アメリカ陸軍 T-28 超重戦車
「アメリカ陸軍 T-28 超重戦車 (プラモデル) (ドラゴン 1/35 39-45 Series No.6750 )」です
●第2次世界大戦後期に開発されたアメリカ陸軍の試作「超重戦車 T-28」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●陣地突破用の重装甲戦闘車両として開発された「T-28」を再現、低く地を這うような車体に、複列式の履帯を装備した特徴的なフォルムを再現した内容となっています【 「超重戦車 T-28」について 】
●北アフリカ戦線で勝利を収め、シシリーに上陸した連合軍は、将来のドイツへの本格的な反攻作戦(ヨーロッパ大陸反攻作戦)が検討されるようになり、1943年中頃からはその具体化計画が立てられました
●しかし、これまでのドイツ軍との戦闘からドイツ軍の激しい抵抗が予想され、ドイツ国境地帯には「ジークフリート線」を呼ばれた要塞ラインが存在しており、防御砲火に耐えうる重戦車の必要性が唱えられます
●この「ジークフリート線」の突破する対策として、1943年9月、新型重戦車の開発が開始され、翌年の3月には「T-28」という名称が与えられます
●「T-28」は、防御力を重視したため、旋回砲塔を持たず、戦闘室に直接主砲を装備、その前面の装甲厚は最大で300mmを誇りました
●主砲には、「105mm砲 T5E1」を装備、この砲は当時のアメリカ軍車輌の搭載砲としては最大の破壊力を持っています
●「T-28」には、大重量による履帯の接地圧の上昇を防ぐため、片側の履帯を複列に配置、その外側には100mm厚の装甲スカートが取り付けられました
●この複列式履帯は、後方での道路での移動の際には、同車に装備されているクレーンにより外側の履帯及び懸架装置を取り外し、これらの装備を牽引しながら移動するという方式となっていました
●ただ、重装甲と複列式の足周りにより、自重が85tにもなってしまい、その最高速度は整地において13km/h、車高の低さとその重量により不整地での機動性は極めて低いものでした
●ノルマンディ上陸作戦が完了すると、戦局の関係からこのような重車輌への関心は薄れてしまい、その開発は遅延、1945年5月になってようやく試作車輌5両分の設計案がまとまりました
●1945年8月に車台が完成、しかし、太平洋戦争の終結により5両の試作車はキャンセルされ、2両のみが作られました
●完成した2両の試作車は、数々のテストを受けましたが、その低い機動性能は致命的であり、結局このような機動力に乏しい超重戦車の必要性は認めらず、その後の発展車輌も作られることはありませんでした
【 「アメリカ陸軍 T-28 超重戦車」のキット内容について 】
●このアメリカ軍の「超重戦車 T-28」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●サイバーホビー社のディテール表現力により「T-28」を再現、車体上部などの外観パーツは実車の造りに合わせて一体成型を用いながらも、足周りに関しては細分化されたパーツ構成により表現された内容となっています
●キットは、複列式の履帯(足周り)を装備した状態と、取り外した外側の懸架装置を牽引している状態とを選択して組立てることができます
●「T-28」は、「車体上部」「車体下部」、左右の「装甲スカート部」の4ブロックで構成されています
●「105mm砲 T5E1」は、金属製砲身(アルミ製)となっており、先端のマズルブレーキはプラパーツで再現されています
・ マズルブレーキは一体成型で、砲口部分が開口処理済みです
・ 防盾は1パーツで構成、表面には細かな鋳造肌がモールドされています
●車体上部は、一体成型となっています
・ ベンチレーター、側部の装甲スカート取り付け部は別パーツです
・ 機銃用リングは3パーツで構成
・ ペリスコープはクリアーパーツです
●「M2重機関銃」は、本体、コッキングハンドル、機関部の蓋、グリップ部の4分割式です
・ 銃口が開口処理されています
●操縦手、車長キューポラは各1パーツで構成されています
・ 周囲のビジョンブロックはクリアーパーツとなっています
・ ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
●車体下部は、前部フェンダーも含めて一体成型で、後部パネルは別パーツです
・ 前照灯はクリアーパーツ、ライトガードはプラパーツです
●装甲スカート部は一体成型となっています
・ 車体との取り付け部は別パーツです
・ 車載工具類は固定具が一体成型されています
・ 側面の雑具箱(?)はエッチングパーツにて再現
●サスペンション(「M4A3E8」の「HVSSサスペンション」の上部シリンダーの無いタイプ)は、アーム部、中央部のシリンダー部などが細分化されたパーツ構成で、各サスペンションユニットは転輪を含めて23パーツで構成(全16ユニット)
・ 中央部のシリンダーの内部には金属製のスプリングを内蔵させます
・ 転輪は、ホイール部とゴムの部分が別パーツです
●履帯は、接着及び塗装が可能な素材によるベルト式履帯が付属しています
・ 履帯パーツは側面の履帯ピンも再現、センターガイドはプラパーツとなっています
●装甲スカートを着脱させるためのクレーンが2個付属、車体の4箇所に任意に取り付けます
・ クレーンは各6パーツで構成
●側面の雑具箱、足周りのディテールを再現するエッチングパーツが付属しています
●「T-28」のマーキングとして、アメリカ陸軍の1種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 所属不明車両 (1945年)
●説明書の塗装例に基づく、車台番号などを再現したデカールが付属しています
●2012年 車体部分完全新金型
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【 「アメリカ陸軍 T-28 超重戦車」のワンポイント 】
●キットのサスペンションは、実車通りに同社の「M4」系列の「HVSSサスペンション」を流用していますが、このサスペンションパーツは可動式として設計されたもので、パーツ数がかなり多くなっていますから根気が必要です
●また、サスペンションの中央部のシリンダーには金属バネを内蔵させるように指示されていますが、バネの圧力により組立てが極めて困難となりますので、使用しない方が無難と思われます