日本海軍 重巡洋艦 高雄 昭和19年 デラックス
「日本海軍 重巡洋艦 高雄 昭和19年 デラックス (プラモデル) (フジミ 1/700 特シリーズ SPOT No.特SPOT-043 )」です
●太平洋戦争時における日本海軍の重巡洋艦「高雄」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●日本海軍の重巡洋艦の象徴的存在として数々の海戦に参加した重巡洋艦「高雄」を再現、艦隊司令部設備を備えた城郭のような大型の艦橋構造物を持ち、多くの対空兵装を身に纏った独特のシルエットを再現した内容となっています
●フジミ社製「日本海軍 重巡洋艦 高雄 1944年」と、専用のエッチングパーツ「日本海軍重巡洋艦 高雄 専用エッチングパーツ」とをワンパッケージにした限定スペシャルバージョンです
・ キットとエッチングパーツとを個別に揃えるよりも、価格的にお得な内容となっています
【 「日本海軍 重巡洋艦 高雄 昭和19年 デラックス」のキット内容について 】
●日本海軍の重巡洋艦「高雄」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●フジミ社製「特シリーズ」で培われた高いディテール表現力で「高雄」を再現、巨大な艦橋と、複雑な構造の探照灯及び機銃台座、そして煙突部が織り成す独特の姿を細分化したパーツ構成により密度感高く再現した内容となっています
●本キットでは、従来の1/700のスケールでは表現方法の限られた煙突部の手摺り、航空機軌条などをモールドにより実感豊かに再現、付属しているエッチングパーツを使用することで、艦船モデルならではの細かな構造物が作り出すディテール感溢れた姿を楽しむことができるでしょう
●「高雄」は、太平洋戦争の開戦後、対空兵装の増強が繰り返されており、本キットでは単装機銃を多数配置した1944年の姿を再現しています
●喫水線までを再現した洋上モデルです
●「高雄」は、「船体」「上甲板」「艦橋などの上部構造物」「主砲などの艤装類」の各ブロックごとに分割した構成となっています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上甲板、構造物と艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は喫水線ラインで上下に分割したパーツで再現
・ 船体は一体成型となったパーツで再現、舷側には魚雷発射口、舷窓、閉塞した舷窓、舷外電路、フェアリーダーなどのディテールをモールドで再現しています
・ 船体部の魚雷発射管口は開口した状態となっています
・ 洋上モデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属しています
●上甲板は、全通式に一体成型となったパーツで再現
・ 甲板上には、主砲塔台座、リノリウム押さえ、滑り止め、単装機銃台座などの基本躯体の他、リール、ボラード、昇降口、天窓、通風筒などの細かなディテールをモールドで再現しています
「高雄」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋は4層で構成、トップの測距儀、射撃指揮所は別パーツ化しています
・ 艦橋の下層部(羅針艦橋より下部)は一体成型のパーツで再現、スライド金型を使用して各面の窓、扉などをモールドで再現しています
・ 艦橋の窓枠部分は別パーツ化、窓の部分を一段凹んだ状態とし、立体感を演出しています
・ 艦橋の上下部には遮風装置をモールドで再現
・ 艦橋側面のラッタルなども別パーツ化しています
・ 艦橋部分に装備する、「91式高射装置」(×2)、「4.5m高角測距儀」(×2)、「方位盤」(×2)、「60cm探照灯」(×2)、「25mm連装機銃」(×2)、「22号電探」(×2)などを別パーツ化、探照灯はクリアーパーツです
●シェルター甲板部
・ シェルター甲板上には、前部にリノリウム押さえ、後部には滑り止めをモールド、船体に一体成型した魚雷発射管部分の上部に取り付ける構造となっています
●航空機作業甲板部
・ 航空機作業甲板部は、本体部分と左右の側面部との3パーツで構成
・ 甲板上には、滑り止め、航空機軌条、ターンテーブルをモールドで再現、航空機軌条は立体的なモールドとなっています
・ 航空機運搬台が3個付属しています
●メインマスト
・ メインマストは三脚檣型です
・ マスト中央の電探探信室はマストに一体成型しています
・ マストに装備する、「21号電探」(×1)、「13号電探」(×1)を別パーツ化しています
● 煙突
・ 第1、第2煙突の本体部分は左右に分割したパーツ構成で、トップは別パーツ化しています
・ 煙突周囲の手摺り兼足掛けをモールドにより立体的に再現
・ 煙突トップと、煙突内部の整流板は別パーツ化しており、雨水カバー部は開口した状態となっています
・ 前側面の小煙突は別パーツで、それぞれの形状の違いが再現
●後檣
・ 後檣は三脚檣型、トップは1本の単檣となっています
・ マストの三脚檣部分は前後に分割したパーツで構成、上部の単檣とヤード部はそれぞれ1パーツで再現しています
・ 前部のクレーンは、スライド金型を使用して上部のトラス構造をモールドで再現
●探照灯台座、及び探照灯
・ 台座部分は、トラス構造を繊細なモールドで再現、下部のトラス部は開口した状態となっています
・ 探照灯台座に装備する、「110cm 探照灯」(×4)を別パーツ化、クリアパーツとなっています
●カタパルト 「呉式2号5型 射出機」 ×2
・ カタパルトは一体成型のパーツで再現、スライド金型を使用して射出機上部のディテールも再現しています
・ カタパルトのトラス部分を立体的なモールドで再現しています
●主砲塔部 「50口径 3年式 20cm連装砲 E型」 ×5
・ 砲塔は上下に分割したパーツ構成で、砲身部分は1本づつ個別にパーツ化しています
・ 砲身基部には防水カバーを立体的なモールドで再現
・ 砲身は任意の角度で固定することができます
・ 測距儀は別パーツ化しています
・ 2番主砲塔に存在する空中線支柱は別パーツ化
●高角砲 「40口径 89式 12.7cm連装高角砲」 ×4
・ 高角砲はシールド部分と砲身本体との2パーツで構成、砲身部分は連装状に一体成型となったパーツで再現しています
・ 砲身の角度は任意の位置で取り付けることができます
・ 円形の高角砲台座がパーツ化
・ 高角砲横に装着する射界限度を示す構造物を別パーツ化しています
●魚雷発射管 「92式 61cm 4連装発射管 1型」 ×4
・ 魚雷発射管は一体成型のパーツで再現
・ 予備魚雷が付属しています
●対空機銃「25mm 3連装機銃」 ×6、「25mm 連装機銃」 ×6、「25mm単装機銃」 ×20
・ 各機銃は一体成型となったパーツで再現しています
●対空機銃座として
・ 煙突部 3連装機銃用 台座 ×2
・ 煙突部 連装機銃用 台座 ×4
・ 艦尾部 3連装機銃用 台座 ×2
がセットされています
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 11m内火艇 ×2
・ 12m内火ランチ ×1
・ 9mカッター ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 応急舵
・ 菊花紋章
・ 舷梯
などをセットしています
●艦載機として
零式水上偵察機 ×2
零式水上観測機 ×1
が付属、クリアパーツで再現しています
【 付属しているエッチングパーツ 】
●フジミ社製「日本海軍重巡洋艦 高雄 専用エッチングパーツ」が付属しています
●エッチングパーツで再現しているディテールアップポイントは
・ 船体部や艦橋、主砲塔部などの各種手摺り(脚無しタイプ、一部弛み表現付き)
・ 艦橋窓枠
・ 梯子
・ ラッタル
・ 防水扉
・ 舷梯
・ 煙突部手摺り兼足掛け
・ 煙突雨水カバー金網
・ 煙突の整風板
・ 「21号電探」
・ 「13号電探」
・ 方位測定器
・ 探照灯、機銃台座トラス
・ クレーンのトラス構造
・ クレーンのワイヤー及び滑車
・ ボートダビッド ×8
・ 「呉式2号5型射出機」 ×2
・ 主砲塔の外部パネル
・ 砲塔空中線支柱
・ 航空機作業甲板
・ 航空機軌条
・ ターンテーブル
・ 航空機用台車
など、となっています
●艦尾の軍艦旗(直線タイプと、なびいているタイプの2種)、艦載機の日の丸マーク、識別帯、偏流測定線を再現したデカールが付属しています
【 「日本海軍 重巡洋艦 高雄 昭和19年 デラックス」のパッケージ内容 】
・ 重巡洋艦 高雄 ×1
・ 「日本海軍重巡洋艦 高雄 専用エッチングパーツ」 ×1
・ 零式水上偵察機 ×2
・ 零式水上観測機 ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●スポット生産品
【 「重巡洋艦 高雄」について 】
●1929年に竣工した重巡洋艦「妙高」は、列強の同クラスの重巡洋艦よりも強力な攻撃力を持つ傑作艦であり、この艦の登場により日本海軍は重巡洋艦のスタイルを確立します
●1932年に竣工した重巡洋艦「高雄」は、この「妙高型」重巡洋艦を改良した艦として建造が行われ、武装などの配置は「妙高型」を継承したものとなっています
●最大の相違点は艦橋構造で、「妙高型」が戦隊旗艦(4、5隻程度の旗艦)程度の旗艦装備しか用意していないのに対して、艦隊旗艦(10隻から20隻程度の旗艦)の設備を持っており、艦隊司令部とその要員を収納するために、10層で構成する巨大な艦橋構造物も持つ姿となっています
・ この「城」を想像させる巨大な艦橋のシルエットは、戦前の国民に強いインパクトを与え、日本海軍を代表する艦の一つにもなりました
●また、魚雷兵装も「妙高型」の船体の側面に魚雷発射管を搭載する方式から上甲板上に設置した構造物に搭載する方式へと変更が行われ、被弾時の誘爆によって船体に直接被害を受けないように改善しています
●1938年、「高雄型」重巡洋艦4隻は近代化改装が行なわれることとなり、先んじて「高雄」と「愛宕」の2隻の改装を着手します
・ この改装にあたっては、従来の日本海軍の艦艇が兵装などの多さで艦の安定力を欠いていたことの見直しが行なわれ、「高雄型」は巨大な艦橋構造物がトップヘビーな状態を招いていたことから、この艦橋は一回り小型となりました
・ 対して、対空兵装は増強が行なわれ、新造時には「12cm 単装高角砲」が4基だったところを「12.7cm 連装高角砲」4基へと倍増、機銃類も追加しています
・ そして、魚雷兵装も連装発射管4基を4連装発射管4基へと変更、魚雷攻撃力が格段に向上しました
・ このような兵装の増強により安定力の低下を防ぐために、船体側面にはバルジを設置、兵装の強化とバルジにより、総排水量は2,000tも増加しています
●「高雄」は、太平洋戦争が開戦するとフィリピンなどの上陸作戦の支援を行い、続いてジャワ島近海において連合軍側の駆逐艦などの艦艇を撃沈する戦果を上げます
●1942年6月には「ミッドウェー作戦」の陽動としての「アリューシャン作戦」に参加、8月からはソロモン海域の戦闘に従事し、アメリカ軍艦艇との間で夜間戦闘による死闘を繰り広げ、「高雄」も少なからず損害を受けました
●1943年2月、日米の戦いの中心であった「ガダルカナル島」からの撤退が決定され、「高雄」は撤退の支援に参加、その後、ブーゲンビル島、トラック島、ラバウルのラインが日本軍側の最前線となります
●1943年11月、そのラバウルに進出していた「高雄」は、アメリカ軍艦載機の空襲を受け、2発の爆弾が命中して中破、内地へと帰還、そして修理を受けます
●修理が完了すると、フィリピン南方にて航空隊の練成訓練中の空母機動部隊へと合流、決戦に備えました
●1944年6月、「高雄」は日本海軍の艦載機航空兵力の全てを投入した一大決戦「マリアナ沖海戦」に参加、海戦自体は日本軍側の完全な敗北であり、戦力を消耗した航空兵力は再建の目途が立たない状態となります
●これにより、海上戦力しか持たない日本海軍は、空母を囮として水上艦艇で敵にダメージを与えるという作戦「捷一号作戦」(レイテ沖海戦)を決行、「高雄」はその高い攻撃力から主力部隊である「栗田艦隊」に配備が行われました
●1944年10月、「栗田艦隊」は決戦のためにブルネイ島を出発、フィリピン西部のパラワン島沖においてアメリカの潜水艦2隻の雷撃を受け「高雄」は2発の魚雷が命中し大破、一時は航行不能に陥りますが、何とか自力航行ができる程度に復旧し、戦線を離脱します
・ この一連の潜水艦の攻撃により、僚艦「愛宕」、「摩耶」は沈没してしまいます
●「高雄」はブルネイを経てシンガポールに入港し、修理を受けますが、「レイテ沖海戦」の後は、制空権、制海権を失い、更には燃料事情が悪化した日本海軍は組織的な作戦を行なうことはできず、「高雄」はシンガポール防衛のための浮き砲台となることになりました
●1945年7月、イギリスの特殊潜水艇により、艦底部に爆弾が仕掛けられて爆発が発生、しかし、「高雄」自体の損傷は軽微でした
●「高雄」は終戦時に残存、武装解除によりイギリス軍へと引き渡され、1945年10月に爆破処分が行われ、その栄光の生涯を閉じたのでした