イギリス CVR (T) FV101 スコーピオン
「イギリス CVR (T) FV101 スコーピオン (プラモデル) (AFV CLUB 1/35 AFV シリーズ No.AF35S02 )」です
●1970年に登場した、イギリス軍の軽戦車「FV101 スコーピオン」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●装軌式装甲戦闘車「CVR(T)」ファミリーの基礎となった「FV101 スコーピオン 軽戦車」を再現、小柄な車体に多角形の砲塔を装備した、特異なフォルムを再現した内容となっています
【 「イギリス CVR(T) FV101 スコーピオン」のキット概要 】
●砲塔は車体後部に、エンジン排熱グリルは車体前方に配置した独特の車体レイアウトを再現
●「76mm砲」を搭載、金属製砲身で再現
●キューポラハッチやドライバーズハッチなどの開閉を選択することが可能
●排気管カバーなどを再現したエッチングパーツが付属
●履帯は、接地面パッドをつけた「CVR(T)」の共通履帯、軟質素材によるベルト式
●マーキング指示及びデカールは6種、イギリス軍を始め、ベルギー軍、スペイン軍仕様用のデカールをセット
【 「FV101 スコーピオン 軽戦車」について 】
●イギリス軍は、主に植民地の治安維持用として第2次世界大戦前から装輪式装甲車を重要視しており、1950年代にはその集大成的存在である装甲車「FV601 サラディン」を開発します
●この「FV601 サラディン」は高い走破性を持った駆動装置と、小型装甲車クラスの車体に強力な「76mm砲」を搭載した点が評価されてヒット作となり、イギリス軍のみならず多くの国が採用することになりました
●しかしながら、イギリスの多くの植民地はその後独立を果たし、イギリス軍による治安維持という任務は減少、冷戦体制下に想定していた正規軍同士が正面衝突する戦闘においては、「装輪式」の装甲車では力の及ばぬものとなるといった判断に基づき、1960年代から後継の偵察車両として「装軌式」の「FV101 スコーピオン」の開発を始めます
●この「FV101 スコーピオン」の開発にあたり、この1車種に絞るのではなく、開発当初から車体を利用したバリエーション車両の展開を視野に入れており、「スコーピオン」の車体を利用した車両は「CVR(T)」シリーズと呼ばれています
・ イギリス軍では同時期に「FV601 サラディン」よりも軽便な装輪式装甲車「CVR(W)」シリーズも開発しており、装甲車「FV721 フォックス」などが誕生しています
●「FV101 スコーピオン」は1970年に登場、以後、対戦車ミサイル搭載型の「FV102 ストライカー」、装甲兵員輸送車型の「FV103 スパルタン」、回収車型の「FV106 サムソン」、主砲を30mm機関砲とした「FV107 シミター」など「CVR(T)」シリーズの各型が次々と登場しました
・ 「FV101 スコーピオン」は空輸能力が求められ、車体はアルミニウム合金となり、重量は8tに抑えられています
・ バリエーション展開のために、前部にエンジン、その後部に操縦席、戦闘室及び砲塔というレイアウトを採用、ただしこれは大戦時のイギリス軍の軽戦車のレイアウトを継承したものです
・ エンジンは、4.2リッター、190馬力の「ジャガー J60 No.1 Mk.100B ガソリンエンジン」を搭載、最高速度は80km/hと、俊足な性能を持っています
・ 主砲は、「76mm戦車砲 L23A1」を搭載、同軸機銃も装備され、小型の軽戦車としては充分な火力を有しています
●「FV101 スコーピオン」は、軽量で使い勝手が良く、一定の制圧火力を持った装甲戦闘車両として、「FV601 サラディン」と同様に、中小国を中心に各国が導入しています
●「FV101 スコーピオン」は、その後の近代化改装によってエンジンを5.9リッターの「カミンズ BTA ディーゼルエンジン」へと換装、これは「FV101 スコーピオン」だけでなく、「CVR(T)」シリーズ全体で実施しています
●その後の時代の流れから、「FV101 スコーピオン」は偵察用車両ではなく、緊急展開部隊用の装甲車両としても運用され、1991年の湾岸戦争にも参加しています
●砲火力を向上させる必要性を感じたイギリス軍は、「FV101 スコーピオン」の退役を1994年に決定、代わりに「FV107 シミター」の配備を行いますが、他国ではまだ第一線車両として運用が続いているのです
【 「イギリス CVR(T) FV101 スコーピオン」のキット内容について 】
●このイギリス軍の軽戦車「FV101 スコーピオン」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●AFVクラブの初期のキットであり、1/35スケールのキットとしてスタンダードなパーツ数と、エッチングパーツを最小限とした構成で「FV101 スコーピオン」を再現、パーツ上に施したモールド表現を主体に車体のフォルムと各部のディテールを再現した内容となっています
●「FV101 スコーピオン」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●高さを抑えた多角形状の「FV101 スコーピオン」の砲塔形状を再現、各エッジ部分には溶接跡を深めのモールドで再現しています
●「76mm戦車砲 L23A1」の砲身は、排煙器を含めた金属製砲身となっています
・ 「防盾」は一体成型のパーツで再現
・ 「サーチライト」は前後に分割したパーツで再現
・ 「防盾」は、完成後も上下に可動させることができます
●砲塔は、3層のパーツで構成
・ 「上部ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 「ペリスコープ」は個別にパーツ化しています
・ 砲塔の各「雑具箱」は、各パネルを箱組み状に貼り合わせて作製します
・ 「スモークディスチャージャー」は、1本ごと個別にパーツ化、ベースへと取り付けます
・ 「アンテナマウント」「リール」「消火器」「吊り下げフック」などを別パーツ化
【 車体上部 】
●エンジンを前方に配置したため車体前方に放熱グリルを設けた「FV101 スコーピオン」の車体上部レイアウトを再現、表面の溶接跡やボルトなどを繊細なモールドで再現しています
●車体上部は、一体成型のパーツで再現
・ 「操縦手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 「排気管」は一体成型のパーツで再現、「排気管カバー」はエッチングパーツで再現します
・ 「前照灯」は一体成型のパーツで再現、取り付け位置はフェンダー上もしくはフェンダーの下とを選択することができます
・ 「サイドミラー」「尾灯」などを別パーツ化
・ 車載工具類は個別にパーツ化、それぞれ固定具をパーツとともに一体成型した状態となっています
・ 車体下部の「雑具箱」は、各パネルを箱組み状に貼り合わせて作製、上部にキャンバスを張った状態となります
【 車体下部 】
●車体下部は、フェンダーを含めてバスタブ状に一体成型となったパーツで再現、前後のパネルは別パーツとなっています
・ 「サスペンションアーム」は別パーツ化
・ 「起動輪」「誘導輪」「転輪」は前後に分割したパーツで再現
【 履 帯 】
●履帯は、接地部分にパッドが付いた「CVR(T)」シリーズ用のシングルピン履帯を再現しています
・ 履帯は、接着が可能な軟質素材によるベルト式履帯となっています
●排気管カバーなどを再現したエッチングパーツが付属しています
【 「FV101 スコーピオン」の塗装とマーキング 】
●「FV101 スコーピオン」のマーキングとして、5種類の塗装例が説明書に記載されています
・ イギリス陸軍所属車両
・ イギリス陸軍所属車両
・ イギリス陸軍所属車両 (湾岸戦争時)
・ ベルギー陸軍所属車両
・ スペイン海兵隊所属車両
●説明書の塗装例に基づく、部隊マーク、重量表示、ナンバープレートなどを再現したデカールが付属しています
【 「イギリス CVR(T) FV101 スコーピオン」のパッケージ内容 】
・ FV101 スコーピオン 軽戦車 ×1
・ 金属製砲身 ×1
・ エッチングシート ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1