅威及び上陸作戦が危惧さらている状況により、「ミーティア」エンジンの供給を待つどころでは無く、計画の当初に予定されていた「クルセイダー」と同じ「リバティー」エンジンを搭載した車両の開発と、「ミーティア」エンジンを搭載する車両の開発を同時に進めました
●この「リバティー」エンジン搭載型は「A24」、「ミーティア」エンジン搭載型は「A27」という開発番号が与えられ、「A27」に関しては「ミーティア」エンジンの出力に合わせた懸架装置の強化と変速操行装置の変更が行われます
●しかし、この2車種の戦車の開発の最終段階に至っても「ミーティア」エンジンの供給には目途が立たず、
「A27」に「リバティー」エンジンを搭載した車両が作られることとなり、従来の「A27」は「A27M」に、「リバティー」エンジン搭載型は「A27L」となります
●この結果、砲塔と車体の形状はほぼ同一ながら3種類の異なる戦車が開発、制式化され、「A24」は「キャバリエ」、「A27L」は「セントー」、「A27M」は「クロムウェル」と名称が付けられました
●1943年に入ると、「ミーティア」エンジンの供給の目途が付き、「クロムウェル」の生産が開始され、「セントー」は主に訓練用、「キャバリエ」は観測戦車などの補助的な役割に充てられました
・ 「セントー」は、その後多くの車両が「ミーティア」エンジンに換装されて、「クロムウェル」に変化しています
●「クロムウェル」は、その高出力のエンジンにより時速60km/h程度の高機動力を誇り、実用戦車としては世界最速の車両でした
●また、サスペンションには優れた地形追従能力を持つ「クリスティーサスペンション」を採用、その機動性能は他の戦車と比較にならない程の高いものでした
●ただ、同車が実戦配備される頃には、イギリス軍の主力戦車は汎用性の高い「M4 中戦車」で占められており、「クロムウェル」は機甲師団の偵察連隊を中心に集中配備されています
●「クロムウェル」は、当初は主砲として「6ポンド砲」を搭載していましたが、1943年10月からはアメリカの75mm戦車砲弾が発射できる国産の「75mm QF戦車砲」を搭載した「クロムウェル Mk.4」が登場します
●また、この「クロムウェル Mk.4」に火力支援用として「95mm榴弾砲」を搭載した「CS型」が作られており、このタイプは「クロムウェル Mk.6」と呼ばれました
●同車は、「クロムウェル Mk.4」の装備部隊に分散配備され、その榴弾の威力により対人目標の制圧に活躍しています
●一方、「クロムウェル」、「セントー」の車体には乗員用ハッチとエンジンデッキのレイアウトで分類される「A型」から「F型」までの5種類のタイプが存在しており、「F型」では操縦手ハッチが前方機銃手ハッチのような横開き式となっています
●操縦手ハッチが横開きとなった関係によりフェンダー上に存在した雑具箱を撤去、その代わりに砲塔の側面に雑具箱が新設され、「F型」の外見上のポイントとなっています
・ 「F型車体」は最後期型と言われる場合も有ります【 「クロムウェル Mk.6 CS タイプF車体」のキット内容について 】
●このイギリス軍の巡航戦車「クロムウェル Mk.6」の「F型車体」を再現した組立てキットです
●キットは、「クロムウェル Mk.6」をシャープに再現、短砲身の主砲に、砲塔側面に雑具箱を装備した特長的なフォルムが表現されています
●キットは、プラパーツ、レジンパーツ、エッチングパーツなどで構成された中級者以上を対象としたマルチマテリアルキットです
●車体、足回り、砲塔等の基本パーツはインジェクションのプラパーツ、起動輪、ディテール部分はレジン製パーツ、更に細かなディテールはエッチングパーツとなっています
●前照灯、車幅灯、サーチライトのガラス部用にクリアカラーレジンを焼付けしたエッチングパーツが用意されています
●「クロムウェル Mk.6」は、砲塔、車体上部、車体下部、左右フェンダーの5ブロックで構成されています
●砲身は一体成型となっており、砲口部分は開口処理済みです
・ 砲身パーツはレジン製です
・ 防盾は1パーツで構成
●砲塔は内側部分が上下分割式で、これに外部パネルを貼り付ける構成となっています
・ 側面の雑具箱はエッチングパーツで作製します
・ 車長キューポラは別パーツで、周囲にペリスコープが付いたタイプを再現
・ 車長ハッチ、装填手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 直接照準器は、レジンパーツとエッチングパーツとを選択できます
・ サーチライト基部、ハンドルはエッチングパーツにて再現
・ 砲塔上部のペリスコープは、ペリスコープとカバー部との2分割式です
●車体上部は、前部、戦闘室前面パネル、戦闘室及びエンジンデッキ、エンジンデッキ左右側面部の5パーツで構成されています
・ 操縦手用の視察ハッチは別パーツで、開閉状態が選択可能、表面部の小ハッチのみを開いた状態にすることも可能です
・ ペリスコープは、ペリスコープとカバー部との2分割式です
・ 操縦手ハッチ、前方機銃手ハッチは上下分割式で、開閉状態を選択できます
・ エンジン点検ハッチは別パーツです
・ エンジングリルのメッシュを再現するエッチングパーツが付属
・ 吸気口部分に付けられたカウルのパーツが用意されています
・ ライトガードは0.7mm径の金属線で作製します(キットには付属していません)
●牽引ワイヤーは、アイの部分がレジンパーツ、ワイヤー本体は付属の銅製ワイヤーを使用します
●車体下部は各パネルを貼り合わせる箱組み方式となっています
・ サスペンションアームは別パーツです
・ 起動輪はレジンパーツで、4分割式です
・ 履帯は、1枚ずつが分割された接着連結式履帯が付属しています
●フェンダーは、中央部のパーツに前後のマッドフラップ、サイドスカートを取り付ける構成となっています
・ フェンダー支持架はエッチングパーツにて再現
●前照灯、車幅灯、サーチライトのガラス部を再現するクリアカラーレジンを焼付けしたエッチングパーツが付属
●砲塔の雑具箱、フェンダー支持架、エンジングリルのメッシュなどを再現するエッチングパーツが付属しています
●マーキングは、2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ イギリス第7機甲師団第22機甲旅団第5王立戦車連隊 (オランダ / 1945年)
・ チェコスロバキア独立機甲旅団第3連隊 (ダンケルク / 1945年3月)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊記号、車台番号などを再現したデカールが付属しています
●2012年 一部新金型
-------------------------------------【 「クロムウェル Mk.6 CS タイプF車体」のワンポイント 】
●キット解説にも述べたように、ライトガードは金属線で自作する必要が有り、その金属線はキットには含まれていません
●キットを製作する場合には0.7mm径の金属線が必要となりますから注意して下さい