Sd.Kfz.173 ヤークトパンター 初期型 w/ツィメリットコーティング
「Sd.Kfz.173 ヤークトパンター 初期型 w/ツィメリットコーティング (プラモデル) (ドラゴン 1/72 ARMOR PRO (アーマープロ) No.旧7241 )」です
●「Sd.Kfz.173 ヤークトパンター 初期型 w/ツィメリットコーティング」です
●第2次世界大戦時におけるドイツ軍の駆逐戦車「ヤークトパンター」の「初期型」を1/72スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●タイル状のパターンが刻まれたツィンメリットコーティングが施された車両を再現しています
●第2次世界大戦の最優秀駆逐戦車を評される「ヤークトパンター」を再現、天板部をも含めた傾斜装甲に身を包み、強力な火力の長砲身の「88mm砲」を搭載したマッシブなスタイルを再現した内容となっています【 「駆逐戦車 ヤークトパンター」について 】
●独ソ戦の開始によってソ連軍の新鋭戦車「T-34」に対峙することとなったドイツ軍は、戦車などの戦闘車両の対戦車能力を高めることを重視し、従来の戦車の火力向上と新規開発を進めました
●また、「T-34」の遭遇は、それまでのドイツ軍戦闘車両の垂直面に切り立った装甲という固定概念を打ち破り、避弾経始を考慮した傾斜装甲の重要性を認識化させています
●これにより1942年末に傾斜装甲を基本デザインとした新型戦車「5号戦車 パンター」が登場、あわせて同車をベースとした新たなカテゴリーの車両となる「駆逐戦車」の開発が開始します
●この「駆逐戦車」は、「突撃砲」を進化させて対戦車能力と防御力を向上した車両で、主砲を大型化して傾斜装甲を大幅に採り入れたものでした
●「5号戦車 パンター」をベースとした駆逐戦車「ヤークトパンター」は全面的に傾斜装甲が用いられ、前面装甲は80mm厚、側面装甲は50mm厚で、避弾経始に優れた形状により良好な防御力を持っていました
●主砲には「キングタイガー」の主砲と同じ性能の「88mm対戦車砲 Pak43/3」を搭載、同砲は遠距離において連合軍戦車の前面装甲を貫く高い威力を誇っていました
●また、機動性能に優れた「パンター」の足周りとエンジンをそのまま転用した結果、最高速度46km/hという良好な機動力を発揮し、「走」「攻」「守」に優れた理想的な駆逐戦車となりました
●この「ヤークトパンター」は1943年10月に試作車が完成、同年末には量産が開始されますが、生産ラインでは「パンター戦車」の生産が優先され、「ヤークトパンター」は月産10両程度しか生産されませんでした
●1944年6月のノルマンディ戦において、「ヤークトパンター」は初陣を飾り、強力な火力と良好な防御力により活躍をします
●しかし、その後は生産のピッチが上がらず、まとまった数が戦線に投入されることは稀であり、1個中隊10両程度が逐次送られるという状況により、思うような戦果を挙げることができなかったのも事実です
●第2次世界大戦での最優秀駆逐戦車である「ヤークトパンター」は不本意な戦いを強いられながらも、戦場ではその優れた能力を発揮、優勢な連合軍戦車に対して果敢に奮闘したのでした
●なお、「ヤークトパンター」は生産数は少ないものの、戦訓や生産効率から生産時期による仕様変更が行われており、その「初期型」では砲身はワンピース型、防盾はカラー部が小さなタイプとなっており、1944年4月からの生産車は砲身が2ピース型に変更、1944年8月からの生産車ではカラー部は大型化しています
●また、ドイツ軍の戦闘車両は、1944年8月から対磁気吸着地雷用の「ツィンメリットコーティング」が施されており、「ヤークトパンター」の「初期型」では基本的にこのコーティングが塗られています
【 「Sd.Kfz.173 ヤークトパンター 初期型 w/ツィメリットコーティング」のキット内容について 】
●このドイツ軍の駆逐戦車「ヤークトパンター」の「初期型」を再現したプラスチックモデル組立てキット
●ディテール表現を重視しながら一体成型を多用してパーツ数を抑え、ミニスケールながら「ヤークトパンター 初期型」のフォルムとディテールを精密に再現した内容となっています
●本キットでは「ヤークトパンター 初期型」の主砲が2ピース型となった1944年4月から同年8月までの生産車が再現されています
・ ボックスには主砲は「1ピース形状」のものが描かれていますが、キット付属の砲身パーツは「2ピース形状」となっています
●車体表面には、タイル状のパターンが刻まれた「ツィンメリットコーティング」が再現されており、大戦後期のドイツ軍車両に欠かせないコーティングされた姿を、追加工作することなく気軽に楽しむことができます
●「ヤークトパンター 初期型」は、「砲身部」「車体上部」「後部パネル」「車体下部」の4ブロックで構成されています
【 砲身部 】
●「88mm対戦車砲 Pak43/3」の砲身は、マズルブレーキを含めて一体成型され、砲口は開口処理されています
・ 砲身は、基部の部分が1段太くなった2ピースタイプを再現
・ 砲身は、完成後も上下に可動させることができます
【 車体上部 】
●車体上部はフェンダーも含めて一体成型のパーツで再現、前部の機銃マウント、戦闘室後部パネル、エンジンデッキ部分は別パーツ化されています
・ 車体パーツには、スケールに沿った格子状のコーティングパターンが凹モールドで再現されています
・ 戦闘室天板部の「照準器」「ベンチレーター」「ペリスコープガード」「Sマイン発射機」などが彫刻で再現されています
・ ペリスコープガードはペリスコープの位置が開口処理されています
・ 上部ハッチは別パーツですが、ハッチ部分が開口されておらず閉じた状態のみを再現することが可能です
・ 車載工具類及び予備履帯は、各ブロックごとにパーツ化
・ 戦闘室後部のハッチは別パーツ化されています
・ 牽引ワイヤーは、アイの部分がプラパーツ、ワイヤー本体は付属の金属ワイヤーを使用します
●エンジンデッキ部分は一体成型で、エンジンルーム上部パーツを下部に貼り付けます
・ エンジンルーム上部パーツにはエンジン、冷却ファンなど、上部から見える範囲が再現されています
・ エンジン点検ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ エンジングリルのメッシュを再現するエッチングパーツが付属
●サイドスカートは、左右各1パーツで再現
・ 車体との取り付けは、スカート裏側から延びる2本の支柱で固定します
【 後部パネル 】
●後部パネルは一体成型で、雑具箱(ゲベックカステン)は別パーツ化して再現しています
・ 雑具箱は接着及び塗装が可能な軟質素材となっており、表面部には格子状のコーティングが凹モールドで再現されています
・ 排気管は左右のブロックでパーツ化され、先端部は開口処理済みです
【 車体下部 】
●車体下部は、バスタブ式に一体成型され、前部パネルは別パーツです
・ サスペンションアームは車体下部に一体成型されています
・ 起動輪、誘導輪は左右分割式です
・ 転輪は個別にパーツ化されており、実車の構造に併せて千鳥式に装着します
【 履 帯 】
●履帯は、接着及び塗装が可能な軟質素材によるベルト式履帯が付属しています
・ 履帯は、接地部分にハの字状の滑り止めパターンが付いた「パンター」用の「後期型」履帯が再現されています
●エンジングリルのメッシュを再現するエッチングパーツが付属しています
【 塗装とマーキング 】
●「ヤークトパンター 初期型」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第654重戦車駆逐大隊 (フランス / 1944年)
・ 第654重戦車駆逐大隊 (フランス / 1944年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
・ 車体番号は0~9の数字が複数用意され、これを組合せる方式です
・ デカールのプリントはカルトグラフ社製
●2004年 新金型
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【 「Sd.Kfz.173 ヤークトパンター 初期型 w/ツィメリットコーティング」のワンポイント 】
●「ツィンメリットコーティング」は、再現した場合の効果は絶大なものの、実際にパテ等で再現するにはかなり大変な作業で、その工作には勇気と努力が必要となります
●特に、「パンター」「ヤークトパンター」に施行されたタイル状のパターンは最難関で、横もしくは縦方向のみに刻むのは比較的容易ですが、その対角線上にパターンを刻む作業がパテ自体が引っ掛かってしまうために綺麗なパターンとすることが困難です
●このキットは、パーツ自体にコーティングが施されているために、ただ組み上げることによりこのタイル状のコーティングを再現することが出来、これにより気軽にコーティングが付いた状態を楽しむことができます
●コーティングパターンも、スケールに沿ったもので、適度な「荒れ」も表現されており、雰囲気は良好です
●大戦後期のドイツ軍車両の再現に欠かせない「ツィンメリットコーティング」、その特徴的なコーティングパターンが施された「ヤークトパンター」の姿を楽しむことができるキットとなっています