日本海軍 航空母艦 瑞鳳 昭和19(1944)年
「日本海軍 航空母艦 瑞鳳 昭和19(1944)年 （プラモデル） (フジミ 1/700 特シリーズ No.087 )」です
●太平洋戦争時における日本海軍の航空母艦「瑞鳳」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●飛行甲板を前部に延長し、船体側面に噴進砲を増設、1944年の「瑞鳳」最終時の状態を再現しています
●小型空母ながら日本海軍の艦隊航空戦力として重要な役割を果たした航空母艦「瑞鳳」を再現、艦橋を飛行甲板下部に配した独特の平甲板型のシルエットを再現した内容となっています
【 「日本海軍 航空母艦 瑞鳳 昭和19（1944）年」のキット内容について 】
●日本海軍の航空母艦「瑞鳳」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●飛行甲板部の細かな造形とモールドをはじめ、細部に至るまでディテール表現を施したパーツ構成で航空母艦「瑞鳳」を再現、側面の通路、スポンソン、そしてその支柱などが織り成す複雑な構造を細分化したパーツで再現しており、スマートな小型空母ながら日本の航空母艦の特徴である各種構造物が複雑に連なった姿を演出することができる内容となっています
●喫水線から上の部分を再現した洋上モデルです
●「瑞鳳」は、「船体」「飛行甲板」「上甲板」」「艦橋などの構造物」「高角砲などの艤装類」をそれぞれブロック化して分割した構成となっています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上甲板、飛行甲板、構造物、艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は、左右に分割したパーツで構成
・ 船体パーツには、格納庫側面を一体成型して再現、高角砲支筒基部、通信塔のフラットなども凹凸あるモールドで再現しています
・ 船体パーツ上には、舷窓、扉、舷外電路、フェアリーダー、塵捨管などの細部ディテールを彫刻で再現しています
・ 船体部の内部に取り付ける、船体の歪みを防ぐ桁のパーツが多数付属
・ 洋上モデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属しています
●飛行甲板は、前方の木甲板継ぎ手のラインを基準に、前後に分割したパーツで再現
・ 飛行甲板上には、木甲板表現、滑り止めパターン、木甲板継ぎ手などを繊細なモールドで再現しています
・ 遮風柵、エレベーター、高角砲の跳ね上げパネル、電探の収納蓋は別パーツ化して再現しています
・ エレベーターは上げた状態と下げた状態とを選択して組み立てることができます
・ 飛行甲板を支える支柱は1本ずつ独立してパーツ化、飛行甲板裏側の梁は甲板パーツ裏に凸モールドで再現しています
●上甲板は、錨鎖甲板、前甲板、船尾甲板に分割したパーツで構成
・ 甲板上には、滑り止め表現、リノリウム貼り表現の他、アンカーチェーン、ケーブルホルダー、ボート架台、ボラードなどを繊細なモールドで再現しています
「瑞鳳」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成しています
●艦橋
・ 艦橋構造は2層で構成
・ 艦橋窓枠は、窓の部分を一段凹んだ状態で再現、従来のフジミ社製「特シリーズ」のキットよりも深めのモールドとなっています
●マスト、通信塔
・ マスト、通信塔は、下部のトラス部、中央のヤード部、上部の単檣部の3パーツで構成
・ マストと通信塔は、立てた状態と倒した状態とを選択して組み立てることができます
・ マストには「13号電探」を一体成型して再現しています
●煙突
・ 煙突は上下に分割したパーツ構成で、先端部の雨水カバー金網は別パーツ化して再現しています
・ 雨水カバー金網は開口した状態となっています
●高角砲、機銃用スポンソンはブロックごとにパーツ化しており、下部の補強板はパーツ上にモールド化して1枚ずつ再現
・ スポンソン部の支柱（支筒）は1本ずつ個別にパーツ化しています
●舷側部の通路はブロックごとにパーツ化、ラッタル部分は別パーツとなっています
●高角砲 「40口径 89式 12.7cm連装高角砲」 ×4
・ 右舷後部の1基は煙突の煙除けのシールド付き（A1型改2）、左舷と右舷前部はシールド無しの状態を再現（A1型）
・ シールド付きの高角砲は、連装状に一体成型となった砲身部と、シールド部で構成
・ シールド無しの高角砲は、連装状の砲身と砲架との2パーツで構成
●対空機銃 「25mm 3連装機銃」 ×6、「25mm 3連装機銃（シールド付き）」 ×3、「25mm連装機銃」 ×4、「25mm単装機銃」 ×23
・ 「25mm 3連装機銃（シールド付き）」は銃身とシールドの2パーツで構成、その他の機銃は一体成型のパーツで再現しています
●噴進砲 「12cm 28連装噴進砲」 ×6
・ 噴進砲は一体成型のパーツで再現
●艦載機
・ 艦載機は、胴体、キャノピー、脚、尾脚、プロペラに分割したパーツ構成
・ 増槽及び武装は別パーツ化しています
・ クリアパーツ成型
●艦載機内容
・ 零式艦上戦闘機52型 ×2
・ 艦上攻撃機「天山」 ×2
●内火艇、カッターなど
・ 11m内火艇 ×1
・ 13m特型運搬船 ×1
・ 9mカッター ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 菊花紋章
・ 射撃指揮装置
・ 双眼鏡
・ 測距儀
・ パラベーン
・ 方位測定器
・ 探照灯
・ 錨、副錨
などを個別に別パーツ化して再現しています
●甲板上に描かれた、各表示線、着艦標識、艦名表示、艦尾の軍艦旗、艦載機用の日の丸マークなどを再現したデカールが付属しています
●飛行甲板の迷彩パターンを描いた1/700スケールの塗装図が付属
【 「日本海軍 航空母艦 瑞鳳 昭和19（1944）年」のパッケージ内容 】
・ 日本海軍 航空母艦 瑞鳳 ×1
・ 零式艦上戦闘機 52型 ×2
・ 艦上攻撃機 天山 ×2
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
・ 飛行甲板塗装図 ×1
●2014年 完全新金型（兵装、艦載機などを除く）
【 「航空母艦 瑞鳳」について 】
●1922年のワシントン軍縮会議、1930年のロンドン軍縮会議により保有艦艇の制限を受けるようになった日本海軍は、戦時となった場合に短期間で空母へと改装することができ、軍縮会議の制約を受けない高速給油艦「剣崎」「高崎」の建造を1935年に開始しました
●「高崎」は、建造の途中に軍縮条約から脱退したために、潜水母艦へと変更して建造が続けられますが、さらに航空母艦へと変更が行われ、1940年12月に航空母艦「瑞鳳」として竣工します
●「瑞鳳」は、排水量11000tクラスの小型空母で、艦橋を飛行甲板下に設けた平甲板型を採用しています
●搭載機数は常用27機、保用3機の合計30機であり、大型空母の半分程度の搭載機数でしたが、貴重な空母戦力として太平洋戦争中に重要な働きを見せました
●「瑞鳳」は、太平洋戦争開戦時には内地に控え、航空機輸送などの任務に就きます
●1942年6月の「ミッドウェー海戦」では、「ミッドウェー島」の占領を担当する「攻略部隊」に随伴、上空護衛の任務を果たしますが、先鋒の機動部隊が壊滅したことで作戦は中止、内地へと帰投します
●「ミッドウェー海戦」において、空母機動部隊の主力だった4隻の空母を失ったことは日本海軍にとって大きな痛手でしたが、幸いにも艦載機の搭乗員を全て失った訳ではなく、日本海軍は残存している航空母艦を中心に機動部隊を再編成、「瑞鳳」も新たに編成された機動部隊中の1隻として欠かせない存在としてクローズアップされます
●1942年8月にアメリカ軍が「ガダルカナル島」へと上陸、戦いの焦点はこの島を巡るものとなり、「瑞鳳」は9月にその後方の「トラック島」へと進出します
●翌月の10月、日米の空母戦力が激突した「南太平洋海戦」が行われ、「瑞鳳」は大型空母「翔鶴」「瑞鶴」と共に機動部隊を編成、「瑞鳳」が搭載していた戦闘機隊はアメリカ空母艦載機に対し迎撃を行い、多くを撃墜する戦果を挙げます
●ところが、索敵中のアメリカ軍の急降下爆撃機2機による奇襲攻撃を受け、爆弾の1発が飛行甲板後部に命中、「瑞鳳」は発艦が可能でしたが着艦は不能となり、搭載していた艦載機を他の空母へと移し、戦線を離脱します
●また、出撃してきたアメリカ海軍の艦載機の攻撃により「翔鶴」が被弾、同艦は戦闘能力を失い、「瑞鳳」と行動を共にします
●「瑞鳳」の搭載機を含む日本の艦載機は数回に渡る攻撃をアメリカ空母艦隊へと敢行、空母「ホーネット」を撃沈し、空母「エンタープライズ」を中破せしめる戦果を挙げました
●しかし、この海戦による艦載機の消耗は凄まじく、特に艦爆隊、艦攻隊は多くのベテラン搭乗員を失う結果となり、実質的に戦いに勝利したものの日本の航空戦力を削いでしまい、「南太平洋海戦」後にアメリカの空母戦力が脆弱となった好機を活かすことはできませんでした
●1943年1月、修理が完了した「瑞鳳」は再び「トラック島」へと進出、しかしこの頃の連合艦隊の航空戦力はソロモン海域においてアメリカ軍機と消耗戦を展開しており、「瑞鳳」の艦載機も陸上基地へと抽出されてしまい、その後も補充と抽出を繰り返し、「瑞鳳」自身は航空機輸送が主な任務となります
●「瑞鳳」は、1943年の後半に「天山」などの新型艦載機に対応させるため飛行甲板を15m延長する工事を受け、艦首部分まで飛行甲板を延長した姿となりました
●この後、「瑞鳳」は連合艦隊の空母部隊が集結する「タウイタウイ泊地」へと進出、航空隊の練成を行いますが、最高の戦力を誇った往時の空母航空隊の姿は無く、その練度の低さは如何ともし難いものとなっていました
●1944年6月、日本海軍が保有する空母航空戦力の全てを投入した「マリアナ沖海戦」が発生、ところがアメリカ軍は新鋭機の投入やレーダーによる濃密な防御システム、そして新兵器の「VT信管」を使用し、練度の低い日本の艦載機に対して一方的な戦いを展開、日本側はほとんど戦果を挙げないままに空母3隻と大多数の艦載機を失ってしまいます
●1944年10月、フィリピンのレイテ島にアメリカ軍が上陸、フィリピンを失うことは南方からの戦略物資の輸送が断たれることを意味しており、日本陸海軍はその総力を挙げて戦いに臨みます
●「瑞鳳」は、航空母艦「瑞鶴」「千歳」「千代田」と共に機動部隊である「小澤艦隊」を編成、しかし「マリアナ沖海戦」による消耗から、もはや有力な艦隊航空隊は存在せず、同艦隊は若干の航空機を搭載するのみで、敵の機動部隊を誘き寄せるための囮として出撃します
●「小沢艦隊」はフィリピン北方のエンガノ岬沖においてアメリカ機動部隊に向けてその保有する艦載機60機弱を発進、戦果自体は挙げられませんでしたが、「小沢艦隊」の当初の目的通りアメリカ機動部隊は同艦隊へと食い付きます
●「小澤艦隊」は、アメリカ機動部隊の艦載機の3波に渡る猛攻撃を受け、損害により脱落する艦が続出しました
●「瑞鳳」は僚艦が脱落する中、対空戦闘を継続し、第2波までの攻撃を耐えましたが、第3波の攻撃の際には集中攻撃を受け、2発の爆弾と2本の魚雷を被弾、大破航行不能となり、総員退艦の後、「瑞鳳」は傾き、その姿を波間に消したのでした
●アメリカ軍の執拗な猛攻により「小澤艦隊」は全ての航空母艦を失う結果となってしまいますが、「小澤艦隊」の出血はアメリカの機動部隊を誘き寄せることに成功したのです
