アメリカ M48A3 パットン戦車
「アメリカ M48A3 パットン戦車 (プラモデル) (タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.120 )」です
●「アメリカ M48A3 パットン戦車」です
●1950年代後半から1960年代におけるアメリカ軍の主力戦車「M48A3 パットン」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●「M26」から始まるアメリカ軍の戦後第1世代戦車の最終型となった「M48A3」を再現、対地雷用の舟形の車体をベースとして、亀甲型の砲塔と特徴的なT字形のマズルブレーキを持つ主砲を備えた、アメリカ戦車の一時代を象徴する独特なフォルムが表現されています【 「M48A3 パットン」について 】
●第2次世界大戦後期においてアメリカ軍は重戦車「M26」を開発、戦後には同車をベースにエンジンを中心に改良が行われた「M46」が登場、1949年には「M46」の車体に新型の砲塔を搭載した「M47」が開発されます
●この「M47」は、性能的にはアメリカ軍を満足させ、西ドイツ、イタリアなどの西側ヨーロッパにも広く輸出された成功作でしたが、砲塔前部に装備されたステレオ式レンジファインダーが主砲の発砲時の衝撃の影響を受けやすいことが判明、アメリカ軍では早速後継車両の開発が開始されました
●その結果、1952年に「M48」が誕生、同車は1959年までに12000両が生産され、当初は主力戦車としてアメリカ軍、後に西側各国に広く輸出が行われます
●「M48」は、主砲を「M47」に搭載された「50口径 90mm砲 M36」の軽量型となる「43口径 90mm戦車砲 M41」を搭載、砲塔形状は前後に長い「M47」から円形に近い亀甲型に変化しています
●その砲塔自体は、アメリカ戦車らしく大きなターレットリング径が採用されており、このことは将来的な火力強化を実施できる余地となっています
・ 実際に、その後「105mm戦車砲」へと換装した「M48A5」、「M48」の砲塔を転用して「105mm戦車砲」を搭載した「M60」へと繋がっています
●車体は、従来のアメリカ戦車とは異なる、操縦席が車体中央部に位置するレイアウトを採用、前方機銃と機銃手は廃止されました
●また、車体下部形状は地雷への防御用として爆風を逃す効果がある舟形となり、エンジングリル部は大型化され、「M46」「M47」とは形状が大きく異なっています
●装甲は、車体前面で120mm厚、砲塔前面と防盾とが110mm厚で、良好な避弾経始の形状からその防御力は優秀で、第1世代戦車としては充分な防御力を擁していました
・ アメリカ軍では「M26」から続く重戦車指向により装甲が厚いのが特徴でしたが、西ドイツ軍、フランス軍は第2次大戦時の中戦車を標準に考えたため、機動力には優れるものの装甲が若干薄い「レオパルト1」「AMX-30」を開発しています
●「M48A3」は、1954年から生産及び改造が行われたタイプで、搭載するエンジンを従来のガソリンエンジンから750馬力のディーゼルエンジンへと換装、このことにより被弾時の火災発生率が低減し、燃費効率も大きく向上しています
●また、「M48A3」の中には、車長用の銃塔の下部に全周式のビジョンブロックが増設されたタイプも存在しており、従来のタイプよりも視認性が増しています
・ この銃塔形式は「M60」シリーズにも継承されましたが、銃塔により車両のシルエットが高くなった上に使い勝手も悪く(銃塔式では実質的に機銃の対空射撃はできない)、改良型の「M48A5」などでは通常のキューポラ式に変更されています
●1964年、「トンキン湾事件」によってベトナム戦争にアメリカ軍が本格的に軍事介入を開始、1966年には「M48A3」を装備する戦車大隊が派遣されました
●もっとも、ベトナムという場所は、地政学的に山岳地と水田などの軟弱地が多くを占め、更には自然のジャングルが覆う森林地帯が分布しており、戦車運用には適さないという判断が下されていました
●ところが、歩兵支援用として派遣された「M48」は、戦いにおいて戦車としての強靭さと歩兵支援能力に威力を発揮、装甲が薄いために損害が多発した装甲兵員輸送車「M113」に対して、「M48」は深刻なダメージを受けることが少なく、大きな評価を獲得します
●結局、ベトナム戦では600両以上の「M48」が戦線に投入、歩兵の友として支援任務に活躍し、兵士たちからは「M48に乗れば生きて帰れる」と言われる程、高い信頼を集めました
●1959年、後継車両である「M60」が登場、ただ同車は実質的に「M48」の改良型であり、1990年代まで運用が続けられた「M60」シリーズの原型としてアメリカ戦車史に深く刻まれる存在となっています
【 「アメリカ M48A3 パットン戦車」のキット内容について 】
●このアメリカ軍の戦車「M48A3 パットン」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●タミヤが長年培ってきた「M48」シリーズへの深い造詣と、MMシリーズとしての高い表現力により「M48A3 パットン」を再現、タミヤらしい模型としての実車の捉え方、シャープでその質感をも写し出す彫刻、そして同シリーズならではの作り易さの追求により、キット化されて30年を経た現在においても色褪せない魅力を持った内容となっています
●キット自体は1981年の製品であり、現在の同社のキットと比べてディテール表現では劣るのは事実ですが、タミヤのキットらしくモールドは秀逸で、実車のポイントをしっかりと押さえており、パーツ数は抑えられ、戦車模型初心者からベテランモデラーまで広く「M48A3 パットン」の魅力と戦車模型の楽しさを味わうことができることでしょう
●また、戦車模型の雰囲気を高めるフィギュアとアクセサリーも付属、タミヤMMシリーズの美点でもあるフィギュア、アクセサリー類との組み合わせによる演出の面白さを感じ取ることができる同シリーズの傑作キットの一つです
●「M48A3 パットン」は、「砲塔」「銃塔」「車体上部」「車体下部」の4ブロックで構成されています
【 砲 塔 】
●砲塔は、アメリカ戦車らしいノッペリとした鋳造肌を再現、タミヤらしい高い造形力により防盾の防塵カバーが質感豊かに表現されています
●「43口径 90mm戦車砲 M41」の砲身は、先端のマズルブレーキも含めて左右分割式です
・ 防盾は1パーツで再現され、防塵カバーが付いている状態が表現されています
・ 防盾の吊り下げフックは別パーツで、防塵カバーが付けられている状態を再現
・ 防盾(砲身)は、完成後も上下可動式とすることができます
●防盾部分に装備されるサーチライトが付属
・ サーチライトは上下分割式で、後部パネル、前面の枠は別パーツです
・ 前面部のガラス面は付属のクリアーフィルムを使用します
●砲塔は上下分割式です
・ 装填手ハッチは別パーツで開閉状態を選択できます
・ ベンチレーター部は別パーツです
・ 「ステレオ式レンジファインダー」は別パーツで、ファインダー口が開口されています
・ 砲手用ペリスコープは砲塔部分に開口、ペリスコープガードは別パーツです
・ 後部バスケットは面ごとのパーツ構成となっています
・ 左右の手摺りは各1パーツにて再現
【 銃 塔 】
●銃塔は上下方向に3分割式となっています
・ 機銃の防盾は前後分割式で、完成後も上下可動式とすることができます
・ 車長ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 銃塔部に装備される「M2重機関銃」は、銃塔部に装着した状態と、銃塔上部に露出式に装着した状態(ベトナム戦で多く見られました)とを選択することができます
・ 銃塔は左右に旋回することができます
【 車体上部 】
●車体上部は、その独特な前面形状を再現、エンジングリル部はシャープな彫刻によりスリット形状とその上に存在する取っ手が表現されています
●車体上部はフェンダーも含めて一体成型となっています
・ 操縦手ハッチは別パーツで、開閉状態が選択できます
・ 操縦手のペリスコープはガード部分がパーツ化
・ 前照灯は、ライトガードも含めて一体成型され、ホーン、管制灯は別パーツです
・ フェンダー支持架は別パーツで、円形の肉抜き穴も再現
・ 後部のトラベリングロックは4パーツで構成、上下可動します
【 車体下部 】
●車体下部はその舟形の形状と、それに伴う半露出式の足周りが再現されています
●車体下部は、バスタブ式に一体成型されています
・ サスペンションアームへ別パーツで、ダンパーが一体成型されています
・ ショックアブソーバーがパーツ化
・ 下部転輪、誘導輪は左右分割式で、内蔵させるポリキャップにより回転可動します
・ 起動輪は左右方向に4分割式で、ポリキャップにより可動
・ 上部転輪は左右分割式で、ハブキャップ部分は別パーツ、回転可動式とすることができます
●渡渉水深用の後部グリルに付ける潜水筒のパーツが付属しています
【 履 帯 】
●履帯は、ラバー製のベルト式履帯が付属しています
・ 履帯は、ラバーシェブロンタイプのダブルピン式履帯「T97E2」となっています
【 アクセサリーパーツ 】
●アクセサリーパーツが付属しています
・ ジェリカン ×2
・ 予備履帯(2個組) ×6
・ シュラフ ×3
・ 巻かれた状態のホース ×1
など
【 フィギュア 】
●アメリカ海兵隊の戦車兵のフィギュアが2体付属しています
・ フィギュアはドライバー1体、戦車長1体となっています
・ ドライバーは半身像、戦車長は全身像です
・ 服装は、野戦服の上からベトナム戦時のアメリカ海兵隊のトレードマークであるボディアーマーを着用、戦車ヘルメットを被った姿です
・ フィギュアは上半身、下半身、両腕のパーツ構成です
●フィギュアのポージングは、
・ ドライバーのフィギュアは、操縦手ハッチから顔を出している状態
・ 戦車長のフィギュアは、ハッチ部分に座り、片手でハッチ部分を持っているポーズとなっています
【 塗装とマーキング 】
●「M48A3 パットン」のマーキングとして、アメリカ軍仕様となる2種類の塗装例が説明書に記載されています
・ アメリカ海兵隊所属車両
・ アメリカ陸軍所属車両
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、車体番号、車台番号、PLAYBOYのマーク、シャークティースマーク、重量表示などを再現したデカールが付属しています
●1981年 完全新金型