日本海軍 航空巡洋艦 最上 昭和18(1943)年-昭和19(1944)年
「日本海軍 航空巡洋艦 最上 昭和18(1943)年-昭和19(1944)年 (プラモデル) (フジミ 1/700 特シリーズ No.073 )」です
●帝国海軍の「重巡洋艦 最上」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●索敵能力を飛躍的に拡大させた「航空巡洋艦 最上」を再現、船体後部を飛行甲板とした1943年5月から1944年までの航空巡洋艦としての特徴的なシルエットを再現した内容となっています
【 「日本海軍 航空巡洋艦 最上」について 】
●「最上」は軍縮条約の制限の下、やむなく主砲に「15cm砲」を装備した大型「軽」巡洋艦「最上型」の1番艦として1935年に竣工しました
●ところが、軍縮条約の脱退により重巡洋艦の保有制限が無くなり、「最上型」の4隻は主砲を「20cm」へと換装、これにより重巡洋艦へと変貌を遂げます
●「最上」は、太平洋戦争開戦後、南方の攻略作戦に参加、インドネシア方面において反撃してきた連合軍の「ABDA艦隊」の2隻の巡洋艦と交戦し、他艦との協同でこれを撃沈する戦果を挙げます
●「ミッドウェー海戦」では、「最上」は他の「最上型」3隻と共にミッドウェー島の攻略部隊として参加します
●同海戦では、先鋒となった機動部隊が壊滅したことにより作戦が中止されますが、その決定は直ぐには行われず、「最上」の所属する攻略部隊は一時ミッドウェー方面に突撃します
●この結果、艦隊はアメリカ艦載機の攻撃を受け、僚艦「三隈」は戦没、「最上」も深刻なダメージを受けながらも、何とか内地に帰還しました
●同海戦で4隻の空母を失った帝国海軍は、早急な航空戦力の回復に努めます
●しかし、新規に空母を建造する時間はなく、各種艦艇から空母もしくは水上機を搭載する艦への改造が行われることになり、ダメージを受けた「最上」はその修理を兼ねて後部を飛行甲板とする航空巡洋艦として改装されました
●この改装により、水上機11機を搭載できる能力を持ち、その索敵能力により機動部隊の索敵の任務を担当、空母はその搭載機を索敵任務に割く必要がなく、実質的な空母戦力の向上する意図していました
●しかし、同艦が航空巡洋艦として完成した1943年5月の頃には、ソロモン海での消耗戦により空母艦載機の乗員の損失が大きく、その練成に当たっている時期であり、「最上」を必要とする空母戦は行われませんでした
●1944年6月、「マリアナ沖海戦」が発生、帝国海軍はその艦隊航空戦力の全てを投入、「最上」はその能力により機動部隊に随伴、水上機により索敵任務に従事します
●しかし、当時の空母艦載機の乗員は、消耗戦により練成訓練中ながら逐次前線へと引き抜かれてしまい、その結果同海戦時の乗員の練度は極めて低いものでした
●一方、アメリカ軍側は、新鋭機の本格投入とレーダー網による警戒態勢、更には「VT信管」という新兵器により以前と比べて格段に能力が向上、「最上」の行動も虚しく同海戦で連合艦隊は完敗します
●「マリアナ沖海戦」の結果、連合艦隊は多くの艦載機の乗員を失い、もはや航空母艦での戦いを行う能力は無く、続く1944年10月の「レイテ沖海戦」において、「最上」は機動部隊から外されます
●「重巡洋艦 最上」は、戦艦2隻を中心に編成された「西村艦隊」に配属、レイテ沖目指して突き進みますが、その入り口であるスリガオ海峡においてアメリカ艦隊の待ち伏せ、そして艦載機の攻撃によりその最期を遂げています
【 日本海軍 航空巡洋艦 最上 昭和18(1943)年-昭和19(1944)年 (フジミ 1/700 特シリーズ No.073) プラモデルの内容 】
●この帝国海軍の「重巡洋艦 最上」の航空巡洋艦の姿を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●フジミ社の「特シリーズ」のフォーマットを更に追求して「航空巡洋艦 最上」を再現、船体上の細かな構造物をモールド及びパーツ分割により表現しており、実艦のディテール再現にスポットを当てた内容となっています
●甲板上には、同スケールの艦船キットでは縮小率の関係で省略されていた通風塔や昇降口などの細かな構造物もモールドされており、ディテールを1/700スケールに詰め込んだ内容となっています
●「重巡洋艦 最上」の航空巡洋艦時代、1943年5月から1944年の状態を再現していますが、最終時である「レイテ沖海戦時」の状態ではありません
●艦体喫水線までが再現されたウォーターラインモデルです
●「航空巡洋艦 最上」の船体部は上下分割式となっています
・ 船体部には、舷側の舷窓、フェアリーダーなどが再現されています
・ 船体部の魚雷発射管口は開口処理済み
・ 船体部のバルジは別パーツです
・ ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属、オモリとなるバラストも付属しています
●上甲板は、前部甲板、後部甲板、艦橋甲板及び飛行甲板部の3分割式となっています
・ 甲板上には、主砲塔台座、リノリウム押さえ、滑り止め、航空機運搬用軌条の基本躯体の他、リール、ボラード、通気塔、昇降口、ステップなどの細かなディテールが再現されています
・ 魚雷発射管部分の甲板パーツが付属しています
・ 飛行甲板の裏側には桁が表現、飛行甲板下部の支柱は1本づつが別パーツとなっています
●上甲板上の構築物となる「艦橋部」「主砲部」「高角砲部」「カタパルト部」「煙突部」「後部艦橋部」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「航空巡洋艦 最上」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋は5層で構成され、トップのは測距儀、射撃指揮所が別パーツにて再現
・ 羅針艦橋の窓の部分はクリアーパーツです
・ 艦橋の上下部には遮風装置が再現されています
・ 前檣楼支柱がパーツ化
・ 艦橋部分を構成する、缶室吸気口(×2)、91式高射装置(×2)、高角測距儀(×2)、60cm信号灯(×2)、方位測定器、「25mm 3連装機銃」(×2)などが付属しています
●前檣
・ 前檣は三脚檣型、トップは1本の単檣となっています
・ マスト下部は前後分割式です
・ マスト上に設置された「21号電探」が付属
● 煙突
・ 本体部分は左右分割式で、煙突トップ部は別パーツ化、雨水カバー部は開口処理されています
・ 煙突内部の整風板がパーツ化
・ 煙突左右の副管は別パーツです
●後檣
・ 後檣は三脚檣型、トップは単檣となっています
・ 三脚檣の部分は前後分割式で、中央部のヤードは別パーツです
・ クレーンは別パーツで、先端のフックなどが一体成型されています
●探照灯台座、及び探照灯
・ 探照灯台座は、台座と台座支柱との2分割式
・ 支柱部分にはトラス構造が再現、開口処理されています
●中央機銃座
・ 機銃座は、左右ブロックで構成されています
・ 機銃座に装備される「25mm 3連装機銃」(×4)などが付属
●カタパルト「呉式2号5型射出機」 ×2
・ カタパルトは一体成型のパーツで再現、上部のディテール、側面のトラス構造がモールドで表現されています
●後部艦橋
・ 後部艦橋は上下分割式となっています
・ 艦橋部に設置された「25mm 3連装機銃」(×2)が付属
●主砲塔部 「50口径 3年式2号 20cm砲」 ×3
・ 砲塔は上下分割式で、測距儀は別パーツ、砲身部分は1本づつに分割されています
・ 砲身部分には防水カバーが表現されています
・ 2番主砲塔用の砲身は、実艦通りに仰角が付けられています
●高角砲 「40口径 89式 12.7cm連装高角砲 A1型改1」 ×4
・ 高角砲はシールド部分と砲身、砲架との3分割式で、砲身部分は連装式に一体成型されています
・ 円形の高角砲台座がパーツ化、台座に付けられる射界限度を示す枠も別パーツにて再現
●対空機銃
・ 25mm 3連装機銃 ×10(艦橋、機銃座、後檣などに配置)
・ 機銃は銃身、銃架が一体成型されています
●魚雷発射管 「61cm 90式 3連装魚雷発射管 1型」×4
・ 魚雷発射管は3連装式に一体成型されています
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 9m内火艇 ×2
・ 12m内火ランチ ×2
・ 9mカッター ×3
・ 6m通船 ×1
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 菊花紋章
・ 航空機台車
・ パラベーン
・ ダビット
・ 揚艇桿
・ 舷梯
・ ラッタル
などがセットされています
●艦載機として
・ 零式3座水上偵察機 ×8
・ 零式水上観測機 ×3
が付属しています
●艦載機は、胴体、上部主翼、翼間支柱、プロペラ、フロートのパーツ構成です
●艦尾の軍艦旗(直線タイプと、なびいているタイプの2種)、艦載機の日の丸マーク、識別帯、偏流測定線などを再現したデカールが付属しています
●2012年 完全新金型 (武装、内火艇、艦載機などを除く)