日本海軍 給兵艦 樫野
「日本海軍 給兵艦 樫野 (プラモデル) (ピットロード 1/700 スカイウェーブ W シリーズ No.W160 )」です
●太平洋戦争時における日本海軍の給兵艦「樫野」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●戦艦「大和型」の主砲の輸送のために建造した給兵艦「樫野」を再現、超大型の主砲を塔積載するため船体中央部分に大きな開口部を設けた特異なシルエットを再現した内容となっています
【 「日本海軍 給兵艦 樫野」のキット内容について 】
●日本海軍の給兵艦「樫野」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ピットロード社が長年培ってきた艦船モデル技術で給兵艦「樫野」を再現、同社らしいメリハリのあるシャープな彫刻と造形により「樫野」独特の構造とディテールを再現した内容となっています
●喫水線から上の部分を再現した洋上モデルと、喫水線以下の部分を再現したフルハルモデルとを選択して組み立てることができます
●給兵艦「樫野」は、「船体」「上甲板」「艦橋などの上部構造物」「高角砲などの艤装類」をそれぞれブロック化して分割した構成となっています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上甲板、構造物と艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は、喫水線の部分で上下に分割したパーツ構成となっています
・ 船体パーツには、舷窓、甲板部分の開口部、ホースパイプなどのディテールを繊細なモールドで再現しています
・ フルハルモデル用に船底部分とスクリュー、舵を再現したパーツをセット、洋上モデルとする場合には船底パーツを取り付けません
●上甲板は、船首楼甲板と中央甲板、後部甲板の3パーツで構成
・ 甲板上には、波除けや高角砲台座などの構造の他、滑り止めパターン、ボラードなどのディテールを凹凸あるモールドで再現しています
・ 甲板の3箇所の船倉の開口部を再現、蓋を再現したパーツが付属しています
給兵艦「樫野」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋部は2層で構成、これにデリックを含めた前面パネルを取り付けて艦橋を作製します
・ 艦橋窓枠は窓の部分を一段凹んだ状態で再現
・ デリックのアーム部分は別パーツ化
・ 艦橋に装備する、「13mm連装機銃」(×2)、「測距儀」(×1)、「方位測定器」(×1)などを別パーツ化して再現しています
●煙突
・ 煙突は一体成型のパーツで再現、スライド金型を使用してトップ部分は開口しています
・ 副管は別パーツ化して再現しています
●後部構造物
・ 後部構造物は一体成型のパーツで再現、船倉ハッチ、扉、窓、梯子などパーツ上にモールドで再現しています
●マスト
・ マストは、前後に分割したパーツで再現、前部のクレーンは別パーツ化しています
●高角砲 「10年式 12cm 単装高角砲」 ×2
・ 高角砲は、上下に分割したシールド部分と砲身との3パーツで構成
・ 砲身は任意の角度で固定することができます
●対空機銃 「13mm 連装機銃」 ×2
・ 機銃は銃身と銃架の2パーツで再現
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 9m内火艇 ×1
・ カッター ×2
・通船×1
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 通気筒
・ ウインチ
・ リール
・ 錨
・ アンカーチェーン
・ ラッタル
・ パラベーン
・ 艦首、艦尾旗竿
などを個別に別パーツ化して再現しています
【 アクセサリーパーツ 】
●アクセサリーパーツとして、戦艦「大和型」の主砲塔(「94式 46cm 3連装砲」)1基、副砲塔(3年式 15.5cm 3連装砲」)1基をセットしています
●主砲塔は、砲身、砲塔本体、旋回盤、給弾室の4ブロックで構成、各ブロックごとに分けた状態で給兵艦「樫野」の船倉部分に積載することができます
・ 主砲塔は各ブロックを連結した状態で作製することも可能です
・ 砲塔は内部構造の一部を再現
・ 砲身は防水布が付いた状態のパーツと付いていない状態のパーツが付属、選択して使用します
・ 防水布が付いていない砲身パーツの砲口は開口しています
●副砲は、上下に分割した砲塔に1本ずつパーツ化した砲身を取り付けて作製します
・ 砲身基部には防水布をモールドで再現
●フルハルモデル用のディスプレイスタンドが付属
●旗竿に掲げる日章旗、軍艦旗、艦尾の艦名表示を再現したデカールが付属しています
【 「日本海軍 給兵艦 樫野」のパッケージ内容 】
・ 日本海軍 給兵艦 樫野 ×1
・ 戦艦「大和型」の主砲塔 (「94式 46cm 3連装砲」) ×1
・ 戦艦「大和型」の副砲塔 (3年式 15.5cm 3連装砲」) ×1
・ デカールシート ×1
・ ディスプレイスタンド ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2014年 完全新金型
【 「給兵艦 樫野」について 】
●1930年代末、日米開戦の機運が高まった日本海軍では艦隊決戦を制するための巨大戦艦「大和型」の建造を計画します
●この戦艦「大和型」は日本海軍の「切り札」としての計画され、建造は極秘事項とされ、「大和型戦艦」の存在は国民に知らされることはなく、工事関係者にも徹底した緘口令が敷かれていました
●「大和型戦艦」を建造する際、問題となったのは心臓部とも言える主砲塔の運搬で、主砲塔は呉の海軍工廠のみで製造したことから、同じく呉で建造が行われていた戦艦「大和」には運搬の必要がなかったものの、長崎で建造が行われた戦艦「武蔵」と、横須賀で建造が進んでいた戦艦「信濃」には主砲塔を輸送しなければいけませんでした
●戦艦の主砲塔のような大型の武装を運搬する船は民間からの徴用が可能でしたが、情報が漏れることを恐れた日本海軍では専用の艦を建造することを決定、給兵艦「樫野」を1940年7月に竣工します
・ 給兵艦とは、武器、弾薬を輸送する艦となります
・ 給兵艦「樫野」は、戦艦「大和型」の主砲塔を輸送することを主任務としていたため、船体中央部に主砲塔の大きさに合わせた2箇所の開口部を設置、これにより主砲塔2基を積載することができました
・ 2基分の主砲塔の砲身は砲塔に付けた状態ではなく、給兵艦「樫野」の船体前部の船倉へと搭載しました
・ また、給兵艦「樫野」は「大和型」の後に建造を予定していた戦艦「超大和型」にも対応することを考慮し、船体の開口部は「大和型」の主砲塔よりも一回り大きくなっていました
・ 建造にあたっては、単に主砲塔の運搬だけではなく、技術の習得も目的としており、スイスの「ブラウン・ボベリ」社製のBBCタービンとアメリカの「ラモント」社製の高温高圧缶を搭載していました
●給兵艦「樫野」は、1941年10月~11月に呉の海軍工廠から長崎の造船所に戦艦「武蔵」の主砲塔を運搬、無事その役目を務めました
●しかし、太平洋戦争の開戦に伴い戦艦「信濃」は建造を止められ、給兵艦「樫野」の本来の任務はこの時点で終了してしまいます
●給兵艦「樫野」は、通常の輸送任務に従事することになりましたが、1942年9月輸送任務中に台湾沖においてアメリカ潜水艦の攻撃を受けて魚雷を被雷、短いながら特殊な任務を全うして生涯を閉じたのです