日本海軍 軽巡洋艦 能代 レイテ沖海戦
「日本海軍 軽巡洋艦 能代 レイテ沖海戦 (プラモデル) (ハセガワ 1/350 Z帯 No.40084 )」です
●「日本海軍 軽巡洋艦 能代 レイテ沖海戦」です
●太平洋戦争時における帝国海軍の「軽巡洋艦 能代」を1/350スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●水雷戦隊用の旗艦として建造された「軽巡洋艦 能代」を再現、スマートな船体に近代的な砲塔、艦橋、各種構造物を配置した端整なシルエットを持ち、「レイテ沖海戦」時として機銃を増設した姿が表現されています【 「日本海軍 軽巡洋艦 能代 レイテ沖海戦」のキット内容について 】
●この帝国海軍の軽巡洋艦「能代」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●条約明けの軽巡洋艦として美しいスタイルを誇る「能代」を1/350スケールで再現、1/350スケールならではの高い解像度を活かして「軽巡洋艦 能代」の細かな艤装や、船体各部のディテールをハセガワらしいパーツ構成と彫刻で再現した内容となっています
●ハセガワ社製「日本海軍 軽巡洋艦 矢矧 天一号作戦」をベースとして、「能代」を再現するために、航空機作業甲板を新規パーツへと変更したバリエーションキットとなります
●「能代」は、戦訓から対空兵装を中心に増強が行われており、キットは「レイテ沖海戦」時における機銃増設、電探の装備、探照灯台座を船体中央部に移設した状態が再現されています
●喫水線以下も再現されたフルハルモデルです
●「軽巡洋艦 能代」の基本船体は「上甲板」「船体部」の上下分割式となっています
●船体部は左右分割式で、ビルジキールが一体成型され、鋼板の継ぎ目、舷外電路、舷側の舷窓、フェアリーダー、ボラード、塵捨て管、ホースパイプなどがモールドされています
・ 舷側部の舷窓部分の一部は、鋼板継ぎ目のラインに合わせて別パーツとなっています
・ 船体部の歪みを防ぐ、桁のパーツが多数付属しています
・ 船底部の推進軸(4軸)、推進軸支柱、スクリュー、舵を再現したパーツが付属しています
●上甲板は、前部、中央部、後部で分割されています
・ 甲板上には、リノリウム押さえ、滑り止め、主砲台座、魚雷発射管台座、カタパルト台座、魚雷運搬軌条などの基本躯体の他、ボラード(一部)、昇降口などの細かなディテールが再現されています
●上甲板上の構築物となる「艦橋部」「高角砲部」「煙突部」「航空機作業甲板」「魚雷発射管」「後部構造物」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「能代」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋の下部構造物は各パネルを貼り合せる箱組み方式で、これに4層で構成される羅針艦橋部を積み上げる方式となります
・ 羅針艦橋の窓、窓枠はクリアーパーツです
・ 防空指揮所の前面には遮風装置が再現されています
・ 羅針艦橋内部が再現、各双眼鏡などがパーツ化
・ 防空指揮所に装備された各種双眼鏡と測距儀がパーツ化
・ 艦橋トップに装備される「6m測距儀」「94式方位盤」「方位測定器」が個別にパーツ化されています
・ 「6m測距儀」は上下分割式で、艦橋側に内蔵させるポリキャップにより旋回可動します
・ 艦橋構造物前方に装備された「95式機銃射撃装置」は3パーツで構成され、艦橋側に内蔵させるポリキャップにより旋回可動します
・ 艦橋部分を構成する、「40cm探照灯」(×2)、「25mm3連装機銃(防盾付き)」(×2)、「25mm単装機銃」(×4)、「パラベーン」(×2)、「21号電探」(×1)、「22号電探」(×2)などがパーツ化、探照灯はクリアーパーツです
●メインマスト
・ メインマストは3脚檣型です
・ マスト前方の十字部分が一体成型で、下部の3脚檣部分は各面ごとの構成、クロスツリーは別パーツです
・ マストに装備される「信号灯」(×1)、「電波探知機」(×1)、「13号電探」(×1)がパーツ化
● 煙突
・ 煙突の本体部分は左右分割式です
・ 煙突トップの雨水カバー部は別パーツで、開口処理されています
・ 煙突内部の整風板がパーツ化
・ 煙突の各管は個別にパーツ化されています
●後部構造物及び後檣
・ 後部構造物は各パネルを貼り合せる箱組み方式です
・ 後檣は、クロスツリーの部分で上下分割されています
・ 探照灯用スポンソンなどは別パーツで再現
・ クレーンは左右分割式で、上部の構造も再現
・ 後部構造物及び後檣に装備される「25mm3連装機銃(防盾付き)」(×2)、「110mm探照灯」(×1)、「測距儀」(×1)、「信号灯」(×1)などが付属、探照灯のガラス部分はクリアパーツとなっています
●探照灯台座、及び探照灯
・ 探照灯台座は、トラス構造部が各面ごとパーツ化、上部は1パーツで再現
・ 「110cm探照灯」(×1)が付属、ガラス部分はクリアパーツとなっています
●航空機作業甲板
・ 航空機作業甲板は、天板パーツに各パネルで構成された支柱を取り付けます
・ 航空機作業甲板には、航空機軌条がモールド、ターンテーブルは別パーツです
・ 航空機作業甲板上部に設置された建屋が付属、5パーツで構成されています
・ 航空機作業甲板に装備される「25mm3連装機銃(防盾付き)」(×4)、「25mm単装機銃」(×4)が付属
●カタパルト「呉2号5型射出機」
・ カタパルトは各パネルを貼り合せる方式で、トラス構造とディテールを再現
●高射装置
・ 高射装置の台座部分は3パーツで構成されています
・ 高射装置に装備される「94式高射装置」(×2)、「25mm単装機銃」(×1)が付属、「94式高射装置」は内蔵させるポリキャップにより旋回可動します
●主砲塔「50口径 41式 15cm連装砲」 ×3
・ 主砲塔は上下分割式で、砲身は1本ずつが個別にパーツ化されています
・ 砲身の先端部は開口処理済みです
・ 砲身は基部に防水布が再現されたパーツと防水布のないパーツとが用意、選択して使用します
・ 砲身は上下可動式です
・ 空中線支柱がパーツ化
・ 主砲塔は台座部分に内蔵するポリキャップによって旋回可動します
●高角砲「60口径 98式 8cm連装高角砲」 ×2
・ 高角砲は上下分割式で、連装式に一体成型された砲身を挟み込んで接着します
・ 高角砲の砲身は上下可動式とすることができます
・ 高角砲は、台座部分に内蔵するポリキャップによって旋回可動します
●魚雷発射管「92式 61cm 4連装発射管 (シールド付き)」 ×2
・ 魚雷発射管本体は一体成型されたパーツとなっており、シールドは別パーツです
・ 発射管に装填された魚雷を再現したパーツが付属
・ 魚雷発射管は台座部分に内蔵させるポリキャップにより可動します
・ 予備魚雷装填装置は上下分割式です
●対空機銃
・ 25mm 3連装機銃 (防盾付き) ×10
・ 25mm 単装機銃 ×26
・ 25mm3連装機銃は、銃身部と銃架、防盾の3分割式で、25mm単装機銃は一体成型です
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 12m内火ランチ ×1
・ 9m内火艇 ×1
・ 9mカッター ×2
●艦載機「零式3座 水上偵察機」 ×2
・ 艦載機は、胴体部分が左右分割式で、主翼、キャノピー(クリアーパーツ)、水平尾翼、カウリング、プロペラ、スピナー、フロート、フロート支柱のパーツ構成です
・ 艦載機用の射出用台座(×1)、飛行機運搬台車(×1)が付属
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨
・ ラッタル
・ リール
・ ケーブルホルダー
・ 菊花紋章
・ 予備フロート
・ 各種ダビット
・ 通気塔
・ フェアリーダー
・ 機銃弾薬箱
・ 縦舵機調整台
・ 係船桁
・ 爆雷投下軌条
などがセットされています
●アンカーチェーンは、付属の金属チェーンを使用して再現します
●フルハルモデル展示用のスタンドが付属
●艦尾の軍艦旗(直線タイプとなびいている状態の2種)、前部の日章旗、艦載機の日の丸マーク、識別帯、偏流測定線、機体番号などを再現したデカールが付属しています
●「能代」の完成時の大きさ
・ 全長 : 498.5mm
・ 全幅 : 54mm
●全407パーツ
●2013年 一部新金型
●スポット生産品
【 「軽巡洋艦 能代」について 】
●第1次世界大戦までの海戦では戦艦、装甲巡洋艦といった砲撃力を主体とした艦艇が中心となっていましたが、その後魚雷の性能が向上、魚雷を主武装とした駆逐艦が大きな戦力へと成長します
●この雷撃を念頭においた駆逐艦が採る戦術は、数隻を集中運用することで雷撃時の射撃本数を多くし、射界(射線)の拡大により敵艦の回避行動を困難にする方法でした
●このような数隻で編成される駆逐艦艦隊を駆逐艦艦隊を帝国海軍では水雷戦隊と呼び、小型艦ながら主力の大型艦を撃破、撃沈する手段として重要視します
●巡洋艦は搭載される主砲の大きさによって重巡洋艦と軽巡洋艦とに区別されるのみでしたが、帝国海軍では軽巡洋艦を水雷戦隊の旗艦として用いることを決定します
●これは、駆逐艦と比べて大きいことにより旗艦設備が設け易いことと、駆逐艦よりも大型の主砲を搭載することから敵の駆逐艦との交戦が有利になることが理由で、その建造にあたっては水雷戦隊を構成する駆逐艦と同じ速度性能を持つことが絶対的な条件となりました
●これにより1920年初頭に「球磨型」や「長良型」などの5500tクラスの軽巡洋艦が続々と誕生、これらの旗艦が率いる水雷戦隊は世界最高水準の戦闘能力を誇ります
●しかし、1920年代の後半に帝国海軍は画期的な駆逐艦「特型(吹雪型)駆逐艦」を建造、その後は軍縮条約の制限を受けながらも駆逐艦の高性能化と大型化が図られました
●5500tクラスの軽巡洋艦も近代化改装が幾度と行われましたが、1930年代後半には艦歴も古くなり水雷戦隊旗艦としては見劣りし、更には速度性能も駆逐艦と同程度には及ばず、新造艦が望まれるようになります
・ 機関の変更は極めて大掛かりな改修となってしまうために、速度性能の向上は困難でした
●ただし、軽巡洋艦は5500tクラスの隻数が豊富なことにより、軍縮条約下においては他の艦種の建造や近代化改修が重点に行われ、水雷戦隊用の軽巡洋艦の新造は永らく行われませんでした
・ 1923年に竣工した「軽巡洋艦 夕張」は、実験艦の意味合いが強く、海軍内での正式は区分は駆逐艦に分類されていました
●軍縮条約の脱退により保有する艦艇の制限を受けなくなった帝国海軍は、1939年に新たなる軽巡洋艦の建造計画を立案、この軽巡洋艦は水雷戦隊旗艦用の「乙型」、潜水戦隊旗艦用の「丙型」に区分されました
●この「乙型」として1940年から建造が開始されたのが「阿賀野型」の4隻です
●この「阿賀野型」は、水雷戦隊旗艦として駆逐艦の速力に合わせた高速性と、敵の駆逐艦に対抗するために新型の「15cm連装砲」を搭載、5500tクラスでは1機のみの航空機搭載能力が2機へと増加し、航空機作業甲板も設置されました
●艦の魚雷も3連装魚雷発射管が2基装備され、コンパクトな船体に攻撃力と機動力を兼ね備え、更に索敵能力も向上、帝国海軍が理想とした高性能艦となりました
●「阿賀野型」では、対空兵装として新たに開発された「60口径 98式 8cm連装高角砲」(通称「長8cm高角砲」)を2基搭載、これは「秋月型」で有名となる「65口径 98式 10cm連装高角砲」が船体幅の関係から搭載することができず、これをスケールダウンしたもので、高角砲を持たない5500tクラスから比べると対空能力は大幅に向上しています
●しかし、同艦が建造された時期では同規模の軽巡洋艦としては、イギリス海軍では「ダイドー級」が竣工、アメリカ海軍では「アトランタ級」が建造中で、両艦は対空兵装を中心にした防空巡洋艦であり、時代の流れから見ると「阿賀野型」の対空兵装は不十分なものでした
●「能代」は、「阿賀野型」の2番艦として1943年6月に竣工、この時期ではソロモン海域における消耗戦は一区切りが付いていたものの、南方の防御が命題となっており、同艦は輸送任務に従事します
●その後、空襲による損傷を受けながらも、内地での修理を経ながら輸送任務を継続、1944年6月には両軍の機動部隊による一大決戦「マリアナ沖海戦」に参加します
●しかし、同海戦において帝国海軍は艦隊航空戦力を喪失、同年10月にはアメリカ軍がフィリピン頭部のレイテ島に上陸を開始し、これを迎え撃つために残存していた水上戦力のほとんどを投入します
●「レイテ沖海戦」では、「能代」はその水上戦力の主力となった「栗田艦隊」に配属、艦隊はレイテ島沖に達する途上でアメリカ軍艦載機の猛攻を受け、戦艦「武蔵」を失うという損害を受けますが、「能代」は対空戦闘において活躍を果たします
●「栗田艦隊」は、北方に囮として行動していた「小澤艦隊」の働きによりレイテ島沖に到達、護衛空母で編成されたアメリカ機動部隊を発見、壮絶な砲雷撃戦が展開されました
●「能代」はその高速性能を活かしてアメリカ艦隊を追撃、敵に痛打を浴びせましたが、スコールとアメリカ駆逐艦の煙幕による視界不良、発進した艦載機からの攻撃などにより戦場は混乱状態となります
●日本艦隊はアメリカの護衛空母を正規空母として誤認しており、空母「ガンビア・ベイ」の撃沈や他の空母の損害から一定の戦果を挙げたものと判断、アメリカ艦載機の攻撃を振り切るように反転、戦場を後にします
●ところが、その後もアメリカ軍機の攻撃は続き、「能代」は損傷、更に翌日にも空襲を受けて航行不能状態に陥ります
●僚艦からの曳航により帰還を果たそうとしますが、作業中に再び空襲を受け被弾、奮戦虚しく最期を遂げています