日本海軍 防空巡洋艦 五十鈴
「日本海軍 防空巡洋艦 五十鈴 (プラモデル) (アオシマ 1/350 アイアンクラッド No.002872 )」です
●「日本海軍 防空巡洋艦 五十鈴」です
●太平洋戦争時における帝国海軍の「防空巡洋艦 五十鈴」を1/350スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●帝国海軍の艦艇の中でも、希有な存在となる「防空巡洋艦 五十鈴」を再現
・ 高角砲を主武装とし、防空設備が整った大型艦橋を持つ同艦も特徴的なシルエットを再現した内容となっています
・ 「13号・21号電探」などを再現したエッチングパーツも付属しています【 「防空巡洋艦 五十鈴」について 】
●日露戦争以降、駆逐艦は大型化の一途を辿り、波浪性や攻撃力が向上、艦隊決戦に参加できる程の有力な艦種へと成長して行きます
●この駆逐艦で編成される水雷艦隊の旗艦用の偵察巡洋艦として建造されたのが1919年に登場した「天龍型軽巡洋艦」で、駆逐艦よりも大型の砲を搭載し、対抗する敵の駆逐艦を撃破するという任務を持っていました
●ただし、この「天龍型」は排水量3200トンという巡洋艦としては小型の艦であり、同様な理由によって建造されたアメリカの「オマハ型」軽巡洋艦と比べて攻撃力の貧弱さは否めず、帝国海軍は「天龍型」を拡大した排水量5500トンクラスの軽巡洋艦を建造することを決定、「球磨型」「長良型」、そして「川内型」の3タイプが建造されることとなりました
●この5500トンクラスの軽巡洋艦は14隻が建造され、艦齢こそ古いものの改装を繰り返し、太平洋戦争においては水雷戦隊の旗艦として活躍、連合艦隊の主要艦艇として数々の海戦に参加しています
●「軽巡洋艦 五十鈴」は、「長良型軽巡洋艦」の2番艦として1923年に竣工、「長良型」は当初艦橋下部に航空機の格納庫が設けられており、その関係で艦橋自体は前のタイプである「球磨型」よりも大型となっているのが特徴でした
●太平洋戦争が開戦すると、「五十鈴」は香港占領作戦に参加、その後南方の攻略作戦に従事します
●1942年7月にアメリカ軍がガダルカナル島に上陸すると、この島を巡って日米双方の死闘が繰り広げられるようになります
●「五十鈴」も、同島を含むソロモン海域に進出、「南太平洋海戦」「第3次ソロモン海戦」に参加しました
●この「第3次ソロモン海戦」において、同艦は巡洋艦で構成されるガダルカナル島の飛行場砲撃艦隊の支援に就きますが、砲撃を成功させた翌朝、飛行場と空母から発進したアメリカ軍機の猛攻を受けてしまいます
●この航空攻撃により「五十鈴」は被弾、一時航行不能に陥りますが、何とか戦線からの離脱を果たします
●修理を完了した同艦は、輸送任務などで活躍しますが、1943年12月にアメリカ艦載機の攻撃を受けて再び傷つきます。
●その修理のために内地へと帰投、ただ、太平洋戦争の中期以降は対水上戦闘よりも対空戦闘の機会が多く、この修理に併せて対空兵装を増強した防空巡洋艦として改装されることとなりました
●この対空兵装の強化にあたり、既存の主砲の全てと、前部の魚雷発射管は撤去され、代わりに「12.7cm連装高角砲」を3基、「25mm 3連装機銃」を11基、その他多くの機銃が装備されました
●この兵装は、アメリカの「アトランタ級」やイギリスの「ダイドー級」のような防空巡洋艦と比べて火力不足が否めないものでしたが、5500tクラス自体が艦隊戦を前提とした船体幅の狭い艦でしたので、これ以上の高角砲を積むことは難しかったようです
・ 機銃は多数装備されましたが、機銃は射程が短くて性質的には個艦防御用であり、艦隊防空の役割としては高角砲がメインとなります
●この改装工事は1944年9月に完成、直後の「レイテ沖海戦」においてその防空能力を買われ囮艦隊である空母機動部隊「小沢艦隊」へと編入されます
●この海戦において、「五十鈴」はその対空能力を発揮し、10機程度の敵航空機を撃墜するという戦果を挙げます
●ただし、「小沢艦隊」はその任務を全うしたものの、海戦自体は日本軍側の敗北となり、艦隊は内地へと帰投しますが、同艦はフィリピンに残って輸送任務に従事します
●「五十鈴」は、その対空能力により活躍、しかし1945年4月、アメリカの潜水艦2隻による雷撃を受けて魚雷4本を被弾、奮戦虚しくその最期を閉じたのでした
【 「日本海軍 防空巡洋艦 五十鈴」のキット内容について 】
●この帝国海軍の防空巡洋艦「五十鈴」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●アオシマ社の1/350アイアンクラッドシリーズのフォーマットに沿って「防空巡洋艦 五十鈴」を再現、大型スケールを活かして船体上の細かな構造物が表現された内容となっています
●「五十鈴」の艦形は1944年までの「軽巡洋艦時代」と、1944年以降の「防空巡洋艦」時代とに分けらることができ、本キットでは「防空巡洋艦」時代の姿を再現しています
・ この「防空巡洋艦」の魅力を捉え、多くの双眼鏡や機銃を備えて対空兵装が充実した様子を細やかに再現しています
●喫水線以下も再現されたフルハルモデルと、艦体喫水線までを再現するウォーターラインモデルとを選択できます
・ ウォータラインモデルとする場合には、船底部分をカットする加工が必要となります
●「防空巡洋艦 五十鈴」の基本船体は「上甲板」「船体部」の上下分割式となっています
●船体部は左右分割式で、鋼板の継ぎ目、舷側の舷窓、フェアリーダー、塵捨て管、ホースパイプ、梯子などがモールドされています
・ 船体部の魚雷発射管口は開口処理済み
・ 船体部の歪みを防ぐ、桁のパーツが付属、船体部とは金属ビスとナットによって固定します
・ 船底部の推進軸(4軸)、推進軸支柱、スクリュー、舵を再現したパーツが付属しています
●上甲板は、前部、中央部、後部、シェルター甲板で分割されています
・ 甲板上には、リノリウム押さえ、滑り止め、単装機銃架、機銃スポンソン、ボート架台などの基本躯体の他、ボラード(一部)、昇降口、通風口、機銃弾薬箱などの細かなディテールが再現されています
・ 魚雷発射管デッキは後部甲板に一体成型されています
●上甲板上の構築物となる「艦橋部」「高角砲部」「煙突部」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「五十鈴」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋構造物は各パネルを貼り合せる箱組み方式で、これに羅針艦橋、防空指揮所などを積み重ねる方式となります
・ 羅針艦橋の窓、窓枠はクリアーパーツです
・ 羅針艦橋内部が再現、各双眼鏡、羅針盤、舵輪などがパーツ化
・ 防空指揮所に装備された各種双眼鏡もパーツ化
・ 艦橋上下の遮風装置は別パーツとなっています
・ 艦橋後部のラッタル、張り出し部の支柱などもパーツ化
・ 艦橋部分を構成する、21号電探(エッチングパーツ)、60cm探照灯(×2)、25mm3連装機銃(×2)、パラベーン(×2)などがパーツ化、探照灯はクリアーパーツです
●メインマスト
・ メインマストは三脚檣型です
・ マスト上部の射撃指揮装置は別パーツです
・ 方位測定アンテナ部は3分割式によりトラス構造を再現
● 煙突
・ 煙突の本体部分は左右分割式です
・ 煙突トップの雨水カバー部は別パーツで、開口処理されています
・ 煙突内部の整風板がパーツ化
●後檣
・ 後檣は三脚檣型、トップは1本の単檣となっています
・ マストは三脚檣部分は前後分割式、上部の単檣とヤード部はそれぞれ1パーツで構成されています
・ マスト部分には梯子がモールドされています
・ 中央部分の電探室は3分割式です
・ マストに付けられている、110cm探照灯、22号電探、13号電探(エッチングパーツ)などがパーツ化
●上部構造物
・ 探照灯台座の下部及び機銃台座の下部となる上部構造物は3パーツで構成され、側面にはスリットがモールドされています
●探照灯台座、及び探照灯
・ 台座部分は3分割式で、トラス構造を再現
・ 110cm 探照灯が付属、ガラス部分はクリアパーツとなっています
●高角砲「40口径 89式 12.7cm連装高角砲 (A1型)」 ×3
・ 高角砲はシールド部分と砲身部分、及び上部カバーの3分割式で、砲身部分は連装式に一体成型されています
・ シールド部分にはり梯子などディテールが再現
・ 多角形の高角砲台座がパーツ化、内蔵させるポリキャップにより高角砲は左右旋回可動式です
●魚雷発射管「92式 61cm 4連装発射管 1型」 ×2
・ 魚雷発射管は一体成型されたパーツとなっています
・ 魚雷発射管はデッキ部分に内蔵させるポリキャップにより可動します
●対空機銃
・ 25mm 3連装機銃 ×11
・ 25mm 単装機銃 ×10
・ 3連装機銃は、銃身部と銃架との2分割式、単装機銃は一体成型となっています
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 11m内火艇 ×1
・ 9mカッター ×2
・ 10m特型運貨船 ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨
・ 爆雷
・ 菊花紋章
・ 係船桁
・ 各種ダビット
・ リール
・ 通気塔
・ ボラード
・ ケーブルホルダー
・ ラッタル
などがセットされています
●アンカーチェーンは、付属の金属チェーンを使用して再現します
●細部デティールを再現するためのエッチングパーツが付属
・ 13号電探
・ 21号電探
・ スクリューガード
・ シェルター甲板支柱
●艦尾の軍艦旗(直線タイプと、なびいているタイプの2種)を再現したシートが付属しています
●フルハルモデル展示用のスタンドが付属
●2012年 一部新金型