日本海軍 航空母艦 飛鷹 昭和19年
「日本海軍 航空母艦 飛鷹 昭和19年 (プラモデル) (フジミ 1/700 特シリーズ No.094 )」です
●太平洋戦争時における日本海軍の「航空母艦 飛鷹」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット。
●商船を改造した空母ながら、正規空母並みの能力を持ち日本海軍の空母戦力の中核を担った「航空母艦 飛鷹」を再現、煙突と一体化した大型の島型艦橋を備えた、改造空母らしからぬ近代的な姿を再現した内容となっています。
【 日本海軍 航空母艦 飛鷹 昭和19年 (フジミ 1/700 特シリーズ No.094) プラモデルの内容 】
●航空母艦 飛鷹 概要
●日本海軍の航空母艦「飛鷹」を再現したプラスチ+ックモデル組立キットです。
●フジミ社「特シリーズ」として細部再現を重視しながらも、スライド金型を多用して一体成型化を進めたパーツ構成、パーツ上に施したモールドを主体としたディテール再現により「航空母艦 飛鷹」を再現、従来の「特シリーズ」の各キットよりもパーツ数を抑えており、作りやすさにも配慮した内容となっています。
●喫水線までの部分を再現した洋上モデルです。
●航空母艦 飛鷹 全体構造
●「飛鷹」は、「船体」「飛行甲板」「上甲板」「艦橋などの上部構造物」「高角砲などの艤装類」をそれぞれブロック化して分割した構成となっています。
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上甲板、飛行甲板、構造物、艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます。
●船体は、左右に分割したパーツで構成。
・ 左右の舷側パーツの張り合わせは、パーツが歪まぬよう、船体パーツ内側に「桁」パーツを挟み込んで組立てます。
・ 船体パーツ上には、「舷窓」「閉塞された舷窓」「扉」「舷外電路」「塵捨管」「パラベーン」「フラット」「副錨」などの細部ディテールを繊細なモールドで再現しています。
・ 洋上モデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属しています。
●飛行甲板は2枚に分割したパーツで構成、前方の滑走制止装置の部分を基点に前後に分割したパーツとなっています。
・ 飛行甲板上には、木甲板表現、滑り止めパターン、遮風柵、滑走制止装置などを繊細なモールドで再現しています。
・ 「エレベーター」は別パーツ化して再現しています。
・ 「エレベーター」は上げた状態と下げた状態とを選択して組み立てることができます。
・ 飛行甲板を支える支柱は1本ずつ独立してパーツ化、飛行甲板裏側の梁は甲板パーツ裏に凸状のモールドで再現しています。
●上甲板は、前部甲板、後部甲板それぞれ独立したパーツで構成。
・ 甲板上には、滑り止め表現、リノリウム貼り表現の他、「アンカーチェーン」「ケーブルホルダー」「リール」「ボート架台」「ボラード」などを繊細かつ立体的なモールドで再現しています。
「飛鷹」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成しています
●艦橋
・ 艦橋構造物は上下に分割したパーツで再現。
・ 艦橋部分は、下部の防弾板部分と艦橋窓枠部分の3層のパーツで再現。
・ 「艦橋窓枠」は一体成型のパーツで再現、「窓ガラス」の部分は一段凹んだ状態となっており、立体感を演出しています。
・ 「艦橋窓枠」の上部は、艦橋窓の「防弾板」を跳ね上げた状態を再現しています。
・ 艦橋構造物にはスライド金型を使用して、側面の開口部、「窓」「扉」などをモールドで再現、「配管」「黒板」は別パーツ化しています。
・ 「艦橋マスト」は前後に分割したパーツで再現。
・ 艦橋に装備する、「94式高射装置」(×1)、「21号電探」(×1)、「方位測定器」(×1)、「上空見張方位盤」(×3)、「25mm3連装機銃」(×1)、「25mm単装機銃」(×3)、「双眼鏡」(×24)、「探照灯」(×3)などを別パーツ化して再現。
●煙突
・ 煙突は左右に分割したパーツで再現、先端部の雨水カバー金網や煙突支柱、副管は別パーツ化して再現しています。
・ 雨水カバー金網は開口した状態で成型したパーツとなっています。
●メインマスト
・ メインマストは、上下のブロックに分割、それぞれ前後に分割した4パーツで再現しています。
●通信マスト
・ 通信マストは一体成型のパーツで再現、起倒状態を選択して組み立てることができます。
●高角砲及び機銃用スポンソンはブロックごとに独立してパーツ化しており、下部の補強板はパーツ上にモールド化して1枚ずつ再現。
・ スポンソン部の支柱(支筒)は1本ずつ個別にパーツ化しています。
●舷側部の通路はブロックごとに別パーツ化、ラッタルを含めて一体成型化しています。
●高角砲 「40口径 89式 12.7cm連装高角砲 (A1型)」 ×6
・ 高角砲は、連装状に成型した砲身と砲架との2パーツで再現。
●対空機銃 「25mm 3連装機銃」 ×16、「25mm単装機銃」 ×3
・ 各機銃は一体成型のパーツで再現しています。
●艦載機
・ 艦載機は、胴体、キャノピー、脚、尾脚、プロペラに分割したパーツ構成。
・ 増槽及び武装は別パーツ化しています。
・ クリア成型のパーツとなっています。
●艦載機内容
・ 零式艦上戦闘機 21型(爆装状態) ×2
・ 零式艦上戦闘機 52型 ×2
・ 99式艦上爆撃機 22型 ×2
・ 艦上攻撃機 天山 ×2
●内火艇、カッターなど
・ 13m特型運搬船 ×2
・ 12m内火艇 ×2
・ 12m内火ランチ ×2
・ 8m内火ランチ ×1
・ 9mカッター ×2
・ 6m通船 ×1
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 菊花紋章
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 主錨
・ 双眼鏡
・ 94式高射装置
・ 21号電探 (甲板上)
・ 探照灯
・ 航海灯
・ 着艦指示灯
・ 応急舵
などを独立したパーツで再現しています。
【 日本海軍 航空母艦 飛鷹 昭和19年 (フジミ 1/700 特シリーズ No.094) 塗装・マーキング 】
●「塗装図・マーキングガイド」は組立説明書内にモノクロで記載しています。
・ 塗装の際に使用する塗料の種類も記載しています (Mr.カラー / 水性ホビーカラー)
・「飛鷹」の甲板や船体からカッターなどの細部に使う塗料の種類は、組立説明書内の各工程内にて指示しています。
●甲板上に描かれた、各表示線、艦名表示、着艦標識、艦尾の軍艦旗、艦載機用の日の丸マークなどを再現したデカールが付属しています
【 日本海軍 航空母艦 飛鷹 昭和19年 (フジミ 1/700 特シリーズ No.094) のパッケージ内容 】
・ 航空母艦 飛鷹 ×1
・ 零式艦上戦闘機 21型(爆装状態) ×2
・ 零式艦上戦闘機 52型 ×2
・ 99式艦上爆撃機 22型 ×2
・ 艦上攻撃機 天山 ×2
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
・ パーツリスト ×1
●2016年 完全新金型(武装及び艦載機を除く)
【 「日本海軍 航空母艦 飛鷹型」について 】
●1930年代の日本海軍は、仮想敵と想定していたアメリカ海軍やイギリス海軍と戦力を比べると、あらゆる点で劣勢なのは明らかなことでした。
●この劣勢を補うためのひとつの方策として、日本海軍は海軍が定めた規格に沿って民間用の船舶を建造した場合には多額の補助金を出すとことを決定、ただし補助金を出す代わりに、これらの船舶は有事の際には海軍へと徴用され、特設艦艇として用いることを約束させられていました。
●この海軍からの補助金によって建造された船舶は数多く、戦時には艦艇として転用する必要上、速度性能なども他の民間船に比べると優速であり、一気に増えたこれら民間船のおかげもあって、1930年代後半になると日本は世界第3位の大海運国となりました。
●日本海軍は技術力を発揮し優れた性能の艦艇や航空機を生み出しましたが、航空機用のカタパルトについては重量の軽い水上機を射出する能力しか持たない「火薬式カタパルト」のみを開発しただけで、重量の重い艦上機を射出できる「油圧式カタパルト」を実用化することはできませんでした。
●このため、航空母艦にはカタパルトを搭載することができず、艦上機の発艦時には、航空母艦は風上に向かって全速力で航行、艦上機は飛行甲板上を一定距離滑走して、機体を浮かせる合成風力を得る必要がありました。
●このことは飛行甲板の長い航空母艦の方が航空機運用が行いやすいということを意味しており、戦争中期以降、航空機の性能の向上とそれに伴う大重量化によって、それはより顕著なものとなって行きます。
●日本海軍では、戦争への機運が高まった1930年代末頃から、補助金を受けて建造された船舶を徴用することを開始、航空母艦へと転用された最初の船舶は貨客船「春日丸」でした。
●この「春日丸」は、航空母艦「大鷹」として運用され、同型艦2隻も竣工します。
●「大鷹」は排水量18,000tを超え、航空母艦「飛龍」に匹敵する大型艦でしたが、貨客船をベースとしていたことから船体の全長は短く、飛行甲板もそれに伴って短かったことから、上記のように航空機運用を行い難く、戦争中は航空機輸送が主な任務となりました。
●これは、「大鷹」だけに限らず、日本海軍の特設航空母艦が全て似た状況で、艦上機用の油圧式カタパルトを実用化できなかったことから必然の帰結であったとも言えます。
●しかし、海軍の補助金によって建造された貨客船「橿原丸」と「出雲丸」は、貨客船時代でも排水量27.000tを想定していた大型船で、それも建造途中で海軍に徴用され、航空母艦へと転用する大掛かりな工事を実施することができたため、他の特設空母と比べると極めて完成度の高い空母として完成しました。
●「橿原丸」は「準鷹」、「出雲丸」は「飛鷹」と名称を変更し、「準鷹」は1942年5月、「飛鷹」は1942年7月に竣工、同年6月の「ミッドウェー海戦」で正規空母4隻を失った日本海軍にとって欠かせない空母となります。
・ 「飛鷹」「準鷹」は、搭載機数は約50機、航空母艦「飛龍」と同程度の艦載機運用能力を持ちました
・ 商船改造空母であったため、最大速度は25ノット程度しかだせませんでしたが、大きな船体を活かした「大鷹」よりも広い飛行甲板を設置しており、爆装した状態の艦上機が滑走するのに充分な長さを確保することができました。
・ また、改造工事の時期が早かったことから、「飛鷹」「準鷹」には実験的に、傾斜した煙突を一体化した大型の島型艦橋を装備、この艦橋の運用実績が良好だったことから、同様な構造の艦橋が「大鳳」や「信濃」に設置されています。
●「準鷹」は「ミッドウェー海戦」の陽動として実施されたアリューシャン方面への攻略作戦から実戦に参加、「飛鷹」は1942年10月からソロモン海域の戦いに投入され、「飛鷹」「準鷹」の2隻は商船改造空母ながら正規空母と同様な働きを行ったのです。
【 「日本海軍 航空母艦 飛鷹」について 】
●航空母艦「飛鷹」は、貨客船「出雲丸」として1938年11月に起工、しかしその建造途中の段階で海軍へと徴用され、航空母艦への改造工事が行われました。
●航空母艦「飛鷹」は1942年7月に竣工、日本海軍は「ミッドウェー海戦」で敗北したことから、「飛鷹」は貴重な空母戦力として早速連合艦隊へと編入、先に竣工していた「準鷹」と共に「第2航空戦隊」を構成します。
●1942年10月、「飛鷹」は激戦が繰り広げられていたソロモン海域へと移動、しかし「飛鷹」は作戦任務中に機関室に火災が発生、この事故により十分な速力を出せなくなった「飛鷹」は戦列を離れ、内地へと帰還します。
●「飛鷹」の修理は1943年3月に完了、1943年6月にはマーシャル諸島へと進出しますが、アメリカ潜水艦の攻撃を受け、4本の魚雷を被雷、幸いにも起爆したのは1本のみで大事には至らず、僚艦の助けにより内地へと帰還することができました。
●再び修理を受けた「飛鷹」は、1943年12月に戦列に復帰、しかし、この頃になると日本海軍は航空隊の錬成と、錬成途中の部隊が最前線へと引き抜かれることを繰り返しており、「飛鷹」は本来の航空母艦としての活動を行うことはできず、航空機輸送の任務に従事します。
●1944年6月、アメリカ軍のマリアナ諸島への上陸を受けて、日本海軍は艦隊航空戦力の全てを投入した決戦を挑み、ここに「マリアナ沖海戦」が勃発します。
●「飛鷹」はその空母機動部隊の一員として参加、日本海軍はアメリカ機動部隊よりも先に敵を発見し、自らの艦載機を出撃させます。
●しかし、その直後にアメリカ潜水艦の攻撃によって僚艦「大鳳」と「翔鶴」が戦没、攻撃隊もアメリカ軍の迎撃によって大きな損害を受けてしまいます。
●日本海軍の残存艦艇が燃料補給のために集結したところに、アメリカ機動部隊からの艦載機による攻撃が始まり、「飛鷹」はその集中攻撃に曝されました。
●魚雷を受けて「飛鷹」は航行不能に陥り、さらなる攻撃により火災が発生、僚艦は曳航を試みますがそれも失敗して、「飛鷹」の命運は尽きてしまいます。
●「飛鷹」は総員が退去した後、その身を徐々に沈め、数奇な運命に幕を閉じたのでした。