ドイツ計画戦車 VK4502 (P) V
「ドイツ計画戦車 VK4502 (P) V (プラモデル) (ホビーボス 1/35 ファイティングビークル シリーズ No.82444 )」です
●「ドイツ計画戦車 VK4502 (P) V」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●第2次世界大戦時におけるドイツ軍の計画戦車である「VK.45.02(P)V」を再現した内容となっています
●「キングタイガー」の始祖となり、「VK.45.01(P)」いわゆる「ポルシェ・タイガー」の車体をベースに傾斜装甲と、「キングタイガー」の「ポルシェ砲塔」を搭載した姿はドイツ戦車のコレクションの中でも異彩を放つでしょう
・ 同車は、ペーパープランの段階で計画が中止され、実際には試作も行なわれていません
●第2次大戦時の戦車メーカーである「ポルシェ」社は1940年頃から重戦車の開発を行なっていましたが、1941年5月26日、ヒトラーも含めた会議により重戦車「タイガー1」に関しての性能要求が指示され、同社はその試作車である「VK.45.01(P)」を完成、「ヘンシェル」社の試作車輌「VK.45.01(H)」と「タイガー1」としての制式採用を競うこととなります
●一方、この5月26日の会議では、より高い貫通能力を持つ長砲身の「88mm砲」を搭載する車輌の開発も指示されており、「ポルシェ」社はこれにも応じ、「VK.45.01(P)」をベースに開発が進められ「VK.45.02(P)」の名称を与えられました
●同車は「VK.45.01(P)」の駆動系を踏襲、ガソリンエンジンにより発電を行い、その電力でモーターを駆動させる方式が採られており、これは大重量車輌に対応できるトランスミッションの開発技術が当時はまだ確立しておらず、それに対処するための方法でした
●車体は2種類の案が考えられており、従来通りに戦闘室を中央部に置いた「VK.45.02(P)V」と、エンジン関係を中央部に、そして戦闘室を後部に配置した「VK.45.02(P)H」とが検討されました
●しかし、元となった「VK.45.01(P)」は、複雑な仕組みの駆動系がアダとなり不採用が決定され、同様なシステムを持つ「VK.45.02(P)」も試作を待たずに計画半ばでキャンセルされました
●ただし、その開発計画は後の「キングタイガー」の参考とされ、先行量産されていた砲塔(50両分)は、その「キングタイガー」に搭載されることとなります
●この「VK.45.02(P)V型」を再現したプラスチックモデル組立キットです
●キットは、各溶接跡や装甲板の切断面などが表現され、いかにもドイツ戦車らしい雰囲気が演出されています
●また、砲塔内部の再現度はかなり密度が濃く、ハッチを開状態にして内部構造を見せたり、カットモデルとして演出したりするのも面白いでしょう
●砲身は左右分割式です
・ マズルブレーキは3分割式で、内部構造が再現されています
・ 砲身は上下可動式です
●砲塔は上下分割式です
・ 砲塔側面及び後部ハッチのピストルポートの装甲栓は別パーツとなっています
・ 装填手ハッチ、及び後部のエスケープハッチは裏側のディテールが再現され、開閉状態が選択できます
・ 側面の車長用の連絡ハッチと、上部の排莢ハッチは別パーツです
●車長キューポラは砲塔とは別パーツとなっており、外側部分と内側部分との2分割式です
・ 外側部分のパーツにはペリスコープが一体成型され、これに装甲カバーを取り付ける構成となっています
・ 車長ハッチは開閉状態が選択可能です
●砲塔内部は、砲尾、砲架、照準器、同軸機銃、砲塔弾薬架、乗員座席などを始め、車内消火器などの各種装備品に渡って詳細に再現されて
います
・ 各面の内壁を砲塔パーツに取り付ける構造となっており、実車通りの装甲厚と内部構造を再現しています
・ 砲塔下の砲塔バスケットも再現、砲塔旋回装置なども表現されています
●車体上部は一体成型で、溶接跡や装甲の切断面の荒れも表現されています
・ 操縦手用の視察口と、前方機銃のマウント部分は別パーツとなっています
・ エンジングリル部のメッシュを再現するエッチングパーツが付属
・ 牽引ワイヤーは、アイの部分がプラパーツ、ワイヤー本体は付属の金属ワイヤーを使用します
●車体下部は、一体成型されたバスタブ式となっています
・ 2組の転輪が接続される各サスペンションユニットは5パーツで構成
・ 履帯は1枚ずつが分割された接着連結式が付属しています(履帯はエレファント用のタイプとなっています)
●アクセサリーパーツとして砲弾18個が付属
●エンジングリルのメッシュを再現するエッチングパーツが付属しています
●マーキングは、1種類の塗装例(ジャーマングレー単色塗装)が説明書に記載されており、国籍マーク、車体番号を再現したデカールが付属しています
●2011年 完全新金型
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●ワンポイント
・ この戦車は計画戦車であり、実際には概念図程度しか存在せず、工具類などの装備品の配置は架空のものですから、配置を変更してみたり、試作車輌らしく取り付けないのも面白いでしょう
・ また、塗装例も架空のものですから、実戦配備されたような迷彩塗装や車体番号などのマーキングを施しても趣ある作例になると思います