ドイツ 3号指揮戦車J型 w/シュルツェン
「ドイツ 3号指揮戦車J型 w/シュルツェン (プラモデル) (サイバーホビー 1/35 AFV シリーズ ('39~'45 シリーズ) No.6570 )」です
●「ドイツ 3号指揮戦車J型 w/シュルツェン」です
●第2次世界大戦におけるドイツ軍の指揮戦車「Sd.kfz.141 3号指揮戦車」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●従来の機銃しか装備していない指揮戦車に代わり、「3号戦車J型」をベースに50mm砲を搭載した「Sd.kfz.141 3号指揮戦車」を再現、指揮用の無線機による多くのアンテナを装備し、防御力を高めるためにシュルツェンを身に纏った重厚なフォルムを表現した内容となっています
【 「Sd.kfz.141 3号指揮戦車」について 】
●ドイツ軍は、電撃戦を展開するために各部隊間の連携を重要視しており、それに伴い高い無線能力を持った指揮、通信車両を開発、運用しました
●戦車部隊用としては、当初「1号戦車」をベースとした「1号指揮戦車」を開発、戦車部隊の装備車両が発展するに従って、その指揮戦車も「2号戦車」や「3号戦車」をベースとしたタイプへと変更されて行きました
●しかし、このような指揮戦車は無線機の収納スペースを確保するために主砲などを撤去、その固定武装は機銃程度となっており、本来の主砲の砲身部分にはダミーの砲身が付けられ、指揮戦車としての存在が隠蔽されました
・ もっとも、ダミーの砲身を装着していてもフレーム式のアンテナや多くのホイップ式アンテナを装備している姿から指揮戦車として判別するのはそれほど難しくないことでした
●このような火力の弱い指揮戦車は、実質的に戦闘を行うことができないため乗員からの評判が悪く、また戦車戦力という観点からも一定の火力を持つ指揮戦車の開発が望まれるようになります
●この要望に沿って開発されたのが「Sd.kfz.141 3号指揮戦車」で、「3号戦車J型」をベースとして本来の武装である「42口径 50mm戦車砲」を搭載、無線機のスペースは主砲の弾薬庫を削減する形で確保されています
・ 「3号指揮戦車」は、「3号戦車E型」ベースの「3号指揮戦車E型」、「3号戦車H型」ベースの「3号指揮戦車H型」などが開発、生産されましたが、この「3号戦車J型」をベースとしたタイプは「Sd.kfz.141」もしくは「42口径 50mm砲搭載型 指揮戦車」と呼ばれ、「3号指揮戦車J型」という名称は使われないようです
●「Sd.kfz.141 3号指揮戦車」は、1942年8月から1943年9月までに185両が生産もしくは「3号戦車」からの改造により作られ、各戦車部隊へと配備、部隊間の通信や各戦車の指揮に活躍し、ドイツ戦車部隊の頭脳としての役割を果たしたのでした
●大戦後期になると、戦車部隊の装備車両の関係から、指揮戦車は「4号戦車」や「パンター」をベースとしたタイプへと移行、より強力な火力を持つ指揮戦車として、戦場の前線から後方まで存分な能力を発揮することになるのです
【 「ドイツ 3号指揮戦車J型 w/シュルツェン」のキット内容について 】
●このドイツ軍の指揮戦車「Sd.kfz.141 3号指揮戦車」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ドラゴン/サイバーホビー社のスマートキットとして「Sd.kfz.141 3号指揮戦車」を再現、細分化されたパーツ構成によりそのディテールの表現に重きを置きながらも、同社のキットとしてはパーツ数が抑えられた内容となっています
●砲塔と車体には、防御力向上のための追加装甲「シュルツェン」が付属、装備の有無を選択することができます
・ 実車の写真では、「シュルツェン」を装備している車両と装備していない車両の両タイプが見られ、砲塔のみに装備している車両も見られます
●「Sd.kfz.141 3号指揮戦車」は、大戦中期におけるドイツ軍戦車部隊に欠かせない車両ですので、「3号戦車」とのジオラマシーンへの活用に役立つことでしょう
●また、そのアンテナを多く装備した姿は「3号戦車」シリーズのバリエーションとして目立つ存在ですから、「3号戦車」シリーズのコレクションとして目を惹くアイテムとなると思います
●「Sd.kfz.141 3号指揮戦車」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」、左右の「フェンダー」の5ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●砲塔は、「3号戦車J型」をベースとしながらも、防盾部分にスペースドアーマー方式に追加装甲を装備した「3号戦車L型」もしくは「M型」に似た形状を再現、「3号戦車J型」の特徴である側面のクラッペが装備された状態と、砲塔上部に存在するネジ穴や各パネルの溶接跡などが繊細なモールドで表現されています
●「42口径 50mm戦車砲」の砲身は、一体成型となっており、スライド式金型を使用して砲口が開口処理されています
・ 同軸機銃別パーツにて再現、銃口部分は開口されています
・ 同軸機銃は装備の有無を選択することができます
・ 砲尾等も再現され、閉鎖器は開閉状態を選択することが可能です
・ 防盾は、内側の防盾と、追加装甲とで構成されており、その間の中空装甲部分は4分割のパーツで構成されています
・ 防盾(砲身)は、完成後も上下に可動させることができます
●砲塔は、上下部と前面板の3分割式で、上部パーツには側面部などが一体成型されています
・ 砲塔側面のハッチは別パーツとなっており、開閉状態を選択することができます
・ 砲塔側面のクラッペは別パーツ化して内部構造も再現、開閉状態を選択することができます
●車長キューポラは砲塔とは別パーツ化されており、上下に分割したパーツとなっています
・ 各視察口は個別にパーツ化、防弾ガラス部はクリアパーツで再現されています
・ 車長ハッチも別パーツ化しており、開閉状態を選択可能
・ キューポラ後部に装備される籠は、エッチングパーツで再現されています
●砲塔のシュルツェンはブロックごとにパーツ化、薄く成型されています
・ シュルツェン架は個別にパーツ化され、その複雑な形状は一体成型のパーツで再現されています
【 車体上部 】
●車体上部は「3号戦車J型」の車体レイアウトを再現、その特徴となる戦闘室前面の追加装甲は実車の構造に沿ったパーツ構成となっています
●車体上部は、前部、戦闘室、エンジンデッキの3ブロックで構成されています
●前部は1パーツで再現、トランスミッション点検ハッチは別パーツとなっています
・ 前照灯は、通常のタイプと管制スリットが付いたタイプとが付属、選択して使用します(通常のタイプのガラス部はクリアパーツです)
●戦闘室の主要部は、4個のパーツを箱組式で組み立てます
・ 構成するパーツの内側にはガイド用のパーツが用意され、確実に形状が完成するように工夫されています
・ 側面のクラッペは別パーツ化されており、開閉状態を選択することができます
・ 操縦席の装甲バイザーは2つに分割したパーツで、開閉状態を選択できます
・ 操縦手の防弾ガラスを再現するクリアパーツが付属
・ 前方機銃のマウント(ピストルポート)は、別パーツにて再現
●エンジンデッキ部は、各ハッチ、側面のエンジングリル部は別パーツとなっています
・ エンジングリル部のメッシュ状の網を再現するエッチングパーツが付属しています
・ 牽引ワイヤーは、固定具のみがパーツ化され、牽引ワイヤーは用意されていません
●車体上部に装備される2本のホイップ式アンテナと1本のスターアンテナが付属しています
・ 各アンテナはプラパーツで、スターアンテナの上部はエッチングパーツで再現しています
【 フェンダー 】
●フェンダーは、ドット状の滑り止めパターンがモールドされており、裏面にもその裏のパターンが彫刻されています
●フェンダーは、各1パーツで構成され、後部のマッドフラップは別パーツです
・ フェンダー支持架は個別にパーツ化
・ フェンダー上の車載工具類は、固定具のクランプなどが一体成型されています
●車体のシュルツェンは、アルミ製パーツにより個別にパーツ化されています
・ シュルツェン架は、シュルツェン架本体と支持架とで構成
・ 支持架は個別にパーツ化され、複雑な形状が一体成型により再現されています
【 車体下部 】
●車体下部は、後部パネルを除きバスタブ式の一体成型となっています
・ サスペンションアームは別パーツ、トーションバーもパーツ化されています
・ 各転輪及び起動輪は、左右分割式です
・ 誘導輪は3分割式で、誘導輪内側のリムは3枚のエッチングパーツで構成
【 履 帯 】
●履帯は、接着及び塗装が可能な軟質素材によるベルト式履帯が付属しています
・ 履帯は、接地部分に滑り止めパターンが無く、センターガイドに肉抜き穴が付いた「3/4号戦車」用の「中期型」履帯が再現され、モデルカステン製「3/4号戦車 中期型用履帯 タイプA (可動式)」がこれに対応しています
●視察口の防弾ガラス、前照灯のガラス部などを再現するクリアーパーツが付属
●スターアンテナ上部、誘導輪の内側、キューポラの籠、エンジングリルのメッシュなどを再現するエッチングパーツが付属しています
【 塗装とマーキング 】
●「Sd.kfz.141 3号指揮戦車」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる4種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第656重戦車駆逐連隊 本部車両 (サポロジェ / 1943年)
・ 所属不明 (ロシア / 1943年)
・ 所属不明 (ロシア / 1943年)
・ 第7戦車連隊 (北アフリカ / 1943年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号、部隊記号などを再現したデカールが付属しています
・ デカールのプリントはカルトグラフ社製
●2014年 一部新金型