日本海軍 重巡洋艦 筑摩 レイテ 1944年10月
「日本海軍 重巡洋艦 筑摩 レイテ 1944年10月 (プラモデル) (フジミ 1/700 特シリーズ No.040 )」です
●「日本海軍重巡洋艦 筑摩」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●帝国海軍の「利根型 重巡洋艦 筑摩」を再現したキットで、1944年10月の「レイテ沖海戦」時の姿が再現されています
●主砲を前部に集中し、後部に多くの水上機を搭載したユニークなシルエット、また小型ながら精悍な顔付きの艦橋部分など、帝国海軍の粋を集めたフォルムが再現された内容となっています
【 日本海軍 重巡洋艦 筑摩 について 】
●帝国海軍は洋上の航空戦力の創成期において、航空機が偵察用、あるいは攻撃用の兵器として利用が可能と判断すると積極的に戦力化を進めました
・ これは、列強と比べて主力艦の戦力が劣勢で、航空機により少しでも有利に戦いを進められると考えられたためです
●特に航空機が固定脚の時期(大戦間の時期)では、通常の航空機(艦上機)とフロート付きの航空機(水上機)との性能の差が少なく、水上機の活用が有効とされていました
●1930年のロンドン軍縮会議にて巡洋艦を含む補助艦艇の総排水量トン数の制限が定められると、重巡洋艦は建造中の「高雄型」をもって条約の制限を満たすこととなったため、やむなく軽巡洋艦の枠内を使用することで、従来の単装砲を中心とした艦艇と異なる新型の軽巡洋艦の設計が行なわれることになります
●この条約の制限をくぐりぬける新型艦として設計されたのが「最上型」4隻と「利根型」(「利根」、「筑摩」)2隻の大型軽巡洋艦です
●帝国海軍は将来的な条約脱退を考慮し、両艦共に主砲は重巡洋艦の定義でもある「20cm砲」の換装が可能なように設計されており、「最上型」は一旦軽巡洋艦として完成するも、条約脱退後は直ちに「20cm砲」への換装が行なわれました
●一方「利根型」は、「最上型」よりも後に竣工したため、最初から「20cm砲」を搭載した重巡洋艦として誕生しています
●「利根」型の特徴は、主砲を艦の前部に集中し後部に広く航空作業甲板を持ったことで、これにより水上機の搭載機数は6機となり、大きな索敵能力を持つこととなりました
●また、主砲と航空機作業甲板とが離れることにより、主砲発砲時のブラスト(発砲炎)における搭載航空機の影響を受け難く、主砲の集中配置により主砲弾の弾薬庫の装甲強化が効率的に進められました
●このような設計思想の下、「重巡洋艦 利根」は1937年11月、同型艦の「筑摩」は1938年5月に竣工しています
●「重巡洋艦 筑摩」は、僚艦「利根」と行動を共にし、太平洋戦争開戦時から戦いの主力の空母機動部隊に配備され、「真珠湾奇襲攻撃」「インド洋沖海戦」「ミッドウェー海戦」「南太平洋海戦」などの主要な海戦に参加、その索敵能力により艦隊の目となる活躍を見せます
●ただし、アメリカ軍が十分な量の空母部隊を編成し、その艦上機が空を跳梁跋扈し始めると、水上機での索敵行動は徐々にままならなくなります
●また、水上機の運用は波の影響を受け易く、収容にも時間が必要(しかも収容時には艦が転舵できない)で、艦上機の性能が上がるにつれ鈍足の水上機の存在意義が問われるようになり、「マリアナ沖海戦」時頃からはそれが顕著となりました
●そのため、続く「レイテ沖海戦」においては重巡洋艦としての砲火力の方が期待され、砲戦の主力部隊である「栗田艦隊」に配備されることとなります
●レイテ沖海戦における「栗田艦隊」は、途中で空襲により戦艦「武蔵」を失いますが、そのまま敵方に突き進み、護衛空母を中心にしたアメリカ軍の機動部隊に遭遇し、交戦が開始されます
●この戦いは「サマール沖海戦」と呼ばれ、「筑摩」は先陣を切って敵艦隊に突入してアメリカの駆逐艦「ヒーアマン」を撃破しますが、その空母群から発進した航空機の攻撃により「筑摩」の機関部に魚雷が命中、航行不能となります
●艦隊に追従することが出来なくなった「筑摩」は、味方の駆逐艦の魚雷によって処分され、栄光の歴史に幕を降ろしました
【 日本海軍重巡洋艦 筑摩 レイテ 1944年10月 (フジミ 1/700 特シリーズ No.040) プラモデルの内容 】
●この帝国海軍「利根型 重巡洋艦 筑摩」を再現したプラスチック組立てキットです
●シャープなモールドにより「筑摩」を再現、パーツ分割やモールドにより実艦のディテールが可能な限り表現され、非常に密度感の高い姿を楽しむことができます
●艦体喫水線までが再現されたウォーターラインモデルです
●「重巡洋艦 筑摩」は対空兵装の増強等が繰り返されており、本キットでは1944年後半の姿(レイテ沖海戦時)を再現しています
●「筑摩」は、上甲板及び船体部の上下分割のパーツで構成されています
・ 船体部は一体成型のパーツで構成され、舷側の舷窓、舷外電路、フェアリーダーなどがの細部が再現
・ 船体部の魚雷発射管口は開口処理済み
・ 船体部には高角砲の台座基部が一体成型されています
・ ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属、オモリとなるバラストも付属しています
●上甲板は船橋楼甲板部、シェルター甲板、航空機作業甲板で分割されています
・ 甲板上には、主砲塔台座、リノリウム押さえ、滑り止め、航空機運搬用レールの基本躯体の他、リール、ボラード、昇降口、天窓、通風筒などの細かなディテールが再現されています
●上甲板上の構築物となる「艦橋部」「主砲部」「高角砲部」「カタパルト部」「煙突部」「後部構造物」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「筑摩」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋は5層で構成され、トップには測距儀、射撃指揮所が別パーツにて再現
・ 羅針艦橋の窓はクリアーパーツとなっており、枠のモールドが彫刻されています
・ 艦橋前部の舷窓などもスライド式金型によりシャープに再現
・ 艦橋の上下部には遮風装置がモールドされています
・ 艦橋側面の階段、前檣楼支柱などもパーツ化しています
・ 艦橋部分を構成する、94式高射装置、探照灯、方位測定器、25mm連装機銃などがパーツ化されています
●メインマスト
・ メインマストは三脚檣型、トップは1本の単檣となっています
・ マスト中央の方位測定室が一体成型され、側面の窓も表現されています
・ マスト上に設置された「21号電探」「22号電探」は別パーツにて再現
● 煙突
・ 本体部分は左右分割式で、煙突トップ部は別パーツ化、雨水カバー部シャープなモールドで開口処理され、煙突内部の整流板も再現しています
・ 前側面の小煙突は別パーツとなっています
●後檣
・ 後檣は三脚檣型、トップは1本の単檣となっています
・ マスト部に存在する煙観測所などが再現、側面の窓も表現されています
・ マスト上に設置された「13号電探」は別パーツにて再現されています
・ マスト上の梯子もモールドで再現
●探照灯台座、及び探照灯
・ 台座部分は細かなモールドで、トラス構造を精密な彫刻で再現しています
・ 「110cm 探照灯」×6、「60cm 探照灯」×4が付属、クリアパーツで再現されています
●カタパルト「呉式2号5型射出機」 ×2
・ カタパルトは一体成型のパーツで再現、スライド式金型により射出機上部のディテールも再現されています
・ カタパルトのトラス部分は精密な彫刻を施したパーツで再現されています
●後部構造物
・ 艦載機の予備フロート収納台、予備翼収納庫がパーツ化、装備するフロート、予備翼のパーツが用意されています
●主砲塔部「50口径3年式2号 20cm砲」 ×4
・ 砲塔は上下分割式、砲身部分は1本づつに分割されています
・ 砲身部分には防水カバーが表現されています
・ 測距儀は別パーツとなっています
・ 2番主砲塔に存在する空中線支柱がパーツ化
●高角砲「40口径89式12.7cm連装高角砲」 ×4
・ 高角砲はシールド部分と砲身本体との分割式で、砲身部分は連装式に一体成型され、砲架部が別パーツで再現
・ 砲身の角度は自由に決められます
・ 円形の高角砲台座がパーツ化
・ 高角砲横に付けられる射界限度を示す構造物もパーツ化されています
●対空機銃
・ 25mm 3連装機銃 ×10
・ 25mm 連装機銃 ×2
・ 25mm 単装機銃 ×21(台座付)
●対空機銃座として
・ 煙突部3連装機銃用2基用台座 ×1
・ 後部構造物3連装機銃2基用台座 ×1
・ 後部構造物連装機銃2基用台座 ×1
・ 対空兵装を強化した際に設置された「艦橋前側面機銃台座(×2)」「後部機銃台座(×2)」
●パラベーン ×4
●内火艇、カッター及びボートダビッド
・ 11m内火艇 ×2
・ 12m内火ランチ ×2
・ 9mカッター ×4
・ 6mカッター ×1
●その他の艤装を再現したパーツとして
・ 艦首、艦尾旗竿
・ 錨、副錨
・ 応急舵
・ 菊花紋章
・ 係船桁
・ 舷門
などがセットされています
●艦載機として
零式水上偵察機 ×4
が付属、クリアパーツで再現されています
●艦尾の軍艦旗(直線タイプと、なびいているタイプの2種)、艦載機の日の丸マーク、識別帯、偏流測定線を再現したデカールが付属しています
●2010年 重巡洋艦 利根型 第2弾