ソビエト戦車 BT-7 1935年型
「ソビエト戦車 BT-7 1935年型 (プラモデル) (タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.309 )」です
●「ソビエト戦車 BT-7 1935年型」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●第2次大戦前の1930年代に登場し、「T-34」をはじめとするソビエト戦車の礎となったのが「快速戦車 BT」シリーズです
「BT-7 快速戦車 1935年型」について
●「BT戦車」シリーズは、軽快な機動力と、不整地踏破力を発揮する「クリスティーサスペンション」を採用、当時の戦車としては最も優れた走行性能を誇りました
・ 「クリスティーサスペンション」は、アメリカ人の「クリスティー」が提唱したサスペンションシステムで、本国のアメリカでは採用されず、そのシステムに注目したのがソビエトとイギリスです
・ イギリスでは後に「クルセイダー」等の「クリスティーサスペンション」を使用した戦車が作られています
●「BT戦車」は、キャタピラを外して装輪走行も行えるという戦車としては独創的な機能を備えており、装輪走行時の最大速度は70km/h以上という性能を示しました
・ 当時の戦車は、足周り、エンジン関係の負担の為に長距離移動が難しく、各国の戦車は「鉄道輸送」が前提となっていました
・ 「BT戦車」の装輪走行システムはその解決策のために用いられたもので、装輪走行によって前線への戦車展開が素早く行うことができるようになりました
●「BT戦車」は、最初の量産型の「BT-2」、砲塔を大型化して火力を増強した「BT-5」そして「BT-7」へと発展して行きます
●「BT-7」は、前身となる「BT戦車」シリーズで採用された車体前面の先進的な傾斜装甲などの特徴を受け継ぎながら、車体前部をそれまでのリベット接合式から溶接構造に変更し、非力だった装甲も強化されました
●また、初期に生産された「BT-7」は、ベースとなった「BT-5」と同型となる側面が切り立ったデザインの砲塔を搭載、これは「BT-7 1935年型」と呼ばれました
●「BT-7」は、当時の他国の軽戦車と比べて一周り大きく、威力の強い「45mm 対戦車砲」を装備、ノモンハン戦では弱装甲の日本戦車相手に、その主砲は猛威を振るっています
●一方、「BT戦車」シリーズは、強化されたとは言え、最大の装甲厚が20mm前後では日・独・フィンランドの対戦車砲には対抗しうる術がなく、ノモンハン戦でも多数が撃破され、それを元に「BT戦車」の装甲強化型の開発案が進められ、それが後の「T-34」の原型へとつながっていきます
●「BT-7」は、1939年までに派生型を合わせて5,000輌前後が量産され、ノモンハン事件を皮切りにポーランドやフィンランド侵攻、独ソ戦初期までの間、実質的にソ連戦車部隊の中核的な存在で、独ソ戦においては「T-34」が本格的に配備されるまでの難局を乗り切ったのです
「ソビエト戦車 BT-7 1935年型」のキット内容について
●この「ソビエト戦車 BT-7 1935年型」を再現したプラスチックモデル組立キット
●傾斜装甲を採用したくさび形の車体前部や、力強い大径ロードホイールなど独特なスタイルを実感豊かに再現、後の傑作戦車「T-34」につながる個性的なスタイルを余すことなく立体化しています
●後のソビエト戦車に見られるような「荒さ」では無く、戦前のソビエト戦車特有の「仕上げの良さ」や「作りの細かさ」が感じられるキット内容となっています
・ 戦前のソビエト戦車は、熟練工による「丁寧」な作りでしたが、戦争に突入すると、戦時急造体制や、熟練工の不足、そして工場の疎開などで戦車の品質自体は落ちて行きました
「キット」概要
●車体は各車体構成パーツを貼り合せる箱組みの方式です
・ パーツ同士の「合い」は良好、箱組みの際のガイドとなる補強パーツもセットされているので、ストレスなく組立てることができます
●車体側面は実車同様に2重構造を表現、前面の傾斜装甲板も別パーツ化されています
・ 側面パネル内側から伸びるサスペンションアーム、機動輪、誘導輪など、足回りの部分は立体感あふれる状態を再現しています
●サスペンションはアーム部分の突起を切り取ることで、サスペンションの上下方向の動きを再現することも可能、ジオラマの地面に合わせて動きの有るシーンも表現できます(突起の切取りの前には充分な仮組みをした上、確認して下さい)
●各転輪はポリキャップによる接合方式、完成後も可動させることができます
●キャタピラは、プラパーツによる部分連結式がセットされています
・「BT戦車」特有のピッチが広く、薄い構造のシンプルなキャタピラが実感の高く再現されています
●ヘッドライトレンズや操縦手用ハッチ裏側のビジョンブロックはクリアーパーツで再現されています
●操縦手ハッチ上部は開閉選択式、操縦手席も再現されています
●曲面で構成されるエンジンルーバーカバーはエッチングパーツが用意され、簡単に曲げ加工できる治具もセットされています
・ そのエンジンルーバーの内部には車体側に整流板が一体成型、そしてマフラーの基部も用意されており、ルーバー越しにその存在が分かるようになっています
●ラジエター吸気口も、メッシュ状のエッチングパーツで再現、細かな実感を高めてくれます
●エンジン点検口ハッチ上のルーバー部分は4分割されたパーツで構成、側面のスリットも細かな彫刻で再現されています
●砲塔は左右2分割、そこに上面板と防盾部とを接着する方式となっています
●砲塔上にフレームアンテナを装備した車輌も選択して再現することが可能です
●砲身は一体成型によるパーツで再現、スライド金型により砲口が開口処理されてい
ます
・ 砲尾も左右2分割式で再現、照準器パーツも付属し、ハッチの開口部から見える部分は或る程度再現されています
・ 「7.62mm DT同軸機銃」は、放熱フィンのモールドもシャープに再現、円形の弾薬ケースも再現されています
●車長ハッチ及び装填手ハッチは開閉選択式
・ 砲塔上に付く特異な形状のペリスコープは、保護キャップの有無を選択できるようになっています
●牽引用のチェーンとして、リアルな金属製のチェーンが付属
●キットには、車外で打ち合わせをしている場面を再現した「前線指揮官」「戦車兵」のフィギュアが2体付属しています
・ 地図を指している兵士のフィギュアは前線指揮官で、戦車兵に指示を与えているところです
(インジェクションキットとしては珍しく、将校帽を被った姿をモデル化しており、将校帽は別パーツとなっています)
・ 傍らの戦車兵は、両膝を付いて「前線指揮官」の指示を聞いている姿を再現しています
●フィギュアは、頭部、胴体、両腕、両足のパーツで構成、複雑な形状の戦車ヘルメットは2分割式により、ディテールを再現する形式となっています
・ フィギュアは、服の皺は、スケールに見合った豊かな表現で、襟やポケットなどのモールドもシャープに仕上がっています
●2体のフィギュアの内、「前線指揮官」は大戦初期に見られる軍装を再現
・ 「前線指揮官」用に、少尉、中尉、大尉用のデカールが付属、細かな模様の大戦初期型の襟章もデカールが用意されています
・ 「戦車兵」のフィギュアは、ツナギ服を着用した姿を再現、この服装は大戦を通じて使われたので、「BT-7」が使われた以降の年代でも使用可能です
「フィギュア」に関してセットされているもの
・ 前線指揮官兵士 ×1体
・ 戦車兵 ×1体
・ ピストルホルスター ×2
・ マップケース ×1
・ ゴーグル 2種 ×2(クリアーパーツで成型されており、合計4つが付属)
・ 「前線指揮官」用デカール一式
●「ソビエト戦車 BT-7 1935年型」用のマーキングとして、5種類の塗装例が説明書内に記載されています
・ 所属不明 1941年 夏リトアニア
・ 所属不明 1936年 モスクワ軍管区
・ 所属不明 1941年 6月ウクライナ
・ 第 6戦車旅団 1939年 モンゴル
・ 第 4ドイツ警察師団 1942年 ソビエト連邦 ブスコフ州(ドイツ軍捕獲車輌)
●マーキング指示に基づいた国籍マーク、識別帯マーク、フィギュア用の階級章などを再現したデカールが付属しています
●2010年 完全新金型