ヘリコプター搭載護衛艦 ひゅうが
「ヘリコプター搭載護衛艦 ひゅうが (プラモデル) (アオシマ 1/700 ウォーターラインシリーズ No.019 )」です
●2009(平成21)年に就役した 海上自衛隊最大の護衛艦「ひゅうが型」のネームシップ「DDH-181 ひゅうが」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組み立てキット
●2012年時点で、海上自衛隊最大となる船体に全通式の甲板を装備、艦形にはステルス性を採り入れ、平面を除く全ての面に傾斜が付けられ、マストも箱型となった「護衛艦 DDH-181 ひゅうが」の竣工時の姿をウォーターラインモデルで再現した内容となっています【 「海上自衛隊 ヘリコプター搭載型護衛艦 ひゅうが型」について 】
●海上自衛隊において運用されている「護衛艦 ひゅうが型」は「護衛艦 しらね型」の2番艦「DDH-144 くらま」以来、28年ぶりに建造された「ヘリコプター搭載護衛艦(DDH)」です
●哨戒ヘリコプター3機の搭載を前提とし、「1艦隊」あたり護衛艦を8隻、ヘリコプターが8機の編成からなる「88艦隊」の旗艦として1973年から就役を開始した「護衛艦 はるな型」、及びその拡大改良型として1980年から就役を開始した「護衛艦 しらね型」はその退役時期を向かえ代艦が必要となりました
●「護衛艦 はるな」「護衛艦 しらね」以降、長らく生産されていなかった「ヘリコプター搭載護衛艦」ですが、両型の就役からおよそ30年を経て、「ヘリコプター搭載護衛艦」に求められる戦略的な位置付けは大きく変化していました
●「第2次防衛力整備計画」の頃から、艦隊旗艦を兼ねた「ヘリコプター搭載護衛艦」を「空母」的な艦型とする構想がありましたが、護衛艦の防空力がまだ不足していたため、「空母」的な艦艇に航空機を集中装備した場合、敵の攻撃でこの種の艦が沈められた場合、損失が余りにも大きくなることからその配備は見送られてきました
●しかしながら、海上自衛隊に「イージス艦 こんごう型」が就役してから艦隊の防空能力は飛躍的に向上、「空母」的大型艦艇の配備も充分に可能である前提が整います
●また、「護衛艦 はるな型」「護衛艦 しらね型」の「ヘリコプター搭載護衛艦」にはヘリコプター3機の運用能力があるとはいえ、飛行甲板に展開できるのは2機、しかもその内1機はローターを回す事が出来ないのが現実でした
・ さらに「ヘリコプター」を格納庫に搭載した際にはローターを展開した状態での整備ができず、運用上の不都合を抱えていました
●これたの点を踏まえ、「護衛艦 はるな型」「護衛艦 しらね型」の次世代となる「ヘリコプター搭載護衛艦」にはヘリコプター3機の同時運用能力を備えることとし、広い全通甲板を備え、艦橋構造物も航行中のヘリコプター運用を考慮してオフセット配置した「空母」型の護衛艦構想が進められます
●このような経緯を経て、次代の「ヘリコプター搭載護衛艦 18DDH」の構想が固まり、2006年に「13,500トン型 ヘリコプター搭載護衛艦 2319号艦」として起工、2007年の進水式において「DDH-181 ひゅうが」と命名されました
●一見すると「航空母艦」と呼ばれても違和感のない、「全通甲板」に「アイランド型艦橋」を装備した「護衛艦 ひゅうが型」ですが、このスタイルは事前に要求されていたヘリコプター運用能力を満たすための当然の帰結であるといえます
●「護衛艦 ひゅうが型」は総排水量19,000トン、全長が200m近い艦容を持ち、最大でヘリコプター10機の運用能力を有しますが、近隣諸国の軍拡競争に配慮し、通常時の搭載機数は3機に抑えられています
●また近年の各国における装備のトレンドにならい、船体にはステルス化が施されています
・ 「護衛艦 ひゅうが型」には、平面を除く全ての面に傾斜が付けられ、ボートコンテナの外側にもレーダー波の反射板が取り付けられるほどの徹底ぶり、さらに護衛艦では初となる四角錘型マストが装備され、レーダー波反射の減少に努めています
●「護衛艦 ひゅうが型」では中口径以上の砲熕兵装が全廃されていますが、新装備である艦橋に装備されたイージス艦の「SPIレーダー」に似た「FCS-3 射撃指揮装置3型」による数百キロに及ぶ探知能力と、VLSに搭載された「ESSM」艦対空ミサイルによる50キロ余りの迎撃範囲、そして光学センサーを装備した新型の「ブロック 1B バルカンファランクス」との連携により個艦の防空能力はハイレベルなものを有します
●また、新型の「HOS-3」短魚雷発射管を隠蔽式に装備し、更には至近距離の近接攻撃用に「12.7mm機関銃」も装備可能で、多様な任務に対応可能な装備を有します
●「護衛艦 ひゅうが」の甲板では、哨戒ヘリコプター3機が「同時に」発着艦が可能、さらに輸送用ヘリなどの発着スポットも1つ備えています
・ 「護衛艦 ひゅうが」には格納庫と甲板上を合わせて最大11機のヘリコプターを搭載可能であり、装備の予定は有りませんが「VTOL機」の運用に耐える装備が成されており、今後の国際情勢如何では本物の「航空母艦」と成り得るだけの資質を備えています
●「護衛艦 ひゅうが」の定員は510名、海上自衛隊の護衛艦として初めての女性自衛官17名を含む360名の乗員に加え、150名の司令部要員等を含めた510名を収容することが可能、各機関の合同の指揮運営が可能な多目的室が装備され、艦隊旗艦として運用されるだけでなく、災害派遣等の任務でも高い能力が発揮できるように設計されています
●ネームシップとなる 「DDH-181 ひゅうが」は、アイ・エイチ・アイ・マリンユナイテッド横浜工場で2006(平成18)年5月11日に起工、2007(平成19)年8月23日進水、2010(平成22)年3月18日に竣工し、2012(平成24)年の時点では、横須賀基地を母港とし「第1護衛隊群 第1護衛隊」に所属しています
●国際情勢が大きなうねりを見せ、島嶼間防衛の強化が叫ばれる中、「護衛艦 ひゅうが型」の持つ重要性は今後ますます大きくなって行く事でしょう【 「ヘリコプター搭載護衛艦 ひゅうが」のキット内容について 】
●この海上自衛隊「ひゅうが型護衛艦」のネームシップ、「DDH-181 ひゅうが」を再現した組立てキット
●2012年時点で、海上自衛隊最大の排水量19,000トンと200m近い全長を持つ船体に複数機のヘリコプターを同時運用できる広大な全通甲板を装備、船体の右舷側に寄せられた艦橋構造物と相まって「空母」を想像させる艦容を再現
●艦形にはステルス性が採り入れ、平面を除く全ての面に傾斜が付けられ、マストも箱型となった「DDH-181 ひゅうが」の2009(平成21)年竣工時の姿をウォーターラインモデルで再現した内容となっています
●「DDH-181 ひゅうが」は、船体と艦上構造物、搭載機体及び装備品のパーツで構成されています
・ 船体部は左右分割のパーツで構成され、エンクローズド型の艦首に装備された前方にせり出すアンカー収容部と艦尾の壁面が別パーツ化され、喫水線部分までが再現されています
・ 舷側のシャッター部は開口され、鋼板の継ぎ目やダクトのルーバー等が繊細なモールドで再現されています
・ 艦内部には全通式のヘリ格納甲板が納められており、壁面の造作や隔壁、床板まで非常に緻密なモールドが施されています
・ ヘリ格納甲板の床板は、エレベーター部分が別パーツ化され、通常の床面と下げられたエレベーター甲板の2種類がセットされています
・ ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属しています
・ モデルに重量感と安定性を与える金属性バラストが付属しています
●上甲板は全通式の1枚板で構成され、前後のエレベーター部分が分割されています
・ 甲板全体にある歩行帯は繊細な凸モールドで再現、ガイド無しでの塗装を容易にしており、単調となりがちな1/700スケール艦艇に情報量を盛り込む工夫が施されています
●上甲板上の構築物となる煙突と一体化された「艦橋部」「マスト」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「DDH-181 ひゅうが」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●船体
・ 箱状に構成された「ヘリ格納甲板」を中心に艦艇と前後左右に分割された船体、全通甲板を組み合わせて構成されます
・ 全通甲板は通常のグレー成型に加え、クリア成型のものがオプションで付属、作り込んだ「ヘリ格納甲板」内部をスケルトン式に組み立てる事も可能です
・ 舷側にはシャッター部分が開口されている他、同社1/350「アイアンクラッド」シリーズで培われた鋼板継ぎ目やルーバーなどのモールド技術が惜しみなく注ぎ込まれ、大柄で単調になりがちな「空母型」船体に豊かな表情を与えています
・ シャッター部分は「オープン」「クローズ」が選択可能で、内部の艤装も怠り無く施されています
●艦橋部
・ 「空母」の「アイランド」を想起させる煙突と一体化された艦橋部は、左右の大型パーツを基本に前後及び上面のパーツを張り合わせる形で構成
・ ステルス性確保ため、それぞれの面に傾斜が付けられた艦橋部は、無理のないパーツ分割により、起伏に富んだ外形と表面に施された仔細なモールディングを両立させています
・ スポンソンやブルワークは別パーツ化され、縁は薄めに成型されています
・ 煙突排煙部は本体と排気口が一体で整形され、実艦の塗装変更部分で分割されている為、塗装が容易になっています
・ 「ひゅうが型」で初搭載となるイージス艦の「SPI レーダー」に似た「FCS-3」は大小両方共に艦橋部にあらかじめモールドされており、表面の軽い球面も再現されています
・ 艦橋に搭載される「衛星通信アンテナ」「レーダー」「サーチライト」「双眼鏡」「ホイップアンテナ」「旗箱」等が別パーツで用意され、これらを組み付けた上、別組の「マスト」を組み合わせる形になっています
・ ブリッジの窓、ダクトのルーバー、リブ、水密扉などのディテールがモールドで再現されています
●メインマスト
・ メインマストはトラスのない四角錐型の箱組形状、マスト基部は艦橋部と一体になっています
・ マストは頂部のタカンと一体成型されており、これに各スポンソン部とレーダー、アンテナ、ESMなどを組み合わせる形になっています
●バルカンファランクス ×2
・ 一体成型ながら本体とサポートの間がくり抜かれている等、高い精密感で再現、レドーム左側に「光学センサ-」を持つ「ブロック1B」と呼ばれる対水上射撃も可能な最新型が再現されています
・ 艦首右舷側と艦尾左舷に設けられたスポンソンに装備されます
●航海灯用マスト ×1
・ 艦首右舷側に設けられ、3脚型を2パーツで構成
●給油ポスト ×1
・ 背の低い3脚型ポストを2パーツで構成、ホースが別パーツ化され艦橋の直前に装備され、その前方にはホースの絡みを防ぐ「ハイラインポスト」が装備されています
●搭載艇 ×3
・ タイプや大きさの違う搭載艇が3種、各1隻ずつ搭載され、舷側のシャッター内部に格納、後部両舷のボート格納庫にはゲート状のボートダビットが付属します
●TYPE 2-31 射撃指揮装置 ×2
・ 1基を艦橋上部に、もう1基を第2煙突後方に装備します
●チャフ発射機 ×4
・ メインマスト脇のブルワークに各舷2基ずつ装備されます
●膨張式ボートコンテナ ×16
・ 左舷側前方及び後方のスポンソンに8基ずつ分散して配置、縦に1基ずつ連なる形で装備され、外部にはレーダー投影面積の低減に考慮した6角形の板が取り付けられています
●艦首及び艦尾旗竿
など、となっています
●「護衛艦 ひゅうが」の搭載機として
・ 「SH-60K 哨戒ヘリコプター」 ×3
・ 「MH-53E シードラゴン 大型輸送ヘリコプター」 ×1
・ 「MCH-101 マーリン」 ×1
を再現したパーツが付属
●このヘリコプターほか、「護衛艦 ひゅうが」の甲板を飾るアクセサリーパーツとして
・ クレーン車 ×1
・ 作業車 ×2
・ 牽引車・消化車 ×各4
が、付属しています
●デカールは「DDH-181 ひゅうが」の1隻分が付属
・ 艦名、ハルナンバー、ヘリ甲板着艦位置表示、エレベーター位置表示、ハッチ位置表示、搭載ヘリコプター用国籍マーク等をデカールで再現
・ 艦尾旗竿に取り付ける「海軍旗」「日章旗」のデカールも付属、風ではためいた状態がセットされています
●「DDH-181 ひゅうが」の船体サイズ
・ 全長 : 約281mm
●2010年 完全新金型
・ 先に発売された「ヘリコプター搭載護衛艦 ひゅうが」のパーツを一部修正した内容となっています