日本海軍海防艦 択捉型
「日本海軍海防艦 択捉型 (プラモデル) (ピットロード 1/700 スカイウェーブ W シリーズ No.SPW021 )」です
●「日本海軍海防艦 択捉型」です
●帝国海軍の「海防艦 択捉型」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●帝国海軍の中で初めて船団護衛用の艦として設計・建造された「海防艦 択捉型」を再現、小型ながらも駆逐艦とは異なる少しゆとりをもったシルエットを再現した内容となっています【 「海防艦 択捉型」について 】
●帝国海軍は、第一線を退いた「戦艦」や「装甲巡洋艦」を「海防艦」へと艦種変更を行い、沿岸防御用の艦として運用していました
●一方、北海道の北、千島列島やアリューシャン列島は漁業資源の宝庫であり、日本とソ連との間に漁業紛争が絶えず、ソ連は極東艦隊を派遣して日本側を威圧、日本も駆逐艦を中心とした艦隊を出して権益の確保に努めていました
●しかし、艦隊決戦用の高性能な駆逐艦を派遣するのは不経済であり、暖房設備の無い同海域での駆逐艦の乗員の負担も大きく、この漁業監視艦とも言うべきの専用の艦艇の建造が行なわれました
●この艦は、帝国海軍では「漁業監視艦」や「漁業保護艦」というカテゴリーがなかったために「海防艦」という名称が使用され、この新しいタイプの海防艦の最初の艦として1940年に「占守」が建造されることになります
●「占守」は、厳寒で海の荒れる北方海域で行動することを考慮し、舷側は高く取られ、船首楼は長く、波浪性が重視されています
●また、解氷装置や暖房設備が装備され、船体も耐氷構造で復元性も良好となっており、長期間現地で留まって任務を行なうように充分な航続距離を持っているのが特徴です
●ただし、目的が漁業保護・警備であるために、艦隊戦用の武装は持っておらず、旧式の駆逐艦から転用した火砲を搭載し、その任務の性格上、最大速度は20ノットと遅めでした
●太平洋戦争が気運が高まった1941年、将来の対米開戦を考慮した結果、帝国海軍は南方資源を輸送する船団の護衛艦艇が不足することが判明します
・ 「駆潜艇」や「水雷艇」では航続距離と波浪性の関係から、その航路全てに随伴することができず、「駆逐艦」は貴重な艦隊戦用の水上艦艇として、戦場での使用が前提となっていました
●そこで、この船団護衛任務に最適な艦として「占守型海防艦」が選ばれ、この「占守型」をベースとした新型海防艦「択捉型」の建造が開始されました
●「択捉型」は、開戦をにらんだ緊急性の高い艦として建造が急がれましたが、設計自体は「占守型」がそのまま用いられたために、各部の簡素化は最小限となり、戦時での急造艦という特徴があまり感じられないものとなりました
●艦首部分は簡易型となりましたが、搭載爆雷数は「占守型」の18個から「択捉型」では36個と増やされ、北方用の暖房設備も引き続いて装備されるなど、生産の簡略化は徹底されず、1艦あたり建造に11ヶ月間を要しました
●「択捉型海防艦」の1番艦「択捉」は1943年5月に竣工、以後合計14隻が建造され、最後の14番艦「笠戸」は1944年2月に竣工しました
●しかし、太平洋戦争も中期に入ると、アメリカの潜水艦の活動により輸送船団に被害が続出、護衛する各種艦艇にも被害が及び、より多くの海防艦の必要性が高まりました
●そこで、「択捉型」をベースに、より生産性の高い戦時簡易型「御蔵型海防艦」の建造が開始され、更には生産性をより向上させた「鵜来型」「丙型」「丁型」が登場、「丙型海防艦」では1艦あたりの建造期間が3ヶ月まで短縮化されることになります
●竣工した「択捉型海防艦」は、早速船団護衛任務に従事、その航続距離の長さと荒天時の航行性能、そして対潜能力により活躍します
●ただし、この「択捉型」が任務に就いた頃には、輸送船団も空襲に曝される場合が多くなっており、同艦は対空能力は決して高いとは言えないため、順次対空兵装の強化が図られました
●また、比較的対潜能力が重視されたものの、電波装置技術に優れたアメリカ潜水艦に対して苦戦、輸送船の盾となって潜水艦の雷撃によって戦没した艦が14隻中6隻に上りました
●このような「海防艦・輸送船団」の死闘は、艦隊戦を中心とした戦史の中ではクローズアップされませんが、戦争下の日本を支える重要な役割を果たしたのです【 「日本海軍海防艦 択捉型」のキット内容について 】
●この帝国海軍の海防艦「択捉型」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●ピットロード社が長年培ってきた小型艦を中心とした艦船モデル技術により「海防艦 択捉型」をシャープに再現、小柄な船体に砲を中心とした武装を持つ、艦隊戦用の艦艇とは異なるシルエットを持つ同艦の特徴が表現された内容となっています
●海防艦「択捉型」のパーツが2隻分セットされています
●「択捉型」は、太平洋戦争の経過に合わせて「対空兵装」と「電探設備」の増設が行われており、キットは「竣工時」から「最終時」まで各時期による兵装の違いを選択できます
・ 各艦の兵装強化時の例が説明書に記載されています
・ キットは「択捉型」の同型艦14隻全てを製作することが可能ですが、対空兵装を多く装備した艦を2隻製作する場合には対空機銃が不足しますので、他から流用して下さい
●喫水線から上が再現されたウォーターラインモデルです
●「択捉型」は「上甲板」と「船体」とが一体成型されています
・ 中央構造物は別ブロック化したパーツ構成となっています
●船体部は、喫水線部分までが再現されています
・ 船底部は、 ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属しています
●甲板上には、主砲塔台座などの基本躯体の他に、リノリウム押さえ、滑り止め、ボラード、アンカーチェーン、波除けなどのディテールがモールドされています
●上甲板上の構築物となる「艦橋」「中央構造物」「主砲部」「煙突部」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「択捉型」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋は、上下分割式で、トップの測距儀は別パーツとなっています
・ 艦橋の窓枠がモールドで再現されています
●中央構造物
・ 中央構造物は左右分割式で、天板部は別パーツです
・ 天板部は対空兵装強化時には一部をカットします
・ 構造物側面には窓、扉などがモールドされています
●メインマスト、後檣
・ メインマストと後檣は三脚檣型となっており、それぞれ前後分割式です
・ 兵装強化時に装備された13号電探、22号電探が付属
●煙突
・ 煙突は、本体とトップ部の2分割式です
・ 副管は別パーツ化されています
●機銃座
・ 側面の機銃座は、ブルワーク部と下部の支柱の2パーツで構成
・ 支柱パーツはトラス構造がモールドされています
・ 前部の機銃座は1パーツにて再現
●主砲塔部「45口径 3年式 12cm単装砲」 ×3
・ 砲塔はシールド部と砲身部分との分割式です
●機銃「25mm連装機銃」×2、兵装強化時は「25mm3連装機銃」×3、「25mm連装機銃」×2
・ 機銃は銃身部と機銃架の2分割式です
●爆雷投射器、爆雷装填台、爆雷投下器
●探照灯
●方位測定器
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 6m内火艇×1、6mカッター×2、6m通船×1が付属
●艦首、艦尾旗竿
●錨
●パラベーン
●リール
など
●艦尾の軍艦旗を再現したデカールが付属
●スポット生産品