ドイツ 駆逐戦車 ヤークトパンサー (後期型)
「ドイツ 駆逐戦車 ヤークトパンサー (後期型) (プラモデル) (タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ No.022 )」です
●第2次世界大戦後期におけるドイツ軍の駆逐戦車「ヤークトパンサー」の「後期型」を1/48スケールで再現したプラスチックモデル組み立てキット
●最優秀の駆逐戦車として名高い「ヤークトパンサー」を再現、傾斜装甲を大幅に採り入れた車体デザイン、戦闘室天板も緩やかな傾斜が付けられたマッシブなフォルム、そして長大な主砲と分厚い防盾カラーを持ったスマートかつ迫力ある姿が表現されています【 「ヤークトパンサー 後期型」について 】
●第2次世界大戦の開戦より以前に開発が開始された「3号突撃砲」は、砲塔を持たずに主砲を戦闘室に直接搭載しており、強力な火力と防御力、そして低いシルエットにより成功作となります
●この「3号突撃砲」は本来、歩兵用の直協車両として開発された車両でしたが、そのスタイルは対戦車戦闘にも有効であり、徐々に対戦車車両としての役割を担うようになって行きました
●一方、ドイツ軍では戦車キラーとして名を馳せた「56口径 88mm高射砲 Flak36」よりも強力な装甲貫通能力を誇る「71口径 88mm対戦車砲Pak43」を開発、ただし同砲は自重で4t以上にもなり、自走砲化が進められます
●これにより「3/4号戦車車台」を利用し、同砲を搭載した対戦車自走砲「ホルニッセ」が登場します
●しかし、同車は装甲が極めて薄く、対戦車戦闘を生き抜くためには一定の防御力が必要であり、「3号突撃砲」の設計思想を継承し、更に対戦車戦闘に特化した「駆逐戦車」として「71口径 88mm対戦車砲 Pak43」を搭載する車両の開発が行われました
●「71口径 88mm対戦車砲 Pak43」は上記のように巨大な火砲であり、装甲が厚い駆逐戦車としては「3/4号戦車車台」に搭載することができず、その車体には新鋭戦車である「パンサー戦車」が選ばれました
●その車体には避弾経始を考慮した傾斜装甲が採り入れられ、車体から戦闘室に延びるラインは一体化されたデザインとなり、耐弾性、生産性に優れたものとなっています
●同車は1943年10月に試作車が完成して制式化が行われ、名称は「パンサー戦車」の駆逐戦車型を表す「ヤークトパンサー」とされました
●「ヤークトパンサー」は、「パンサー戦車」譲りの高い機動性能を持ち、車体前部は80mmの装甲厚を擁しており、傾斜装甲も相まって良好な防御力を誇りました
●主砲である「71口径 88mm対戦車砲 Pak43」は当時の最強火砲であり、その威力は2000mの距離で連合軍の重戦車の前面装甲を貫く能力を誇示、「走」「攻」「守」優れた最良の駆逐戦車となっています
●同車は、ドイツ軍の戦闘車両の常として戦訓と生産効率から生産時期によって改良が重ねられており、1944年10月頃からは防盾のカラーが大型化された「後期型」が登場、更に12月からは車内を暖房するヒーターユニットがエンジングリルに装備されました
●「ヤークトパンサー」は、極めて優れた戦闘車両でしたが、「パンサー戦車」はドイツ軍の戦車部隊の主力として1台でも多く必要とされた戦車であり、更に連合軍との交戦での被害を補うために増産が急がれ、「ヤークトパンサー」用の車体を多く用意する余裕はなく、同車の生産は月産20両にも満たない状態が長く続きます
●また、その生産時期は連合軍が大規模な反攻作戦を行った時期と重なり、生産された車両は各個投入という形で少数ずつが分散配備されてしまい、本来の性能を発揮できず撃破されてしまう例も少なくはありませんでした
●もっとも、同車はドイツの敗戦間際まで生産が行われたことにより、戦車を失ったベテラン兵によって各地での防衛戦闘に投入されており、このような戦闘では驚異的な戦い振りを発揮、ドイツ最優秀駆逐戦車に恥じない能力を示しています
【 「ドイツ 駆逐戦車 ヤークトパンサー (後期型)」のキット内容について 】
●このドイツ軍の駆逐戦車「ヤークトパンサー」の「後期型」を再現したプラスチックモデル組み立てキット
●ドイツ的なデザインと先鋭的なフォルムを持つ「ヤークトパンター」をタミヤタッチによって表情豊かに再現、「パンサー戦車」の車体を利用した機動性に優れた足周りを持つものの、ドイツ軍の重駆逐戦車としての分厚い装甲と、装甲の切断面の荒れ、スケールに沿った溶接跡の表現、そしてプレス構造のフェンダーの質感など、同車の特徴が極めて高いレベルで表現されています
●タミヤ社製の1/35スケール「ドイツ駆逐戦車 ヤークトパンサー (後期型)」を下敷きとしながらも1/48スケールとしてのパーツ構成、表現力、そして作り易さが考慮されており、初心者モデラーからベテランモデラーまで広く戦車模型の魅力を楽しむことができる内容となっています
●車体下部はサスペンションアームを含めたダイキャスト製パーツで再現、重量感在る仕上がりを楽しむ事ができます
●「ヤークトパンサー 後期型」は、「砲身部」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成されています
【 砲身部 】
●「71口径 88mm対戦車砲 Pak43」の砲身は、マズルブレーキを含めて左右分割式となっています
・ 防盾、防盾カラーは各1パーツで再現され、表面には鋳造肌が表現されています
・ 砲身は基部に装着するポリキャップにより上下可動式で、左右方向も可動式とすることができます
【 車体上部 】
●車体上部は前部のフェンダーも含めた一体成型となっています
・ 後部パネルは別パーツで、パネル上にはゲベックカステンが一体成型されています
・ 各エンジングリルは別パーツで再現
・ 左側中央のエンジングリルは、通常のタイプとヒーターユニット付きのタイプとが付属、選択して使用します
・ 前方機銃のマウントは2パーツで構成され、機銃は別パーツです
・ サイドフェンダーは左右各1パーツで構成
・ スポンソンの下部を塞ぐパーツが付属
・ サイドスカートのパーツが付属、左右各1パーツで再現されています
●戦闘室天板部分には、ペリスコープガード、照準器カバーが一体成型されています
・ 車長ハッチ、装填手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 砲隊鏡ハッチは別パーツにて再現
・ 照準器、砲隊鏡、Sマイン発射機、ベンチレーターカバーがパーツ化
・ 後部ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
●車載工具類のラックは各ブロックごとにパーツ化されています
・ ラックに装備される工具類はラックに一体成型され、牽引シャックル、消火器は別パーツにて再現
・ クリーニングロッドケースは本体部分と前後の蓋のパーツで構成
・ 予備履帯ラックは車体上部にモールドされており、装備される予備履帯は6枚並んだ状態でパーツ化されています
・ 牽引ワイヤーは、アイの部分がプラパーツで、ワイヤー本体は付属の糸を使用します
・ ボッシュライトの基部は車体上部のフェンダー部分にモールドで再現され、ライト本体は前後分割式です
・ 履帯交換用ワイヤーは固定具に巻いた状態でパーツ化されています
・ ジャッキ台は固定具に収めた状態となっています
●排気管は、左側3本と右側1本のタイプと、消炎型排気管タイプとを選択できます
・ 消炎型排気管は、上部の偏向ノズルの有無が選択可能です
【 車体下部 】
●車体下部はダイキャスト製パーツとなっており、バスタブ式に一体成型されています
・ 前面パネルはプラパーツです
・ サスペンションアームは車体下部に一体成型されています
・ 起動輪は左右分割式で、内蔵させるポリキャップにより回転可動します
・ 各転輪は個別にパーツ化されています
●履帯は、一部連結式履帯が付属しています
・ 上下の直線部分は繋がった状態のパーツ、前後の曲線部は2枚ずつ分割されたパーツとなっています
【 塗装とマーキング 】
●「ヤークトパンサー 後期型」のマーキングとして、ドイツ軍仕様となる3種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 所属不明車輌 121号車 (1944年末)
・ 所属不明車輌 212号車
・ 第560重駆逐戦車大隊 第1中隊 102号車 (1944年12月/アルデンヌ)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
●2005年 一部新金型