センチュリオン主力戦車
「センチュリオン主力戦車 (別冊) (ガリレオ出版 グランドパワー別冊 No.L-08/26 )」です
(2014年6月26日発売分)
●第2次世界大戦末期に登場し、戦後は各国で使用されたイギリス軍の主力戦車「センチュリオン」を解説した解説集及び写真資料集です
【 「センチュリオン主力戦車」について 】
●第2次世界大戦時、イギリス軍は戦車開発を「歩兵戦車」「巡航戦車」「軽戦車」という3つのカテゴリーに分類して行ったことから、汎用性に欠ける戦車ばかりとなってしまい、大戦中期以降はアメリカから供与された「M4中戦車」が戦車部隊の中核となりました
●この「M4中戦車」はドイツ戦車と比べて非力さが否めず、かといって「M4中戦車」よりも強固な装甲を持つ「チャーチル歩兵戦車」は鈍重で汎用性に欠け、機動力に優れた「クロムウェル巡航戦車」は火力、防御力が十分といえず、これも汎用性という点では問題がありました
●何と言っても、イギリス軍は抜群の装甲貫通能力を持つ「17ポンド砲」を開発しながら、イギリス製の戦車にはスペースの関係から搭載できなかったため、やむなく「M4中戦車」に装備、「シャーマン ファイアフライ」として駆逐戦車的な役割で運用されています
●このように自国の戦車が、ドイツ戦車に対してまともに対峙できないことはイギリス人にとって忌々しき問題であり、その問題を払拭するために強力な武装と防御力を持つ大型巡航戦車として「A41」が開発されます
●この「A41」は「センチュリオン」として制式化されますが、ヨーロッパに送られた時点で終戦となり、その真価を発揮することは叶いませんでした
●ただ、ドイツ戦車に対抗するために開発された「センチュリオン」は、戦後になるとヒット作となり、イギリス軍だけではなく、西側を中心として各国が採用、初期のNATO軍の標準的な戦車となりました
●「センチュリオン」の最大の特徴は、堅牢さと機械的信頼性の高さで、さらに過去の反省から車体とターレットリングは余裕を持った設計となっており、様々なアップデートが可能でした
●また、一見するとクラシカルな足周りもそれまでのイギリス戦車技術を反映した信頼性の高いものであり、速度自体は早い戦車ではありませんでしたが、堅実な機動性能を維持することができました
●この「センチュリオン」はイスラエル軍に導入されてその能力を開花、これはイスラエル軍独自の改造による要因も大きいのも事実ですが、「センチュリオン」の基本性能の優秀さも示しているのです
●本書「センチュリオン主力戦車」では、戦後第1世代戦車としてメディアに取り上げられることが少なかったため、比較的資料に恵まれなかった「センチュリオン」を解説、その開発の経緯から各部の構造、そして各型による仕様の違いが詳細に掲載されています
●イギリス戦車として一時代を築き上げ、後継戦車となる「チーフテン」にその座を譲りながらも各国で永らく運用され続けた「センチュリオン」に迫る内容となっています
●なお、本書はグランドパワー誌2006年7月号と同8月号に収録していた「センチュリオン」の記事を抜粋して再編集を行い、本文をすべて差し替えた改訂版です
【 「センチュリオン主力戦車」の内容目次 】
●開発の背景と「A41」重戦車計画
●Mk.1/Mk.2の開発とMk.3の登場
●Mk.1 マニュアル
●Mk.2 マニュアル
●改良されるMk.3
●Mk.3の構造と機能
●NATO標準型のMk.5/Mk.7/Mk.8
●火力・装甲強化型センチュリオン
●各国で使われたセンチュリオン
【 「センチュリオン主力戦車」の内容について 】
●開発の背景と「A41」重戦車計画 (10ページ)
・ 「センチュリオン」の誕生の背景と開発の過程を解説、ドイツ軍戦車に対抗できる重巡航戦車として開発された「A41」と、制式化された後の「センチュリオン Mk.1」「センチュリオン Mk.2」への道程を紹介します
●Mk.1/Mk.2の開発とMk.3の登場 (4ページ)
・ 「センチュリオン Mk.1」「センチュリオン Mk.2」の基本構造とともに、主砲を「20ポンド砲」へと変更し最多生産型となった「センチュリオン Mk.3」の開発経緯を解説します
●Mk.1 マニュアル (2ページ)
・ 「センチュリオン Mk.1」の車体内外の全般配置と各部名称を、マニュアルのイラストで解説します
●Mk.2マニュアル (2ページ)
・ 「センチュリオン Mk.2」の車体内外の全般配置と各部名称を、マニュアルのイラストで紹介
●改良されるMk.3 (6ページ)
・ 「センチュリオン Mk.3」は、主砲を従来の「17ポンド砲」から「20ポンド砲」へと変更したタイプで、各部の仕様も若干変更、「センチュリオン」の基本スタイルを確立したタイプとなりました
・ また、「センチュリオン Mk.3」は各種の改良が行われて運用が続けられており、前期型砲塔と後期型砲塔の差異、補助動力装置、ディスクブレーキ等の改修点を解説します
●Mk.3の構造と機能 (36ページ)
・ 「センチュリオン Mk.3」の各部の構造をイラストと写真を交え、車体、動力機関、走行装置、砲塔、武装の項目に分けて詳細に解説します
・ 車体外部だけではなく、車体内部の構造、動力関係、射撃指揮装置、砲塔内部の配置、そして搭載砲弾などもイラストにより解剖しています
●NATO標準型のMk.5/Mk.7/Mk.8 (16ページ)
・ それまでのタイプが機銃としてイギリスの「BESA機関銃」を装備していたのに対して、「センチュリオン Mk.5」以降ではNATO弾を使用する「M1919A4機関銃」へと変更されました
・ この戦後のNATO標準型となった、「センチュリオン Mk.5」「センチュリオン Mk.7」「センチュリオン Mk.8」の各型の特徴を解説、武装や車体内外の相違点を詳細に紹介します
●火力/装甲強化型センチュリオン (10ページ)
・ 時代とともに火力と装甲を強化して進化するセンチュリオンを解説します
・ 搭載した105mm砲とともに各種の改良が行われた、「センチュリオン Mk.6」「センチュリオン Mk.9」「センチュリオン Mk.10」「センチュリオン Mk.11」「センチュリオン Mk.12」「センチュリオン Mk.13」の各タイプを紹介
●各国で使われたセンチュリオン (8ページ)
・ オーストラリア、カナダ、デンマーク、エジプト、イスラエル、イラク、インド、ヨルダン、クウェート、オランダ、ニュージーランド、スイス、スウェーデン、南アフリカで使用された「センチュリオン」を解説、その車両数と導入されたタイプなどが記載されています
【 「センチュリオン主力戦車」の奥付 】
●版型 : A4版 / ソフトカバー
●全96ページ / モノクロ写真127点収録
●発行日 : 2014年7月1日
●ISBNコード : 4910135020742