ソビエト重戦車 JS-2 1944年型 ChKZ
「ソビエト重戦車 JS-2 1944年型 ChKZ (プラモデル) (タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.289 )」です
●「ソビエト重戦車 JS-2 1944年型 ChKZ」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●第2次世界大戦後期に登場したソ連軍の重戦車「JS-2」を再現したキットで、操縦手席前方装甲板が斜めとなった「1944年型(「JS-2m」)」が表現されています
●ドイツ軍の重戦車に対抗するために、巨大な122mm砲を装備した迫力在る姿を再現、コンパクトな車体に長大な主砲を載せた、如何にもロシア的合理性の究極のフォルムが表現された内容となっています
【 ソビエト JS-2 重戦車 について 】
●ソ連軍は独ソ戦の開戦時、重戦車として「KV-1」を装備し、同車は当時としては破格の防御力を誇っていました
●その防御力は当時のドイツ軍の戦車砲、対戦車砲では貫通が不可能であり、ドイツ軍は対抗手段として88mm高射砲や航空攻撃で撃破する方法が採られました
●しかし、この「KV-1」は大重量であり、機械式トランスミッション(手動式)を後部に装備する関係から変速操作が極めて難しく、実質上の機動力はカタログデータよりも遥かに劣るものでした
・ この足周りの故障により放棄される車両は、撃破された量を上回りました
●このため、重量を軽くしたタイプの「KV-1S」が登場、これにより機械的信頼性は大きく向上しましたが、「KV-1」の美点である装甲の厚さは減じられ、同じ攻撃力を持つ「T-34」を考慮すると存在意義が問われることとなりました
●一方、「KV-1」と「T-34」の両方の後継車両となる汎用戦車「KV-13」が試作され、この設計と「KV-1S」を融合させる形で「JS-1」が開発されます
●この「JS-1」は85mm砲を搭載していましたが、「T-34」の85mm砲搭載型が開発されたことと、85mm砲ではドイツ軍の重戦車に対抗できないことにより、搭載砲を122mm砲に換装した「JS-2」が1943年12月に登場しました
●この「JS-2」は、ドイツ軍の「タイガー1」や「パンター」よりもコンパクトな車体に厚い装甲を装備、その避弾経始が考慮された形状から強靭な防御力を持っていました
●搭載する122mm砲は、野砲を改造した砲であり、分離装薬のために発射速度が遅いのが欠点で、装甲貫通能力もそれほど高いものでは有りませんでしたが、大口径の砲弾の破壊力は大きく、この砲弾が命中すると、ほとんどのドイツ戦車は戦闘能力を喪失しました
●当初「JS-2」は、操縦席前面装甲に段差が有り、操縦手用のバイザーが取り付けられていましたが、この部分が防御上の弱点となったために、1944年8月からはこの部分の形状を斜めとしたタイプ「1944年型」が生産されました
・ このタイプは、当時のソ連は「ローマ人の鼻」、戦後の研究者では「JS-2m」とも呼ばれています
●「JS-2」は、独立親衛重戦車連隊へと配備、攻勢時の先鋒として戦いの先頭に立ち、その重装甲と、重戦車に対抗できる火力によりドイツ軍を圧倒、大戦後期におけるソ連軍の勝利の立役者となっています
【 ソビエト重戦車 JS-2 1944年型 ChKZ (タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.289) プラモデルの内容 】
●このソ連軍の重戦車「JS-2 1944年型」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●キットは、タミヤタッチにより「JS-2 1944年型」をシャープに再現、大戦後期のドイツ軍の最大の脅威であった、大型の122mm砲を搭載した「JS-2」の迫力在る姿が表現されています
●「JS-2」の持つ鋳造肌、荒々しい鋳造の湯口など、当時のソ連戦車が持つ特徴がタミヤらしいシャープな彫刻で再現、タミヤMMシリーズらしく作り易さも考慮され、同車の魅力を比較的簡単に楽しむことができる内容となっています
●「JS-2 1944年型」は、砲塔、車体上部、車体下部の3ブロックで構成されています
●砲身は左右分割式で、先端のマズルブレーキも左右分割式となっています
・ 砲身はポリキャップにより上下可動式です
●砲塔は、前部、上部、下部の3分割式です
・ 車長キューポラは別パーツです
・ 車長ハッチ、装填手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
●車体上部は、フェンダーも含めて前後分割式となっています
・ 後部パネルは別パーツです
・ エンジングリルの吸気口のメッシュを再現したエッチングパーツが付属しています
・ 固定式の前方機銃口は別パーツにて再現
・ スポンソンの床面を再現するパーツが付属しています
●車体下部は、バスタブ式に一体成型されています
・ 前面と側面前部、後面パネルは別パーツとなっています
・ サスペンションアーム、ダンパー、上部転輪基部は別パーツです
・ 転輪類は内蔵させるポリキャップにより可動します
●履帯は、プラパーツによる接着連結式履帯と、接着、塗装が可能な素材によるベルト式履帯が付属、選択して使用します
・ 接着連結式履帯は、上下の直線部は繋がった状態、前後の曲線部は1枚ずつが分割されたパーツとなっています
・ 接着連結式履帯の上部には、上部転輪による弛みが表現されています
●エンジングリル部のメッシュを再現するエッチングパーツが付属しています
●車長と装填手のフィギュアが各1体付属しています
・ フィギュアは、デッサン、服の皺とディテール、顔の彫刻など、フィギュア造形として優れた内容となっています
・ 服装は、詰襟式の「ルパシカ型野戦服」を着用、戦車ヘルメットを被った姿です
・ 服の皺の表現はスケールに沿っており、ポケットなどの細部は立体感在るモールドとなっています
・ フィギュアは、頭部、胴体、両腕のパーツ構成です
・ 車長のフィギュアは、キューポラから身を乗り出し、両手を組んでいるポーズ
・ 装填手のフィギュアは、ハッチの陰から前方を見ているポーズとなっています(上半身像です)
【 ソビエト重戦車 JS-2 1944年型 ChKZ (タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.289) 塗装とマーキング 】
●マーキングは、4種類の塗装例が説明書に記載されています
・ ソ連軍 第7独立親衛戦車旅団(ベルリン / 1945年4月)
・ ソ連軍 第88独立親衛戦車旅団(ベルリン / 1945年4月)
・ チェコスロバキア 第1戦車旅団(プラハ / 1945年5月)
・ ポーランド 第4重戦車連隊(ドイツ / 1945年4月)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号などを再現したデカールが付属しています
●2007年 完全新金型