中島 二式単座戦闘機 2型甲 鍾馗 飛行第85戦隊
「中島 二式単座戦闘機 2型甲 鍾馗 飛行第85戦隊 (プラモデル) (ハセガワ 1/48 飛行機 JTシリーズ No.JT037 )」です
●陸軍の要望に基づき、速度を重視した「重戦闘機」として開発された「鐘馗」、「ハ109エンジン」に換装した最初の生産型「鐘馗2型甲」を1/48スケールで再現したプラスチックモデル組立キット。
●1995年の完全新金型キット第2弾、ハセガワ製「中島 2式単座戦闘機 2型丙 鐘馗」のパーツを一部変更したデカール替えバリエーションキットとなりますが、「JT36」が持つ素性の良さをそのまま受け継ぎ、ハセガワスタンダードとも言える的確に分割したパーツで1/48スケールのサイズに鐘馗のフォルムを落とし込んだ好キット、組み立てに要する時間も少なく、好みのディテールアップや塗装バリエーションを存分に楽しむことができる内容となっています。
【 中島 2式単座戦闘機 2型甲 鐘馗 プラモデルの概要 】
●ハ109エンジンを搭載した「2型甲」のフォルムを再現。
●機首の「機銃部パネル」と「照準器」「キャノピー」パーツを「2型甲」用のパーツに変更。
●「蝶番フラップ」は主翼パーツ上にモールド化して再現、「ホ103」の銃身部は別パーツ化して再現。
●増槽は2パターンから選択して作成可能。
●マーキング例は2種、「飛行第85戦隊」(迷彩)、「明野教導飛行団」(無塗装銀)所属機。
【 中島 二式単座戦闘機 2型甲 鍾馗 飛行第85戦隊 (ハセガワ 1/48 飛行機 JTシリーズ JT37) プラモデルの内容 】
●「中島 2式単座戦闘機 2型甲 鐘馗」を再現したプラスチックモデルキット。
● 「2式単座戦闘機 鐘馗」の機体バリエーションのうち、改良型の「ハ-109」エンジンを搭載、機首に「7.7mm機銃」を2門、主翼に「ホ103 12.7mm機関砲」を2門を装備した、最初の主生産型「2型甲」を再現した内容となっています。
■ 機体胴体部
●「鐘馗」の機体胴体部は左右分割のパーツで構成、主翼部、水平尾翼部は別ブロック化しています。
・ 機体パーツには、パネルラインなどをハセガワらしい繊細な凹モールドで再現しています。
■ 機首部
●エンジンカウルは一体成型化したパーツで再現、スライド金型を使用して繊細な曲面とパネルライン、機銃開口部や過給機空気取入口などのディティールを再現しています。
●コクピット前方の機銃ガス抜き口部のパネルは7.7mm機銃用の「甲型」パーツ、別パーツ化して再現しています。
● 「ハ109」エンジンはポリキャップを含む計4パーツで構成。
●プロペラ部はスピナー・ブレードで分割したパーツで再現、リアルさを追求しつつ、ガイドにはめ込むことでかっちりとプロペラを固定することができます。
■ 主翼・尾翼
●主翼は上下に分割したパーツで構成、水平尾翼は一体成型化したパーツで再現しています。
●動翼の羽布部にあたる部分の凹凸状態をパーツ上に施したモールドで布の質感を再現、また主翼の「蝶番フラップ」も主翼裏面パーツ上にモールド化して再現しています。
●主翼に装備した「ホ103 12.7mm機関砲」の銃身やピトー管を別パーツ化して再現しています。
●左翼の着陸灯カバーはクリアパーツで再現。
■ 降着装置
●主脚部は脚柱、タイヤ、脚カバー、トルクアームをそれぞれ独立したパーツで再現。
●尾輪は、機体胴体とは別の一体成型化したパーツで再現しています。
■ コクピット
●キャノピーはツーピースのクリアパーツで再現。
・ キャノピーの前部は「眼鏡付き照準器」の装備に合わせて丸穴を開口して成型したパーツとなっています。
・ キャノピーには窓枠のラインをモールド化して再現しています。
●コクピットは独立したブロックで構成、コクピットブロックを機体胴体パーツで挟み込んで組み立てます。
・ コクピット内はシート、計器盤、7.7mm機銃銃床部、操縦桿、フットペダル、隔壁類を別パーツ化して再現しています。
・ 「2型 甲」用の「眼鏡付き照準器」はクリアパーツで再現しています。
・ 計器盤にはメーター類を精密なモールドで再現、メーター類を再現したデカールも付属していますので、塗装・デカールいずれかを選択することができます。
■ 鐘馗 2型丙 機外装備
●「鐘馗 2型甲」の機外装備として
・ 落下増槽 ×2
が付属しています。
・ 落下増槽の後部は形状の異なる2種をパーツをセット、選択して作成することができます。
【 中島 二式単座戦闘機 2型甲 鍾馗 飛行第85戦隊 (ハセガワ 1/48 飛行機 JTシリーズ JT37) 塗装とマーキング 】
●組立説明書内に「鐘馗 2型甲」の塗装例、マーキング例をモノクロでプリントしています。
・ 塗装の際に使用する塗料の種類も記載しています (Mr.カラー / 水性ホビーカラー)。
・「鐘馗」の機体各部及びコクピット内など細部に使う塗料の種類は、組立説明書内の各組立工程中にて指示しています。
●「鐘馗 2型甲」の塗装・マーキング例
・ 飛行第85戦隊 第2中隊 若松幸福大尉搭乗機 1943年 南京 城外飛行場 (迷彩)
・ 明野教導飛行団 1944年 明野飛行場 (無塗装銀)
のうち、いずれか1機種を選択して再現することが可能です。
●マーキング例に応じたデカールが付属。
・ 明野教導隊を図案化した部隊マーク、機体標識、縁無しの日の丸、カウリングからコクピット周囲に至る艶消しブラックの防眩塗装、味方識別帯等、胴体及び主翼の白帯などをデカールシートにプリントしています。
【 中島 二式単座戦闘機 2型甲 鍾馗 飛行第85戦隊 (ハセガワ 1/48 飛行機 JTシリーズ JT37) パッケージ内容 】
・ 2式単座戦闘機 鐘馗 2型甲 ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立説明書 ×1
【 中島 二式単座戦闘機 2型甲 鍾馗 飛行第85戦隊 (ハセガワ 1/48 飛行機 JTシリーズ JT37) 製品仕様 】
●プラスチックモデル組立キット
●製品素材 : PS
●パーツ数:85
●パーツ成型色 : ライトグレー
●「鐘馗 2型甲」完成時のサイズ
・ 全長:185.5mm
・ 全幅:197mm
●日本製
●1995年 新金型第2弾
【 中島 キ-44 2式単座戦闘機 鐘馗 について 】
●「中島 2式単座戦闘機 鐘馗」は日本陸軍の戦闘機です。
●「2式戦闘機」の呼称で呼ばれる機体は「鐘馗」と「屠龍」の2機種が存在し、この「鐘馗」は便宜的に「単座」の名称を付与して区別しています。
●格闘戦主体の軽戦「一式戦闘機 隼」では高速性能の点から新戦法「一撃離脱戦法」に対応し切れない恐れがあり、この戦法を補完する役割を目的として「2式単座戦闘機 鐘馗」は誕生しました。
●本来、双発爆撃機用として開発された直径1,260mmもある大出力エンジン「ハ-41」を機首に装備した「鐘馗」は、太いカウリングを装備、エンジン直後から尾部にかけて鋭く絞り込まれた機体胴体と比べると、「空冷戦闘機」としてのイメージが強く印象づけられる、特徴あるフォルムになっています。
●太い直径のカウルと比べると、主翼は極めて幅が狭く小さな形状になっており、これまで陸軍が戦闘機の設計の際に重視していた「翼面荷重」よりも「高速性能」をひたすら追求し、「重戦闘機」としての性能を重視した思い切ったデザインになっています。
●この高速性能を重視した「鐘馗」の機体フォルムは、戦前、民間で活躍していたアメリカの「レーサー機」を連装させるものがありますが、機体には陸軍の要望に沿って「一式戦闘機 隼」を上回る重武装が装備されています。
●高速性能を重視した機体設計は、大径カウルによる「視界不良」、尾翼の大きさに起因する「離着陸性能の困難」や「低速時の方向安定性不良」といった不具合を生んでしまいますが、中島技術陣は先の「一式戦闘機 隼」で採用した主翼後縁の「蝶型フラップ」を採用、後に「尾翼」を大型化することで一応の改善策を見出します。
●開発時にこのような問題を抱えつつも、ドイツ製「Bf109E」や川崎製「キ-60 試作重戦闘機」とのトライアルでは「鐘馗」の優位が認められ、昭和17年に正式採用となり「2式単座戦闘機」の形式名と、道教の守り神である「鐘馗」の通称が与えられました。
●実戦部隊に配備され始めた頃、「一撃離脱戦法」を旨とする「重戦闘機」は、それまで「巴戦」を至上としていた古参のパイロット達の理解を得られず日陰の存在に甘んじてしまいます。
●しかし、戦局が押し迫り、基地や市街地が爆撃にさらされるようになると、「鐘馗」は「迎撃機」として活躍の場を得るようになります。
●エンジンも信頼性の低かった「ハ-41」から、改良型の「ハ-109」へと換装、尾翼も大型化され「2式単座戦闘機 2型」となり、出力が上がった結果、当時の日本戦闘機ではあまりなかった時速600キロ台の高速機へと成長します。
●防弾装備や武装も度々強化され「本土防空」では迫りくる爆撃機を相手に奮戦し、様々な武勲をたてています。
●「鐘馗」の運用にあたっては、用兵側の「重戦コンセプト」の理解不足や整備効率の悪いエンジンの稼働率の低さなどの不運な要因も存在していましたが、後に「一撃離脱戦法」が航空戦術の主力となったことからも、本機は間違いなく先進的な設計であり、あと一歩踏み込んだ熟成が図られても良かったのではと悔やまれます。
●連合国が本機に与えた「TOJO」のニックネームは、当時「ヒトラー」「ムッソリーニ」と並び戦争主導者の首魁として目されていた「東條英機」首相を意味しており、連合国が本機を「容易ならざる敵」として見ていた事からも、「鐘馗」の潜在的な能力は高かったものと評価することができるでしょう。
●後に「大東亜決戦機」となる「4式戦闘機 疾風」のコクピット周りや尾翼のレイアウトなどは、明らかに「鐘馗」のデザインを踏襲しており、鐘馗で誕生した「中島スタイル」のノウハウが積み重ねられ、結実していると見ることができます。