三菱 F1M2 零式水上観測機 11型
「三菱 F1M2 零式水上観測機 11型 (プラモデル) (ハセガワ 1/48 飛行機 JTシリーズ No.JT096 )」です
●帝国海軍の水上観測・偵察機「零式水上観測機 11型」を1/48スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●軽快な運動性能により高い空戦能力を示した水上機「零式水上観測機」を再現、従来の水上機とは異なる絞った形状の胴体に、面積の小さな主翼を装備した特徴的な機体フォルムを再現した内容となっています
【 三菱 F1M2 零式水上観測機 11型 (ハセガワ 1/48 飛行機 JTシリーズ JT096) プラモデルの内容 】
●帝国海軍の「零式水上観測機 11型」を再現したプラスチックモデル組立キットです。
■ 機体胴体部
●機体胴体部は左右分割のパーツで構成、カウリング部、主翼部、水平尾翼部、フロート部は別ブロック化しています。
・ 機体パーツ全体には細かな神経を配った繊細なパネルライン、リベット、張布表現のデティールを凹凸を交えたモールドで再現しています。
■ 機首部
●カウリング部は上下分割のパーツ及び正面のリング部で構成、排気管は別パーツ化して再現しています。
・ カウリングの形状は「後期型」を再現。
・ 「三菱 瑞星13型 エンジン」はカウル正面から見える範囲で再現、減速器は別パーツ化しています。
・ エンジン部は省略された再現ながら、シリンダーやプッシュロッドなどの特徴をとらえて再現しており、塗装するだけで見栄えのある仕上がりとなっています。
●3翅のプロペラはワンピースのパーツで再現、プロペラブレードを基部とスピナーで挟み込むパーツ構成となっています。
・ プロペラはエンジン内部のポリキャップに差し込む形となっており、回転させる事が可能です。
■ 主翼・尾翼
●主翼は上下に分割したパーツで構成。
・ 控えめな表現ながら柔らかな凹凸ある張布表現がパーツ上に施されています。
・ 翼端灯、下部の覗き窓、識別灯はクリアパーツで再現しています。
●翼間支柱は一体成型のパーツで再現、胴体部分の支柱は6パーツに分割して再現しています。
●水平尾翼は上下に分割したパーツで構成。
・ 水平尾翼の差込部には4角形のダボの他に棒状のダボも付いており、2枚がきっちりと水平になるように工夫しています。
■ フロート
●メインフロートは上下に分割したパーツで構成、フロート下部のなだらかなカーブの形状を綺麗に再現しています。
・ フロート支柱は別パーツ化して再現しています。
・ 完成後の尻もち防止用にメインフロートに取り付けるオモリが20g必要となります(オモリのパーツは付属していません)。
●補助フロートは左右に分割したパーツで再現、支柱は外側のパーツに一体化して再現しています。
・ フロート内側の支柱は別パーツ化して再現しています。
■ コクピット
●コクピット部は独立のブロック化して構成しており、コクピットブロックを機体胴体パーツで挟み込む形となっています。
・ コクピット内は非常に細かく繊細なパーツで、シートや操縦桿だけでなく、計器盤、照準器、補器類、フットペダル、ヘッドレストなどを精密に再現しています。
・ コクピット内部の計器盤各種は凹凸ある繊細な彫刻で再現しています。
・ 操縦用計器類のメーター面などは付属のデカールで再現。
・ 照準器のガラス部分はクリアパーツで再現しています。
・ 後席に装備された「98式 7.7mm旋回機銃」は、機銃本体、ドラム式弾倉に分割して再現しています。
●前後席の風防はクリアパーツで再現。
・ 前席の風防は1ピースで再現。
・ 後席の風防は2種類のクリアパーツをセット、波しぶき避け展開状態を選択して再現することができます。
・ キャノピーフレームのラインはクリアパーツ上にモールド化して再現しています。
■ 機外装備
●「三菱 F1M2 零式水上観測機 11型」用の機外装備として
・ 6番爆弾(60kg爆弾)×2
が付属しています。
・ 60kg爆弾はフィンなどのデティールを精密に再現。
・ 爆弾の懸架装置も立体感あるパーツで再現されています。
・ 爆弾架を装着させる場合は主翼部分に穴を開口させる必要があります。
■ その他付属品
●陸上用の牽引台車(ドーリー)が付属しています。
【 三菱 F1M2 零式水上観測機 11型 (ハセガワ 1/48 飛行機 JTシリーズ JT096) 塗装とマーキング 】
●「零式水上観測機 11型」のマーキング及び塗装例として
・ 水上機母艦 千歳所属 甲木清美 一飛兵(操縦)・寶田三千穂 二飛曹(偵察) 乗機 「Y1-23」 (ソロモン諸島 / 1942年10月)
・ 水上機母艦 国川丸所属 浅沼良次 飛兵長(操縦)・寶田三千穂 上飛曹(偵察) 乗機 「L-2-11」 (ソロモン諸島 / 1943年1月)
・ 第951海軍航空隊 所属機 「サ 9518-8」 (佐世保基地 / 1945年夏)
の3種が説明書内にモノクロで記載されており、いずれか1種を選択して再現することが可能です。
●塗装例に応じた、国籍マーク、胴体、フロートの帯、主翼の識別帯、尾翼の機体番号、水平尾翼の偏流測定線、機体表記などを再現したデカールが付属しています。
●組立説明書内には「三菱 F1M2 零式水上観測機 11型用 エッチングパーツ」を使用する際の説明もあわせて記載されています
【 三菱 F1M2 零式水上観測機 11型 (ハセガワ 1/48 飛行機 JTシリーズ JT096) パッケージ内容 】
・ 零式水上観測機 11型 ×1機分
・ 60kg爆弾 ×2
・ 運搬用台車 ×1
・ デカールシート ×1
・ 組立説明書 ×1
●2009年 完全新金型
【 三菱 F1M 零式水上観測機 について 】
●1930年代、エンジン技術の急速な発達に伴い航空機も発展、高速性を求めて、戦闘機は複葉機から低翼単葉、固定脚から引き込み脚へと変化して行きます。
●この時代、空戦能力は格闘戦を重視した「軽戦闘機」思想に基づいており、一撃離脱戦を想定した「重戦闘機」思想はまだ主流ではありませんでした。
●1935年、帝国海軍は従来とは異なる運用ができる空戦能力兼ね備えた弾着確認用の水上機「10試水上観測機」の開発を、「三菱」「川西」「愛知」の3つの航空機メーカーに指示、この開発要求には、主に高高度からの弾着確認が任務とされながら、敵航空母艦から迎撃のために発進する戦闘機に対して空戦によりこれを排除、任務を継続することが求められました。
●この「10試水上観測機」の開発にあたり、「三菱」の開発チームはこれまでの航空機の開発ノウハウから、時代の趨勢である単葉式よりも複葉式を選択、フロート部分は大型の主フロートを持つ単フロート式で設計を始めました。
●エンジンには、空冷星型エンジンで800馬力の出力を持つ「三菱」の「瑞星13型」を搭載、胴体はセミ・モノコック構造を取り入れ、主翼部分は厚みの薄い楕円形の小型翼を採用、主翼を繋ぐ翼間支柱はI字型とされ、空力特性を重視した機体デザインとなります。
●この「三菱」の機体は、他の2社の試作機を性能的に引き離し、1940年に「零式水上観測機」として制式採用されることになります。
●「零式水上観測機」は、太平洋戦争が開戦すると重巡以上の水上艦艇の搭載機として運用が行われます。
・太平洋戦争では、艦載用の水上機として「零式水上観測機」と「零式水上偵察機」が主として用いられており、3機以上を搭載する艦には両機が混合で搭載され、長距離の索敵には「零式水上偵察機」、短距離及び戦闘が予想される場合には「零式水上観測機」が使用されました。
・この「零式水上観測機」は艦隊砲撃戦を有利に展開するための役割を持っていましたが、太平洋戦争において昼間での砲撃戦はほとんど行われなかったため、本来の任務でその真価を発揮する機会は限られてしまいました。
●「零式水上観測機」は、抜群の安定性能と運動性能を持っており、その能力により、戦闘機代わりとして使用される場合も多く、空母を持たない艦隊にとっては力強い存在となりました。
●また、アメリカ軍のように強大な飛行場建設の能力を持たない帝国海軍にとっては、前線において直ぐに運用が可能な水上機が果たした役割は大きく、貴重な水上機戦力の一翼を担っています。
●実際、「零式水上観測機」は、その運動性能により空中戦で勝利することも多く、速度の差が大きい敵の戦闘機に対しても有効に戦うことができました。
●戦争も後期に入ると、アメリカ軍の優勢な航空兵力とその性能差により、空中戦を行うことは無謀とも言えましたが、1945年になってもアメリカ軍の「F6F」を撃墜する戦果を挙げています。