海上自衛隊 護衛艦 DD-183 ありあけ (初代) (細密化用エッチングパーツ付属)
「海上自衛隊 護衛艦 DD-183 ありあけ (初代) (細密化用エッチングパーツ付属) (プラモデル) (ピットロード 1/700 スカイウェーブ J シリーズ No.SPJ-001 )」です
●1959(昭和36)年にアメリカより貸与され再就役した「フレッチャー級駆逐艦 DD-663 ヘイウッド・L・エドワーズ」の後身、海上自衛隊護衛艦「DD-183 ありあけ (初代)」を1/700スケールで再現したプラスチックモデル組み立てキット
●アメリカの戦時型駆逐艦「フレッチャー級」の「後期型」に大きな改修を加える事なく運用された「DD-183 ありあけ (初代)」の姿をウォーターラインモデルで再現した内容となっています
●ピットロード社製「アメリカ海軍駆逐艦 DD-792 キャラハン」のキットに、海上自衛隊装備品を再現した専用ランナーとデカール、「海上自衛隊 DD-183 ありあけ(初代)用 エッチングパーツ (PE-215)」をセットしたスペシャルバージョンとなります【 「DD-183 ありあけ(初代)」について 】
●「DD-183 ありあけ (初代)」はアメリカより供与された「フレッチャー級駆逐艦 DD-663 ヘイウッド・L・エドワーズ」の後身です
●「フレッチャー級駆逐艦」は戦時型駆逐艦で、旧日本海軍「陽炎型」に対抗して設計され、計175隻もの大量生産が行われました
●戦後、その多くが余剰装備となり、アメリカの友好国への供与を待つ間「モスボール」と呼ばれる特殊な保護繭に包まれて保管されていました
●イタリア、ドイツなど第2次世界大戦の敵国にも広く供与され、わが国にも1959(昭和34)年に2隻の供与を受け、それぞれ 「DD-183 ありあけ (初代)」 「DD-184 ゆうぐれ」として再就役しました
●戦時に急造された艦艇の例に漏れず、急速に劣化する傾向があり、モスボール保管されていたにもかかわらず、初代「ありあけ」は主機の調子が思わしくなく、公試時にタービンブレードを折損、就役は1960(昭和35)年へとずれ込んでしまいます
●この際、初代「ありあけ」はトップヘビー傾向の解消のため「21インチ 5連装長魚雷発射管」と3番砲塔にあたる「5インチ 38口径単装砲 Mk.30」を撤去、これらに換えて40名収容の「実習員用講堂」が設置されます
●「実習員用講堂」の新造からもわかる通り、初代「ありあけ」には遠洋航海などの訓練任務での運用が期待されていました
●初代「ありあけ」は、横須賀地方隊への配備後、同型艦の「DD-184 ゆうぐれ」と共に「第1護衛隊」を編成、遠洋航海訓練を中心に活動し、1963(昭和38)年、同隊の解隊を持って両艦とも「練習艦隊 第2練習隊に」編入されます
●この前後に初代「ありあけ」には新装備の導入が計画され、1962(昭和37)年には、その下準備として艦橋を改修、60センチのかさ上げが実施され、1964(昭和39)年には2番砲塔の「5インチ 38口径単装砲 Mk.30」を撤去、これに換えて「Mk.108 対潜ロケット発射機」が装備されました
●1970(昭和45)年に、初代「ありあけ」は「実用実験隊」に編入され、先任の「DE-261 わかば」に代わって自衛艦用の新装備のテストベッドとなり、「しらね型」に搭載される「OQS-101 低周波ソナー」のプロトタイプ「T-101」などの開発に大いに貢献します
●この時、初代「ありあけ」は最後の大幅な改造を受け、1番砲塔にあたる「5インチ 38口径単装砲 Mk.30」を撤去、艦首部の弾薬庫、居住区なども合わせて撤去され、代わりに5.5m延長された鋭い角度とバウソナー収容部を持つ新型艦首が取り付けられて、別艦と見間違えるほどその艦容が変化しています
●1974(昭和49)年、老朽化のため除籍、アメリカに返還されましたが、その後、他の供与艦艇のように第3国で再就役することもなく解体された事からも、初代「ありあけ」が行ってきた任務のハードさをうかがい知る事ができます
●初代「ありあけ」は海上自衛隊の人材、機材に渡って貢献した功労艦であると評価することができるでしょう【 「海上自衛隊 護衛艦 DD-183 ありあけ (初代) (細密化用エッチングパーツ付属)」の製品内容について 】
●この海上自衛隊護衛艦「DD-183 ありあけ (初代)」を再現しました
●艦体喫水線までが再現されたウォーターラインモデル
●ピットロード社製「アメリカ海軍駆逐艦 DD-792 キャラハン」のキットをベースに、「ありあけ(初代)用 パーツ」と「海上自衛隊 DD-183 ありあけ(初代)用 エッチングパーツ (PE-215)」をセットしたスペシャルバージョンとなります
●「DD-183 ありあけ」は「貸与当初の公試時」「1964(昭和39)年時」の2つの状態を中心に作り分けることが出来ます
・ 「5インチ 38口径単装砲 Mk.30」「40ミリ連装機関銃」各5門を装備し、艦尾に「爆雷投下軌条」を2基、頂部に「SCレーダー」を搭載した棒マストを装備する、ほぼ「フレッチャー級駆逐艦 後期型」のままとなる貸与当初の公試時の姿
・ 「砲熕兵装」と「爆雷投下軌条」を減らし、「Mk.108 対潜ロケット発射機」と「実習員用講堂」を装備、マストを「AN/SPS-12 対空レーダー」と「AN/SPS-10 対水上レーダー」を装備するトラス型に変更した特別改装工事及び兵装改修後の1964(昭和39)年の姿
●「DD-183 ありあけ」は、「船体」「艦橋などの構造物」及び「艤装品」のパーツで構成されています
・ 船体部は一体成型のパーツで構成され、喫水線部分までが再現されています
・ アメリカ製戦時急造型駆逐艦のフラットな舷側が再現されています
・ ウォーターラインモデルに欠かせない船体下を塞ぐ平らな船底パーツが付属しています
●上甲板は船体と一体のパーツで構成されています
・ 艦橋以後の甲板全体にある歩行帯は繊細な凸モールドで再現、単調となりがちな1/700スケール艦艇に情報量を盛り込む工夫が施されています
●上甲板上の構築物となる「艦橋部」「マスト」「砲塔」「対潜ロケット砲」「魚雷発射管」「煙突部」「後部構造物」などを個別にブロック化して構成、それぞれを甲板上に取り付けて完成させます
「DD-183 ありあけ」の艦上の構造物は下記のようなパーツで構成されています
●艦橋
・ 艦橋は「公試時」と「特別改装工事後」の2種類のパーツをセット
・ 艦橋部は、箱型の下部構造物にブリッジを含む上構を組み合わせる形で再現されています
・ 公試時の艦橋部分は、基部と窓枠を含む天板に分割された構成となっています
・ 特別改装工事後の艦橋部分は、基部、ブリッジ窓部、天板に分割されたパーツ構成となっています
・ 艦橋上に装備される「Mk.37方位盤」は共用、その上に装備されるレーダーは「Mk.12」(公試時)、「Mk.25」(特別改装工事後)の2種類が付属し、それぞれ別パーツで構成されています
●マスト
・ マストは2種類付属、公試時の「単檣型」のものと、特別改装工事後の「3脚檣型」で、後者の側面はトラスが張られておりヤードとマスト頂部は別パーツとなっています
・ マスト上に設置された「SCレーダー」(公試時)、「OPS-1対空レーダー」「OPS-5対水上レーダー」(特別改装工事後)は別パーツにて再現されています
● 第1煙突・第2煙突
・ 煙突付属のプラットフォームは別パーツ化されており、ブルワークを削り取る加工が必要となります
・ 煙突側面のダクトや補助ボイラー用小煙突などがモールドされています
●探照灯台座、及び探照灯は別パーツで構成
●主砲塔部「5インチ 38口径単装砲 Mk.30」 ×5(公試時)/ ×3(兵装改装後)
・ 砲塔は基部と砲身の分割式で構成されています
・ 特別改装工事後は2番、3番砲塔が撤去され前者は「Mk.108 対潜ロケット発射機」に、後者は「Mk.57 射撃指揮装置」に変更されます
●「Mk.108対潜ロケット発射機」 ×1(兵装改装後)
・ ロケット発射機は基部と砲身とを別パーツ化して再現しています
●「40ミリ連装機関銃」 ×5(公試時)/ ×3(兵装改装後)
・ 竣工時に使用、発射機本体と専用台座が分割されており、艦橋前方に装備されます
●「爆雷投射機」 ×6(公試時)
・ 公試時に使用、本体にモールドされており、兵装改装後を再現する際は削り取る必要があります
●「短魚雷落射機」 ×2(兵装改装後)
・ 兵装改装後に使用、「爆雷投射機」のあった位置に装備されます
●「5インチ装填演習機」 ×1
・ 5インチは探照灯台座右側、3インチは第2煙突の直後の左側に装備されます
●「21インチ5連装長魚雷発射管」 ×1(公試時)
・ 第2煙突の直後に装備、後に撤去され、跡には40名収容の「実習員用講堂」が据えられます
●「MK.51 射撃指揮装置」 ×3
・ 2基を第2煙突付属プラットフォームに、もう1基を後部「40ミリ連装機関銃」のプラットフォームに装備し、装置本体とプラットフォームは別パーツで構成されています
●「Mk.57射撃指揮装置」 ×1(兵装改装後)
・ 「5インチ 38口径単装砲 Mk.30」3番砲塔撤去後に装備、プラットフォームと本体は別パーツで構成されています
●「爆雷装填台」 ×2(公試時) / ×1(兵装改装後)
・ 別パーツ化された新規パーツが付属しており、本体モールドの爆雷投下軌条を削り取って置き換える形で再現します
●26フィート内火艇、救命浮器及びボートダビッド
・ 全就役期間を通じてカッター ×2、救命浮器 ×6となります
・ 最後尾の救命浮器は脚部を短く切断する必要があります
●艦首及び艦尾旗竿
など
●「DD-183 ありあけ (初代)」付属のエッチングパーツ内容
・ 艦橋窓
・ 艦橋手摺
・ AN/SPS-12素子/フラット/レーダー
・ AN/SPS-10フラット/レーダー
・ 艦首旗竿
・ 艦尾旗竿
・ 右舷爆雷投下軌条
・ マスト
・ ファンネルキャップ ×2
・ ハッチ ×20
・ 探照灯架台
などが再現されています
・ このエッチングパーツは基本的に「特別改装工事後」への対応となっており、「公試時」では艦橋窓やマスト、レーダーなど、対応していない部分があります
・ 一部のエッチングパーツは、本来のディティールを削り取った後に交換する形で取り付けます
・ デリケートな作業となりますので必要なモールドの損傷に気をつけて作業してください
●デカールは「DD-183 ありあけ (初代)」の1隻分が付属
・ 艦首・艦尾の「日章旗」「海軍旗」、艦名、ハルナンバー、昭和44年まで採用されていた船体側面の大判の艦名表記を再現した内容となっています
●2011年 スポット生産品