Pz.Kpfw. Mk.3 749(e) バレンタイン Mk.3 w/クルー
「Pz.Kpfw. Mk.3 749(e) バレンタイン Mk.3 w/クルー (プラモデル) (ミニアート 1/35 WW2 ミリタリーミニチュア No.35100 )」です
●「Pz.Kpfw. Mk.3 749(e) バレンタイン Mk.3 w/クルー」を1/35スケールで再現したプラスチックモデル組立キット
●第2次世界大戦時におけるイギリス軍の代表的な歩兵戦車「バレンタイン」を再現したキットで、「3人用」の大型砲塔を搭載した「バレンタイン Mk.3」が表現されています
●従来の「バレンタイン Mk.1~Mk.4」までの小型砲塔型とは異なる印象を持つ「バレンタイン Mk.5」をキット化、大型の砲塔と防盾周りのデザイン変更により、よりスパルタンな印象を受けるフォルムが表現された内容となっています
●キットは、同社「バレンタイン Mk.5 歩兵戦車 (フィギュア2体・エッチングパーツ付)」のバリエーションキットで、「ドイツ アーマードカー クルー フィギュアセット (5体入)」のドイツ国防軍兵士のフィギュア3体が付属しています
●「マチルダ 歩兵戦車」と並ぶイギリス軍の「バレンタイン 歩兵戦車」は、1940年の生産開始から1944年の生産終了までの間、およそ1万輌が生産され、イギリス連邦軍やソ連軍において運用された戦車です
●「マチルダ 歩兵戦車」が戦車としては短命で終わったのに対し、「バレンタイン 歩兵戦車」は機械的信頼性の高さや、車格の僅かな大きさの違いによりロングセラーとなりました
●「バレンタイン 歩兵戦車」は、北アフリカの戦いで活躍、また多くの車両がレンドリースとしてソ連に送られ、歩兵直協の小型の戦車として歓迎されています
・ これは、ソ連軍と同じディーゼルエンジンを搭載し、足周りも堅牢で、装甲も「そこそこ」であることが評価されたようで、同様にソ連に送られた「マチルダ 歩兵戦車」は装甲スカート部(車体の構造上、取り外せない)に泥が付き易くて散々に酷評されているのと好対照です
●イギリス陸軍参謀本部による「巡航戦車」「歩兵戦車」のカテゴリー分けに対し、ヴィッカース社は既にイギリス陸軍に採用されていた「巡航戦車 Mk.1(A9)」の装甲を強化した「A10」を開発、「歩兵戦車」の部門における大型歩兵戦車の座を獲得しようとしますが、「A10」は「歩兵戦車 Mk.2 マチルダ(A12)」との採用競争に敗れてしまいます
●ところが、1939年、ヨーロッパ内で開戦の緊張が高まるにつれ、戦車の数を充足させることが急務であったイギリス陸軍は、生産に時間のかかる「マチルダ 歩兵戦車」の穴を埋めるために、この「A10」の復活採用を決定、「歩兵戦車 Mk.3 バレンタイン」と命名された戦車の誕生へと至ります
●「A9」から「A10」、そして「バレンタイン 歩兵戦車」まで、ほぼ同一の車体をベースに開発を続けてきたため、走行装置などの機械的信頼性は高く、1940年の生産開始後、翌1941年には実戦部隊へと「バレンタイン」の配備が行われました
●当初「バレンタイン」は、車格の小ささから当初は車長が装填手を兼ねる方式の小型の「2人用砲塔」が使用されていました
●しかし、この「2人用砲塔」は実戦での運用上支障が発生したため、「バレンタイン Mk.3」からは大型化した「3人用砲塔」が採用されることになります
・ 「バレンタイン Mk.3」のエンジンをディーゼルエンジンへと換装したのが「バレンタイン Mk.5」です
●これにより、戦車としての能力が十分に発揮されますが、大戦での火力と装甲の発達により装備する「2ポンド砲」は非力さが目立つようになり、「バレンタイン Mk.8」からは同じ砲塔に「6ポンド砲」を装備、砲が大きくなったためにスペースに余裕がなくなり、砲塔内の人員は2人に戻されることになってしまいます
●ドイツ軍は、北アフリカ戦線で「バレンタイン Mk.3」を捕獲し、「Pz.Kpfw. Mk.3 749(e)」として制式化、少数が使用されています
●この「バレンタイン Mk.3」を再現したプラスチックモデル組立てキットです
●キットは、イギリス戦車の持つ細かな作りを細分化されたパーツ構成で再現、モールドもシャープな彫刻となっており、「バレンタイン Mk.3」が持つその独特な雰囲気が表現されています
●「バレンタイン Mk.3」の2ポンド砲砲身は一体成型となっており、スライド式金型により砲口が開口処理されています
・ 砲塔内部の砲尾や砲架、ベサ機銃本体も再現されています
・ 砲身部は上下に可動させることができます
●砲塔は、「2ポンド砲」搭載の「3人用」大型砲塔が再現されています
・ 砲塔部は左右分割のパーツで構成、天板は別パーツにて再現されています
・ 砲塔天板の円形の車長キューポラは別パーツで再現、ハッチも別パーツとなっており、開閉状態を選択して組立てることができます
・ 砲塔部は完成後も旋回させることが可能です
・ 砲塔内部に設置されている「無線機」を再現、ピストルポート内側のディテールもパーツ化されていますので、車長ハッチを開けて、内部の構造を楽しむこともできます
・ 砲塔上の対空用の「ブレン機銃」及び「機銃架」を再現したパーツが付属
●車体は、大きく分けてサスペンションを含めた「車体下部ブロック」「上部装甲ブロック」「砲塔ブロック」の3ブロック構成、それぞれのブロックを組立てた後、連結して「バレンタイン Mk.3」を完成させます
●車体は細分化されたパーツで構成されており、車体上のリベット跡やフェンダーの凹凸などのデティールは繊細な彫刻で再現されています
●車体上面の装甲板は、フェンダー部を含めた一体成型のパーツで再現、ドライバーハッチ、ターレットリングやエンジン点検ハッチ、ラジエターハッチ、マフラーなどは別パーツ化されています
・ フェンダーの前後端は別パーツ化されています
・ ラジエターハッチは2枚扉の両方に取っ手がついたタイプを再現
・ フェンダー上に設置されている各種収納ボックスは独立したブロック構成、工具箱や予備キャタピラを再現したパーツも付属しています
・ ペリスコープ、消火器、ハンマー、スコップやバールだけでなくヘッドライトやバックミラーなどのOVM類は繊細なパーツで再現されています
●車体内部の運転席部分が再現
・ シート、各種レバー類、フットペダルに加え、メーターパネルなども再現されています
●車体下部のパーツは一体成型のパーツで再現、前面及び後面の装甲板は別パーツ化して再現しています
●「ヴィッカース スローモーション式」の懸架装置はダンパー、アーム部をそれぞれ別パーツ化して再現、3個の転輪を取り付けて走行輪を完成させます
・ 機動輪・誘導輪部もそれぞれ独立したブロック構成となっており、車体下部のパーツに機動輪部、誘導輪部を取り付ける形となっています
●履帯は1枚ずつが分割されたプラパーツの接着連結組立式となっています
●フェンダーステー、マフラーカバー取付金具、予備キャタピラ用のステー、蝶ネジ、工具箱設置金具などを再現したエッチングパーツが付属しています
●同社「ドイツ アーマードカー クルー フィギュアセット (5体入)」のアフリカ戦線におけるドイツ国防軍兵士のフィギュア3体が付属しています
●マーキングは、3種類の塗装例が説明書に記載されています
・ ドイツ第10戦車師団 第7戦車連隊(リビア / 1942年)
・ ソ連第3ウクライナ戦線(東部戦線 / 1943年)
・ イギリス第23機甲旅団 第50王立戦車連隊A中隊(リビア / 1942年)
●説明書の塗装例に基づく、国籍マーク、部隊記号、車両番号などを再現したデカールが付属しています
●2011年 既存アイテム合併 バリエーションキット
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豆知識
●「バレンタイン戦車」はイギリス戦車の特徴として細部が変わるだけで「Mk.~」が変化してしまうということで、形式が分かり難くなっているので、ここで整理しておきましょう
●「バレンタイン戦車」は大きく分けて4タイプとなります
・ 2ポンド砲装備で2人用砲塔 (Mk.1 Mk.2 Mk.4)
・ 2ポンド砲装備で3人用砲塔 (Mk.3 Mk.5)
・ 6ポンド砲装備で2人用砲塔 (Mk.8 Mk.9 Mk.10)
・ 75mm砲装備で2人用砲塔 (Mk.11)
●Mk.6 Mk.7はカナダ生産型で、Mk.10以降はほとんどイギリス軍には使用されずにソ連に供与されたようです