日本海軍 航空母艦 赤城
「日本海軍 航空母艦 赤城 (プラモデル) (フジミ 艦NEXT No.旧004 )」です
●太平洋戦争時における日本海軍の航空母艦「赤城」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●空母機動部隊の機動打撃力の威力を世界に知らしめた第1航空艦隊の旗艦の航空母艦「赤城」を再現、スマートな巡洋戦艦の船体に2層式の格納庫を設けた、勇壮なフォルムを再現した内容となっています
●フジミ社による艦船模型の新たなる形「艦NEXT」シリーズの第4弾にあたるキットで、「船体」「飛行甲板」「船底」などの部分ごとに色分けしたパーツと、接着剤不要のスナップフィットのパーツ構成で「航空母艦 赤城」を再現
●細分化したパーツ構成のフジミ社の「特シリーズ」を下敷きとして、飛行甲板や上甲板部などを成型色で色分けする都合上、さらにパーツ分割が多く、1/700スケールの艦船模型としてはパーツ数が多くなっています
・ パーツ数は多いものの、各パーツの貼り合わせは極力ストレスを排除し、接着剤不要のスナップフィットですので、コツコツと組み上げていけば色分けされた「航空母艦 赤城」を完成させることができます
・ ただ、スナップフィットのキットは、ゲートなどが残っていると組立てが困難となりますので、ニッパーとヤスリ類の使用は必須です、パーツの切り離しの際に余ったゲート部分などの処理、整形には充分な労力を費やす必要があるでしょう
●塗装せずとも、実感ある「航空母艦 赤城」を再現することが可能ですが、もちろん塗装をして完成させることもできます
【 「日本海軍 航空母艦 赤城」のキット内容について 】
●日本海軍の航空母艦「赤城」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ディテール表現を重視したフジミ社「特シリーズ」のパーツ構成を下敷きにしながら、構造ごとに色分けした成型色と接着剤不要のパーツ構成の「艦NEXT」シリーズとして、完全新規金型で「航空母艦 赤城」を再現、接着剤不要のスナップフィットキットながらディテール再現を重視した内容となっています
●「航空母艦 赤城」は成型色で色分けしていることから、塗装を行わなくても実艦イメージに近いカラーリングで組立てることができます
●また、接着剤不要のスナップフィットですので、本格的な艦船模型となる「航空母艦 赤城」を楽しんで作製することが可能、艦船模型初級者からベテランユーザーに至るまで、日本海軍の航空母艦の象徴ともなった「航空母艦 赤城」の姿を楽しむことができることでしょう
●航空母艦「赤城」は各構造部ごとに色分けしたパーツ構成となっています
・ 船体、艦橋、艤装類 : グレー
・ 飛行甲板 : 木甲板色
・ 上甲板の一部 : リノリウム色
・ 船底部 : 艦底色
・ スクリュー : 黄褐色
・ 煙突トップ : ブラック
・ 艦載機 : 明るめのグレーもしくは濃いグリーン
の成型色に色分けしています
●艦底部も再現したフルハルモデルとなります
・ 洋上モデル用の平らな船底用パーツはセットしていませんが、フルハル用の船底パーツを取り付けないことで洋上モデルとすることも可能です
●「赤城」は、「船体」「飛行甲板」「艦橋などの上部構造物」「主砲などの艤装類」の各ブロックごとに構成しています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、飛行甲板、構造物と艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は、格納庫を含めて左右に分割したパーツ構成
・ 船体には、主砲マウントを一体成型化しています
・ 左右の舷側を合わせる際に船体にひずみが生じないよう、パーツの内側にフレームを挟み込んで組み立てます
・ 格納庫の前端部は別パーツ化、格納庫後部は別ブロック化して再現
・ 船体の舷側には、「バルジ」「舷窓」「フェアリーダー」「塵捨管」「梯子」「舷外電路」などの細部をモールドで再現しています
・ 「舷窓」の上部には「雨樋」を繊細なモールドで再現しています
●艦底部は一体成型のパーツで再現
・ 艦底の「舵」(×2)、「スクリュー」(×4)、「推進軸」(×4)を別パーツ化しています
●上甲板は、船首部分、船尾部分、そしてボート収納デッキの3パーツに分割しています
・ 甲板上には、「アンカーチェーン」「アンカーチェーン導板」「リール」「ボラード」「昇降口」などの細かなディテールをモールドで再現しています
●飛行甲板は、一体成型のパーツで再現した鉄甲板部に木甲板部を取り付けて作製します
・ 木甲板は伸縮継ぎ手の部分で分割した6パーツで再現、エレベーターは別パーツとなっています
・ 飛行甲板上には、「遮風棚」「着艦制動装置基部」「滑走制止装置基部」などをモールドで再現
・ 飛行甲板裏側には特徴的な梁構造をモールドで再現、一部は別パーツとなっています
・ 前後に存在する飛行甲板支柱は個別にパーツ化、トラス構造などをモールドで再現しています
「赤城」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成しています
●艦橋
・ 艦橋の主要部は3層のパーツで再現
・ 「艦橋窓枠」は、「窓ガラス」の部分を一段凹んだ状態として、立体感を演出しています
・ 艦橋各部の「窓」「扉」などをモールドで再現
・ トップの「信号灯」は一体成型により再現、「4.5m測距儀」は別パーツとなっています
・ 艦橋に装備する、「方位測定アンテナ」(×1)、「1.5m測距儀」(×1)、「60cm探照灯」(×2)、「双眼鏡」(×11)などを別パーツ化して再現
●メインマスト
・ メインマストは一体成型のパーツで再現
・ ボーナスパーツとして、前後に分割したパーツで構成されたメインマストも付属、このメインマストは接着剤を使用して組立てます
●通信マスト
・ 通信マストは一体成型のパーツで再現、トラス構造をモールドで再現しています
● 煙突
・ 本体部分は上下に分割したパーツで再現、トップは別パーツとなっています
・ 表面上には「手摺り兼足掛け」「梯子」「非常排煙装置」などをモールドで再現
・ 煙突内部の整流板もシャープに再現
●左舷の円材置き場は4パーツで再現、複雑な桁構造を再現しています
●機銃用スポンソンはブロックごとにパーツ化しており、下面の補強板は一体成型化をして1枚ずつ再現しています
・ スポンソンの支柱は別パーツ化、日本の空母らしい複雑な支柱構造を再現しています
●主砲塔 「50口径 3年式 20cm単装砲」 ×6
・ 砲塔は、砲身を含めた一体成型のパーツで再現、 砲身基部には防水カバーをモールドで再現しています
●高角砲 「45口径 10年式 12cm連装高角砲」 ×6
・ 右舷は煙突の煙除けのシールド付きタイプ、左舷はシールド無しのタイプを再現
・ シールド付きの高角砲は、連装状に成型した砲身と、シールド部とで再現
・ シールド無しの高角砲は、連装状に成型した砲身と砲架部との2パーツで再現しています
・ 高角砲支筒は別パーツ化により複雑な形状を再現
●対空機銃「25mm 連装機銃」 ×14
・ 機銃は、それぞれ一体成型となったパーツで再現
●艦載機
・ 艦載機は、一体成型のパーツで再現
●艦載機内容
・ 零式艦上戦闘機 21型 ×3
・ 99式艦上爆撃機 ×3
・ 97式艦上攻撃機 ×3
●内火艇、カッターなど
・ 12m内火艇 ×2
・ 11m内火艇 ×1
・ 13m特型運搬船 ×2
・ 12m内火ランチ ×1
・ 大型カッター ×2
・ 中型カッター ×3
・ 小型カッター ×1
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 舷梯
・ 着艦指示灯
・ 探照灯
などをセットしています
●以下のボーナスパーツが付属、取り付けの有無を選択できます(各ボーナスパーツの取り付けには接着剤を使用します)
・ メインマスト
・ 25mm単装機銃 ×4
・ 双眼鏡 ×28(艦橋部分を含む)
・ 艦載機の主脚
●フルハルモデル用のディスプレイスタンドが付属しています
●「空母 赤城」用のマーキングとして水転写式のデカールとシールの2種をセット、お好みに応じて使用することができます
・ シール : 飛行甲板の各種表示線、「ア」の文字、着艦標識、リノリウム甲板、旗竿に掲げられる軍艦旗、カッター類の甲板部、主砲の防水布、艦載機の日の丸マークなど
・ デカール : 飛行甲板の各種表示線、「ア」の文字、着艦標識、旗竿に掲げられる軍艦旗、艦載機の日の丸マークなど
●「日本海軍 航空母艦 赤城」の成型色
・ 船体、艦橋、艤装類 : グレー
・ 飛行甲板 : 木甲板色
・ 上甲板の一部 : リノリウム色
・ 船底部 : 艦底色
・ スクリュー : 黄褐色
・ 煙突トップ : ブラック
・ 艦載機 : 明るめのグレー(「零戦21型」「99式艦上爆撃機」)、濃いグリーン(97式艦上攻撃機)
【 「日本海軍 航空母艦 赤城」のパッケージ内容 】
・ 航空母艦 赤城 ×1
・ 零式艦上戦闘機 21型 ×3
・ 99式艦上爆撃機 ×3
・ 97式艦上攻撃機 ×3
・ ディスプレイスタンド ×1
・ シールシート ×2
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
●2016年 完全新金型
【 「航空母艦 赤城」について 】
●日露戦争後の海軍増強計画である「88艦隊」に従い建造が始まったのが巡洋戦艦「天城型」で、その2番艦である「赤城」は1920年12月に起工しました
●しかし、「ワシントン軍縮会議」において主力艦の保有枠を定められたことから、日本海軍は建造中の主力艦の削減を決定、建造中の「赤城」は巡洋戦艦として完成することが認められず、航空母艦へと艦種を変更して建造を続けることになりました
●この時代、各国海軍における航空母艦の建造・運用は様々な試行錯誤が繰り返されており、我が国において「赤城」は「3段式甲板」を持つ特異な形状の航空母艦として設計、1928年に竣工します
●軍縮条約下の日本海軍は他の列強国と比べて戦艦などの主力艦艇の数が少なく、戦力の不利を補うために航空機による攻撃を世界に先駆けて研究していました
●この航空機の運用を念頭に置いた上で、世界最初の純粋の航空母艦「鳳翔」(それまでに存在した航空母艦は改造したもの)を建造、続いて「赤城」「加賀」「飛龍」「蒼龍」などの航空母艦が建造されます
●同時に、艦載機の性能も日進月歩で進み、当初の搭載されていた固定脚の複葉機から、単翼に、そして引き込み脚へと移り変わり、速度も増大、航空母艦の飛行甲板もより長さが必要となりました
●これに対応するように3段甲板の「赤城」は、1938年に全通式の飛行甲板へと近代化改装が行なわれることになります
●全通式の甲板を備えた「航空母艦 赤城」は、前身となった巡洋戦艦の能力を引き継いだ高速性を持ち、多くの艦載機を搭載でき、泰然とした威容をもって「第1航空艦隊」(別名「南雲機動部隊」)の旗艦となります
●この「第1航空艦隊」は、空母を集中して運用するという日本海軍の新しい考え方から考案されたもので、「第1航空戦隊」の「赤城」「加賀」、「第2航空戦隊」の「飛龍」「蒼龍」、「第5航空戦隊」の「翔鶴」「瑞鶴」、そして護衛の艦隊を傘下に持ち、その艦載機による打撃力は、当時の列強国の艦隊とは比べ物とならない程の絶大な威力を誇っていました
・ 当時それほど注目されなかったのは、航空機では戦艦などの強力な艦艇を沈めることはできないという大鑑巨砲主義が常識化していたからです
●この「第1航空艦隊」は、1941年12月の真珠湾攻撃に参加し、多数の艦載機による攻撃力の大きさを世界に示しました
●「第1航空艦隊」は、続く「ポートダーウィン攻撃」「セイロン沖海戦」などにも参加、特に「セイロン沖海戦」では海上で航行するイギリスの巡洋艦に対し、航空攻撃が80パーセント以上の命中率を上げるなど移動目標に対して攻撃する練度の高さと、艦載機の優秀さを誇りました
●一大決戦となった1942年6月の「ミッドウェー作戦」では、「第1航空艦隊」は「第1航空戦隊」と「第2航空戦隊」の「赤城」を含む4隻の空母で参戦(「第5航空戦隊」は珊瑚海海戦による損害により不参加)、「大和」を主力とする砲戦隊の主力部隊の遥か前方に配置され、露払いの役割を務めます
●しかし、この作戦は暗号解読によりアメリカ側に筒抜けであり、アメリカ海軍は3隻の空母を動員してこれを待ち受けました
●「第1航空艦隊」は、ミッドウェー島のアメリカ軍の航空隊を殲滅する役割を持っており、当初は練度の高さと艦載機の性能により敵を圧倒していましたが、ミッドウェー島の攻撃とアメリカ軍の空母への攻撃とが錯綜してしまいます
●アメリカ軍の航空機による攻撃は直衛の「零戦」によりことごとく阻止していましたが、アメリカ軍の急降下爆撃機「ドーントレス」は、雷撃機への対処で低空に移動した「零戦」の間隙を突き、日本空母へ爆弾攻撃を行いました
●この攻撃により「赤城」は2発の直撃弾を被弾、火災が発生し、発艦準備の中、搭載する艦載機と積載予定の爆弾、魚雷へと誘爆、手が付けられない状況となってしまいます
●そのため「赤城」は味方の駆逐艦の魚雷によって処分が行われ、その栄光の歴史に幕を閉じることとなりました
●「赤城」の損失は日本海軍の緒戦の勝利の幕切れを示すものであり、「ミッドウェー海戦」は敗北で終わり、日本海軍はその後苦しい戦いを強いられることになるのです