日本海軍 軽巡洋艦 阿賀野
「日本海軍 軽巡洋艦 阿賀野 (プラモデル) (ハセガワ 1/350 Z帯 No.40076 )」です
●太平洋戦争時における帝国海軍の軽巡洋艦「阿賀野」を1/350スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●水雷戦隊用の旗艦として建造された「軽巡洋艦 阿賀野」を再現、スマートな船体に近代的な砲塔、艦橋、各種構造物を配置した均整の取れたシルエット、及び帝国海軍が理想とした軽巡の姿が表現されています【 「日本海軍 軽巡洋艦 阿賀野」のキット内容について 】
●帝国海軍の「軽巡洋艦 阿賀野」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●帝国海軍艦艇において最も美しいスタイルと称される「阿賀野」を再現、1/350スケールならではの高い解像度を活かし、「軽巡洋艦 阿賀野」の細かな艤装や、船体各部のディテールをハセガワらしいパーツ構成と彫刻で再現した内容となっています
●ハセガワ社製「日本海軍 軽巡洋艦 矢矧 「天一号作戦」」をベースとして、「阿賀野」を再現するために、艦橋部分、航空機作業甲板、カタパルト、舷側の舷窓部分、13mm連装機銃などを新規パーツへと変更した限定バリエーションキットです
●喫水線以下も再現されたフルハルモデルです
●「軽巡洋艦 阿賀野」の基本船体は「上甲板」「船体部」の上下分割式となっています
●船体部は左右分割式で、ビルジキールが一体成型され、鋼板の継ぎ目、舷外電路、舷側の舷窓、フェアリーダー、ボラード、塵捨て管、ホースパイプなどがモールドされています
・ 舷側部の舷窓部分の一部は、鋼板継ぎ目のラインに合わせて別パーツとなっています
・ 船体部の歪みを防ぐ、桁のパーツが多数付属しています
・ 船底部の推進軸(4軸)、推進軸支柱、スクリュー、舵を再現したパーツが付属しています
●上甲板は、前部、中央部、後部で分割されています
・ 甲板上には、リノリウム押さえ、滑り止め、主砲台座、魚雷発射管台座、カタパルト台座、魚雷運搬軌条などの基本躯体の他、ボラード(一部)、昇降口などの細かなディテールが再現されています
●上甲板上の構築物となる「艦橋部」「高角砲部」「煙突部」「航空機作業甲板」「魚雷発射管」「後部構造物」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「阿賀野」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋の下部構造物は各パネルを貼り合せる箱組み方式で、これに4層で構成される羅針艦橋部を積み上げる方式となります
・ 羅針艦橋の窓、窓枠はクリアーパーツです
・ 羅針艦橋の上部と下部には遮風装置が再現されています
・ 羅針艦橋内部が再現、各双眼鏡などがパーツ化
・ 防空指揮所に装備された各種双眼鏡と測距儀がパーツ化
・ 艦橋トップに装備される「6m測距儀」「94式方位盤」「方位測定器」が個別にパーツ化されています
・ 「6m測距儀」は上下分割式で、艦橋側に内蔵させるポリキャップにより旋回可動します
・ 艦橋構造物前方に装備された「95式機銃射撃装置」は3パーツで構成され、艦橋側に内蔵させるポリキャップにより旋回可動します
・ 艦橋部分を構成する、「40cm探照灯」(×2)、「25mm3連装機銃(防盾付き)」(×2)、「パラベーン」(×2)などがパーツ化、探照灯はクリアーパーツです
●メインマスト
・ メインマストは3脚檣型です
・ マスト前方の十字部分が一体成型で、下部の3脚檣部分は各面ごとの構成、クロスツリーは別パーツです
・ マストに装備される「信号灯」がパーツ化
● 煙突
・ 煙突の本体部分は左右分割式です
・ 煙突トップの雨水カバー部は別パーツで、開口処理されています
・ 煙突内部の整風板がパーツ化
・ 煙突の各管は個別にパーツ化されています
●後部構造物及び後檣
・ 後部構造物は各パネルを貼り合せる箱組み方式です
・ 後檣は、クロスツリーの部分で上下分割されています
・ 探照灯台座などは別パーツで再現
・ クレーンは左右分割式で、上部の構造も再現
・ 後部構造物及び後檣に装備される「13mm連装機銃」(×2)、「110mm探照灯」(×1)、「測距儀」(×1)、「信号灯」(×1)、舵輪(×1)などが付属、探照灯のガラス部分はクリアパーツとなっています
●探照灯台座、及び探照灯
・ 探照灯台座は下部が前後分割式で、上部は1パーツで再現
・ 「110cm探照灯」(×2)が付属、ガラス部分はクリアパーツとなっています
●航空機作業甲板
・ 航空機作業甲板は、天板パーツに各パネルで構成された支柱を取り付けます
・ 航空機作業甲板には、航空機軌条がモールド、ターンテーブルは別パーツです
・ 航空機作業甲板前部に装備される「94式高射装置」(×2)が付属、内蔵させるポリキャップにより旋回可動します
●カタパルト「1式2号 11型射出機」
・ カタパルトは各パネルを貼り合せる方式で、トラス構造とディテールを再現
●主砲塔「50口径 41式 15cm連装砲」 ×3
・ 主砲塔は上下分割式で、砲身は1本ずつが個別にパーツ化されています
・ 砲身の先端部は開口処理済みです
・ 砲身は基部に防水布が再現されたパーツと防水布のないパーツとが用意、選択して使用します
・ 砲身は上下可動式です
・ 空中線支柱がパーツ化
・ 主砲塔は台座部分に内蔵するポリキャップによって旋回可動します
●高角砲「60口径 98式 8cm連装高角砲」 ×2
・ 高角砲は上下分割式で、連装式に一体成型された砲身を挟み込んで接着します
・ 高角砲の砲身は上下可動式とすることができます
・ 高角砲は、台座部分に内蔵するポリキャップによって旋回可動します
●魚雷発射管「92式 61cm 4連装発射管 (シールドなし)」 ×1、「92式 61cm 4連装発射管 (シールド付き)」 ×1
・ 魚雷発射管本体は一体成型されたパーツとなっており、シールドは別パーツです
・ 発射管に装填された魚雷を再現したパーツが付属
・ 魚雷発射管は台座部分に内蔵させるポリキャップにより可動します
・ 予備魚雷装填装置は上下分割式です
●対空機銃
・ 25mm 3連装機銃 (防盾付き) ×2
・ 13mm連装 ×2
・ 25mm3連装機銃は、銃身部と銃架、防盾の3分割式
・ 13mm連装機銃は、銃身部と銃架の2分割式です
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 11m内火艇 ×1
・ 12m内火ランチ ×1
・ 9m内火艇 ×1
・ 9mカッター ×2
●艦載機「零式3座水上偵察機」 ×2
・ 艦載機は、胴体部分が左右分割式で、主翼、キャノピー(クリアーパーツ)、水平尾翼、カウリング、プロペラ、スピナー、フロート、フロート支柱のパーツ構成です
・ 艦載機用の射出用台座(×1)、飛行機運搬台車(×1)が付属
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨
・ ラッタル
・ リール
・ ケーブルホルダー
・ 菊花紋章
・ 予備フロート
・ 各種ダビット
・ 通気塔
・ フェアリーダー
などがセットされています
●アンカーチェーンは、付属の金属チェーンを使用して再現します
●フルハルモデル展示用のスタンドが付属
●艦尾の軍艦旗(直線タイプとなびいている状態の2種)、前部の日章旗、艦載機の日の丸マーク、識別帯、偏流測定線、機体番号などを再現したデカールが付属しています
●特典としてパッケージイラストのポスターが付属 (A1サイズ)
●「阿賀野」の完成時の大きさ
・ 全長 : 498.5mm
・ 全幅 : 54mm
●全407パーツ
●2010年 一部新金型
●スポット生産品【 「軽巡洋艦 阿賀野」について 】
●第1次世界大戦までの海戦では戦艦、装甲巡洋艦といった砲撃力を主体とした艦艇が中心となっていましたが、その後魚雷の性能が向上、魚雷を主武装とした駆逐艦が大きな戦力へと成長します
●この雷撃を念頭においた駆逐艦が採る戦術は、数隻を集中運用することで雷撃時の射撃本数を多くし、射界(射線)の拡大により敵艦の回避行動を困難にする方法でした
●このような数隻で編成される駆逐艦艦隊を帝国海軍では「水雷戦隊」と呼び、水上戦力の要として重要視、その水雷戦隊の旗艦として「軽巡洋艦」を充てることになりました
・ 他国の海軍では駆逐艦の艦隊の旗艦には専用の大型駆逐艦「教導型駆逐艦」などが用いられています
●これを受けて、1920年代に「球磨型」や「長良型」などの5500tクラスの軽巡洋艦が続々と誕生、これらの旗艦が率いる水雷戦隊は世界最高水準の戦闘能力を誇っていました
●しかし、1920年代の後半に帝国海軍は画期的な駆逐艦「特型(吹雪型)駆逐艦」を建造、その後は軍縮条約の制限を受けながらも駆逐艦の高性能化が図られます
●5500tクラスの軽巡洋艦も近代化改装が幾度と行われましたが、1930年代後半には艦歴も古くなり水雷戦隊旗艦としては見劣りするものとなってしまいます
●軍縮条約の脱退により保有する艦艇の制限を受けなくなった帝国海軍は、1939年に時代に沿った新たなる軽巡洋艦の建造計画を立案、この軽巡洋艦は水雷戦隊旗艦用の「乙型」、潜水戦隊旗艦用の「丙型」に区分されました
●この「乙型」として1940年から建造が開始されたのが「阿賀野型」の4隻です
●この「阿賀野型」は、水雷戦隊旗艦として駆逐艦の速力に合わせた高速性と、敵の駆逐艦に対抗するために「15.2cm砲」を搭載、索敵能力を向上させるために5500tクラスでは1機のみの航空機搭載能力が2機へと増強しています
●独自の魚雷も3連装魚雷発射管が2基装備され、攻撃力と機動力を兼ね備えた帝国海軍の理想とした高性能艦となりました
●「阿賀野型」では、対空兵装として新たに開発された「60口径 98式 8cm連装高角砲」(通称「長8cm高角砲」)を2基搭載、これは「秋月型」で有名となる「65口径 98式 10cm連装高角砲」が船体幅の関係から搭載することができず、これをスケールダウンしたもので、高角砲を持たない5500tクラスから比べると対空能力は大幅に向上しています
●しかし、時代的に見ると同規模の軽巡洋艦として、イギリス海軍では「ダイドー級」が竣工、アメリカ海軍では「アトランタ級」が建造中で、両艦は対空兵装を中心にした防空巡洋艦であり、航空戦が主体となった太平洋戦争では「阿賀野型」の対空兵装は不十分なものでした
●「阿賀野型」の1番艦「阿賀野」は1942年10月に竣工、この時期、ガダルカナル島を巡るソロモン海での戦いはピークを迎えていましたが、練成訓練の関係から同海域に投入されることはありませんでした
●「阿賀野」は、空母機動部隊である第3艦隊の直衛となる第10戦隊に編入、戦隊旗艦となります
●ところが、同艦が第10戦隊に編入された時点は空母機動部隊がソロモン海域での度重なる戦いにより航空戦力を消耗した時期であり、機動部隊は再建のために内地へと帰還、「阿賀野」は南方への輸送任務に従事することとなります
●1943年11月、「ブーゲンビル島沖海戦」に参加、海戦後にアメリカ潜水艦の攻撃を受けて損傷し、航行不能に陥るものの、僚艦に曳航されてトラック島に辿り着きます
●同島において工作艦「明石」による応急修理が行われ、1944年2月には本格的な修理を行うために内地に向かって出航します
●しかし、出航の翌日、再びアメリカ潜水艦の攻撃を受けて被雷、そのスマートな船体を波間に消したのでした