M3A3 軽戦車 スチュアート
「M3A3 軽戦車 スチュアート (プラモデル) (AFV CLUB 1/35 AFV シリーズ No.AF35053 )」です
●第2次世界大戦時におけるアメリカ製の軽戦車「M3A3」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●傾斜装甲を採り入れた車体と新型砲塔を装備した軽戦車「M3」シリーズの最終型である「M3A3」を再現、軽戦車「M5A1」と準同型ながらも側面装甲が斜めとなった独特のスタイルが表現されています
【 「軽戦車 M3A3」について 】
●軽戦車「M3」は、第2次世界大戦前に開発された軽戦車「M2A4」の改良型で、誘導輪を大型化して接地状態として履帯の接地圧を軽減、対戦車砲をそのままの状態で主砲として搭載する方式から、車載型として改造された砲を搭載する方式に変更されています
●「M3」は、軽戦車としては厚い装甲と、主砲の37mm砲は同クラスの砲としては比較的強力であり、アメリカ製としての機械的信頼性の高さと相まって、イギリス軍に供与された車両は高い評価を獲得します
●しかし、アメリカとしては参戦を前提とした急造戦車である「M3」の評価に甘んじることなく、「M3」の改良型を開発する一方、1941年6月には「M3」をベースとして新型のエンジンとトランスミッションを装備した軽戦車「M5」の開発も開始されました
・ 当初、この「M5」は、「M3」との続きから「M4」と呼称されていましたが、「M4中戦車」との混同を避けるために「M5」となっています
●この軽戦車「M5」では、それまでの「M3」シリーズの車体形状を大きく変更、傾斜装甲が採り入れられ、従来とは異なるスッキリとしたデザインへと変化しています
●一方、平行して「M3」の改良型の開発も進み、1942年5月には砲塔形状を変更した「M3A1」が登場、更なる改良型として開発された「M3A3」では、「M5」に採用された車体デザインをフィードバックさせる形で車体形状を変更、砲塔は後部に無線機用の張り出し部と、上部に2枚式の平面型ハッチを設けた新型となりました
●「M3A3」に使用された砲塔は従来のタイプよりも使い勝手が良く、ややこしいことに「M5」にも同砲塔を搭載することが決定、この砲塔を装備したタイプが「M5A1」となります
●このような複雑な過程を経たことにより、結果的に「M3A3」と「M5A1」は似た形状となり、外観上の識別点は「M3A3」の車体側面が斜めとなっているのに対して、「M5A1」では垂直に切り立った状態、「M5A1」ではエンジン容量の問題からエンジンデッキが1段高くなっているのに対して、「M3A3」では平らな形状となります
●しかし、アメリカ軍では比較検討により「M5A1」を使用することを決定、結局「M3A3」はアメリカ軍には配備されることなく、余剰兵器となった同車はレンドリース用車両としてイギリス軍や自由フランス軍、中華民国などに広く供与が行われましたた
【 「M3A3 軽戦車 スチュアート」のキット内容について 】
●このアメリカ製の軽戦車「M3A3」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●AFVクラブ社の1/35シリーズのフォーマットに則り、細分化されたパーツ構成と、繊細なモールドによって「M3A3」を再現、ベルト式履帯などによる組立て易さを考慮しながらも、細部表現に重きをおいた内容となっています
●「M3A3」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●砲塔は軽戦車としての細かな造りとアメリカ戦車らしい重厚な雰囲気とを再現、各部の溶接跡が繊細なタッチで表現されています
●「37mm戦車砲M6」の砲身は、前部が金属製砲身、中央部から後ろがプラパーツとなっています
・ 砲尾部分が再現され、防危板などを含めて9パーツで構成、閉鎖器は閉じた状態で一体成型されています
・ 照準器がパーツ化
・ 同軸機銃は機関部と銃架が一体成型されています
・ 防盾は1パーツで構成
・ 砲身は完成後も上下可動式とすることができます
●砲塔は左右分割式で、天板と前面パネルは別パーツです
・ 上部ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ ペリスコープは、ペリスコープ本体と回転リング部、ペリスコープの蓋の3パーツで構成
・ サーチライトがパーツ化
・ アンテナマウントはアメリカ式とイギリス式とが付属しており、選択して使用します
・ イギリス軍車両に装備されるスモークディスチャージャーのパーツが付属、基部も含めて5パーツで構成
・ 側面に装備されるグローサーは個別にパーツ化され、上下分割式です
【 車体上部 】
●車体上部は、軽戦車としての溶接跡、装備品を固定するフック、ボルトなどが繊細に表現されています
●車体上部は一体成型で、前面パネルは別パーツとなっています
・ 操縦手ハッチ、前方機銃手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 前部のフェンダーは別パーツです
・ 前方機銃のマウント部は3パーツで構成、装備される「M1919A4機関銃」は機関部も含めて再現されています
・ ライトガードはプラパーツにて再現
・ 車体前面に付くグローサーは個別にパーツ化され、上下分割式です
・ 給油口の蓋、ハッチ類の把手は別パーツとなっています
・ 車載工具類は固定具も含めてパーツ化
●車体後部に装備される雑具箱が付属しています
・ 雑具箱の有無が選択できます
・ 雑具箱は3パーツで構成
・ 雑具箱後部のバスケットは側面部分が雑具箱に一体成型され、メッシュの部分を再現するエッチングパーツが付属しています
【 車体下部 】
●車体下部はバスタブ式に一体成型され、後部パネルは別パーツです
・ 後部パネルのドアは別パーツとなっています
・ サスペンションユニットは左右分割式で、転輪も含めて8パーツで構成(全4ユニット)
・ 誘導輪部分は誘導輪自体も含めて9パーツで構成
・ 起動輪は左右分割式で、肉抜き穴が付いたタイプを再現
・ 下部転輪、誘導輪はスポークタイプです
【 履 帯 】
●履帯は、接着可能な素材によるベルト式履帯が付属しています
・ 履帯はラバーストッパータイプの「T16」履帯が表現されており、モデルカステン製「M3/5スチュワート軽戦車用履帯」がこれに対応しています
●砲部のラックのメッシュを再現するエッチングパーツが付属
【 塗装とマーキング 】
●「M3A3」のマーキングとして、7種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 自由フランス軍 第2機甲師団
・ 中華民国 第1臨時戦車群 第1戦車大隊 (ビルマ / 1945年)
・ ユーゴスラビア 第1戦車旅団 (1944年7月)
・ 自由フランス軍 第5機甲師団 (1944年)
・ イギリス陸軍 第22機甲旅団 第5戦車連隊 (1944年6月)
・ イギリス陸軍 第7機甲師団 第22機甲旅団 (1944年6月)
・ 中華民国 第1臨時戦車群 第3戦車大隊 (1945年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号、部隊マーク、車台番号などを再現したデカールが付属しています