ドイツ 4号対空戦車 オストヴィント
「ドイツ 4号対空戦車 オストヴィント (プラモデル) (サイバーホビー 1/35 AFV シリーズ ('39~'45 シリーズ) No.6550 )」です
●第2次世界大戦末期におけるドイツ軍の「Sd.Kfz.161/3 4号対空戦車 オストヴィント」の「量産型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●大戦末期のドイツ軍車輌として全体形すら謎に包まれていた「オストヴィント」の「量産型」を再現、6角形のソロバン玉状の砲塔をベースに、下部が広がった形状に改められた「量産型」の独特の姿が表現されています【 「Sd.Kfz.161/3 3.7cm 4号 対空戦車 オストヴィント」について 】
●ドイツ軍は、戦前から対空火器の開発と生産、配備に熱心であり、各種ハーフトラックを中心とした自走化も進められました
●このハーフトラックベースの対空自走砲は、各戦線で広く使用され、対空、対地上戦闘に活躍しましたが、基本的に無装甲のソフトスキン車輌であり、防御力に難点が在るのも事実でした
●この問題を解決するために装甲兵員輸送車「Sd.kfz.251」をベースとした対空自走砲も作られましたが、「Sd.kfz.251」自体が軽装甲車輌だったために根本的な解決方法とはなりませんでした
・ 「Sd.kfz.251」は、対小銃弾程度の防御力しか持っておらず、12.7mm機関銃や20mm機関砲で機銃掃射を行う戦闘爆撃機に対しては非力だったことは確かです
●このため、戦車の車体をベースとした対空戦車が開発され、当初は「38(t)戦車」をベースとした車輌「Sd.kfz.140」、続いて「4号戦車」をベースとした「メーベルワーゲン」が造られます
●この「メーベルワーゲン」は、最新対空兵器である「37mm機関砲 Flak43」を搭載、その破壊力と発射速度の高さから優秀な性能を示しましたが、射撃時には戦闘室周囲の防御板を展開する必要があり、防御力の難点は完全には解決されませんでした
●一方、「20mm機関砲 Flak38」の4連装型をオープントップ式の砲塔に搭載した「ヴィルベルヴィント(西風)」も誕生、同車は既存の「4号戦車」に、砲塔を付け替えるだけで完成するという利点を持っており、「4号戦車」の生産ラインをそのまま使用できるものとして、理想的な対空戦車でした
●ところが、同車の「20mm機関砲」は、ソ連軍の「シュトルモビク」のような装甲化された航空機に対しての威力不足が指摘され、「ヴィルベルヴィント」の基本設計を活かし、「37mm機関砲 Flak43」を搭載した「オストヴィント(東風)」が開発されます
●この「オストヴィント」の試作車輌は、「4号戦車G型」の車体をベースにして1944年7月に完成、その姿は記録写真として撮影され、現在においても「オストヴィント」として広く認知されています
●しかし、搭載された「37mm機関砲 Flak43」は巨大な火砲であり、「4号戦車」のターレットリングでは大きさが不足、量産型ではベースとなる「4号戦車」のターレットリングを拡大、砲塔下部も下端部が広がった形状に変化しています
●ただ、このような「4号戦車」自体の改造の必要性から、量産化は遅延、その上、生産工場が連合軍に占領されてしまい、結局「オストヴィント」の量産型は、7両のみが完成したと言われています
・ この「オストヴィント」の量産型の生産数は諸説存在しており、「7両説」「43両説」、そして新説として「3号戦車」ベースの「オストヴィント」の存在も唱えられています
・ 生産数7両にしては、大戦末期の部隊編成表に「オストヴィント」が多く登場しており、もう少しは多く生産されたと思いますが、量産型を写した写真は極めて少なく、7両という数字も納得できます
●完成した「オストヴィント」は、戦車部隊の対空車輌として活躍、脅威となる上空からの攻撃に対し、その搭載砲の威力により部隊を守ることに奮闘しています
【 「ドイツ 4号対空戦車 オストヴィント」のキット内容について 】
●このドイツ軍の「 4号対空戦車 オストヴィント」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●サイバーホビー社のリサーチ力とディテール表現力により「オストヴィント」の「量産型」を再現、謎が多かった「量産型」の姿と、ディテールを最新の資料によって表現した内容となっています
・ 「オストヴィント」の「量産型」は初めてのインジェクションキット化となります
●「オストヴィント」の車体は「4号戦車 J型」の「後期型」をベースとしています
●「4号対空戦車 オストヴィント 量産型」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」「左右フェンダー」の5ブロックで構成されています
●「37mm機関砲 Flak43」の砲身は、先端のフラッシュハイダーも含めて一体成型されています
・ スライド式金型により砲口が開口処理されています
・ フラッシュハイダーは側面の細かな穴もモールドで再現、後方の穴は開口処理済みです
・ 砲身部全体では、機関部も含めて13パーツで構成
・ 機関砲部の防盾は、薄く成型されています
●機関砲の砲架部は、左右ブロックで構成され、これに照準器パーツ、照準手席、操作ハンドルなどを取り付ける構成となっています
・ 照準器は細かく再現されており、4パーツで構成
・ 照準手席は、表面の穴が開口処理済です
・ 側部の排莢受けは、枠の部分がプラパーツ、メッシュ部分はエッチングパーツにて再現
・ 砲弾クリップが4個付属しています
●砲塔は前後分割式で、表面上の溶接跡だけではなく、裏側の溶接跡も再現されています
・ 砲塔の装甲板は実車通りに薄く成型されています
・ 照準器部分の装甲板の小ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
●車体上部は、各装甲板を貼り合せる箱組み方式となっています
・ パーツの精度の高さにより確実に形となるように工夫されています
・ 車体上部の操縦手、無線手ハッチは、別パーツとなっており、開閉状態が選択できます
・ エンジングリルの点検ハッチ、車体前部のブレーキ点検ハッチは別パーツ化されています
・ 操縦手の装甲バイザーは、開閉状態が選択できます
・ 前方機銃は、内部の細かな細部も再現されています
・ 前方機銃は完成後も可動式とすることが可能
●車体下部は、バスタブ式に一体成型されており、これに前面パネル、後面パネルを取り付ける構成となっています
・ ボギー式サスペンションは、1ユニットが4パーツで構成(全8ユニット)
・ 各ダンパーは2分割式
・ 下部転輪は左右分割式で、ハブキャップは別パーツです
・ 誘導輪は鋳造タイプとパイプタイプとを選択できます
・ 上部転輪は鋼製タイプを再現
・ 後面パネルは上下分割式です
・ 車体後部には大型の牽引装置を再現
・ 排気管は縦型タイプを再現、各3パーツで構成されています
・ 車体後部に装備されたジャッキ台及び固定具が付属
●履帯は、マジックトラックによる1枚ずつが分割された接着連結式履帯が付属しています
・ 履帯は表面に滑り止めが付いたタイプ(「3/4号戦車 後期型」)が再現されています
●左右のフェンダーは、それぞれフェンダー本体、前後のマッドフラップの3分割式です
・ 各車載工具類は、固体具のクランプなども一体成型となっています
・ エンジンの吸気口のカバーは、プラパーツとエッチングパーツとを選択できます
・ 車間表示灯は、「前期型」である箱型と、「後期型」となる筒型とが付属、選択して使用します
●視察口の防弾ガラスなどを再現するためのクリアーパーツが付属
●エンジングリルのシャッターや、吸気口の蓋、排莢受けなどを再現するエッチングパーツが付属しています
●「4号対空戦車 オストヴィント」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる5種類の塗装例が説明書に指示されています
・ 第507重戦車大隊 (1945年)
・ 第507重戦車大隊 (1945年)
・ 所属部隊不明 (1945年)
・ 所属部隊不明 (1945年)
・ 所属部隊不明 (1945年)
●国籍マークを再現したデカールが付属
・ デカールのプリントはカルトグラフ社製
●2012年 一部新金型