日本海軍 峯風型駆逐艦 夕風
「日本海軍 峯風型駆逐艦 夕風 (プラモデル) (ピットロード 1/700 スカイウェーブ W シリーズ No.W190 )」です
●太平洋戦争時における日本海軍の駆逐艦「峯風型」の10番艦「夕風」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立てキットです
●わが国初めての本格的な航洋型駆逐艦として建造され、高速性に秀でた駆逐艦「峯風型」の10番艦「夕風」を再現、スマートな船体の艦橋前部にウェルデッキを備えた特徴的な姿を再現した内容となっています
●ピットロード社製「日本海軍駆逐艦 夕風 (対空兵装強化時)」に、「日本海軍 神風型駆逐艦 神風 (特殊潜航艇 海龍 2隻付属)」のフルハルモデル用の船底パーツ、ディスプレイスタンド、特殊潜航艇「海龍」などを含んだランナーを追加したバリエーションキットです
●喫水線以下の部分も再現したフルハルモデルと、喫水線までを再現した洋上モデルとを選択して作製することができます
●太平洋戦争開戦後、「夕風」は逐次対空兵装の増強が行われており、本キットでは第2、第4主砲を撤去して機銃座とした1945年の姿を再現しています
・ 余剰パーツを使用することで、1930年代における対空兵装を装備していない姿を作製することもできます
●「夕風」の同型艦となる「羽風」「潮風」「太刀風」「秋風」「帆風」の艦名表示のデカールも付属、6隻のうち1隻を選択して作製することができます
・ この表示は、太平洋戦争時には秘匿のために消されていました
【 「日本海軍 峯風型駆逐艦 夕風」のキット内容について 】
●日本海軍の駆逐艦「夕風」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●ピットロード社が長年培ってきた小型艦を中心とした艦船モデル技術を用いて「駆逐艦 夕風」を再現、独特のシルエット、艦橋形状、兵装などのディテールをメリハリのあるモールドでシャープに再現した内容となっています
●「夕風」は、「船体」「上甲板」「艦橋などの構造物」「主砲を含めた艤装類」の各ブロックに分割した構成となっています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上甲板、構造物と艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は、上甲板と船体部とを一体成型化したパーツで再現、船首楼甲板部分は別パーツ化しています
・ 船体側面の「舷窓」を繊細なモールドで再現
・ 船底部は、 洋上モデルとしての船体下を塞ぐ平らな船底パーツと、フルハルモデル用の船底を再現したパーツの2種をセット、作製したい状態に合わせて選択して使用します
・ フルハルモデル用の「ビルジキール」、「推進軸」(×2)、「スクリュー」(×2)、「舵」(×1)を別パーツ化して再現しています
●甲板上には、煙突基部、主砲台座、などの基本構造の他、リノリウム押さえ、滑り止め、「魚雷運搬用軌条」「ボラード」「アンカーチェーン」などのディテールを強弱をつけたモールドで再現しています
「夕風」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成しています
●艦橋
・ 艦橋の主要部分は3層で構成、トップの「測距儀」は別パーツ化しています
・ 艦橋下部の前面パネルを別パーツで再現しています
・ 「艦橋窓枠」は、「窓ガラス」の部分を一段凹んだ状態で再現、立体感を演出しています
・ 艦橋に装備する、「25mm連装機銃」(×2)を別パーツ化
●メインマスト、後檣
・ メインマストと後檣は単檣型となっており、それぞれ一体成型のパーツとなっています
・ メインマストに装備する「13号電探」(×1)を別パーツ化して再現
● 第1煙突・第2煙突
・ 煙突トップ部は別パーツ化、本体部分は左右に分割したパーツとなっています
・ 「副管」は別パーツ化しています
●中央構造物
・ 前後の中央構造物は左右分割のパーツで構成、天板となるスポンソンは別パーツにて再現しています
・ 両舷部の支柱を別パーツ化して再現
・ 中央構造物に装備する、「45口径 3年式 12cm単装砲」(×1)、「25mm連装機銃」(×1)を別パーツ化しています
●後部構造物
・ 後部構造物は左右分割のパーツで構成、天板となるスポンソンは別パーツにて再現しています
・ 両舷部の支柱をパーツ化
・ 後部構造物に装備する、「25mm連装機銃」(×1)を別パーツ化して再現
●主砲塔部 「45口径 3年式 12cm単装砲 (G砲)」 ×2
・ 砲塔は、砲身及び砲架と、シールド部との2パーツで構成
・ 前期型防楯を再現したパーツも付属
●連装魚雷発射管 「6年式 53.3cm 連装魚雷発射管」 ×1
・ 魚雷発射管は一体成型のパーツで再現
・上甲板上にモールドしている第1、第3魚雷発射管の台座は削り落とします
●対空機銃 「25mm連装機銃」 ×4、「25mm単装機銃」 ×1
・ 連装機銃は、銃身と銃架の2パーツで構成
・ 単装機銃は一体成型のパーツで再現しています
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 6m内火艇 ×2
・ 6mカッター ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 錨
・ ダビット
・ 艦尾、艦首旗竿
などをセットしています
●フルハルモデル用のディスプレイスタンドが付属
●艦尾の海軍旗、「夕風」「羽風」「潮風」「太刀風」「秋風」「帆風」の艦名表記、駆逐隊番号、煙突部の白線などを再現したデカールが付属しています
●特殊潜航艇「海龍」(×2)が付属しています
・ 「海龍」は一体成型のパーツで再現、船底の両舷部に装備する魚雷は別パーツ化しています
・ 「海龍」用のディスプレイスタンドが付属
【 「日本海軍 峯風型駆逐艦 夕風」のパッケージ内容 】
・ 駆逐艦 夕風 ×1 (同型艦「羽風」「潮風」「太刀風」「秋風」「帆風」も製作可能)
・ ディスプレイスタンド ×1
・ 特殊潜航艇 海龍 ×2
・ 海龍用 ディスプレイスタンド ×2
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1
【 「駆逐艦 峯風型」について 】
●日露戦争、第1次世界大戦で日本海軍は日本海方面の脅威を排除し、第1次大戦後は将来的な仮想敵国としてアメリカ海軍を想定、海軍力の整備を進めます
●海軍力整備の際、強化の焦点になったのが駆逐艦で、これまでは日本近海で行動することを前提としていたため駆逐艦の船体は小型でしたが、太平洋という広大な海域で行動することを想定した際、波浪性と航続距離の向上を行わねばならず、新造駆逐艦は一気に大型化していきます
●この航洋型の大型駆逐艦として1917年から建造が行われたのが駆逐艦「峯風型」で、この「峯風型」から従来のイギリス式の駆逐艦の形態を踏襲するのではなく、日本独自に設計したものとなります
●この「峯風型」の最大の特徴が、船首楼甲板と艦橋との間にウェルデッキと呼ばれる喫水線に近い甲板を設けたことで、このスタイルは以降の「睦月型」まで日本の駆逐艦のスタンダードとなりました
●また、「峯風型」は主機に38,000馬力のオール・ギアードタービンを搭載、最高速度は38ノット~39ノットという高速性能を発揮し、4番艦「島風(初代)」は40.7ノットという日本海軍艦艇の中での最高スピードを記録しています
・ この記録を抜いたのは、丙型駆逐艦として建造された2代目の「島風」でした
●「峯風型」は1922年までに15隻を建造、1930年代に入ると「特型駆逐艦」の登場と老朽化により第一線部隊となる水雷戦隊から外され、一部の艦は魚雷兵装を撤去した哨戒艇や標的艦に艦種変更されています
●太平洋戦争が開戦すると、旧式化した「峯風型」はさすがに最前線に投入されることはありませんでしたが、逆に輸送船団の護衛艦としての必要性が高まり、「峯風型」の多くの艦は船団護衛に従事して活躍しました
●ただし、その分損害も大きく、9隻が潜水艦、1隻が航空攻撃で戦没し、戦時輸送を支える要として旧式艦ながらもその過酷な任務を果たしたのでした
【 「駆逐艦 夕風」について 】
●駆逐艦「夕風」は、「峯風型」の10番艦として1921年8月に竣工しました
●「夕風」は、日中戦争の支援や樺太方面の警備任務に従事しますが、1940年には老朽化のために舞鶴港に係留されました
●しかし、戦争への機運が高まったことから、「夕風」は戦列に復帰、太平洋戦争中は主に航空母艦「鳳翔」と行動を共にし、空母艦載機の訓練の支援(俗に言う「トンボ釣り」)に従事しました
●1945年、戦況の悪化から「鳳翔」が呉に係留状態となったことから、「夕風」は航空母艦「海鷹」に随伴して特別攻撃隊用の訓練用の標的艦としての任務に就きます
●1945年7月、「海鷹」は別府湾沖において触雷、航行不能に陥り、アメリカ機動部隊による制空圏下において「海鷹」の命運は尽きるかと思われました
●「夕風」は、この「海鷹」の曳航を試み、駆逐艦でも小型の「夕風」にとって、航空母艦の曳航は極めて負担の大きいものでしたが、乗組員の努力によって何とか別府湾に到達、「海鷹」を救うことに成功します
●「夕風」は、別府湾において終戦を迎え、戦後は復員船として運用、1947年7月には任務を完了してイギリス軍へと引き渡され、その生涯を閉じたのでした