日本海軍 航空母艦 雲龍 終焉時
「日本海軍 航空母艦 雲龍 終焉時 (プラモデル) (フジミ 1/700 特シリーズ No.旧070 )」です
●「日本海軍 航空母艦 雲龍 終焉時」です
●帝国海軍の航空母艦「雲龍」の「最終時」の姿を1/700のスケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●艦隊航空戦力の要として帝国海軍の期待を背負って誕生した航空母艦「雲龍」を再現、それまでに建造された空母をベースとして設計された、いかにも日本の空母らしいシルエットが表現されています
【 航空母艦 雲龍型 について 】
●帝国海軍は太平洋戦争の直前、世界に先駆けて空母を集中使用するという戦法を立案、当時の正規空母6隻による「第1航空艦隊」を編成します
●この「第1航空艦隊」に搭載された艦載機の合計は500機以上となり、艦載機による機動打撃力は、従来の海軍戦術を根底から覆す程のものとなりました
●ただ、日本では「太平洋戦争」自体は短期なものと捉える考えが優勢であり、戦争開戦時において建造中の正規空母は「大鳳」1隻のみでした
●「第1航空艦隊」は、太平洋戦争の緒戦においてその威力を発揮、向かうところ敵無しの状態となります
●ところが、「翔鶴」「瑞鶴」の「第5航空戦隊」を「珊瑚海海戦」で分派した関係から「ミッドウェー海戦」において残る4空母で戦うこととなり、結果的には艦隊を分散使用したことで戦いに敗れ、「赤城」「加賀」「飛龍」「蒼龍」が失われました
●この結果、帝国海軍は攻撃力の要である「空母機動部隊」の主力を失い、当面は「翔鶴」「瑞鶴」の正規空母2隻と他の艦船から改造された小空母で戦わざるを得なくなってしまいます
●この事実に驚愕した帝国海軍は、ここに至り自分たちが築き上げた「空母機動部隊」が持つ能力をようやく認識(それまでは海軍の伝統である砲撃戦至上主義が主流でした)し、空母部隊の再建と、他艦種から空母への改造、そして空母の新規建造を開始しました
●この空母の新規の建造は、「大鳳」を改良した装甲空母型のタイプと、通常型のタイプの2種類が計画され、通常型は建造を急ぐために空母「飛龍」の設計図面を元に戦訓による改良と、生産効率を上げる省力化が行われ、実質的には「改飛龍型」とも言うべきスタイルとなります
・ この空母の建造計画は太平洋戦争の以前に存在していましたが、その計画を推進するきっかけとなったのが「ミッドウェー海戦」です
・ 「大鳳」の改良型は1944年に起工されましたが、その建造には時間を必要とするため、結局途中で建造中止となっています
●この「改飛龍型」と言える艦は、「雲龍型」と命名、戦訓による防御力の強化の他に、「飛龍」では艦橋の配置が左舷中央部だったものが、これまでの運用実績により右舷前方へと移動されます
・ 「飛龍」では、中央部の艦橋配置の関係から、前方視界を確保するために艦橋は背が高くなり、他の空母の搭乗員は艦橋の右舷配置の癖から、「飛龍」への着艦時において、機を艦橋に接触させてしまうという事故を起こしています
●また、「飛龍」の建造時から比べると、航空機の性能が発達、大型化したために3基式のエレベーターは2基へと変更、エレベーター自体は大きくなっています
●この「雲龍型」空母は、連合艦隊の航空戦力の骨格となる存在として期待され、複数の「雲龍型」空母によって空母機動部隊の主力を編成、航空決戦時には「大鳳」や「信濃」という装甲化された空母をアメリカ艦隊に向けての前線基地として展開、後方に位置した「雲龍型」により航空機を供給して敵を撃破するという作戦方針まで立てられました
●「雲龍型」空母は15隻の建造が計画され、1942年8月から順次建造が開始されましたが、資材不足と戦局の関係から「雲龍」「天城」「葛城」「笠置」「阿蘇」「生駒」の6隻のみの着工となりました
●第1番艦「雲龍」は、1944年8月に竣工、1944年中に「天城」「葛城」が竣工しました
●ところが、1944年6月に実施された「マリアナ沖海戦」において、連合艦隊はその艦隊航空戦力の全てを投入してアメリカ機動部隊に一大決戦を挑みましたが、それまでの消耗戦による日本軍側の航空機搭乗員の練度の低さ、アメリカ軍側の新鋭艦載機の投入、高性能なレーダーによる迎撃態勢、そして「VT信管」という近接信管の登場により日本側の完敗に終わります
●この海戦の結果、連合艦隊は多くの航空機と搭乗員を失ってしまい、逆にアメリカ軍側は豊富な航空戦力を保有しており、事実上、以後は艦隊航空決戦が不可能となりました
●「雲龍型」空母は、このような時期に登場した艦であり、航空母艦として使用する目途が立たず、着工されていた「笠置」「阿蘇」「生駒」は建造の途中で工事が中止されました
・ 「笠置」の完成度は84%、「阿蘇」「生駒」は60%でした
●完成した「雲龍」「天城」「葛城」も搭載する航空隊が無く、輸送任務への転用や、内地にて係留され、本来の航空母艦としての任務に就くことなく、その生涯を閉じています
【 航空母艦 雲龍 について 】
●航空母艦「雲龍」は、「雲龍型」航空母艦の1番艦として、1942年8月に建造が開始され、2年間の工期を経て1944年8月に竣工しました
●しかし、「雲龍」が竣工した頃には、ソロモン海域での消耗戦により航空隊はベテランパイロットを失っており、練度の低さは致命的で、更に1944年6月の「マリアナ沖海戦」において大量の航空機と搭乗員を失った結果、連合艦隊には空母を使用した航空戦を行う能力を喪失してしまいます
●また、搭載予定の航空隊も「台湾航空戦」に引き抜かれてしまい、「雲龍」は空母として航空機を搭載することが出来なくなってしまいます
●1944年10月の「レイテ沖海戦」の敗北により、連合艦隊は組織的な抵抗を行う能力を喪失しますが、フィリピンを失うことは、戦争を継続するための石油などの戦略物資の輸送路が断たれることを意味しており、日本の陸海軍は必死の防戦に努めました
●そこで、「雲龍」は広い格納庫を利用したフィリピン方面への物資輸送という任務を受け、1944年12月に内地を出航、特攻機「桜花」や特攻艇「震洋」などを積載して同方面を目指しました
●この任務では、3隻の駆逐艦が随伴して護衛にあたっていましたが、12月19日の夕刻、アメリカ潜水艦の雷撃を受け、発射された4本の魚雷の中の1本が命中、浸水が発生し、速度も低下します
●乗員は必死で損害の回復を図ったものの、更に魚雷を1本被弾、積載物が誘爆し始めて手が付けれない状態となり、総員退艦命令が発令、その短い生涯を閉じたのでした
【 日本海軍 航空母艦 雲龍 終焉時 (フジミ 1/700 特シリーズ No.70) プラモデルの内容 】
●この帝国海軍の航空母艦「雲龍」の「最終時」の姿を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●フジミ社「特シリーズ」のフォーマットに沿って「航空母艦 雲龍」を再現、全体形を捉えながらも、細分化されたパーツ構成と細部に渡るモールド表現により、同艦のディテールを細かく再現した内容となっています
・ また、スポンソン、通路、スポンソン部の支柱などが別パーツ化され、日本の空母の特徴である細かな構造物が織り成す様子を表現しています
●「雲龍」は短い生涯ながら、竣工後に改装が実施されており、本キットでは「最終時」の姿が再現されています
・ 「最終時」には船体前方に噴進砲が装備、対空機銃も増設されています
●艦体喫水線までが再現されたウォーターラインモデルです
●「雲龍」の船体部は左右分割式で、これに「船首」「船尾甲板」「飛行甲板」「ボート収納甲板」などを取り付ける構成となっています
●船体部には、格納庫側面が一体成型されています
・ 船体部には、歪みを防ぐための多数の桁が用意されています
・ 船体部には、各構造物などの基本躯体の他に、舷側の舷窓、フェアリーダー、ホースパイプ、扉などの細部が再現
・ ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属、オモリとなるバラストも付属しています
●上甲板は、船首部分、船尾部分、そしてボート収納デッキに分割されています
・ 甲板上には、滑り止めパターンの他に、アンカーチェーン及び導板、リール、ボラードなどの細かなディテールが再現されています
●飛行甲板は、一体で成型されており、エレベーター部分は別パーツとなっています
・ 飛行甲板上には、ラテックス甲板表現が施され、着艦制止装置の基部、探照灯蓋、クレーン蓋などがモールドされています
・ 遮風柵は別パーツです
・ 側部の兵員用のスポンソンが一体成型
・ 飛行甲板裏側には細かな桁が再現されています
・ 前後に存在する飛行甲板支柱は、それぞれ別パーツとなっています
・ エレベーターは、昇降状態を選択できます
「雲龍」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋構造物の下部は一体成型で、これに2層式に分割された艦橋部分を取り付けます
・ 艦橋側部の探照灯、機銃、高射装置用の張り出し部は別パーツです
・ 艦橋構造物下部には窓、扉がモールドされています
・ 艦橋の窓枠部分がモールドにて再現
・ 艦橋を構成する94式高射装置(×1)、21号電探(×1)、60cm探照灯(×1)、25mm単装機銃(×2)、測距儀(×1)、探照灯管制器(×2)が付属しています
●マスト
・ マストは3脚楼型で、4パーツで構成されています
・ マストに装備される13号電探(×1)が付属
●無線塔
・ 無線塔は上下に3分割式で、基部の部分には起倒装置が再現されています
● 煙突
・ 本体部分は上下2分割式となっており、トップの雨水カバー金網と内部の整風板が別パーツとなっています
・ 表面上には緊急用排煙口などのモールドが彫刻
・ 雨水カバー金網は開口処理されています
●機銃用スポンソン
・ 機銃用スポンソンはブロックごとに別パーツとなっており、下面の補強板が一体成型で1枚ずつ再現
・ スポンソン部の支柱は別パーツで、1本ずつが再現されています
・ 艦首部分の機銃座は、スポンソン、後部構造物、支柱のパーツ構成です
・ 機銃用スポンソンには滑り止めパターンの他に、機銃の弾薬ケースも彫刻されています
●舷側の通路、弾薬供給所
・ 舷側部の通路、弾薬供給所などの構造物は、各ブロックごとにパーツ化されています
・ 通路間のラッタルがパーツ化
●高角砲「40口径 89式 12.7cm連装高角砲 (A1型)」 ×6
・ 高角砲は、砲身部と砲架部との2パーツで構成
・ 台座はスポンソン部分と支筒とで分割されています
●噴進砲「12cm 28連装噴進砲」 ×6
・ 噴進砲は各砲1パーツで構成されています
・ 噴進砲の台座は左右ブロックごとにパーツ化
・ 台座の支柱は、1本ずつパーツ化されています
●対空機銃
・各機銃は一体成型となっており、シールド付きの機銃は3連装式に成型された機銃部分とシールド部分との2分割式です
・ 25mm 3連装機銃 ×16
・ 25mm 3連装機銃(シールド付き) ×4
・ 25mm単装機銃 ×27(艦橋部を含む)
●艦載機
・ 艦載機は、胴体、キャノピー、主脚、尾脚、プロペラ、増槽もしくは武装のパーツ構成となっています
・ 艦載機はクリアーパーツで成型されています
・ 「桜花」用の台車が付属しています
●艦載機内容
・ 艦上攻撃機「天山」 ×2
・ 艦上攻撃機「流星」 ×2
・ 艦上偵察機「彩雲」 ×2
・ 艦上戦闘機「烈風」 ×2
・ 特別攻撃機「桜花」 ×2
●内火艇、カッターなど
・ 12m内火艇 ×3
・ 11m内火艇 ×1
・ 12m内火ランチ ×2
・ 13m特型運搬船 ×2
・ 9mカッター ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首旗竿
・ 錨、副錨
・ 菊花紋章及び艦首フェアリーダー
・ パラベーン
・ 射撃指揮装置
・ 110cm探照灯(クリアーパーツ)
・ 21号電探(飛行甲板部)
・ リール
・ 応急舵
・ 舷々門
などがセットされています
●飛行甲板上に書かれた表示線、着艦標識、日の丸マークなどを再現したデカールが付属しています
●2012年 完全新金型(フジミ社製「日本海軍 航空母艦 雲龍 竣工時」と同時発売