ソビエト KV-1S/85 重戦車
「ソビエト KV-1S/85 重戦車 (プラモデル) (トランペッター 1/35 AFVシリーズ No.01567 )」です
●第2次世界大戦中期におけるソ連軍の試作重戦車「KV-1S/85」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●重戦車「KV-85」の始祖となった「KV-1S/85」を再現、「KV-1S」の主砲を85mm砲へと変更した特異なフォルムを再現した内容となっています
●トランペッター社製「ソビエト KV-1S 重戦車 スコロツノイ」をベースとして、「KV-1S/85」を再現するために、砲身及び防盾を新規パーツへと変更したバリエーションキットです【 「KV-1S/85 重戦車」について 】
●ソ連軍の重戦車「KV-1」は、当時としては極めて厚い装甲を装備していたため、ドイツ軍の戦車砲が役に立たず、「KV-1」の撃破は「88mm高射砲」による水平射撃か航空攻撃などに頼らざるを得ませんでした
●しかし、「KV-1」は、ソ連軍側にとっては重量増大による機動性能の低さと、後輪駆動式によるトランスミッションへの負担から機械的な信頼性が低く、故障により放棄される車輌があとを絶たないことが悩みの種となっていました
●「KV-1」は生産時期によって徐々にその装甲が強化され、その強固さに磨きが掛かかっていくのですが、足周りに関しては根本的な解決が行われず、機動性能はますます劣悪になる一方でした
●この問題に対応するため、各部の装甲厚を薄くして重量を低減し、機動力の向上を図った「KV-1S」が1942年8月に登場します
●この「KV-1S」は、装甲厚を削る以外に、各部の省力化や容積を少なくすることで重量の軽減が図られており、それまでの「KV-1」との外観上の識別点として、砲塔の形状の違いと、エンジンデッキが後方に向かって若干傾斜している点をあげることができます
●「KV-1S」は重量の低下により以前の「KV-1」と比べて大幅に機動性能が向上、「T-34/76」と並んでソ連軍の反攻戦力の中核となって活躍します
●しかし、戦況が一段落しソ連軍自体に余裕が生まれると全軍の装備体系の見直しが行われ、この際、批判の矛先となったのが「KV-1S」を始めとする「KV-1」シリーズでした
●「KV-1S」によって機動性能は向上したものの、従来の重装甲を見限ったことで、より強力となったドイツ軍戦車や対戦車砲によって簡単に撃破されるようになり、重戦車としての意味が薄れてしまっていたからです
●ソ連軍の首脳部にとって我慢できなかったのがその搭載砲で、「T-34/76」と同じ「76mm砲」を搭載する「KV-1」は、その存在意義が問われ、重戦車不要論まで噴出する有様となります
●そこで、「KV-1S」の攻撃力の向上が図られることとなり、その主砲を「85mm砲」へと変更した「KV-1S/85」が1943年に試作されました
●この「KV-1S/85」は、「KV-1S」の砲塔にそのまま85mm砲を搭載する手法が採られましたが、さすがに砲塔容量の小ささからその運用が難しいと判断され試作のみで終了しています
●しかし、この「KV-1S/85」は、後の「KV-85」の開発の礎となり、その後のソ連軍の重戦車開発の貴重な足跡となったのでした【 「ソビエト KV-1S/85 重戦車」のキット内容について 】
●このソ連軍の試作重戦車「KV-1S/85」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●トランペッターの「KV-1」シリーズのフォーマットに沿って「KV-1S/85」を再現、独特な砲塔形状、「KV-1S」としての新規の足周り、エンジンデッキ部分のディテール、そしてフラットな形状の85mm砲など同車の特徴が表現された内容となっています
●同社の「KV-1」シリーズは、ディテール表現、作り易さ、雰囲気など、トランペッター社のキットの中でも最良なものであり、当キットもその流れを汲んだものとなっています
・ 但し、キットのパーツは、従来ある「KV-1」シリーズのバリエーションキットではなく、新規パーツを新たに作り起こした内容となっています
●「KV-1S/85」は、「砲塔」「車体」「左右フェンダー」の4ブロックで構成されています
【 砲塔 】
●砲塔は、なだらかな形状へと変化した「KV-1S」独特の砲塔を再現、砲塔側面の溶接ライン、そして全体の鋳造肌などが表現されています
●「85mm砲」の砲身は、プラパーツと金属パーツが付属しており、選択して使用します
・ プラパーツは一体成型で、スライド式金型により砲口が開口処理されています
・ 防盾は1パーツにより、その複雑な形状、鋳造肌、特徴的なボルトなどが表現されています
・ 防盾(砲身)は、完成後も上下可動式とすることができます
●砲塔は左右分割式で、天板は別パーツとなっています
・ 砲塔側面には特徴的な溶接跡が表現されています
・ 上部ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ キューポラは、ベース部分が天板パーツに一体成型され、視察口及び上面部は別パーツです
【 車体 】
●車体は、若干斜めとなったエンジンデッキ形状が再現され、「KV-1」とは異なる転輪形状、軽量型の履帯など、「KV-1S」の車体の特徴が表現されています
●車体は、バスタブ式に成型された車体下部パーツに、各パネルを貼り付ける構成となっています
・ サスペンションアーム、ダンパーは別パーツです
・ 後部の整風板は、プラパーツとエッチングパーツとを選択できます
・ エンジングリルのメッシュはプラパーツで再現
・ 最後部の吸気グリル部のメッシュを再現するエッチングパーツが付属しています
・ 操縦手ハッチ、後部のエンジン点検ハッチは別パーツです
・ 排気マフラーは、先端部が開口処理されています
●履帯は、1枚ずつが分割された接着連結式履帯が付属しています
【 フェンダー 】
●フェンダーは一体成型され、上部のフェンダー支持架は別パーツとなっています
・ 後部の予備燃料タンクは、各4パーツで構成されています
●牽引ワイヤーは、アイの部分がプラパーツ、ワイヤー本体は付属の銅製ワイヤー使用します
●前照灯のガラス部、尾灯を再現するクリアーパーツが付属
●車体後部の整風板、吸気グリルのメッシュを再現するエッチングパーツが付属しています
【 塗装とマーキング 】
●「KV-1S/85」のマーキングとして、ソ連軍仕様となる1種類の塗装例が説明書に記載されており、国籍マークと、親衛部隊マークを再現したデカールが付属しています
・ 実際の「KV-1S/85」は試作車輌のために、マーキングは描かれていませんでした
●「KV-1S/85 重戦車」の完成後のサイズ
・ 全長 : 234.5mm
・ 全幅 : 94.8mm
●パーツ数 : 430以上
●2013年 一部新金型