ドイツ 2号戦車L型 ルクス 後期型
「ドイツ 2号戦車L型 ルクス 後期型 (プラモデル) (アスカモデル 1/35 プラスチックモデルキット No.35-001 )」です
●第2次世界大戦時におけるドイツ軍の「2号戦車L型 ルクス」の「後期型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●従来の「2号戦車A型」~「2号戦車F型」とは異なり、純粋な偵察用戦車として新規開発された「2号戦車L型」を再現、大型の千鳥式転輪を装備し、「パンター戦車」を小型としたような直線を基調としたマッシブなスタイルを表現した内容となっています【 「2号戦車L型」について 】
●ドイツ軍は1935年の再軍備化に伴い、主に「1号戦車」~「4号戦車」という4種の戦車に絞って開発と生産が開始されました
●「2号戦車」は、本来の目的としては偵察用として定義付けされていましたが、「3号戦車」「4号戦車」の生産が間に合わないことから、ポーランド戦では戦車部隊の主力、フランス戦では主力戦車の補助として用いられました
●また、その開発時期においてはドイツの戦車技術の問題から、「2号戦車」は「3/4号戦車」と同程度の機動性能を持っている程度で、機動性能が重視される偵察用戦車としては性能的に問題がありました
●そこで、1938年ごろから偵察用戦車の新規開発が開始されましたが、仕様の違いと用兵上の観点などから「1号戦車C型」「2号戦車G型」「2号戦車H型」「2号戦車L型」「レオパルト」などの多車種が同時進行で開発される事態となります
●しかし、これらの偵察用戦車の開発が始まった時期は第2次世界大戦が開戦した頃と重なり、戦車開発の現場では既存の戦車の改良に手一杯の状態で、更に1941年になると新たな戦車「ティーガー」「パンター」の開発が始まります
●このような戦車部隊の主力となる戦車の開発が優先されたため、偵察用戦車の開発はスローペースにならざるを得ず、「1号戦車C型」と「2号戦車G型」は少数生産にとどまり、「2号戦車H型」「レオパルト」は量産することはありませんでした
●このような偵察用戦車生産の中で成功作として頭角を表したのが「2号戦車L型」で、試作車は1942年4月に完成、試験の結果も良好で、800両という量産計画が立てられます
●「2号戦車L型」は、従来の「2号戦車A型」~「2号戦車F型」とは異なる全くの新規開発車両となっており、幅の広い車体にトーションバーサスペンションに千鳥式の大型転輪を装備、最大装甲は30mm厚に過ぎませんでしたが、180馬力のエンジンにより最高速度60km/hという高い機動性能を誇りました
●主砲としては「20mm戦車砲 KwK38」を搭載、ただし将来の武装強化を考慮して砲塔のサイズは「50mm砲」クラスを搭載できるよう余裕を持って大型化して設計されています
●乗員は、車長、砲手、操縦手、無線手の4名で、従来の「2号戦車」シリーズよりも理想的な乗員配置となり、偵察用戦車としては優れた能力を持っていました
●ところが、「2号戦車L型」の量産が開始された1942年の後半の時点では、ドイツ軍の戦況は不利へと傾き始めており、軽装甲の偵察用戦車の存在意義が問われるようになってしまいます
●また、ドイツ軍では偵察用の装甲車両として各種装輪装甲車が充実、装軌式車両である「2号戦車L型」と比べると装輪式装甲車の生産コストは遥かに低く、武装自体も「2号戦車L型」と同等以上を装備することができました
●このような理由から「2号戦車L型」の生産は100両のみに限定されてしまいます
●生産された「2号戦車L型」は主に国防軍の「第4戦車師団」と「第9戦車師団」へと集中配備が行われ、各師団内の装甲偵察大隊が装備、戦車師団の目となって東部戦線を中心として活躍しました
●また、「第9戦車師団」の「2号戦車L型」は師団の異動から1944年にノルマンディ戦線へと投入、連合軍との間に激しい戦闘を繰り広げています
●「2号戦車L型」は、ドイツ軍戦車の中においては極めて少ない生産数でしたが、それまでに培われたドイツ戦車技術の粋を集めた戦車であり、トーションバーサスペンションにダンパー、ショックアブソーバーを装備する贅沢な足周りから生まれる軽快な機動性能、小さなスペースに乗員を収める数多くの工夫、後の「パンター戦車」を彷彿させる平面で構成される機能美など、その存在は際立ったものとなっています
●なお、この少ない生産台数においても「2号戦車L型」はドイツ軍戦闘車両の常として生産工程において多くの細かな改修が行われており、「後期型」では砲塔後部のエスケープハッチが大型化しているのが主な特徴となります
【 「ドイツ 2号戦車L型 ルクス (後期型)」のキット内容について 】
●このドイツ軍の偵察戦車「2号戦車L型 ルクス」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●アスカモデルのディテール表現力と実車への深い造詣により「2号戦車L型 ルクス」を再現、単に設計図面上においてディテールを追い求めるのではなく、実車の構造をベースに「模型」としての質感表現とリアルさの追求が行われており、極めて高いクオリティにより軽快さを誇った同車を表現した内容となっています
●また、作り易さという点も考慮され、ディテールを重視しながらも全体のパーツ数は抑えられ、パーツ同士の合いも良好で、付属しているエッチングパーツも最小限に絞られています
●足周りは実車のトーションバーの構造をトレースした可動式となっており、単品作品としてのその動きを楽しむことや、動きのあるシオラマシーンの演出などに役立つことでしょう
●「2号戦車L型 ルクス」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●砲塔は、ドイツ戦車らしい角型の形状を再現、箱組み方式ながら確実に形となるように考慮され、溶接跡などは繊細なタッチで表現されています
●「20mm戦車砲 KwK38」の砲身は一体成型で、スライド式金型により砲口部分が開口処理されています
・ 砲身基部の装甲スリーブは上下分割式で、上部の開口部を再現
・ 同軸機銃は、スライド式金型により銃口部分は開口処理済みです
・ 防盾は1パーツにて再現
・ 防盾(砲身)は、基部に装着するポリキャップにより上下可動式です
●砲塔は、各パネルを貼り合わせる箱組み方式となっています
・ 車長ハッチは別パーツで、開閉状態を選択できます
・ 上部の回転式ペリスコープは別パーツで、任意の角度で固定できます
・ 側面のクラッペは別パーツにて再現
・ 後部のエスケープハッチは別パーツで、開閉可動式とすることができます
・ 砲塔上部のプレートはプラパーツとエッチングパーツとを選択することができます
・ 砲塔の吊り下げフックがパーツ化
・ 側面のジェリカンラックは、ラックのみのパーツとジェリカンが収まった状態のパーツが付属、選択して使用します
●砲塔の内部は、「20mm戦車砲 KwK38」と同軸機銃の機関部、吊り下げ式の座席などが再現されています
【 車体上部 】
●車体上部は、小型の「2号戦車L型 ルクス」としての凝縮化されたレイアウトを再現、装備品類は繊細かつシャープに、フェンダーは薄く成型されています
●車体上部は、「車体前部」「戦闘室」「エンジンデッキ」の各ブロックで構成されています
●「車体前部」は、側面のフェンダーを含めて一体成型され、後部のマッドフラップは別パーツとなります
・ フェンダー支持架はフェンダー部分に一体成型され、最後部の支持架のみが別パーツです
・ 車載工具類は固定具が一体成型されており、ジャッキの固定具のみは別パーツとなります
・ 予備履帯は、1枚、2枚、3枚組みの各タイプを組み合わせて再現します
●「戦闘室」は各パネルを貼り合わせる箱組み方式で、上部パネルには取り付け用のガイドが付いています
・ 操縦手ハッチ、無線手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 側面のクラッペは別パーツにて再現
・ 前方の装甲バイザーは、カバー部分が別パーツで、開閉状態が選択できます
・ アンテナマウントは、戦闘室側面部に内蔵させるポリキャップにより起倒可動式となります
・ アンテナマウントに装備されるスターアンテナは、下部がプラパーツ、上部がエッチングパーツです
●「エンジンデッキ」は吸気グリル部を含めて一体成型されています
・ エンジン点検ハッチは別パーツです
・ 吸気グリルのメッシュを再現するエッチングパーツが付属しています
・ 排気管は、前後左右の4パーツで構成されています
【 車体下部 】
●車体下部は、「2号戦車L型 ルクス」の特徴となる波型の転輪と千鳥式の配置を再現、トーションバー方式により足周りを可動させることが可能です
●車体下部は、各パネルを貼り合わせる箱組み方式です
・ サスペンションアームはトーションバー部分も成型され、トーションバーの先端部分のみを接着することで可動させることができます
・ ダンパー、ショックアブソーバーがパーツ化
・ 転輪、起動輪、誘導輪は左右分割式で、内蔵させるポリキャップにより回転可動します
【 履 帯 】
●履帯は、接着及び塗装が可能な軟質素材によるベルト式履帯が付属しています
・ 履帯は、ガイドが2枚タイプの「2号戦車L型 ルクス」用のシングルピン式履帯が再現され、モデルカステン製「2号戦車 L型 ルクス用履帯」がこれに対応しています
・ 履帯は、接着には瞬間接着剤、塗装に関してはラッカー系塗料を使用することが指定されています
【 フィギュア 】
●戦車長のフィギュアが1体付属しています
・ 「2号戦車L型 ルクス」の車長ハッチから上半身を出して、両手をハッチ部分に置いているポーズとなります
・ 服装は、デニム地の戦車作業服を着用、規格帽を被った姿です
・ 服の皺の表現はスケールに沿っており、服の質感も再現、服の縫い目などの細部は繊細なモールドで、ポケットなどは立体感ある造形となっています
・ フィギュアは、頭部、胴体、両腕のパーツ構成で、帽子は別パーツです
●エンジングリルのメッシュ、スターアンテナの上部などを再現するエッチングパーツが付属しています
【 塗装とマーキング 】
●「2号戦車L型 ルクス」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる3種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第9装甲偵察大隊 第1中隊 4121号車 (ノルマンディ / 1944年)
・ 第9装甲偵察大隊 第1中隊 4114号車 (ノルマンディ / 1944年)
・ 第9装甲偵察大隊 第1中隊 4135号車 (ノルマンディ / 1944年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
●2003年 完全新金型