M3 リー 中戦車
「M3 リー 中戦車 (プラモデル) (アカデミー 1/35 Armors No.13206 )」です
●「M3 リー 中戦車」です
●第2次世界大戦時におけるアメリカ軍の「M3 中戦車」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●「M4 中戦車」の登場までの繋ぎとしてアメリカ戦車部隊の主力となった「M3 中戦車」を再現、ケースメート式に主砲を搭載し、車体上部に副砲を備えた小型砲塔と、更にその上に銃塔を装備した3階建てのような独特のフォルムを再現した内容となっています【 「M3 中戦車」について 】
●第2次大戦の戦前の時期、アメリカ陸軍は国内の「孤立主義」(国内政策に重点を置き、対外的には中立を保つという方針)に基づき、軍隊の兵員数及びその装備は必要最小限の程度しか保有していませんでした
●特に、「戦車」などの装甲戦闘車両に関しては完全に後進国で、中戦車としては多砲塔型の「M2 中戦車」が極少数存在するだけと、多の列強国と比べて貧弱極まりないものでした
●大戦が勃発し、アメリカも大戦に巻き込まれる機運が高まると、アメリカ陸軍は急速に軍備の増強を図ることとなります
●戦車部隊の骨格となる中戦車に関しては、未だに量産が継続中であった「M2 中戦車」を生産中止、1940年6月に新型中戦車として「M3 中戦車」の開発が開始されました
●この「M3 中戦車」は、戦力化が急がれた為、「M2中戦車」のコンポーネントが極力流用されることとなりました
●主砲である「75mm戦車砲M2」は、まだ動力で動かす大型砲塔を作る技術が確立されていなかったために、右側スポンソン部にケースメート式に搭載、これを補完する為に戦闘室上部に「37mm戦車砲M5」を装備した小型砲塔と、その上に銃塔を載せる姿となりました
●また、車体前方には固定式の「M1919A4機関銃」を2丁、砲塔に同軸として同機関銃を1丁、更に車長用の銃塔にもう1丁と、合計4丁もの機関銃を装備してるのも特徴です
●生産の過程において、「M3 中戦車」は武装システムの変更が行われており、砲に砲安定用のスタビライザーを装備し、行進間射撃の精度を上げたタイプ(重量バランスの関係から砲口部にカウンターウェイトが付く)、長砲身の「75mm戦車砲 M3」を装備したタイプへと変化して行きました
●「M3 中戦車」は、1941年夏から量産が開始、5000両弱を生産され、初期のアメリカ陸軍の主力戦車、或いはレンドリース車両として、イギリス連邦国、ソ連などにも供与されています
●「M3 中戦車」は、大戦初期におけるアメリカ軍の戦車隊の主力戦車として活躍、ただし、アメリカ陸軍での初陣となった「チュニジア戦」では、用兵の稚拙さなどから歴戦のドイツ軍相手に大苦戦することとなります
●供与先の一つであったイギリス軍の将兵からは、「M3 中戦車」は「リー」と、無線機搭載用として砲塔後部に張り出しが在るタイプが「グラント」と呼ばれ、イギリス軍の主力戦車として活躍、北アフリカ戦においては「エルアラメイン戦」の時期から参戦し、連合軍の反攻の主軸となりました
●ただ、後継車両である「M4 中戦車」が早々に戦力化が進んだ結果、主力戦車としての「M3 中戦車」は短命に終わり、活躍の場は北アフリカ戦迄となりました
●もっとも、太平洋戦域では、日本軍の対戦車火力の貧弱さや、装備する機銃の多さなどからイギリス連邦国において終戦時まで使用されています【 「M3 リー 中戦車」のキット内容について 】
●このアメリカ軍の「M3 中戦車」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●大戦初期におけるアメリカ陸軍の主力中戦車である「M3 中戦車」を再現、その特異でユニークな全体形状、多くのリベットが存在する直線的デザインの車体、背の高い車体に砲塔を載せ、更にその上に銃塔を取り付けた姿など、本車の魅力を味わうことができる内容となっています
●主砲の「75mm戦車砲」は、短砲身、カウンターウェイト付き短砲身、長砲身とを選択できるようになっています
・ 当初、砲身は短砲身型で、後にジャイロスタビライザー(現在のものと異なり上下方向のみの装置)の装備によるカウンターウェイト付き短砲身、そして後期になると長砲身型(砲身の重さによりカウンターウェイトは必要としない)となります
●キットにはエンジンルーム内部以外の砲塔及び車体内部を再現するパーツが用意されており、「M3 中戦車」の特徴有る内部構造を楽しむことができるようになっています
●「M3 中戦車」は、「砲塔」「銃塔」「車体上部」「車体下部」の4ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●砲塔は、下端部分が若干膨れた「M3 中戦車」独特の形状を再現、表面部のボルト止めや鋳造の刻印などが表現されています
●副砲の「37mm戦車砲 M5」の砲身は、一体成型されたパーツで、スライド金型により砲口が開口処理されています
・ 砲身は、完成後も上下方向に可動することが可能となっています
●砲塔は、上部が一体成型で、これに防盾部を取り付けるパーツ構成となっています
・ 側面の視察口部分は別パーツです
【 銃 塔 】
●砲塔上部に設置された「銃塔」は、主要部が4パーツで構成されています
・ 「銃塔」に搭載される「M1919A4 機関銃」は、後方の機関部も再現されています
・ 機関銃は、上下方向に可動させることが可能です
・ 上部ハッチは、別パーツとなっており開閉状態が選択できます
【 車体上部 】
●車体上部は、「M3 中戦車」としての面で構成された複雑な形状を再現、表面の特徴的なリベット構造も表現されています
●車体上部は、各パネルを貼り合わせる箱組み方式となっています
・ 車体側面及び上面のハッチは別パーツとなっており、開閉状態が選択できます
・ 車体前部と側面の視察口は別パーツで、開閉状態が選択可能です
●主砲の「75mm戦車砲」の砲身は、一体成型されたパーツで、スライド金型により砲口が開口処理されています
・ キットには、「75mm戦車砲 M2」用の砲身、カウンターウェイト付き砲身、そして「75mm戦車砲 M3」としての長砲身のパーツが付属しています
・ 主砲は、完成後も上下及び左右に可動させることが可能です
【 車体下部 】
●車体下部は、バスタブ式に一体成型され、これに前部のデファレンシャルカバー、後部パネルを接着します
・ デファレンシャルカバーは5パーツで構成され、3分割式タイプを再現
●サスペンションユニット(VVSSサスペンション)は、転輪も含めて各10パーツで構成されています(全6ユニット)
・ ボギー部は可動式として組むことができます
【 履 帯 】
●履帯は、軟質素材によるベルト式履帯が付属しています
・ 履帯は焼き止め式により接続します
・ 履帯は、中央部分に平滑なタイプのラバーが貼られたダブルピン式履帯「T41」が表現されています
【 内部再現について 】
●エンジンルーム内部以外の砲塔及び車体の内部が再現されています
●砲塔内部の再現内容
・ 副砲の砲尾
・ 機関銃の機関部
・ 砲塔バスケット
・ 各座席
・ 砲弾ラック
・ 砲塔旋回装置
など
●車体内部の再現内容
・ 動力伝達装置
・ トランスミッション
・ 操縦手席
・ 操行レバー
・ メーターパネル
・ 無線機
・ 主砲の砲尾
・ 砲手席
・ 無線手席
・ 砲弾ラック
・ 固定式機関銃
など
【 塗装とマーキング 】
●「M3 中戦車」のマーキングとして、2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ アメリカ陸軍 (チュニジア / 1943年5月)
・ アメリカ陸軍 (チュニジア / 1942年)
●説明書の塗装例に基づく部隊マーク、ニックネーム、車体番号、車台番号などを再現したデカールが付属しています
●2006年 完全新金型
------------------------------------------【 「M3 リー 中戦車」のワンポイント 】
●車体内部を作製する際、そのまま組むと車体の隔壁に存在する砲弾パーツと、砲塔バスケットが干渉してしまう可能性が有るので、この部分は慎重に組むようにして下さい