M4A3 シャーマン 105mm HVSS
「M4A3 シャーマン 105mm HVSS (プラモデル) (ドラゴン 1/35 '39-'45 Series No.6354 )」です
●第2次世界大戦時におけるアメリカ軍の中戦車「M4A3」の「105mm榴弾砲搭載型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●大口径砲の火力によって敵陣地の制圧から間接支援射撃にも活躍した「M4A3」の「105mm榴弾砲搭載型」を再現、独自の防盾に、大口径の短砲身砲を装備した、迫力あるフォルムを再現した内容となっています
●「HVSSサスペンション」を装備した後期生産車輌を再現しています
●本キットの「M4A3」は
・ 前方ハッチが大型化して、張り出し部を廃止した「後期型車体」
・ 主砲には「M4 105mm榴弾砲」を装備
・ 砲塔は、「M52砲架」と、後方にもベンチレーターを装備した「105mm榴弾砲搭載型」タイプ
・ デファレンシャルカバーは、先端部分が尖った「ワンピースタイプ」
・ 「HVSSサスペンション」を装備
・ 起動輪は、肉抜き穴が付いた「標準型」と、肉抜き穴の無い「後期型」とを選択
・ 履帯は、鋼製のシェブロンタイプの「T80」履帯
という仕様となる、「M4A3」の「105mm榴弾砲搭載型」を再現しています
【 「M4A3 シャーマン 105mm HVSS」のキット概要 】
●総パーツ数は少ないが、細分化したパーツ構成と、エッチングパーツや金属製パーツなどを交えた構成により、細部再現とサスペンションの可動に重きを置いた内容
●サスペンションを可動させるように組み立てることや、前部フェンダーなどのエッチングパーツの作製の難易度は高め
●車体上部は一部のモールドを削り取る作業が必要
●ライトガードやペリスコープガードは、プラスチック製パーツとエッチングパーツとを選択できる
●各ハッチは開閉状態を選択可能
●ペリスコープ、前照灯、尾灯などを再現したクリアパーツが付属
●前部フェンダー、サイドフェンダー、ライトガードなどを再現したエッチングパーツが付属
●履帯は、鋼製のシェブロンタイプの「T80」履帯、接着及び塗装が可能なDS素材によるベルト式履帯に、1個ずつパーツ化されたセンターガイドを取り付けて作製
●塗装例はアメリカ軍仕様4種、国籍マークなどを再現したデカールが付属
【 「M4A3 105mm榴弾砲搭載型」について 】
●アメリカの「M4中戦車」シリーズは、搭載するエンジンと車体形状により主に「M4」「M4A1」「M4A2」「M4A3」「M4A4」の5種に分類することができ、それぞれが異なったメーカー、工場で生産することでマスプロ化に成功、大量生産を実現することができました
●「M4中戦車」シリーズが安定した生産数を確保し、アメリカ軍のみならず連合軍の各国にも順調に供給が行われるようになった1942年後期、それまでの生産性を重視した方針から戦訓を採り入れた製造方針へと転換し、武装の強化と、新型車体(後期型車体)による防御力の強化が図られるようになります
●「M4A3」は、「フォード」社のV8エンジンを搭載したタイプで、ガソリンエンジンの吹け上がりの良さと良好な整備性から高い人気を獲得、運用側からは「M4中戦車」シリーズでのベスト車両という評価を得ています
●このため、「M4中戦車」シリーズは連合国の各国へと供与されたのに対して、「M4A3」はアメリカ軍専用の車輌として生産と配備が行われ、後期型車体の登場からはその傾向が顕著となりました
●一方で、火力支援型として「M4中戦車」シリーズに「105mm榴弾砲」を搭載した車輌が1942年末に試作、1943年8月には最終試作車両が完成し、1944年初めから本格的な量産が始まりました
●この「105mm榴弾砲搭載型」は、1944年2月からは「M4」をベースとした車輌、3月からは「M4A3」をベースとした車輌の生産を開始、「M4」ベースの車輌は1944年夏ごろから、「M4A3」をベースとした車輌は1944年の秋ごろから実戦に投入されています
●この「105mm榴弾砲搭載型」は、砲の大型化と防盾の変更により従来の「M4中戦車」シリーズよりも重くなったため、1944年9月からは、それまで生産されていた「垂直懸架式サスペンション(VVSS)」に替わり、「水平懸架式サスペンション(HVSS)」を装備した車輌へと生産が移行しました
●「M4A3」の「105mm榴弾砲搭載型」は、1944年3月から1945年6月までの間に3039両を生産、「M4」の「105mm榴弾砲搭載型」がアメリカ軍のみならず、イギリス連邦軍や自由フランス軍にも供与が行われたのに対して、「M4A3」の「105mm榴弾砲搭載型」のほとんどがアメリカ軍へと納入されています
●「105mm榴弾砲搭載型」は、戦車をベースとした車体であることと、専用の「M52砲架」の防盾の装甲厚が強化されたことから、強力な火力支援車両として最前線へと投入、直接照準射撃により敵防御陣地の制圧や対人目標への砲撃に活躍しました
●また、「105mm榴弾砲搭載型」は間接照準射撃にも活躍、自走榴弾砲の代わりとしての役割も務めています
●さらに、対戦車戦闘用として「対戦車榴弾」も搭載、この「対戦車榴弾」は「105mm」という大口径から装甲貫通能力が高く、対戦車戦闘にも投入が可能な汎用車両として各戦線で活躍しています
●「M4A3」の「105mm榴弾砲搭載型」は「朝鮮戦争」時にも実戦に投入、強力な火力と曲射弾道を活かした山岳地における間接射撃などに活躍し、第2次世界大戦時に劣らない働きを見せたのです
【 「M4A3 シャーマン 105mm HVSS」のキット内容について 】
●このアメリカ軍の中戦車「M4A3」の「105mm榴弾砲搭載型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●細分化したパーツ構成と、エッチング、金属製パーツなどを交えたパーツ構成で、「M4A3 105mm榴弾砲搭載型」の細部再現とHVSSサスペンションの可動ギミックに重きを置いた内容となっています
・ ドラゴン社のキットとしては総パーツは少なく、ライトガードなどはプラスチック製パーツとエッチングの2種をセットしているなど、組みやすさにもある程度配慮していますが、「HVSSサスペンション」や前部フェンダーのパーツなどはとても組み難く、一部のモールドを削り取る必要もあるため、中級者以上のユーザーを対象としたキットとなります
・ 「HVSSサスペンション」は可動させることができますが、製作の難易度が極めて高いことから、固定化して組立てることをお勧めします
●「M4A3 105mm榴弾砲搭載型」は、「砲塔」「車体上部」「車体下部」の3ブロックで構成しています
【 砲 塔 】
●砲手部分の装甲厚を増し、専用の防盾を装備した「105mm榴弾砲搭載型」の砲塔を再現、アメリカ戦車らしいなだらかな鋳造肌や、防盾の刻印などを強弱を付けたモールドで再現しています
●主砲の「M4 105mm榴弾砲」の砲身は一体成型のパーツで再現、砲口を開口しています
・ 砲口内側にはライフリングをモールドで再現
・ 「防盾」は一体成型のパーツで再現、「吊り下げフック」は別パーツ化しています
・ 「防盾」は、完成後も上下に可動させることができます
●砲塔は、実車の分割ラインに合わせた、上下に分割したパーツで構成
・ 「防盾」の「防塵カバー」の固定具を別パーツ化して再現
・ 「装填手ハッチ」「排莢ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択可能です
・ 「機銃固定具」「吊り下げフック」などを別パーツ化して再現
・ 「アンテナマウント」は2種をセット、選択して使用します
●ペリスコープ部は、取り付けベース、ペリスコープ本体、蓋、ペリスコープガードの4パーツで再現
・ ペリスコープ本体はクリアパーツで再現、「ペリスコープガード」はプラスチック製パーツとエッチングパーツとをセット、選択して使用します
●車長キューポラは、一体成型のパーツで再現
・ 各「ビジョンブロック」は別パーツ化しており、クリアパーツで再現しています
・ 「車長ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択できます
・ 「M2重機関銃」は付属していません
【 車体上部 】
●車体前面パネルが1枚タイプになった「M4A3」の後期型車体のレイアウトを再現、溶接跡や刻印などを繊細な凸状のモールドで再現しています
●車体上部は、エンジンデッキ部分を除き一体成型のパーツで再現
・ 「操縦手ハッチ」「前方機関銃手ハッチ」は別パーツ化、開閉状態を選択することができます
・ 「ペリスコープ」はクリアパーツで再現、「ペリスコープガード」はプラスチック製パーツとエッチングの2種をセット、選択して使用します
・ 「前方機銃」は、マウントを含めた一体成型のパーツで再現
・ 「前照灯」「尾灯」は、クリアパーツで再現
・ 「ライトガード」「ホーンガード」は、プラスチック製パーツとエッチングの2種をセット、選択して使用します
・ 「前部フェンダー」はエッチングパーツで再現
・ 「吊り下げフック」「給油口」などを別パーツ化しています
・ 側面の「救急用具入れ」は3パーツで再現、装着の有無を選択できます
・ 「トラベリングロック」は一体成型のパーツで再現、基部は車体上部に施されているモールドを移植して作製します
・ 「車載工具類」は個別にパーツ化、それぞれ固定具をパーツとともに一体成型した状態となっています
・ 「牽引ワイヤー」は、アイの部分はプラパーツ、ワイヤー本体は付属の金属製ワイヤーを使用して作製します
●サイドフェンダーはエッチングパーツで再現、前後方向に3分割したパーツで再現しています
・ 「フェンダー支持架」は、1個ずつ個別にパーツ化したプラスチック製パーツで再現
【 車体下部 】
●車体下部は、側面と底面とを一体成型化したパーツに、デファレンシャルカバー、後部パネルを取り付けて作製します
●「HVSSサスペンション」は、左右のアーム、中央のバネ、上部のシリンダー、転輪など、1ユニットあたり28パーツもの細分化したパーツで再現、アーム部分は完成後も可動させることができます(ただし、設計がタイトなため、可動させることはかなりの技量が必要となります)
・ 「中央バネ」のパーツの内側には付属の金属製バネを内蔵して作製、これによって「中央バネ」がアームに合わせて伸縮します
・ 「上部のシリンダー」は、シリンダー状に分割したパーツで再現、シリンダーの外装部は付属の真鍮製パイプを使用します
・ 「転輪」は、ホイール部とゴムの部分とに分割しており、ゴムの部分はプラスチック製パーツとなります
●起動輪は、肉抜き穴が付いた「標準型」と、肉抜き穴の無い「後期型」とをセット、選択して使用します
・ 「起動輪」は前後方向に3分割したパーツで再現
●後部パネルは一体成型のパーツで再現
・ 「デフレクター」は4層のパーツにより、グリル形状を再現
【 履 帯 】
●履帯は、接地部分にシェブロン状の滑り止めパターンが付いた「HVSSサスペンション」用のダブルピン履帯「T80」を再現しています
・ 履帯は、接着及び塗装が可能な軟質素材(DS素材)によるベルト式となっており、これに1個ずつ個別にパーツ化した「センターガイド」を取り付けて作製します
●ペリスコープ、前照灯、尾灯などを再現したクリアパーツが付属
●前部フェンダー、サイドフェンダー、ライトガードなどを再現したエッチングパーツが付属しています
【 「M4A3 105mm榴弾砲搭載型」の塗装とマーキング 】
●「M4A3 105mm榴弾砲搭載型」のマーキングとして、アメリカ軍仕様となる4種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 第713戦車大隊 (沖縄 / 1945年)
・ 第13機甲師団 第67機甲歩兵大隊 (オーストリア / 1945年)
・ 第10機甲師団 第20機甲歩兵大隊 (ドイツ / 1945年)
・ 第752戦車大隊 (イタリア / 1945年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊表示、車体番号などを再現したデカールが付属しています
【 「M4A3 シャーマン 105mm HVSS」のパッケージ内容 】
・ M4A3 105mm榴弾砲搭載型 (HVSSサスペンション) ×1
・ エッチングシート ×1
・ 金属製バネ ×12
・ 真鍮パイプ ×6
・ 金属製ワイヤー ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立て説明書 ×1