日本海軍 水陸両用戦車 特二式内火艇 カミ 海上浮航形態 (後期型フロート付き)
「日本海軍 水陸両用戦車 特二式内火艇 カミ 海上浮航形態 (後期型フロート付き) (プラモデル) (サイバーホビー 1/35 AFV シリーズ ('39~'45 シリーズ) No.6712 )」です
●「日本海軍 水陸両用戦車 特二式内火艇 カミ 海上浮航形態 (後期型フロート付き)」です
●太平洋戦争時における帝国海軍の水陸両用戦車「特2式内火艇(カミ)」の浮航形態時を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●世界的に見ても希有な存在である海軍が開発した戦車「特2式内火艇」を再現、浮航形態として箱型の車体前後にフロートを装備した特異なシルエットの車両を再現した内容となっています【 「特2式内火艇」について 】
●帝国海軍は、明治維新による海軍の創設の時期から「海兵隊」を創設、敵艦に乗り込む場合などにおいて敵兵の制圧や警備活動を行なう任務を持っていました
●しかし、敵艦に乗り込んで艦を制圧するという戦法は時代趨勢によって行われなくなり、明治9年に「海兵隊」は廃止され、明治19年からは必要に応じて艦の乗組員から陸上戦闘用の「陸戦隊」を抽出することが決定、その他に各鎮守府所属の「特別陸戦隊」が創設されます
●この「陸戦隊」は、日露戦争や第1次大戦における青島攻略戦をはじめ各紛争に参加、また中国での租界地では国際的に海兵部隊を警備活動に当てるのが常であり、「上海特別陸戦隊」が編成されて上海に駐屯、2度に渡る上海事変において激しい戦いを行いました
●この「上海特別陸戦隊」は陸軍と同じ火砲、装備を持ち、この上海事変では装甲車や「89式中戦車」を投入、陸軍部隊と変わらない重装備と陸上戦闘能力を誇りました
●太平洋戦争が始まると、「陸戦隊」は南方の島の攻略戦に参加、陸軍部隊と並んで破竹の勢いで占領を繰り返します
●また、海軍管轄地域における島嶼防衛の必然性から次々と「陸戦隊」の部隊が編成され、現地において防御任務に就き、「陸戦隊」全体の規模としては拡大の一途を辿ります
・ 日本占領地の防衛としてはフィリピン、インドネシアなどは陸軍管轄でしたが、太平洋上の島嶼は海軍が管轄していました
・ ただし、戦力の関係から海軍管轄地であっても陸軍部隊が増派される場合も多くあり、更には戦略上の要地となる島嶼は、防衛任務は陸軍に移管されています
・ パラオ諸島、硫黄島などはそのような島の一つであり、アメリカ軍の上陸時には防御兵力としては陸軍部隊が主力でしたが、元々展開していた海軍部隊も戦いに参加しています
●一方、「陸戦隊」が装備する戦車は、「89式中戦車」から「95式軽戦車」へと更新されましたが、太平洋戦争の開戦を睨んで、海軍は上陸作戦時に使用する水陸両用戦車の必要を感じ、陸軍の技術本部の協力を得ながら開発を行いました
●この戦車は、秘匿名「カミ」と呼ばれ、短期間で完成させるために「95式軽戦車」の足回りをベースとして製作され、1941年10月に試作車が完成、数度の試験を経て翌年には「特2式内火艇」として制式化されました
●「特2式内火艇」は「1式 37mm戦車砲」を搭載、4角形の車体を持ち、浮航時には車体前後にフロートを装備し、砲塔上にはカニングタワー、機関室上部には吸排気口を装着、上陸後にはこれらの装備は取外されました
・ 搭載砲は「94式 37mm戦車砲」、もしくは「98式 37mm戦車砲」を装備していた車輌も在ったようです
・ 浮航時は車体後部に装備されたスクリューが推進力となっています
・ 海軍の中での扱いは戦車ではなく「艇」であり、そのために「内火艇」という名称が付けられていました
・ この車輌の乗員は、車長、砲手、操縦手、副操縦手、無線手、機関手の6名と言われています
・ 浮航機能の為に車体は大型となり、重量軽減の必要性から装甲厚は13mmから6mm程度と、機銃弾に耐えうる能力となっています
●この「特2式内火艇」は、アメリカ軍の「シャーマンDD」のような敵前上陸時に使用される水陸両用戦車とは異なり、フロートを取外さなければ戦闘ができず、輸送手段として水陸両用機能を持たされた戦車という意味合いが強いものでした
・ 結果的にこのフロートを使った水陸両用機能を使って上陸を行なう手段は殆ど行なわれず、通常は輸送船(輸送艦)を使う方法が採られました
●「特2式内火艇」は、184両が生産され、各地の島嶼防御部隊を中心に配備されます
●同車が部隊に配備される頃は、アメリカ軍の本格的な反攻が開始されており、水陸両用戦車として上陸作戦を行なう機会は殆どなく、多くが「陸戦隊」の貴重な機甲戦力として通常の戦車の代わりとして運用されました
・ レイテ島におけるオルモック湾の逆上陸作戦などにも参加しましたが、前述の理由のように敵前上陸は行なわれていません
●しかし、浮航能力を持つ水陸両用戦車として開発された同車は、攻撃力はもとより防御力に乏しく、強力な火力を擁するアメリカ軍の前では戦車としての能力不足が露呈、上陸部隊への反撃に投入された車両は苦戦を強いられています【 「日本海軍 水陸両用戦車 特二式内火艇 カミ 海上浮航形態 (後期型フロート付き)」のキット内容について 】
●この「特2式内火艇 カミ」を再現したプラスチックモデル組立キットで、フロート類を装備した浮航形態 が表現されています
●サイバーホビー社の持つディテール表現力によって「特2式内火艇」を再現 、全体のフォルムを捉えながら、日本の装甲車両の持つ細かな溶接ラインや各部の造りが繊細な彫刻によって再現された内容となっています
●また、キットは「特2式内火艇」の実車構造がそのまま縮小されており、基本となる車体にフロート類を取り付ける構成となっており、フロート部分には車体への接合機能が再現されています
・ 説明書には指示されていませんが、フロートの着脱の際のシーンが再現可能と思われます
●サイバーホビー社製「日本海軍 水陸両用戦車 特二式内火艇 カミ (陸戦型)」をベースとして、「浮航形態」を再現するために、前後のフロート、カニングタワー、吸排気口などの新規パーツを追加したバリエーションキットとなります
●「特2式内火艇」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」「前部フロート」「後部フロート」の5ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●砲塔は、日本戦車独特の溶接跡、各部のリベット、視察口のスリットなどが繊細な彫刻でモールドされ、選択パーツによって砲塔各部の状態の変化を再現することができます
●「1式 37mm戦車砲」の砲身は一体成型となっており、スライド式金型により砲口が開口処理されています
・ 砲尾部も砲身部と一体となっています
・ 閉鎖器は別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 砲尾のガード部、引き金、肩当て、薬莢受けなどが別パーツで再現されています
・ 機銃は、スライド式金型により上部の方熱口が再現、機関部も一体成型で表現されています
・ 防盾パーツを選択することにより、照準口カバーの開閉状態を選択できます
・ 防盾は、完成後も上下可動式とすることが可能です
●砲塔は一体成型となっており、砲塔リング部は別パーツです
・ 砲塔上部ハッチ及び後部ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 砲塔後部の手摺り、対空機銃架基部、アンテナベース部は別パーツで再現
・ 対空機銃架は、基部に装着されている状態と外されている状態とを選択可能です
・ 砲塔上に設けられた周囲の車両に指示を伝える信号灯は、出した状態と収納した状態とを選択できます
・ 視察スリット内側に設けられた視察口は開閉状態が選択可能
・ 視察口のガラス部はクリアーパーツとなっています
・ 特徴的な形状のアンテナ基部もパーツ化、アンテナの装着の有無が選択できます
●砲塔上部のカニングタワーは上下分割式です
・ カニングタワーのハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
【 車体上部 】
●車体上部は、その複雑な形状を2パーツで再現、溶接跡やリベット部分が繊細な彫刻でモールドされています
●車体上部は一体成型で、戦闘室前面パネルは別パーツです
・ 戦闘室前面パネルは、中央部にフックが付いている前期型と、フック部分が塞がれた後期型とを選択できます
・ 前方の点検ハッチは別パーツです
・ 中央部の燃料給油ハッチは別パーツで、内部の燃料タンクが再現されており、開閉状態が選択できます
・ エンジン点検ハッチは別パーツにて再現
・ 車体上部の乗降ハッチは別パーツで、特徴的な2重構造とスリットが再現され、開閉状態が選択可能です
●車体各部に存在するフロート固定用のフックは3パーツで構成され、内装部分と内側の操作ハンドルが再現されています
●前方機銃は、スライド式金型により上部の方熱口が再現、機関部も一体成型で表現されています
・ 前方機銃は可動式です
・ 機銃のマウント部のパーツは照準口の蓋が開いている状態と、閉めている状態の2種が付属しており、選択して使用します
●排気管は7パーツで構成され、排気口が開口処理されています
・ 排気管カバーはエッチングパーツで再現
●エンジンデッキ上部の吸排気口は上下方向に2分割式となっています
・ 吸排気口の上部に付く対空機銃架は装着の有無が選択できます
【 車体上部 】
●車体下部は、特徴的な舟形の形状を再現、「特2式内火艇」オリジナルとなる転輪類や履帯などが表現されています
●車体下部は、バスタブ式に一体成型されています
・ 各サスペンションアーム、デフカバー、誘導輪基部は別パーツにて再現
・ 各転輪、起動輪、誘導輪は左右分割式です
・ スクリューは、本体部分と基部2パーツとで構成されています
【 車体上部 】
●履帯は、接着及び塗装が可能な素材によるベルト式履帯が付属しています
・ 履帯は、「95式軽戦車」の履帯に似た形状で幅が拡大された「特2式内火艇」専用のタイプが再現されています
・ センターガイドの穴、履帯側面の溝などが再現されています
【 前部フロート 】
●前部フロートは左右2分割式の構造が再現されています
●前部フロートは、左右のブロックで構成されており、基本躯体は3分割式です
・ 車体との固定装置は2種類が用意、選択して使用します
・ フロート後部の手摺りがパーツ化
【 後部フロート 】
●後部のフロートは、上下分割式となっています
・ 排水口は、形状が異なる2種が付属、選択して使用します
・ フロートに装備される舵(×2)がパーツ化
・ 車体との固定装置は2種類用意されており、選択することができます
●視察口、信号灯などを再現するクリアーパーツが付属
●排気管カバー、各転輪の基部などを再現するエッチングパーツが付属しています
【 塗装とマーキング 】
●「特2式内火艇」のマーキングとして、帝国海軍仕様となる4種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 651号車、652号車 (レイテ島オルモック / 1944年)
・ 501号車 (北千島 / 1944年)
・ 所属不明 (1944年)
・ 所属不明 (1945年)
●説明書のマーキング指示に基づく、軍艦旗マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
・ デカールのプリントはカルトグラフ社製
●2013年 一部新金型