帝国陸軍 九五式軽戦車 ハ号 北満型
「帝国陸軍 九五式軽戦車 ハ号 北満型 (プラモデル) (ファインモールド 1/35 ミリタリー No.FM018 )」です
●「帝国陸軍 九五式軽戦車 ハ号 北満型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●「97式 中戦車」と並び、帝国陸軍を代表する戦車の「95式 軽戦車」を再現したキットです
●同社「帝国陸軍 95式軽戦車 ハ号」に「北満型」として転輪間に小転輪を設置したタイプを再現したバリエーションキットとなります
●「95式 軽戦車」の特徴であるリベットを多用した外観に丸みを持った車体側部形状、小さな砲塔に主砲と後方に機銃を配置した姿など、日本戦車の持つ無骨且つ繊細さが表現されたキットとなっています
●そして、日本の国民意識による実車の仕上げの丁寧さ、対してフェンダーを構成する鉄板の薄さの造形など、ファインモールドの表現力の原点が感じられる内容となっています
●「95式軽戦車」は、機動性に優れた優秀な戦車でしたが、帝国陸軍が展開する中国の満州において、当地方における畑の植え込みの段差が本車の転輪間のピッチとほぼ同一で、畑を走行する場合に支障が発生することが懸念され、転輪間に小転輪を取り付けることが考慮されました
●この「95式軽戦車」は「北満型」と呼ばれ、当地に展開していた戦車第4連隊を中心に少数が改造されています
●この「北満型」は、戦車第4連隊が南方へ配置転換された後も同部隊内でそのまま使用されました
●この「帝国陸軍 95式軽戦車 ハ号 北満型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●キットは、最近のニューキットから見ると構成するパーツ数は抑え目となっており、比較的容易に形にすることが可能となっています
●また、プラスチックでの成型が難しい箇所はメタルパーツで、細かさが必要な部分はエッチングパーツでなどと、適材適所にその素材が活かされた内容となっています
●砲塔部は、一体成型された上部に、防盾部と底部を取り付けるパーツ構成となっています
・ キューポラは前後2分割式、視察口のモールドや裏側のリベットなども彫刻されています
・ 砲塔ハッチは別パーツとなっており、開状態用と閉状態用のパーツが用意され、開閉状態が選択できます
・ 砲塔は旋回が可能です
●砲身部は一体成型となっています
・ 砲身は上下方向に可動できます
●車体上部は、フェンダーも含めて一体成型、前方機銃部装甲板が別パーツ化されています
・ 操縦席前方の前扉は別パーツとなっており、開閉状態が選択できます
・ また、その前扉に存在する視察口ハッチは別パーツで、これも開閉状態が選択可能です
●消音器は6パーツで構成され、先端部分はメタルパーツが用意され、排気口が開口処理されています
・ 消音器カバーを再現するエッチングパーツが付属しています
・ ジャッキ、牽引ワイヤー、燃料コック、排気集合管はメタルパーツとなっています
●車体下部は、各装甲板を組み合わせる箱組み方式です
・ サスペンションは、アーム部分と接続アームとで構成、そこに前後を繋ぐスプリングカバーを取り付ける方式となります
・ 下部転輪のボギー部分には、下方に小転輪を配置した「北満型」タイプのパーツが用意されています
・ 履帯は、接着、塗装が可能な一体成型のベルト式が付属しています
●マーキングは、8種類の塗装例が説明書に記載されています
・ 機動歩兵第3連隊 戦車隊 (中国 河南会戦時 / 昭和20年8月)
・ 戦車第4連隊 (ノモンハン事件 / 昭和14年)車両記号「い」
・ 戦車第4連隊 (ノモンハン事件 / 昭和14年)車両記号「ワ」
・ 戦車第4連隊 (ノモンハン事件 / 昭和14年)車両記号「わ」
・ 戦車第4連隊 第3中隊 (ルソン / 昭和16年12月)
・ 機甲軍教導戦車旅団 (満州国公主嶺 / 昭和17年)
・ 所属部隊不明
●説明書の塗装例に基づく部隊記号、車体番号、車両記号などを再現したデカールが付属しています
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●豆知識
・ 帝国陸軍では、戦車部隊としては「戦車連隊」という単位が基本で、各戦車連隊は3個~5個中隊の戦車中隊で編成されていました(1個中隊は14両前後)
・ 通常の場合、その第1中隊は「95式 軽戦車」のみで、他の中隊は「97式中戦車」で編成され、連隊本部や「97式 中戦車」中隊にも2、3両の「95式 軽戦車」が配備されていました
・ ただし、捜索連隊(旧騎兵連隊)が母体である「戦車連隊」は、「95式 軽戦車」中隊のみで編成される場合が多かったようです
・ また、「戦車連隊」の他に師団が持つ「戦車隊」が存在する場合が有り、その場合も「95式 軽戦車」が主体でした