日本海軍 超弩級戦艦 大和
「日本海軍 超弩級戦艦 大和 (プラモデル) (フジミ 艦NEXT No.旧001 )」です
●太平洋戦争時における日本海軍の戦艦「大和」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●46cm砲を搭載した最強の戦艦として威容を誇った戦艦「大和」を再現、最終時の状態として対空機銃を多数装備した勇壮な姿を再現した内容となっています
●フジミ社から2015年に登場した新シリーズ、「艦NEXT」シリーズの第1弾、「船体」「甲板」「船底」などの部分ごとに色分けしたパーツ構成と、接着剤不要のスナップフィットのパーツ構成で「戦艦 大和」を再現
●「特シリーズ」と同じように、1/700の艦船模型としては非常にパーツ数が多いのですが、詳細を眺めてみると左右分割によるパーツ構成を極力排除、艦橋部は各層ごとに一体成型化したパーツを積み上げて組み立てるようになっており、フジミ社流にディテール再現と組み立てやすさを両立しようと考えていることがわかります
・ 各パーツの貼り合わせはストレスのないものとなっていますので、コツコツと組み上げていけば色分けされた「戦艦 大和」を完成させることができます
・ ただ、パーツ成型の際にアンダーゲートを多用しているためニッパーとヤスリ類の使用は必須です、パーツ切り離し余ったゲート類のヤスリがけには充分な労力を費やす必要があるでしょう
●塗装せずとも、実感ある「戦艦 大和」を再現することが可能ですが、もちろん塗装をして完成させることもできます
【 「日本海軍 超弩級戦艦 大和」のキット内容について 】
●日本海軍の戦艦「大和」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ディテール表現を重視したフジミ社「特シリーズ」のパーツ構成を下敷きにしながら、構造ごとに色分けした成型色と接着剤不要のパーツ構成の「艦NEXT」シリーズとして、新たに「戦艦 大和」を構築して再現、接着剤不要のスナップフィットキットながらディテール表現を重視した内容となっています
●「戦艦 大和」は成型色で色分けしていることから、塗装を行わなくても実艦イメージに近いカラーリングで組立てることができます
●また、接着剤不要のスナップフィットキットにより組立てやすく、一体成型を多用したパーツ構成で、機銃類の艤装品を除けばパーツ数は抑えており、本格的な艦船模型として「戦艦 大和」を気軽に楽しむことができます
●艦船模型初級者のユーザーからベテランユーザーに至るまで、勇壮な「戦艦大和」の姿を楽しむことができることでしょう
●戦艦「大和」の各構造部ごとに色分けしたパーツ構成となっています
・ 船体、上部構造物、艤装類はグレー
・ 上甲板は甲板色
・ 船底部は艦底色
・ 煙突トップはブラック
・ 艦載機はグリーン
の成型色に色分けしています
●「戦艦 大和」は竣工後、度々対空兵装の増強を行っており、キットは舷側部の副砲を撤去して対空兵装を大幅に増強した1945年の最終時の姿を再現しています
●艦底部も再現したフルハルモデルとなります
(ウォーターライン用の平らな船底用パーツはセットされていませんが、舷側パーツの間に平らなパーツを挟み込む構成となっていますので、フルハル用の船底パーツ使わずにウォーターラインモデルとすることも可能です)
●「大和」は、「船体」「上甲板」「艦橋などの上部構造物」「主砲などの艤装類」の各ブロックごとに分割した構成となっています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上甲板、構造物と艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は喫水線ラインで上下に分割したパーツで再現
・ 船体は舷側部を左右分割のパーツで構成し、その上下に蓋をするように甲板部パーツ及び船底パーツを貼り合わせる構成となっています
・ 左右の舷側の貼り合わせをする際、舷側が歪まぬように内側のフレームを挟み込む構成となっています
・ 船体下部にはバルジを再現しています
・ 舷側の舷窓、閉塞した舷窓、塵捨て管、舷外電路、梯子、デリック、副錨などのディテールをモールドで再現しています
●艦底部は一体成型のパーツで再現
・ 艦底には4基のスクリューを別パーツで再現
・ 舵を再現するパーツが2個付属
●上甲板は、錨鎖甲板、航空機作業甲板などの鉄甲板部と、木甲板部とに分割したパーツ構成となっています
・ 木甲板部は、波除けを再現するために、前後に分割したパーツ構成となります
・ 鉄甲板部には、主砲塔台座、滑り止め、航空機軌条などの基本構造の他、リール、ボラード、アンカーチェーン、ケーブルホルダーなどの細かなディテールをモールドで再現しています
・ 木甲板部には、木甲板表現を凹ラインで再現、ボラードなどの甲板上の構造物は別パーツ化しています
「大和」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋は、塔状に一体成型で再現した艦橋構造物に、戦闘艦橋、防空指揮所などを取り付けて作製します
・ トップの15m測距儀は21号電探を含めて一体成型となったパーツで再現、上部の射撃指揮装置は別パーツ化しています
・ 艦橋窓枠は、戦闘艦橋は窓の部分が一段凹んだ状態、羅針艦橋は窓枠の部分が一段出っ張った状態で再現しています
・ 艦橋の各フラット、スポンソン、ラッタルはブロックごとに別パーツ化
・ 艦橋部分を構成する、「22号電探」(×2)、13mm連装機銃(×2)、60cm信号探照灯(×2)などを別パーツ化しています
●後部艦橋
・ 後部艦橋は左右に分割したパーツ構成で、これに機銃座、10m測距儀、主砲予備射撃指揮所を重ねるように取り付けて作製します
・ 後部艦橋に装備する、「25mm 3連装機銃」(×2)を別パーツ化
●煙突
・ 本体部分は左右に分割したパーツ構成で、トップは別パーツとなっています
・ トップの雨水カバー金網は開口した状態となっています
・ 煙突部の各副管は、モールドにて再現
・ 煙突部の探照灯台座は、上下に分割したパーツで再現
・ 煙突部に装備する、「150cm探照灯」(×4)が別パーツ化
●マスト
・ マストは前後に分割したパーツで再現
・ 13号電探はマストに一体成型しています
●上部構造物
・ 艦橋、後部艦橋、煙突などのベースとなる上部構造物は一体成型のパーツで再現
・ 左右に増設した対空兵装台座部分は別パーツとなっています
・ 高角砲台座、機銃台座は別パーツ化しています
・ 上部構造物に装備する、「シールド付き 12.7cm連装高角砲」(×6)、「12.7cm連装高角砲」(×6)、「シールド付き25mm 3連装機銃」(×10)、「25mm 3連装機銃」(×6)、「94式高射装置」(×2)などを別パーツ化しています
●カタパルト「呉式2号5型改 射出機」 ×2
・ カタパルトは一体成型のパーツで再現、側面のトラス構造を凹凸あるモールドで再現しています
●クレーン
・ クレーンは一体成型のパーツで再現、スライド金型を使用して上部と側面のトラス構造を再現しています
●主砲塔 「45口径 94式 46cm 3連装砲」 ×3
・ 主砲塔は上下に分割したパーツ構成で、梯子や扉、フラットなどのディテールをモールドで再現しています
・ 測距儀は砲塔に一体成型しています
・ 砲身部分は1本ずつの個別にパーツ化、上下可動します
・ 砲身の砲口部分は開口した状態で、基部には防水布をモールドで再現しています
●副砲「60口径 3年式 15.5cm 3連装砲」 ×2
・ 砲塔は上下に分割したパーツで再現、砲身は砲塔に一体成型となっています
・ 砲身基部には防水布を再現しています
●高角砲「40口径 89式 12.7cm連装高角砲 (A1型改3)」 ×6、「40口径 89式 12.7cm連装高角砲 (A1型)」
・ シールド付き高角砲(A1型改3)は、シールド部分と連装状に一体成型となった砲身との2パーツで構成
・ シールド付き高角砲(A1型)は、連装状に一体成型となった砲身と砲架との2パーツで再現しています
●対空機銃
・ 13mm連装機銃 ×2 (艦橋部に配置)
・ シールド付き25mm3連装機銃 ×24 (上部構造物、舷側部などに配置)
・ 25mm3連装機銃 ×28
・ シールド付き機銃は、3連装状に一体成型となった銃身とシールドの2パーツで構成
・ 連装機銃、3連装機銃は一体成型のパーツで再現しています
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 9mカッター ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 主錨
・ 菊花紋章
・ 艦載艇収納庫の扉
・ 艦載機格納庫の扉
・ リール
・ ボラード
・ 波除け
などをセットしています
●艦載機として
・ 零式水上観測機 ×1
・ 零式3座水上偵察機 ×1
が付属しています
●以下のボーナスパーツが付属、ボーナスは取り付けの有無が選択できます(ボーナスパーツは接着剤を使用して取り付けます)
・ 副砲塔の通信線支柱
・ 艦橋のヤード部の信号灯
・ マスト後部のフレーム
・ 単装機銃(×4)
・ 機銃弾薬箱
●プラスチック製のピンセットが付属
●展示用のディスプレイスタンドが付属しています
●艦首の日章旗、艦尾の軍艦旗、マストに掲げられる司令官旗、「天一号作戦」時の幟、「菊水」マーク、探照灯のミラー部、航空機作業甲板のライン、主砲、副砲の防水布、カッターの甲板部、艦載機の日の丸マークなどを再現したシールが付属しています
●「日本海軍 超弩級戦艦 大和」の成型色
・ 船体、上部構造物、艤装類 : グレー
・ 上甲板、スクリュー : 甲板色(デッキタン)
・ 船底部、推進軸、舵 : 艦底色
・ 煙突トップ、ディスプレイスタンド : ブラック
・ 艦載機 : グリーン
【 「日本海軍 超弩級戦艦 大和」のパッケージ内容 】
・ 日本海軍 戦艦 大和 ×1
・ 零式水上観測機 ×1
・ 零式3座水上偵察機 ×1
・ ディスプレイスタンド ×1
・ ピンセット(プラ製)×1
・ シールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2015年 完全新金型
【 「戦艦 大和」について 】
●第1次世界大戦後、日本海軍とアメリカ海軍は双方を仮想敵国として意識し始め、熾烈な建艦競争を展開していました
●ただし、このような建艦競争は国力を無視したものであり、経済的な破綻を引き起こす恐れがあり、ヨーロッパ列強国を交えてワシントン軍縮条約とロンドン軍縮条約を締結します
●これにより、各種艦艇の保有制限が定められましたが、この保有制限によって日本海軍はアメリカ海軍やイギリス海軍に比べて艦艇隻数を抑えられ、この数の劣勢を挽回するために艦の性能向上を重視するようになります
●一方、当時の海軍は大艦巨砲主義が当然のこととなっており、海軍力は戦艦の能力と隻数で評価するものとなっていました
●1936年、日本は軍縮条約を脱退、この結果、建造計画の自由を得た日本海軍は、これまでの建造技術を結集し、従来の戦艦よりも遥かに強力能力を持つ新型戦艦「大和型」(「大和」「武蔵」)の建造を開始します
・ 戦艦「大和型」の主砲は新設計の「46cm砲」を搭載、この砲の威力は当時の各国の新鋭戦艦が搭載する「40cm砲」を凌駕する破格の破壊力を持っていました
・ それまでの戦艦が前後方向に構造物を分散する方式を採っていたのに対して「大和型」は船体中央部に構造物を集中配備、これにより防御力の強化が図られました
・ また、弾薬庫、機関部などの重要部には厚い装甲板で重点防御が施され、従来艦とは比べ物にならない防御力を誇っています
●この新型戦艦「大和」「武蔵」は、アメリカの「アイオワ級」やイギリスの「キング・ジョージ5世級」、「ネルソン級」などの各国の新鋭戦艦を凌駕する性能を持ち、第2次世界大戦に登場した戦艦として最強の存在となりました
●戦艦「大和」は、太平洋戦争が開戦した直後の1941年12月に竣工、翌1942年2月には連合艦隊旗艦に就任します
●1942年6月の「ミッドウェー海戦」では、戦艦「大和」には連合艦隊司令長官「山本五十六」が座上し、艦隊決戦用の主力艦隊の中核として参加しましたが、前衛部隊である空母機動部隊が壊滅し、作戦は中止となります
●1942年8月、アメリカ軍がガダルカナル島に上陸したことにより、日米の戦いはこの島を中心として展開、日本海軍とアメリカ海軍との間で死闘が繰り広げられました
●「大和」は、その戦いを睨み後方のトラック島に進出、しかし、海軍の中枢では将来起こりうると予測される艦隊決戦に向けて温存する意見が強く、再前線であるソロモン海域に出撃することは有りませんでした
●1944年6月、アメリカ軍は日本が絶対防衛圏として設定していたマリアナ諸島に上陸、日本海軍は総力を挙げて一大決戦「マリアナ沖海戦」に挑みます
・ 「大和」は艦隊戦の主軸として海戦に参加しましたが、戦いは航空決戦であり、事実上は対空護衛任務となります
●海戦は、それまでの消耗戦により練度が大幅に低下した日本軍側の航空部隊に対し、アメリカ軍は新兵器、防空システムが充実しており、日本海軍は完敗、多くの航空機と搭乗員を失い、事後は艦隊航空戦を展開できない状況となります
●1944年10月、アメリカ軍はフィリピン東部のレイテ島へ上陸、フィリピンを失うことは、太平洋戦争開戦時の目的であった南方資源への補給路を絶たれることを意味しており、日本海軍は再び総力を挙げて迎撃に向かいます
●ただ、「マリアナ沖海戦」の結果、苦肉の策として残存する空母機動部隊をフィリピン北方へ展開、これを追うアメリカの機動部隊の隙を突いて戦艦を中心とする砲戦隊がレイテ沖に突入、輸送艦隊とその護衛艦隊とを撃滅してアメリカ軍に大打撃を与える作戦を採りました
●「大和」は砲戦隊の主力である「栗田艦隊」に、僚艦「武蔵」と共に配属、同艦隊はフィリピン中央部を突き進みましたが、途中潜水艦の雷撃により脱落艦が続出、さらに艦載機の猛攻を受け、「武蔵」はその攻撃を一身に背負い、沈んでしまいます
●ただし、作戦自体は、当初日本海軍が想定したように、アメリカ機動部隊の主力は日本の空母を求めて北方へ移動しており、「栗田艦隊」はレイテ島沖まで到達します
●同艦隊は、護衛空母を中心としたアメリカ機動部隊に遭遇、散々に逃げるアメリカ空母と、捨て身の防御戦闘を行なうその護衛艦、空母から緊急発進した航空機を交えて大混戦となりました
●「大和」は、他艦と共同で護衛空母「ガンビア・ベイ」を撃沈しますが、敵駆逐艦が発射した魚雷、スコールと煙幕によって充分な追撃は阻止されてしまいます
●また、「栗田艦隊」の巡洋艦は航空機攻撃によって重大な損害を受けており、それ以上のレイテ沖突入は諦めて帰投、輸送船団へ打撃を与えるというチャンスは失われてしまいます
●内地へ帰投した「大和」ですが、フィリピンを失った関係で日本国内では燃料事情が急速に悪化、残存艦の殆どが浮き砲台として繋留した状態となります
●1945年3月、アメリカ軍は沖縄に上陸、日本の国土が戦場となり、日本側は陸軍、海軍の総力を結集して決死の反撃を敢行、特に劣勢な戦力の下で敵に損害を与えるようにと、航空隊は体当たり攻撃を行い続けました
●このような全軍挙げての反撃の中、有力な艦艇を保有しながらもその投入ができない日本海軍は、「大和」を主力とした艦隊を沖縄に突入させてアメリカ軍に打撃を与える「天一号作戦」を実施します
●ただ、燃料の不足により「大和」を護衛する艦は、軽巡洋艦1隻と駆逐艦8隻にしjか過ぎませんでした
●1945年4月6日、「大和」を中心とする艦隊は出航、翌4月7日にアメリカ艦載機の波状攻撃を受けます
●この攻撃は、延べ1000機に上る壮絶なもので、「大和」は対空射撃に奮戦するも、被弾により徐々に戦闘能力を喪失して行きます
●「大和」は不沈艦として粘り強く耐えていましたが、アメリカ軍機の攻撃は凄まじく、多数の命中弾により、攻撃開始から2時間後、鹿児島と沖縄との中間地点で「大和」は息絶え、その栄光の生涯を終えたのでした