ドイツ ポケット戦艦 アドミラル グラフ シュペー
「ドイツ ポケット戦艦 アドミラル グラフ シュペー (プラモデル) (フジミ 1/700 シーウェイモデル No.028 )」です
●第2次世界大戦時におけるドイツ海軍の装甲艦「ドイッチュラント級」の3番艦「アドミラル グラーフ シュペー」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立てキット
●ベルサイユ条約下に建造され、南米のモンテビデオ港で悲劇の最期を遂げた装甲艦「アドミラル グラーフ シュペー」を再現、重巡洋艦並みの小型の船体に「28cm砲」を装備、塔型の艦橋構造物を持つ特徴的なシルエットを再現した内容となっています
【 「ドイツ ポケット戦艦 アドミラル グラフ シュペー」のキット内容について 】
●ドイツ海軍の装甲艦「アドミラル グラーフ シュペー」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●フジミ社のシーウェイシリーズのフォーマット(旧ウォーターラインシリーズの外国艦シリーズのフォーマット)にのっとり装甲艦「アドミラル グラーフ シュペー」を再現、実艦の特徴とポイントを捉えながら、パーツ数を抑え、組みやすさが考慮された内容となっています
・ フジミ社のウォーターラインシリーズの外国艦シリーズのキットは、抜群の出来となるタミヤ社製キットを除けば、他社の外国艦のキットよりも高い評価を得ていました
●艦体喫水線から上の部分が再現された洋上モデルです
●装甲艦「アドミラル・グラーフ・シュペー」は、「艦橋などを含めた上部構造物」「主砲などの艤装類」「船体」の3ブロックで構成されています
●各ブロックをそれぞれ個別に組み立てて、上部構造物と艤装類を船体ブロックへと取り付けて完成させます
●船体は、上甲板の中央部を含めて一体成型のパーツで再現
・ 舷側部には、バルジが一体成型され、舷窓、ホースパイプなどがモールドで再現されています
・ 洋上モデル用として欠かせない下部がフラットな形状となった船底パーツが付属しています(バラストは付属していません)
●上甲板は、船体前部、船体に一体成型された中央部、船尾部の3つに分割されたパーツで再現
・ 船体前部の上甲板は、前部主砲塔のラインから前、船尾部の上甲板は魚雷発射管のラインから後ろとなります
・ 甲板上には、繊細な凸モールドで木甲板表現され、ボラード、アンカーチェーン導板、アンカーチェーン、副錨のアンカーチェーン、昇降口などの細かなディテールが凹凸あるモールドで再現されています
装甲艦「アドミラル・グラーフ・シュペー」の上部構造物と艤装類は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋は前後に分割したパーツ構成で、これにトップ部、各スポンソンを取り付けます
・ 艦橋窓は、窓の部分を一段凹んだ状態で再現しています
・ 艦橋には、手摺り兼足掛けが繊細な凸モールドで再現
・ 艦橋の各スポンソンのフロアには木甲板表現が繊細な凸ラインでモールドされています
・ 艦橋に装備される、主砲用測距儀(×1)、探照灯(×1)、レーダー(×1)などが別パーツ化されています
●マスト
・ 艦橋、煙突、後部艦橋に装備されるマストは一体成型のパーツで再現
● 煙突
・ 煙突は上下の2ブロックで分割、それぞれのブロック部は左右に分割したパーツで構成されています
・ 上下分かれた2つブロックは、探照灯のフラット部を挟んで接着します
・ 煙突のトップは別パーツ化して再現
・ 煙突部には、手摺り兼足掛けと各管が繊細な凸モールドで再現されています
・ フラットは1パーツで再現
・ 煙突部に装備される、探照灯(×4)、測距儀(×2)が別パーツ化されています
●中央構造物
・ 中央構造物は、左右に分割した下部と、上部の甲板パーツで構成されています
・ 構造物側面の舷窓、梯子などがモールドされています
・ 中央構造物に装備される、連装高角砲(×2)、37mm連装機銃(×2)、測距儀(×4)などが別パーツ化
●後部構造物
・ 後部構造物は、一体成型のパーツで再現されています
・ 後部艦橋は、艦橋本体と上部の甲板の2層で構成
・ 後部艦橋の窓は、窓の部分が一段凹んだ状態で再現されています
・ 後部艦橋に装備される、連装高角砲(×1)、37mm連装機銃(×2)などは別パーツ化
●カタパルト
・ カタパルトは一体成型されたパーツで構成され、上部のレーン形状が再現されています
●クレーン
・ クレーンは、基部とアーム部の2パーツで構成
・ アーム部はフレーム状に開口されています
●主砲塔部 「52口径 28.3cm 3連装砲」 ×2
・ 砲塔は一体成型のパーツで再現され、これに砲身を取り付けます
・ 砲身は、3連装状に一体成型のパーツで再現されています
・ 砲塔表面には、梯子が繊細な凸モールドで再現
・ 測距儀は別パーツとなっています
・ 主砲塔は旋回可動とすることができます
●副砲 「55口径 15cm単装砲」 ×8
・ 副砲は、砲身も含めた一体成型されたパーツで再現
●高角砲 「65口径 10.5cm連装高角砲」 ×3
・ 高角砲は連装状に一体成型された砲身と、砲架とで構成されています
●対空機銃 「37mm連装機銃」 ×4
・ 機銃は一体成型のパーツで再現されています
●魚雷発射管 「533mm 4連装魚雷発射管」 ×2
・ 魚雷発射管は、4連装状に一体成型で再現した発射管本体とシールドで構成されています
●艦載機 「アラド Ar196」 ×1
・ 「アラド Ar196」は、胴体、フロートに分割したパーツ構成となっています
●艦載艇及びボートダビット
・ 内火艇 ×5
・ カッター ×2
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 主錨、副錨
・ 通気筒
・ ケーブルホルダー
などがセットされています
●旗竿に掲げられるドイツ海軍旗(ハーケンクロイツのマーキングは無し)を再現したシールが付属しています
【 「ドイツ ポケット戦艦 アドミラル グラフ シュペー」のパッケージ内容 】
・ ドイツ海軍 装甲艦 アドミラル・グラーフ・シュペー ×1
・ 水上機 アラド Ar196 ×1
・ シールシート ×1
【 「装甲艦 ドイッチュラント級」について 】
●第1次世界大戦での敗戦によって世界有数の海軍力を誇ったドイツ海軍は大幅に戦力を削減され、大型艦の中心は前ド級戦艦のみとなり、事実上の戦力は沿岸防御程度となってしまいました
●ただし、このような戦力の削減を取り決めたベルサイユ条約には、保有する艦艇の艦齢が古くなった場合にはその代わりとしての新造艦の建造が認められており、退役艦の代替艦として1929年から建造が始まったのが装甲艦「ドイッチュラント級」です
●この「ドイッチュラント級」では、厳しい軍備制限の枠一杯にその装備を搭載し、ドイツの建造技術を結集して制限排水量10,000tという枠の中に収める努力が行われました
●また、主力艦のほとんどを削減されたドイツ海軍にとって、もはや艦隊戦を行って敵艦を撃滅するということは不可能であり、海軍の目的は少ない戦力を活かして通商破壊するしか術がなく、この目的に沿って建造が進められます
●この結果、「ドイッチュラント級」は排水量12,000t(制限のため、対外的には10,000tと公表)という重巡洋艦クラスの船体に戦艦級の装備となる「28cm 3連装砲塔」を2基装備、機関には燃費性能の良いディーゼルエンジンを搭載し、通商破壊に充分な航続距離を持っていました
●この「ドイッチュラント級」の出現は戦勝国に大きな衝撃を与え、砲火力では重巡洋艦よりも強力で、その速度は戦艦よりも速く、通商破壊戦となるとその捕捉と撃破は極めて困難と思われたのです
●「ドイッチュラント級」は、「ドイッチュラント」「アドミラル・シェーア」「アドミラル・グラーフ・シュペー」の3隻が建造され、この3隻は新生ドイツ海軍の象徴的な存在となりました
【 「装甲艦 アドミラル グラーフ シュペー」について 】
●装甲艦「アドミラル シュペー」は、「ドイッチュラント級」の3番艦として1936年に竣工、この最新鋭艦は1933年に政権を握ったナチス党にとって絶好のプロパガンダの素材ともなりました
●1939年、第2次世界大戦が開戦すると、「アドミラル グラーフ シュペー」は出航、南大西洋やインド洋方面に進出して通商破壊戦を展開、多くの商船を沈めるという戦果を挙げます
●イギリス海軍は、この「アドミラル グラーフ シュペー」を捕捉するために、戦艦3隻、空母4隻、巡洋艦16隻などからなる複数の艦による部隊を8個編成、7個の部隊が南大西洋、1個の部隊がインド洋に派遣され、「アドミラル グラーフ シュペー」の捜索の任に就きました
●1939年12月13日、重巡洋艦「エクゼター」、軽巡洋艦「エイジャックス」「アキリーズ」の3隻で構成された「G」部隊は、「アドミラル グラーフ シュペー」を発見、同艦に向けて突撃を敢行します
●「アドミラル グラーフ シュペー」は、通商破壊艦として本国から敵艦との交戦は禁止されていましたが、これに応戦して「ラプラタ沖海戦」が発生、双方の激しい砲雷撃戦が繰り広げられました
●「アドミラル グラーフ シュペー」の砲撃によって「エクゼター」は大きなダメージを受けて戦線を離脱、「アドミラル グラーフ シュペー」自身も小破し、中立国ウルグアイのモンテビデオ港に入り、回復を試みます
・ しかし、「アドミラル グラーフ シュペー」は損傷程度としては軽微だったものの、燃料系統に深刻な損傷を受けており、ドイツ本国に帰還するどころかイギリス艦隊との交戦も行えない状態で、その修理には多くの時間が必要でした
・ また、イギリス軍の情報戦によって「アドミラル グラーフ シュペー」はモンテビデオ港の外には強力なイギリス艦隊が控えていると判断、ウルグアイ政府からの退去命令も突きつけられます
●ここに至り、「アドミラル グラーフ シュペー」の艦長は万事休したと悟り、退去期限が迫ると艦は港外へと出航、乗員退艦の後に「アドミラル グラーフ シュペー」は自沈し、その最期を遂げたのでした